冬の八ヶ岳・蓼科山へ雪山登山に行ってきました。
時期は3月でしたが、前日までの降雪のおかげで序盤から美しい雪景色!特に青空の下で輝く霧氷・樹氷がとても綺麗でした。
山頂は広く展望も抜群で、雲海の果てに広がる南アルプスや八ヶ岳が良き眺め。
後半はひたすら急登が続きますが、危険箇所はほとんどなく、冬の時期でも日帰りで登ることが可能です。
やってきました八ヶ岳。
八ヶ岳といえば通年で営業している山小屋もたくさんあって、冬の雪山登山としても非常に人気の高いフィールド。
自分も大抵の山は冬と夏の両方で登っていますが、今回の蓼科山だけは冬の時期に訪れたことがありませんでした。
冬の蓼科山といえば樹氷と聞いていたけど、なるほど、確かに素晴らしかったです。
2022年3月20日 北八ヶ岳・蓼科山 雪山登山
冬の蓼科山の登山ルートはほぼ一択で、女乃神茶屋からの往復。
冬季は残念ながらバスが運行していないので、基本的にはマイカーかタクシーでのアクセスになります。
スタート地点となる女乃神茶屋(蓼科山登山口)。
早朝4時入りしておいたのが幸い、5時の時点ですでに満車となりました。その後、路駐が果てしないところまで続くことになったのは、下山後に見た光景。
冬の蓼科山の人気っぷり、本当にすごかったわ……
夏の蓼科山は何度か登っていますが、ここから登るのは今回が初めてです。
駐車場脇には綺麗なトイレもありました。
明るくなってきた5時40分に登山開始。6時前でヘッデン不要、3月ともなれば陽が長くなってきたのをひしひしと感じます。
前日までの降雪はなかなかのものだったようで、前を行く人は時折足がズボっと埋まったりもしてました。
そうです、まさきです。どうぞよろしく。
この夜明けを迎える空の色がとても好き。
目指す山頂はまだ遥か先ですが、八ヶ岳の森は序盤から楽しませてくれる。
見上げてみれば、一面の霧氷風景!
明るくなって最初に飛び込んできた景色がこれなもんだから、もう気分は高揚しっぱなし。
凛と冷えた静かな森、久しぶりに山で迎える朝が心地よかったです。
蓼科山の登山道はわかりやすい1本道。
山頂までほぼストレートに伸びているので、早々に急登が始まり、これが山頂までひたすら続きます。
急斜面なので軽アイゼンやチェーンスパイクだと心許ないかも。急登に差し掛かるタイミングで12本アイゼン履きました。
そういえば、これが今シーズン初の12本アイゼン。
ここ数年は雪山登山の回数も減少傾向で、冬靴にアイゼンをプラスした重さは脚に堪えます。
そんな貧弱っぷりでも、景色がそれを忘れさせてくれる。
見上げてみればこの景色。
青空の下で輝く霧氷がとてつもなく綺麗!
後ろを振り返れば南アルプスの3000m級の山々。
肉眼では麓の森全体が真っ白になっているのが見えて、それがまた綺麗でした。
ある程度登ると、一旦道は平坦に。
そして、ここでようやく山頂が見える。
かなり登ったはずなのに、まだだいぶ遠い。
本当の急登はこの先になります。
幸徳平に到着。
急登前の息抜きポイント。ここで軽く休憩してから臨みましょう。
ここから山頂までが勝負どころ。
アイゼンの前爪がないと心細いほどの急な斜面に突入します。
一気に心拍数があがって太ももパンパン。
登ってきた道を振り返ってみて、その道がいかに急かを思い知らされます。
見上げれば、霧氷という名の真っ白い毛細血管。
ひたすら急斜面を登っていく。
細かい技術云々は関係なく、冬の蓼科山は完全な体力勝負。
眩しいくらいに輝く霧氷が最高の癒しです。
高度をあげるにつれて背後の展望も開けています。
左奥に見えてきたのが八ヶ岳南部の山々。
ストレートに伸びる1本道。ピッケルがあってもいいくらいの斜度です。
ここでヒップソリでもしようものなら、瞬く間にボブスレーと化すでしょうね。
それでもいよいよ森林限界というところで見えてきたのがこの景色。
枯れ木の樹氷風景。
冬の蓼科山といえばこのイメージが自分の中では強くて、「あぁ、やっと見れた」という感じでした。
樹氷のアーチをくぐっていく。
青空と合わせて素晴らしい景色!まさにこれが見たかったんだ。
背後にはいつの間にか湧き出てきた雲が雲海を作り出していました。
その果てに見えるのが南アルプスと中央アルプス、右奥には御嶽山。
こちらも素晴らしき景色だけど、あの雲が湧き上がる前に山頂に辿り着きたいところ。
樹林帯ももう間も無く終わり。
山頂直下の岩場エリアが見えてきた。
樹氷を眺めつつの、迫り来る雲海とのデットヒート。
岩場エリアに出る。
この日、天気こそいいものの山頂付近は強風予報が出ていたので心配してましたが、意外と風がなかったのが一安心。
日焼け止めを塗り忘れていたのだけが反省点。
雲海という、文字通りの雲の海。
波のように沸き立つ雲の奥に聳える八ヶ岳と南アルプスが幻想的な風景でした。
沸き立つ雲が神々しい
蓼科山頂ヒュッテに到着。
山小屋の屋根まで埋まる積雪量。2022年は全国的に雪が多いシーズンでしたが、八ヶ岳も例外ではなく、ここ数年では稀に見る積雪量だったのではないでしょうか。
山頂ヒュッテから頂上まではすぐ。
ガスが出始めたけど、なんとか間に合いそう。
朝の8時30分に蓼科山の山頂に到着。
登山口からここまでだいたい3時間ほどの行程でしたが、その大半が急登だったので結構疲れた……
蓼科山の特徴といえば、この広大な山頂。
野球ぐらいならできそうな広さがあります。
夏場は岩がゴロゴロしている場所ですが、冬は一面雪原風景!
どうにかガスる前に到着。
南八ヶ岳や南アルプスも再び顔を出してくれて、しっかりとその姿を望むことができました。
西の方角、はるか奥に見えるのは中央アルプス、右奥は御嶽山。
南側は波打つように流れる雲海風景。
沸き立つ雲をバックに登ってくる登山者。
自然に挑む果敢な姿がカッコいいぜ。
こことは反対側にも展望台があるので、そちらへ行ってみることに。
広大な雪原を突っ切っていきます。
山頂の中央にあるのが蓼科神社奥宮の鳥居。
お参りしておきましょう。
こちらが登ってきた方とは反対側にある展望台。
北側に位置しているので、晴れていれば北アルプスや浅間山方面を見ることができます。
この日は残念ながら上信越方面の山々は雲の中でしたが。
いや〜、それにしても広い山頂。
ここだけ切り取ったら立派なスノーシューフィールドです。
実際、山頂の積雪量もなかなかのもので、つぼ足では太ももあたりまで埋まるほど。ラッセルもどきのモフモフハイクが楽しめました。
3月中旬の八ヶ岳でも、天候次第ではまだまだ本格的な雪山登山が味わえるんですね。
左に見える山並みが南八ヶ岳。
この蓼科山も一応、八ヶ岳に属していますが、こうしてみるととても同じ山域とは思えないくらい距離が離れています。
麓から見ると連なった山に見えるから、また不思議。
先程の標識がある方へ戻る。
結局、風も拍子抜けするほど弱くて、最高の登山日和でした。
良い方向に天気予報が外れてくれたなら文句なし。(ただし、山に行くのをやめてたら最高に悔しいパターン)
思い思いに時間を過ごす登山者たち。
写真に映っている3人グループは、自分達とほぼ同じペースで登ってきた方々。登山中にも何度かお話しさせてもらいました。
下山するのが惜しいくらいの展望でしたが、この日は3連休の中日。
帰りの渋滞に巻き込まれるのも嫌なので、早めに下山します。
登りは登りで辛かったですが、下山も下山で神経使う。
急斜面なだけあって、転ぼうものなら一気に滑り落ちる危険もあるのでお気を付けください。
しかも、下山中に驚くほどの人が登ってきて、立ち止まってはすれ違っての繰り返し。
100人くらいとはすれ違ったんじゃないかってくらい、とにかくたくさんの人が登りに来てました。
冬の蓼科山の人気、恐るべし……
10時を過ぎてもなお登りに来る人がいて、最後まで賑やかな下山路でした。
朝早くから登ったのは正解だったかもしれない。
こうして11時前に下山完了。
駐車場の路面具合からもわかる通り、気温も上昇して下山で汗びっしょりになりました。
混む前にそそくさと温泉へと移動しましたが、その道中で見た路上駐車の列が本当に凄いことになってました。
週末の蓼科山へ登るなら、ぜひ早いうちに駐車場を確保しておきましょう。
八ヶ岳登山後の温泉と言えばやっぱりここ「縄文の湯」。
昼前だったので、こちらも空いていて快適でした。
こうして昼には八ヶ岳を脱出して帰途へ。
帰りの中央道も渋滞に巻き込まれることなく、全体を通してスムーズに終えられた蓼科山登山でした。
今回はタイミングが良くて、期待していた霧氷・樹氷がとにかく綺麗な景色でした。
急登は思っていた以上に脚にきて、案の定、翌日は筋肉痛にもなりましたが、この景色が見れたんだから満足です。
行程としてもそこまで長くはないので、冬の時期でも余裕を持って日帰りで登れる蓼科山。ぜひ登ってみてください。
【日程】
2022年3月20日
【コースタイム】
5:40 女乃神茶屋登山口
8:30 蓼科山
10:50 女乃神茶屋登山口
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