山梨県の菊花山へ雪山登山に行ってきました。
大月駅から1時間程度で登れる低山ですが、山頂からの富士山の眺めが素晴らしくて、絶好の展望スポットとなっています。
降雪直後だったので、澄んだ青空と街の雪景色がとても綺麗でした。
都内から電車のみのアクセスで簡単に日帰り登山を楽しめる山です。
2023年最初の雪山登山。
…と言っても、本格的な雪山ではなく近場の低山。
ワンシーズンに1,2回あるかという都内近郊で降り積もる雪。2023年は2月10日に寒気と南岸低気圧のコラボが実現して、街中に雪を降らせてくれました。
実は2022年もちょうど同じ日の2月10日に東京で稀に見る降雪があって、その翌日に山梨県大月市の秀麗富嶽十二景・扇山へと繰り出したわけですが、今回も全く同じ状況。
翌日の2月11日、同じ大月市でも今回のターゲットは菊花山。
底知れぬポテンシャルを秘めた山でした。
2023年2月11日 菊花山 日帰り雪山登山
秀麗富嶽十二景の玄関口ともいえる大月駅。
週末の登山客で混雑する中央本線を乗り継いでやってきました。
もう何度降り立ったかわからない大月駅ですが、ここが雪景色になるのは稀なこと。
都内と比べても、前夜に結構降ったようです。
駅前の道路を見てもしっかり積もってる。ここだけ切り取れば完全な雪国ですね。
菊花山に登るには、この通りをまっすぐ進んで、突き当りを右に行けばすぐに登山口に着きます。
道路わきの歩道からすでにプチラッセル状態。
駅を出てすぐにゲイターを履いておいて良かったです。久しぶりに雪を踏みしめる感覚に一人にやけながら山の入り口へと進んで行く。
こちらが登山口。駅から10分ほどで、大月界隈でも稀に見る駅チカ物件です。
足跡がある通り、先行者がすでにいました。
最初からしっかりと雪が積もっていたので早々にアイゼン(チェーンスパイク)履きましたが、正解でした。
菊花山、標高こそ低いですが部分的に急斜面があるので、積雪時は軽アイゼン位は持ってきた方がいいです。
早々に先頭に立ってしまい、ここからひたすらラッセル祭り。
去年の同日の扇山同様、膝下くらいまで埋まる雪の量です。
こんな感じで急登箇所には鎖が設置されているのですが、それもほとんど埋まった状態。
キンキンに冷えた鎖を掘り起しながら進んで行きます。
ここら辺は登りよりも下りの方が要注意箇所。
しばらく登ると尾根道に出て、日差しも降り注ぐようになってきました。
静かな雪の森に差し込む光が、とても幻想的で温かく感じます。
ここから道も明るくなって、山登りとしても楽しさが増してくるところ。
気温が高いので日が当たっているところは雪が急速に溶けて、下山時はグズグズになってました。
中間地点を少し過ぎたあたりが一番の急登ポイントだったかな。
雪をかき分けて、場所によっては這いつくばるように進んで行きます。
菊花山、標高こそ低いですがなかなか侮れないですぜ。
大月の低山で一人ラッセル大会は続く。
そんな中で、本日最初の絶景ポイントに到着。
断崖絶壁のような突き出た展望デッキ。その正面に見えるのが、待っていましたとばかりの本日の主役。
待望の富士山!
大月界隈の山に登ったら、やっぱりメインは富士の展望ですね。
前日の降雪のおかげで富士山の頭も真っ白に輝いております。
ここ菊花山は立地が非常に恵まれていて、富士山との間に遮蔽物がほとんどありません。だからこそ、標高500m程度の地点からこれほどの眺めが堪能できます。
ここまで来れば山頂ももうすぐ。
ビクトリーロードさながらのもふもふの稜線へ。
振り返れば自分の足跡だけ。
雪に触れたのが今シーズン初ってもんだから、この程度の雪道でキャッキャッしておりました。
この山頂までのストレートな道が面白い。
両側が切れ落ちている分、展望が良いです。写真で言うと右手に富士山、左手に大月市街地なのですが、意外と凄かったのが左手の風景。
こんな感じで大月市の街並みを一望することができます。
切り立った絶壁から見下ろしているような感覚なので、高度感が半端ない!中央本線や中央高速道なんかもしっかり見えます。
影富士ならぬ影菊花山も見えとる。
ここら辺は展望が良い分、左右が断崖絶壁となっているので滑落しないようにだけご注意ください。
部分的にすれ違い困難なほど狭い箇所もあります。
低山のナイフリッジも結構怖い。
こうして朝の9時に菊花山に到着。
大月駅から1時間でした。
ここに来たのは約10年ぶり。道中含めて、山頂がどうなっていたかもほとんど覚えてなかったので、初登頂に近いような感覚でした。
山頂からももちろん富士山の展望!
標高644mの低山ながらも、これほど立派な富士の姿を拝められるピークって早々ない気がする。
降雪直後の雪景色と合わせて、澄んだ青空が綺麗でした。
大福のように山頂もモフっと雪が積もってます。
富士山とは反対側の景色も一望。
向こうに見えている山は、それこそ去年の同じ日に登った扇山とか。
あちらも今日は雪がしっかり積もってるんでしょうね。
山頂はそこまでの広さはないですが、誰も来ないのでしばし休憩。
風もなくて暖かかったです。
20分くらいすると後続者が3,4人やってきたので撤退。
この菊花山から1時間半ほど歩くと御前山に行けます。
この御前山が個人的にもかなりお気に入りの山でして、当初は行く気満々だったのですが……
先行くルートを見て立ち止まる。
道が狭くて雪もグズグズの状態。なるほど、これは危険だ。服も汚れそう。
この先登り返しもあるし、何よりこれ以上の景色は見れないだろう、という言い訳を盾にここで潔く撤退することにしました。
過去イチ短い登山になりそうですが、やり切った感を出して堂々と下山。
富士山を見ながらの下山は最高に気持ち良かったです。
雪が急速に溶け始めて足元はグズグズ。
ほら見ろ、御前山まで行かなくて正解だったじゃないか、と自分に言い聞かせる。
実際、急斜面もあるので下山の方が神経使いました。積雪時の菊花山に登る際は、特に下山にお気を付けください。
明け方、山影に隠れて日が当たっていなかった箇所が見事に霧氷となっていました。
真っ白い樹々が、遠目から見ても美しいです。
菊花山は途中に分岐点があって、登りでは使わなかったルートから下山。
無辺寺コースと呼ばれるところで、こちらからでも大月駅へ下ることができます。
下りたところにあった、ひときわ大きい忠魂碑。
入山口とは少し離れた登山口に下山完了。
向こうに見えるどっしりとした山が岩殿山。
大月駅から徒歩で登る山としては岩殿山が有名ですが、ここ菊花山も負けないくらい素晴らしい駅チカの山です。
こうして朝の10時半には大月駅に戻ってきて、本日の登山が終了。
3時間弱の行程でしたが、朝積もっていた街中の雪もだいぶ溶けていました。
大月駅から1時間程度で登れる菊花山。
降雪直後に登れば短時間の雪山登山を楽しめつつ、素晴らしいまでの富士山の展望を見ることができます。
部分的に急斜面があるので軽アイゼンは必須ですが、入門の雪山としても良いかもしれません。
ぜひ登ってみてください。
【日程】
2023年2月11日
【コースタイム】
7:50 大月駅
8:10 登山口
8:50 菊花山
10:00 登山口
10:30 大月駅
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