宝永山(富士山側火山) 暴風の中での決死の雪山登山

宝永山(富士山側火山) 暴風の中での決死の雪山登山

2015年2月1日、静岡県の宝永山に登ってきました。

単純に宝永山とだけ言うと、ピンとこない人もいるかと思いますが、この山は富士山御殿場コースの途中にある山。富士山の最大側火山で、静岡県側からだと大火口の淵にそびえているのが良く分かります。

富士山のすぐそばにあるとはいえ、その知名度はそこまで高くはなく、夏場なら富士山頂までの通過点、冬場も雪山としてそこまで登られている山ではない宝永山。意外に穴場な気がします。

ただ、標高は2693mとなかなかの高山。今シーズンの雪山では今のところ最高所の山に挑むことになりました。天気は快晴で文句なかったのだけど、コンディションが決して良かったとは言えず、かなりハードな山行となり体力も精神も燃え尽きた……。

雪山の厳しさを改めて痛感しつつも、達成感にも満ちて帰ってきました。

 

冬の宝永山への挑戦―――

 


富士山の南東に位置している、標高2693mの側火山「宝永山」。

その昔、富士山最後の噴火と言われている宝永大噴火によって形成された山で、その姿と噴火口は静岡側からしか見ることができない。そのため、富士山の裏の顔なんて言われていたりもするらしい。

山に登っていると、山梨や長野側から富士山を眺めることが圧倒的に多いので、この山の存在は実はあまり知られていないのかも。僕自身、過去に一度だけ山からこの宝永山を眺めたことがあって、それが1年前の愛鷹山↓↓

富士山の南に位置している愛鷹山。そこからの眺めは良く知っている富士山とはだいぶ違ってた。目を引く巨大なクレーター。これが宝永火口。そしてその脇にちょこっと立っているのが、今回登る宝永山。

 

夏場であれば富士山に登る途中の山でしかないのかもしれないけど、冬場であればなかなかの登り応えがある雪山になります。

…というか雪山としては結構きつい。標高2700m近くあるわけだし、高低差も1300mある。容易に登頂できるわけではない。

そう思い知ったのは山を下りてきてから。

今回は正直、なめてました…。宝永山なんて富士山の前座だろ、くらいだと思ってた。。

 

今シーズンでは一番の辛さを感じた宝永山の決死の山行。登頂できたかどうかは大きな問題ではなく、雪山の厳しさを改めて知った旅でした。

 

~~ 2015年2月1日 冬の宝永山 ~~

宝永山があるのは、富士山の御殿場ルート。

富士山は過去3回登っているけど、いずれも吉田口ルートからなんで、御殿場ルートがどんなもんかは全然知らないんだよね。4つあるコースの中では一番キツイって聞くくらい。

 

その御殿場へ向けて、今回も前夜発。御殿場市は丹沢の先というイメージなんで、結構近場に感じる。深夜2時には現地入りできました。

 

初めてやってきましたよ、富士山御殿場口。

ただ、この時期は閉鎖されているので、手前の太郎坊洞門トンネル脇の駐車スペースに停めます。

 

車は6台くらいしか停めらない程度の広さでした。到着したのは2時すぎ。早々にソロの人が出発してました。この時間から動き出すってことは、おそらく富士山を目指すのだとは思うけど、無事に登頂できたのだろうか…?

 

僕らは軽く仮眠して5時半に出発。まだ暗いけど、序盤はトレースあったのでそれに沿って登っていくだけ。

 

展望はすぐに開けて、朝焼けと夜景が素晴らしく綺麗でした。正面の山は方角的に金時山、明神ヶ岳あたりかな?

駐車場から登ってすぐの地点なので、夜景スポットとしても絶好の場所なんじゃなかろうか。

 

こちらが御殿場口の本来の駐車場。冬は閉鎖されて、グラウンド大の雪原になってた。

 

例年、富士山のこの時期の積雪量って実は大したことがないらしいんだけど、この2日前かな。都内でも雪マークがついた日があって、駐車場からすでになかなかの積雪でした。富士山でも結構降ったみたい。

 

登って30分ほどで空も明るくなり始め、ヘッデンも不要に。

そして見えてくる日本最高峰。

 

真っ白に雪をかぶった富士山が目の前に。この写真ではもうくっきり輪郭が見えてるけど、登りはじめたときに、暗闇にぼんやり浮かぶ白い影がかなり不気味でしたよ。

 

ご来光が迫ってきたので、いったん開けた場所で休憩。太陽が昇るのを待つ。

 

6時35分、ご来光。山から見る日の出は何度見ても気持ちがいいもの。太陽が昇る方向には海が広がっております。

 

しばらくここで時間をつぶす。この先に待つ過酷な山行を知るはずもなく、しばし平和なひと時。

 

あちらは丹沢かな?静岡の山はあんまり登ったことがないから、山座同定にいまいち自信がない。

 

アルプスは富士山の反対方向だから、周囲に高い山がないのだけはわかった。だから一層、富士の高さを感じる。

振り返って臨むその姿が、もう迫力があるやら美しいやらでさ…

 

これぞ富士山のモルゲンロート。紅く染まる富士山と目指す宝永山。登山を始めてから何度も富士山は眺めてきたけど、この富士の姿はこれまで見てきたそれとはまるで違う。

パッとこの写真を見せられて、富士山と思えない人もいるじゃないかな。

 

一般的に富士山の形と言えば綺麗な円錐形だけど、こちら静岡側から眺めると手前の宝永山が富士山のコブのように出っ張ってる。

実際に静岡の方に富士山を描いてもらうと、綺麗な円錐形ではなく富士山の肩にコブを書いて宝永山まで含める人もいるんだとか。

 

さらに下にはこんもりした丘が2つ。上塚と下塚。2つ合わせて双子山。

ここからだと2つとも同じ高さに見えるけど、奥の上塚の方が100m以上も標高が高いです。錯覚って恐ろしいわ~、とあとで身をもって痛感することになる。

 

陽もだいぶ登ってきた。モルゲンロートが終わるまで景色に見惚れておりました。

オレンジ色だった空も次第に青くなってくる。

 

30分も時間をつぶして、7時すぎにいよいよアタック開始!

見ての通り、この先樹林帯もなくなり、落ち着いて休む場所もないのでここからアイゼン装着&ピッケル携帯。

頑張るぜ!

 

目指す宝永山。手が届きそうなほど近くに感じるけど、実際は標高差1000m以上あります。

目標物が全くないので、とにかく距離感が狂う。この時も「何か思って以上に近くね?帰りに双子山も登っちゃうか!」なんて話してたっけか。

 

唯一の目印となるのが、所々に建てられたこの木の柱。視界が悪いときはこれを頼りに進むけど、今日は先まで見えているので特に柱も気にせず思い思いに歩かせてもらってた。

この時はね。

 

何度も言うけど、本当に近くに感じた宝永山。写真で見ても近くに感じる。直線距離で言えば大したことないし、3時間もあればつくんじゃないかと思ってた。

でもそれが全然甘かった。4時間歩いてもあの頂まではたどりつかなかった……

 

天気は超がつくほどの快晴。気温もかなり暖かくて、体感的には全く寒さを感じない陽気でした。

 

この日、天気は言うことなしだけど、北西の風が強烈ってのは聞いてて。ただでさえ、風が強い富士山。まして風を遮る場所もないので、それだけが厄介になるかなと思ってた。

でも同時に、北西の風だから南東にいれば富士山が防いでくれるんじゃね?なんて素人考えしたりもしてた(笑)

標高2000mに満たないこの地点では、まだ軽く山の上から向かい風を感じる程度。平和な山行になると楽観視してましたよ。

 

景色に目をやる余裕もあった。瞬間的に吹く突風で雪煙が舞うのが綺麗にさえ思えてた。

 

変わり映えのない写真ですんません。

見てもらえればわかるけど、本当に景色が変わらない場所なんで。。

登山を少しかじると「富士山なんて…」って富士山嫌いになる人が多いって言うけど、その理由がおそらくここら辺なんだろうね。この変わり映えのない景色が続くのは、夏なら確かに修行にさえ感じる。雪があれば、結構楽しんで登れるんだけどね。(それでも景色に変化はないけども…)

 

登るにつれて次第に強くなってくる風。それでも、まだ風速は10mくらい??富士山でこの程度の風ならまだマシなほう。

それに地面を見てもらうとわかるけど、この時点では下の雪も締まっていて、それほど埋まりもせずに快適に歩けてた。

 

日曜日の登山だったけど、前日に誰も登ってなかったのか風で足跡が消えたのか、、、。トレースはなかったので逐次ルート確認。

雪崩なんて起きない場所だし、視界も明瞭だけど、この先雪が深くなってきそうだったのでなるべくそれを避けて進みたかった。

 

この辺りから少し長丁場になるのを覚悟し始めたっけかな。なんせ、前に進んでいるはずなのに宝永山が全然近づいてこない。

 

次第に気温が上昇してきて足元の雪が緩み始めるのと、踏み抜くシーンが多くなってきた。

表面サクサク、中はフワフワ。

 

夏場の「自転車・バイク乗り入れ禁止」の看板も冬だと滑稽でしかないな。冬は逆にスノーモービルとか良さそうな斜面だけど、あれって使っていい場所って決まってるんでしょうかね?

あれに乗ってかっ飛ばせば、たぶん5分で到着できるんじゃないか(笑)

 

ずっと横目にしてた双子山。左が下双子山(1804m)、右が上双子山(1929m)。ほぼ同じ高さに見えるけどこの標高差。

もはやトリックアートの域だな。

 

まだまだ体力的には問題なし。富士山頂で舞い上がる雪煙が半端なかったけど、こっちは視界明瞭。風も次第に強くなるけど、まだ想定の範囲内ではあったので、登山は続行。

 

ただ、標高2000mあたりから踏み抜きも深さが増してきて、体力が思った以上に削られていく。締まってる箇所もあって、この踏み抜いたり固まってたりの混在がかなり厄介でした。

 

不思議と強風が吹き荒れても体感温度は異常なほど暖かく感じて、この日、寒さは全然感じなかった。だから楽観視してたけど、この辺りから身体が徐々に蝕まれていってたわけか…。

先行者もいなく、徐々にラッセル登山の様相を呈していく。

 

踏み抜きが多くなってきてからは、行ける人が先頭に行ってラッセル。こういう瞬間ほど、仲間の頼もしさを感じずにはいられない。

そして、野郎だけで登ることにして正解だったと心から思えた瞬間。想像以上にハードな雪山山行になってます。

 

宝永山へ挑むまさきと岳。雪山に挑む男ってかっけーーー!!って一人で舞い上がってた( ´∀`)

 

ちなみに今回のメンバーは、昨年の秋に南アルプスの赤石岳~荒川三山を一緒に登った3人でございます。

どうぞよろしく。

 

一向に近づいている気配を感じない宝永山。最初から見えてるだけに、非常にもどかしい。

こういう山は、まず精神的にやられてくる。「なんでこんなに頑張ってるのに近づかないんだよ!」って感じで。

 

そして、次第に暴風エリアに入ってきて、登るにつれてどんどん余裕がなくなってくる。鮮明に見えていた富士山頂も、地吹雪で舞う雪煙で見えなくなってきた。

 

それでも何とかこの時点では、下を振り返れば視界は明瞭。

下はね…

 

上はご覧のような暴風。

これがもしソロだったら、一人であの中に飛び込んでいく勇気はおそらくなかっただろうな。

 

あまりに変わり映えしない写真なので少し話逸らすけど、最近ブログからメールをもらうことが多くて(メールうれしいんで、ありがとうございますmm)、その中の1つに「雪山でよく写真たくさん撮れますね」っていうのがあったんです。

確かにこういう風の強いところでは写真撮るのキツイ気もするけど、実際は画面見ずにシャッター押すだけなんで、どんな絵が撮れてるかなんてわからないです。ゴーグルも手袋もしてて、まともな操作できないしね。あと、最近どうも息が上がりやすいんで、写真撮る風を装って、隠れて休憩したりもしとります。

あとは、仲間から写真をもらってる。これをしっかり言っておかないと、写真提供のまさきに怒られるんでね…。

 

何メートル間隔で立ってるのかわからないけど、柱2本ごとに休憩する感じ。この辺りから全然足が前に進まなくなってくる。

休憩中も風が吹きつける。二人がこっちを見てるのはカメラ目線ではなく、向かい風が強すぎて前を向けないから。

 

ずいぶん前に通り過ぎたはずの双子山がまだあんな位置。。

ワカンがあれば最良だったんだろうけど、あいにくメンバー全員ワカンもスノーシューも持ち合わせていなかったので、つぼ足で頑張る。

 

いよいよ前が見えなくなってきた。晴れているのに吹きつける雪。目印となる標柱がわずかに見える程度。

 

この辺りではもうお互い無言で先頭が入れ替わる。

とにかく風が強くて、5mほど離れているだけなのに、この距離だともう声はまともに通らない。

 

ずっと見えて宝永山も見えなくなった…。

これまでは直登してたけど、標高と位置を見てトラバース開始。かなり頑張ったし、もう少しだと思ってたけど、実はまだ標高2300mほど。残りまだ300m以上登る地点。

 

青空広がっているのに、視界はほぼホワイトアウト。

自分は結構天気に恵まれることが多くて快晴登山の割合が高いと思うんだけど、それが逆にこういう悪条件に全然慣れてなくって、すぐにメンタルがやられる。「これもう無理だろ…」とか「ただの修行じゃん…」とか。

強風って予報はわかっていたのにね。我儘なんです、自分(笑)

 

もうすぐ山頂のはずなのに全然つかない。風が猛烈に吹きつけて、仲間が残してくれた足跡もすぐに消えてしまう状況。

 

そして今回、この暴風によって得た代償が、顔面の凍傷……orz

バラクラバをしていたんだけど、いつの間にか風で顔の一部が露わになってて、結果的に右顔面の1/3くらいが凍傷になってしまいました。(翌日の仕事とかホント行きづらかったわ~、、)完全防備してると思ったんだけど、皮膚の感覚がなくなってたのかな?降りて仲間に言われるまで全然気づかなかった。

なんとも情けない結果ですよ…。

 

それでも、お互い交代で前へ進んでいたら、山頂っぽい岩場が薄らと見えてきた。

とりあえずあそこまで頑張ろうってことで、かなりスローペースだけど1歩1歩前へ進む。

 

雪ばかりだった斜面に、富士山特有の火山岩が露出し始めた。そして視界が晴れると富士山頂もだいぶ近くに見えてきた。

 

南の方角には海も見えてきた。体力、精神も燃え尽きつつあるけど、風が一時弱まってくれて少しだけ回復。

 

何とか目標としていた岩場に到着。時刻はすでに11:40。登りはじめてすでに6時間経過……。

でも、まだここは山頂じゃない…。正直ショックだったよ、、。まだ登らせるのかと…

 

前を見ると雪庇越しに富士山が「ここまで来てみろや!」って言わんばかりに立ちはだかってた。

悔しいけど、もうちょっと限界近い…。でもこの最後の雪壁くらいは登ってみるか…

 

どれだけ急だろうが構わず直登。もう迂回して安全ルートを行くなんて体力、残ってないです…。。

 

写真で見る分には綺麗な雪庇。これを崩して雪庇の上へ這い上がった。

 

そしたら…

 

なんか開けた場所に出た…。風もこの瞬間は不思議と弱まってくれた。

海も綺麗だったけど、それ以上に圧倒されたのが、、

 

この光景。

これぞ愛鷹山から見えていた宝永火口。その淵までようやく登り詰めた。

富士山が火山と思い知らせてくれる大火口。間近で見た迫力は言葉では言い表せない。静岡側から登らないと見ることのできない、富士の絶景の1つ。ホント凄い迫力だったよ!!

 

でも、肝心の宝永山山頂が見当たらない…。

頭が働かず、地図を見る気も起きなかった。ただ、1つ見えたのが火口淵の標柱。

 

写真では見えないけど、はるか上の火口の淵に山頂と思わせる柱が見えた。

まさかあそこが山頂かよ……。もうこれ以上登るのは諦めてた。

 

だから海でも見るかってことで、火口の淵の先端まで行ってみた。

そしたら、先を行くまさきが

「あったーー!!!」

と。

 

あぁ・・・何か見えた!!(;Д;)

伊豆半島も駿河湾も目に入らず、ただあの石碑と標柱に一目散に駆け寄る。

 

そしたらさ、

 

まさかのまさかで、ここが山頂だったのよ!宝永山山頂!!!

やったよ、、、本当に頑張った。ようやく終わった。

 

もう精魂尽き果てるんじゃないかってくらい追い込まれた。。。

でも、どうにか登頂してやったぜ!!!

標高2693m、宝永山。自分でも意外だったけど、今シーズンの雪山で登った浅間山、金峰山、上州武尊山を上回る標高。達成感も半端なかった。本当に撤退寸前にまで追い込まれました。

 

風は依然強いけど、さっきまでと比べたらだいぶ弱まってくれた。ホッとして改めて宝永火口に魅入る。

富士山の南側に来た時だけ見ることのできる、歴史的な噴火の後。それを間近で、しかも雪のある時期に見れてるってのは、この上なく幸せなこと。

 

海もすぐそこ。駿河湾、そして伊豆諸島。

山から海を眺めるシーンってそんなに多くはないから、これはこれで素晴らしい風景。さっきまでのホワイトアウトが嘘のように平和なひと時。

 

登ってきた方面もすっかり晴れて、山中湖まで一望。途中から振り返れば見えていたんだろうけど、登っている最中はとても景色に目をやる余裕なんてなかった。

よく見ると、山中湖の一部が真っ白くなって凍結してました。

 

登頂して油断してたんだろうね、、、突風にカメラケースを持っていかれてあっという間に目の前から消えました。まさきはカメラの三脚の足を折られた。有頂天になって山からお叱りを受けた感じ。

でも、そんなのもう気にしない。滅多に見れない宝永火口と富士山の姿をしっかりと目に焼き付けておきます。

ここから見ると、すぐ近くに見える富士山頂。でもあそこまではさらに標高差1000m以上。とても1000m以上あるとは思えないから恐ろしい。あの頂を目指すなら後3時間はかかるだろうね。

 

まだまだ厳冬期の富士山に挑むには未熟すぎるみたい。

宝永山をなめていたことも反省しつつ、暴風の中登ってやったという達成感にも満たされて下山。山頂にいたのは5分くらいでした。

 

登ってくるときには雪煙でホワイトアウトしてたところも、下山時には風もほとんどやんで、平和な雪の斜面が広がってました。

 

今シーズン一番厳しい山行になったのは間違いないけど、経験値としてはいいもの得られたなと思ってる。

天気に恵まれてばかりいるとこんなことになるんだよ、ってのを教えてくれた富士山でした。

反省点も多々あったし、凍傷という代償も背負ったけど(この時点ではまだ顔面の異変に気づいてないけど)、いずれにせよ登頂できて良かったです。

 

登った道と同じとは思えないくらい緩やかな斜面を下って行く。

 

歩いているのは自分たちだけだったので、ある程度降りたら、シリセードで一気に下山させてもらう(笑)

下山はあっという間でした。登りの3倍速。

 

晴れてみてわかった標柱の多さ。こんなにたくさん道標があったんですね。

 

双子山まで下りてみるとバックカントリーに興じるボーダーがたくさんいました。登る分にはラッセルで辛かったけど、ボードで滑るには絶好のコンディションだったと思う。見ていて、羨ましい限りでしたよ。

 

雪原を歩いて駐車場へ。下山は逆にここら辺が厄介で、登ってた時には締まってた雪が溶けて出して、かなり激しい踏み抜き地獄…。

厳冬期の宝永山に登るならワカンくらいは持って行ったほうがいいかもしれません。

 

ずいぶん昔のことに感じるけど、朝日を見た展望台を過ぎて駐車場へと戻っていく。時刻は14時ごろ。

バックカントリーしようと、この時間から板を背負って登りはじめる方もいらっしゃいました。

 

下山時に見つけた不思議なお山。ぱっくり二つに割れた景色。あれはどうなっているんでしょうか??

 

色々なことがあった、今回の宝永山雪山登山。

最後の最後で富士山と対面したけど、なんか調子に乗ってんじゃねーって言われてる気もした。

雪山の厳しさを改めて思い知らされた山行でした。

 

14:20、駐車場に帰還。当初は「午前中に下りてこれたらいいね」なんて話してたけど、実に9時間を超える山旅でした。カメラケースを失ったことで、レンズの内側が曇ってしまったわい。

駐車場に戻って、改めて自分の凍傷の酷さを知った。右顔面の頬が真っ黒。。。これから1週間、右顔面を真っ黒にしながら出社するのが恥ずかしかったのなんのって…。マスクでも完全には隠せず、痛々しい姿でずっと仕事してたけど、1週間でどうにか見てくれは正常に戻った。

そして、今こうしてブログを書いてるってわけです。

 

顔面凍傷を患いながらやってきたのは、インター近くにある御殿場市温泉会館。露天はないけど内湯からは富士の眺望が得られる温泉で、日帰り入浴500円。安さを求めるならいいけど、結構混雑してたのでサクッと入って出ました。

 

さようなら、富士山。

さすがの日本最高峰。そう簡単には登らせてくれないですな。5月の積雪時に富士山に登ったことはあったけど、厳冬期はまだまだ自分の力では登れないや…。

まぁ、今回は富士の偉大さがわかっただけでも良しとします。宝永山もかなりの強敵でした。

 

~~~~~~~~~~~~~

 

少し長くなってしまったけど、冬の宝永山はこんな感じで決死の雪山登山となりました。これまでは、割と楽に登れる山ばかりだったけど、今回ばかりは撤退寸前まで追い込まれてギリギリの山行だった…。未熟さも痛感したし、体力もずいぶん落ちてるなぁ~と。

風がとにかく強くて、去年の唐松岳に近い過酷さがありました。風が弱ければ、もう少しは楽に登れる山だと思います。今回は足が全然前に出なくて、かなり時間かかってしまったので、登り6時間というタイムはあまり参考なさらず…。

 

辛かったけど、今回もまたこれまでにない景色に出会えました。

 

富士山のモルゲンロート。紅く染まる富士山と宝永山、このアングルからの富士の姿は新鮮で、良い意味で富士山っぽく見えない。

まだ過酷な山行なるとは思ってもいなかったこの瞬間。

 

それが一転して、こんな暴風に見舞われるとは…。雪山の厳しさを大いに味わう旅となりました。

 

 

2014年秋の南アルプス赤石岳縦走登山。その時見た富士山越しの朝日。

 

あの時と同じメンバーで、まさか冬に富士の懐から朝日を拝むとは思ってもみなかった。今回も相当辛かったけど、また仲間にも助けられて、いいもん見させてもらいました。

お二人ともありがとうございましたmm

 

2月も始まって、厳冬期も後半に差し掛かってるけど、もう今シーズンはあんまり無茶しないことにした(笑)

すでに雪山はいいペースで登らせてもらってるし、あんまり欲張りすぎずに行きたいと思います。

冬の宝永山、雪山としては意外と穴場だと思うので、興味があれば登ってみてください。ぜひ風の弱いときを狙ってね。

 

 

冬の宝永山より、はるか遠い冬富士の頂を望む

 

おしまい

 

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【日程】

2015年2月1日 快晴&暴風

【コースタイム】

太郎坊駐車場(5:30) — 宝永山(11:50) — 太郎坊駐車場(14:20)

※目標物がなかったので、かなり大雑把です。

 

 

 

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