両神山(秩父) 冬の日向大谷コース 日帰り登山

両神山(秩父) 冬の日向大谷コース 日帰り登山

1月中旬に登った秩父の両神山の登山記録です。

今回歩いたのは、両神山の中でも最も一般的な日向大谷コース。距離はそこそこありますが登山道中に危険箇所はなく、後半には簡単な鎖場も用意されているので、登山初心者でも十分楽しめるルートだと思います。

しばらく2000mを越えた雪山登山が続いたので、久しぶりに軽アイゼンだけのお気楽ハイキング。標高1723mあるので低山とは言えないけれど、樹林帯の中をのんびり歩くのは、久しぶりの里山感覚で気構うことなく楽しめました。

山頂はかなりの強風であまり長居はできなかったけど、見渡す限りの青空で山頂からは南・北アルプスの山脈を一望!前日に降雪があったので、樹林帯に敷かれた降り立てフカフカの雪も気持ちよかったです。

冬場でも軽アイゼンさえあれば登れるので、雪山入門としてもおすすめできる山です。

 

冬の静かな両神山―――

 


記事が前後したけど、これは1月の記録。時系列で言えば、浅間山金峰山上州武尊山と続いて、その次に登りました。あんまり意識してなかったけど、どれも日本百名山だな(笑)

いずれも過去1度は登ったことがある山だけど、今回の両神山は前回登ったのが2011年だから、もう4年前。

4年前の両神山の記録はこちらを参考にしてほしいのですが、前回は「白井差コース」という地主への事前連絡が必要な少し特殊ルートを使いました。今も登れるかは要確認ですが、公共交通手段で登るのであれば一番登りやすいルートです。

対して今回は「日向大谷コース」という、両神山の中では最も一般的なルート。標識は随所に設定されており、途中には水場も山小屋もあります。後半は鎖場も出てきますが、可愛いもんで積雪時でも軽アイゼンだけで十分登れるレベル。

 

簡単ですが、冬の両神山・日向大谷コースの記録を残しておきます。少しでも参考になれば幸いです。

 

~~2015年1月18日 両神山・日向大谷コース~~

両神山なら朝発の日帰りでも十分に登れるけど、冬場は陽も短いしなるべく早く降りてきたかったので例によって前夜発。

 

埼玉の山とは言え、1月なのでスタート時はやっぱり寒ぃ…。

まだ暗いうちの5時半、日向大谷駐車場より出発。登山口から一番近い、10台ほどの駐車場に停めました。ここは有料なので下山後に駐車代金を支払うことになります。

 

ヘッデンつけて、両神山日向大谷コース登山口からスタート。入口にアクセスカウンターがあるので、ポチッと押していきましょう。

雪がない時期はかなり混雑する山だけど、冬場は登っても1日30人くらいなんじゃないかな?この日も日曜だけど、すれ違ったのは10人くらいでした。

 

両神神社の鳥居をくぐった先から登山道。

 

いきなり雪が出始める。量は少ないけど、逆に凍結して滑りやすいので気を付けて進みます。

 

樹林帯にいるのでご来光は見えないけど、登りはじめて少ししたら東の空もいい感じで染まってきた。中央の尖がっている山は、おそらく武甲山。秩父の街中にいても間近に見ることのできる、石灰岩採掘の山。

 

日向大谷から山頂までは片道6km弱。そこそこ距離あります。実際に登ってみても、思っていたよりは時間かかりました。

七滝沢コースは雪の状況がよく分からなかったので、今回は正直に清滝小屋方面へ進みます。

 

清滝小屋方面のルートは、雪があってもこんな感じで道が明確。快適で歩きやすいです。

 

両神山は山の上に神社を有する信仰の山。登山道わきに祀られた石仏からもそれを感じ取れる。

 

序盤は沢沿いを進むルートなんだけど、思いのほか雪が多くて沢はほとんど埋まってました。マーカーがあるので迷う心配はなし。

 

こんな感じで水が凍結してるので氷上にも乗れるけど、あんまり遊びすぎてドボンしないように。

 

清滝小屋までは基本的に樹林帯。夏なら暑いと思うけど、冬なら多少の防寒だけで登る分にはちょうどいい。

 

雪の樹林帯をのんびり登っていく。随所に仏様が祀られておりました。

緊張感全くなしで、久しぶりに近場の山に帰って来たという感じ。

 

途中の水場、弘法之井戸。冬場でもチロチロと水が出てました。

 

そして、この水場を越えて少し行ったところで、珍しい動物に遭遇…

 

 

カモシカさん。あんまりお目にかかれる動物でもないから会えた時は嬉しかったけど、よく見てみたらこのカモシカさん、左前脚を怪我していて歩くのもやっとという状態でした。

痛々しい姿だったけど、自分たちにはどうすることもできない……。雪で足を滑らせたんでしょうか。下山するときにも登山道の真ん中でじっと座ってました。

 

8時半、清滝小屋に到着。無人の避難小屋だけど、その造りはかなり立派で綺麗。冬季も利用できるみたいです。

自炊場もあるし、両神山唯一のテント場もここにあります。

 

トイレ休憩をした後、小屋の裏手から山頂を目指す。

 

小屋を過ぎると視界も時折開けてきて、目指す山頂と両神山の稜線が見えるようになってきます。

山頂まではまだそこそこの距離有り。

 

両神山と言えば、この鎖場。鎖場のメインルートは八丁尾根コースだけど、この日向大谷コースでも終盤に鎖が出てきます。

 

ただ傾斜はそんなにきつくないので、登りに関しては鎖使わなくても登れちゃいます。鎖が必要なのはむしろ下り。

 

岩場に設けられたハシゴ。一般ルートなだけに整備もかなり行き届いていました。

 

横付けされた鎖もトレースあれば使う必要なし。右の大きな岩はチェックポイントの1つにもなっている横岩。

 

思ってた以上に登っております。夏の暑い時期なら結構しんどいルートなのかも。

横岩を過ぎると尾根道に入って道も緩やかになってきます。

 

清滝小屋から1時間ほどで両神神社に到着。鳥居のアーチと狛犬が出迎えてくれました。

 

両神神社にて、樹林帯の合間から富士山が見えました。この2週間後にあの富士の脇の宝永山に登っているとは、この時は夢にも思わなかったな……。

 

神社から先は徐々に展望も良くなってきて、快適な尾根道ハイキング。雪のモフモフ感も増してきて、歩いていて楽しかったです。

 

鎖場もやや本格的。ここは鎖使わないと登れない傾斜です。足場もしっかりしているので、雪がついていても誰でも登れます。

 

山頂手前にあった小さな展望台。特別何が見えるというわけでもないけど、素晴らしき開放感!

周りに高い山がないあたり、里山に登ってるな~という感覚が得られる。

 

両神山は基本的には岩の山。山頂直下はゴツゴツした岩場だらけになります。

こういう岩場もあるから、軽アイゼンよりもチェーンスパイクがおすすめよ。

軽アイゼンより軽いしコンパクトだし脱着楽だし、、、4本や6本の軽アイゼン買うくらいなら断然このチェーンスパイクのほうがいいですよ。

 

終盤は展望も開けて素晴らしい眺め。秩父の山脈を一望できます。ちょこっと富士山も顔を出しているのがわかるでしょうかね?

空気が澄んで周りの景色が鮮明に見えるのも、冬山ならでは。

 

ラストも鎖場。写真で見ると少し急に見えるけど、実際登ってみるとまるで危険を感じない、ほど良いスリル感を味わえる楽しさです。

都内から近い日本百名山ということもあって、雪がない時期だとかなり混雑する両神山。この手の鎖場では渋滞も発生するので、そういう意味でも空いている冬場はかなりおすすめ。

 

10時過ぎ、山頂に到着。自分たち以外に誰もいない貸し切りでした。

写真ではわからないけど、かなりの強風。風速20m近くあったんじゃないかな。凍てつく風が痛かった…

 

4年ぶりの両神山。両神山の旬の季節と言えば紅葉が綺麗な秋だと思うけど、冬は冬で静かな両神山を堪能できます。

コースタイムは、途中休憩もはさんだので5時間弱もかかってしまいました。

 

この日も超がつくほどの快晴で、山頂からは素晴らしい展望が見渡せました。

すぐ目についたのは南アルプス。手前は金峰山や甲武信ヶ岳などの奥秩父の山々。

 

遠くには北アルプスも見えました。空気が澄んでいる冬場だと、真っ白い北アルプスの姿まで良く見えます。

 

北の方角には真っ白い浅間山も。遠目だけど、ここからでも見ることのできる浅間プリン。

前回登って来た時は、晴れていたけど周囲の展望は雲で隠れていたので、今回堪能できてよかった!

 

山頂に建てられた石碑。何かと思ったけど、日本観光地百選入選記念碑でした。両神山ってそんなのに選ばれてたのか…。

前回もこの石碑の写真は撮っていたのに、全然気づかなかった。

 

山頂はかなりの強風だったので、ちゃちゃっと写真だけで撮ってすぐに下山。

 

下山のほうが鎖場のスリル感味わえます。道幅も狭いし、これは確かに人がたくさんいたら渋滞しそう。

 

途中に前回登った白井差コースとの合流地点があるんだけど、両神神社にこんな看板が立ってました。廃道ってなってるけど、現在も通れるのかは地主の山中さんに確認してみてください。

 

登りでは使わなかった鎖も下りでは利用。程よい鎖場がある辺りも両神山が人気な理由なんでしょうね。

 

清滝小屋に戻ってきて自炊場でお昼休憩。とても避難小屋の自炊場とは思えない広さ。

ここも貸切でした。

 

まさき先生が正月に買ったホットサンドクッカー。今回はそのお披露目会。

いい感じで焼きあがって旨かったよ!焼きマークがオシャレポイント。このホットサンドクッカーはご家庭でも使えるので、自宅にトースターがない僕も重宝しております。

 

登りはのんびり歩いてきたけど、下山はやや巻きで。新雪で凍結箇所がほとんどなかったので、かなり歩きやすい道でした。

 

13時40分に下山完了。登りはじめは真っ暗であまり分からなかったけど、こんな民家の脇から登っていくことになります。

 

有料駐車場に停めたので、両神山荘で駐車代を支払う。山荘に人がいなかったけど、こんな感じで徴収ボックスが用意されていたので、それに入れればOK。

 

下山後の温泉は前回も利用した、両神温泉「薬師の湯」。日帰り入浴は600円。道の駅にあって綺麗な温泉だけど、露天風呂がないのが少し残念かな。

 

温泉の後は秩父グルメ。秩父名物わらじかつ丼「安田屋」。こじんまりとした店で、店内はカウンターとコタツの座敷がありました。10分くらい待って、コタツに入れた。

 

どんぶり一杯に乗せられた一枚のわらじカツ。秩父の名物なだけあって、味は言うことなし!かなり大きいカツで食べ応えありました。タレで味付けされているので特にソースとかもかかってないです。

個人的にはかつ丼に付いてきた味噌汁が大ヒットだった。

 

こんな感じで、両神山の雪山ハイキングは終了。秩父の町からはやっぱり武甲山の存在感がすごかったです。

秩父に来たのは去年の般若山以来だったけど、今回も登山&温泉&グルメと秩父満喫ツアーになりました。都内からアクセスのよい登山エリアだけど、奥多摩や丹沢に比べるとあまり登ったことがない秩父。

興味のある山はまだいくつかあるので、のんびり気分で登りたくなったらまた来ようかと思います。

 

冬の両神山、サラッと書きましたが雪山初心者でも登れる山だと思うので、軽アイゼンの足慣らしの候補にでも入れてみてください。鎖場あって楽しいし、何より人が少なく空いていて、静かな山歩きを堪能できます。そして、晴れていれば富士山や北アルプスまで見渡せる、展望も素晴らしい山ですよ!

 

…と、こんな感じで軽登山記録を書いたところで、宝永山の傷も癒えてきたのでそろそろ雪山再開すっかな!

 

ということで、次回は冬の定番、あの景色へ会いに行く旅(予定)

続く……

 

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【日程】

2015年1月18日 快晴

【コースタイム】

日向大谷駐車場(5:30) — 清滝小屋(8:20) — 両神神社(9:30) — 両神山(10:10) — 清滝小屋(11:30~12:15) — 日向大谷駐車場(13:40)

 

 

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