双六岳(北アルプス) 梅雨の残雪時期にテント泊登山

双六岳(北アルプス) 梅雨の残雪時期にテント泊登山

これはちょうど1年前の2014年6月の記録。梅雨入りすて間もない時期に、総勢13人で北アルプスの双六岳にテント泊登山してきました。

双六岳は夏場であれば何の問題もなく登れる山ではあるけれど、例年6月はまだ残雪時期で、途中の雪渓を一部迂回しなければならなかったり夏道が解放されずにハイマツ帯を直登したりと、なかなか神経を使う登山行程。

週末でありながら悪天候の予報だったからなのか、テント場は自分たち以外誰もいない貸し切り状態!天候に阻まれてピークを踏むことはなかったけども、残雪時期の北アルプスを体験できたし、頼もしい仲間たちと一緒にテント泊できたのは良い思い出になりました。

双六岳は花の百名山にも選定されていて、7月にもなれば三俣蓮華に向かう登山道にはコバイケイソウをはじめとするたくさんの高山植物が花咲かせるお花畑が広がっています。

残雪時期は登り応えありの雪山登山、それが終われば一変してお花畑の楽園に変貌する双六岳、北アルプスの中でもお気に入りの山の1つです。

 

 


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ちょうど1年前の6月の記録。この記事自体はずっと前に書き終えていたけど、双六岳山頂までは登ってないし写真もあまり撮らなかったので、ずっと放置していた山行記録。

あれから1年が経ち今年も梅雨入り。山にもあまり行けず悶々とする日々が続き、ブログの整理をしていたところで、この懐かしい記事を思い出した。

仲間内でテントキャンプに近いワイワイ登山だったので、特にアップする予定もなかったけど、双六岳は個人的にもかなり気に入っている山なので、残雪期の山行に少しでも参考になればとアップしておきます。

 

記事中の文章は1年前に書いた時のままなので、一部内容がちぐはぐしているかもしれませんが、それは適当に読み流してくだされ。

天気の都合上、テント泊のみで登頂はしなかったですが、残雪の北アルプスの難しさや楽しさもわかって、個人的には充実した2日間でした。

 

~~北アルプス双六岳 6月梅雨時期のテント泊登山~~

テント泊登山の場合、過去を振り返ってみてもソロが大半で、仲間と一緒に行くにしても最大で3人くらい。別に大人数が嫌いってわけじゃないけど、テント泊の場合は各々休みも合わせなきゃいけないし、重たい荷物背負っての登山。ペースも合わせなきゃいけないので、あまり大人数というイメージがなくて、これまでソロが大半でした。

大人数どころか他の人とテント泊ってあまりしたことがないんです。

 

今回の双六岳もそう。

あれは忘れもしない、昨年の7月の山行…

 

以前からこのブログを読んでいる人なら見たかもしれないけど、昨年の夏に双六岳はソロでテント泊しているのです。それがこちらの記録。笠ヶ岳がメインの登山で、その縦走の過程として登った双六岳。

 

お花畑と北アルプスの名峰にとにかく感動して、一人でやたらはしゃいでいた双六岳縦走登山。

大成功の後に終わるかと思っていた山行だったけど、2日目に起こった小さな悲劇。。。

 

それが膝蓋靭帯炎の再発…

 

まぁ自業自得ではあるんだけど、体力あると勘違いしていろいろ無茶に歩いた結果、発症した膝の痛み。完治したと思ってたら全然そんなことなくって、よりによって双六岳~笠ヶ岳の稜線の途中で再発。エスケープもできずに死ぬ思いをしたのは今にしてみれば笑い話だけど、山で本気で泣きそうになった苦い思い出の1つ。

この日以降、1ヶ月くらいは膝の治療に専念して、今もテント装備では膝へ負担をかけるのが怖くて軽いトラウマとなってる。最高の景色を拝めて良い思い出もあるんだけど、傷跡も深く、、、

そんなこともあって双六岳はなにかと因縁のある山だったりします。

 

そんな思惑もある双六岳に仲間のイソから残雪登山に誘われて、再び双六岳へ登ることになりました。

 

花金の6月20日金曜日、でかいテント装備背負って深夜のラッシュの電車に乗り込む。電車慣れしてても、大きいザック背負っての満員電車は流石に気が引ける。。。

それでも今回は、最寄り駅でメンバーのたくみと会ったので少し助かった。自宅から5分の所に山仲間が住んでいるってのは貴重や!

二人して申し訳なさを出しつつ、電車に乗り込んで集合場所へ。

 

車3台、計13人で新穂高温泉へ。大人数だけど、個々とはそれぞれ何度も登っているので、特に心配事もなし。…というか逆に、冬山ガンガン登る面子だったので、着いて行けるか若干不安ではあった。

 

4:30頃に登山開始。新穂高から双六岳までのルートは去年歩いてるけど、雪の残り具合がまるで違うと聞いていたんで、とりあえず初めて登る山という意識で行ってきます!

新穂高から双六岳まで登ったことある人にはわかるかもしれないけど、しばらく単調な林道が続く。

 

前回は普通に通れた道でも、この時期はまだまだ雪が残ってる。場所によっては雪を踏んで進んで行く。

 

6月は北アルプスでも新緑が綺麗に見える季節。雪と新緑のアンマッチな季節感も豪雪山域の北アルプスならではか。

冬靴で歩いているので、できれば早く積雪の上へ行きたいところ。

 

整備された林道。ここら辺も懐かしい風景。

 

2時間ほど歩いて小池新道登山口。ここがようやくスタート地点。登りが始まります。

 

 

ガレ場や雪が交互に現れる。装備は冬山と同等のものなので、冬靴が無雪道のところを歩くのが少し応える。。

去年はソロで黙々と歩き続けた道。時期は少し違えど、1年越しで今年はこうやって仲間と歩くとまた感慨深いものがある。

 

天気は土日両方雨の予報だったんだけど、初日に関しては予想以上に良かった。青空も広がって快適なハイクでした。

 

そして目の前に広がる雪渓。今回の第一の核心部が見えてきた。

 

秩父沢。去年歩いた時期であれば普通に橋が架かってたけど、この時期はまだそんなものはなく、、、

標識にある通り、薄い崩れかけの雪渓を避けて高巻して進んで行きます。

それにしても、落ちると心臓マヒとは…… (ノ゚ο゚)ノ

 

こういう無駄な登りが発生するのも残雪期ならでは。地図上のコースタイムはあくまで夏場の正規ルートのもの。

6月とはいえ、雪があるこの時期はまだあてにならない。

 

上からみたらただの雪渓だけど、下の方はいつ崩れてもおかしくないから、その上を歩くことはできない。

心臓マヒだけは起こしたくないっ!

 

一度雪渓にたつとひたすら直登してみたくなる(笑)

この雪渓の果てに行きつくのが秩父平なのかな?去年、自分が膝の痛みの再発でしばらくうずくまった地点。

 

この後もひたすら雪渓と夏道の繰り返し。上に行くにつれて雪も多くなってきて、登山道もわかりづらくなってくる。

登りは目指す方向がある程度分かっても、下りが夏道に入り込むポイントがわかりづらくて迷うかもしれないのでご注意ください。

 

後半はほぼ雪渓。コンディションとしてはアイゼンだけで登れるけど、厳冬期装備は必須。

登山装備としてはシュラフやマットも持っているので、今シーズン一番の重たさかもしれない。

 

10時15分、鏡平山荘に到着。スタートしてすでに6時間経過。大人数だから標準タイムよりは遅いとは思うけど、夏とは比べ物にならないほど時間かかります。

 

鏡池は雪に埋もれて、少しだけ顔をのぞかせている状態。

雪解け水の透明度が半端なかった。

 

予定通り天候が悪くなってきた。

ただ雷雨ってわけじゃなくて、梅雨にありがちな小雨が続く予報だったので、登っている間は風もなくて穏やか。梅雨にしてはまぁ登山日和の部類に入るかと思う。

 

槍ヶ岳も見えたぜ!!このあと雲に隠れて見えなくなったので、ギリギリでした。

 

ちなみに晴れたときの鏡平からの槍ヶ岳はこんな感じ↓

 

今回はあくまで残雪期の北アルプステント泊が目的。晴れの写真などは前回の記録を参考にしてください。

 

ここから双六小屋までは夏道であれば2時間程度。

ただ、この時期はそうはいかない。

 

本来なら夏道は斜面を横切って右斜めに進んで行くんだけど、途中の雪面のトラバースがどう見ても危険。

 

そんなわけで、この時期の双六岳は春用の臨時ルートが用意されています。

途中から夏道を逸れて春限定の藪漕ぎルートへ。

 

ハイマツ帯を登っていく。途中、写真撮る暇もないほどの藪漕ぎだったり枝をかき分けて登ったりがあるので、ここはそこそこエグい。地面が土で滑りやすいしね。

 

ここが今回の登山ルートとしては一番厄介で難所だった。 春ルートの藪漕ぎは避けられない。

 

 

ハイマツ帯を登り切ったところ。こういう感じの簡易的な看板があるので、取り付き地点で迷うことはないかと思いますが、ハイマツ帯がそこそこの悪路で急斜面なのでご注意くだされ。

 

あとは尾根伝いに双六小屋を目指す。

ここら辺も7月以降であればお花畑が広がる稜線だけど、6月はまだ雪が多め。

 

夏であれば高山植物の楽園でっせ!

 

途中からポツポツ雨が降ってきた。

 

 

後は稜線沿いに道なりに歩いて、双六小屋に到着。鏡平からは3時間半ほどかかりました。

 

小屋で受付。営業開始して間もない双六小屋でしたが、この日の宿泊者は誰もいなかったようで、、、

当然テント泊も誰もいなくて貸切ということが判明。広々と使わせてもらう!

 

夏場なら目の前の雪も溶けてもっと広いテント場になるんだけど、6月中旬はまだ雪がだいぶ残っているので、雪がない部分は山荘近くのこの辺りのみ。

それでも20張くらいは張れる広さがありました。

 

頑張って登ってきたご褒美とばかりに鷲羽岳が最後まで姿を見せてくれていました。

鷲羽岳も雲ノ平と合わせていつか登りに行きたいんだよなー

 

イソがご用意してくれたタン塩!!

 

↑これ、お土産品。酒のつまみにピッタリで美味しかった。

 

雨は止んでくれたけど、天気が怪しいのでピークハントは諦めて早々に宴に切り替えてやった。

 

本当なら憎っくき相手の笠ヶ岳を眺めてやろうかと思ってたんだけど、あいにく雲の中。

笠ヶ岳は百名山にも選ばれているし、独立峰の用に聳える出で立ちがカッコいいんで、いつか再訪したいとは思っている山。そこに至るまでの稜線も、本当に綺麗な景色が続くから、次こそはもう少しスマートに登りたい。

 

2日目も似たような天気だったので、省略。来た道をそのまま戻って帰りました。

 

途中で春ルートの藪漕ぎへ入って行ったけど、夏場であれば笠ヶ岳への稜線もぜひ歩いてほしいところ。稜線フリークとしてもかなりオススメです。

アップダウンがあるけれど、お花畑はもとより向かって左側に槍と穂高連峰が見渡せるので、景色も最高!

 

こんな感じの稜線が待っております!

 

帰りも少し時間はかかったけど、14時半に新穂高温泉に下山完了。駐車場もこの天気のせいかガラガラでした。

 

 

ざっと書いたけど、残雪期の双六岳の山行としてはこんな感じ。

ピークハントも行こうと思えば行けたけど、登っても展望は期待できなかったのでやめました。

ただ晴れていれば、双六岳からは槍ヶ岳の展望が素晴らしく綺麗に見えるので、ぜひ登ってほしい山です。

 

山頂直下のこの広い稜線も見所の1つで、稜線越しの槍ヶ岳の展望が双六岳の中でも有名なアングル。

こうして過去の写真を見ているだけでも、また登りたくなってきた(笑)

 

こんな感じで、テントキャンプがメインの登山にはなったけど、仲間と大いに楽しめた2日間でした。

普通にこのレベルの残雪登山をこなせる山仲間がいるって言うのは、改めて幸せなんだとも思った。

 

梅雨時期ということもあって天気はそこまで優れなかったけども、初日は青空も見れたし、北アルプス特有の岩山と稜線も見れたので満足してます。

 

今回は残雪の双六岳に登れなかったけども、別に残雪期のピークハントにこだわっているわけでもなく。

また機会があれば夏のハイシーズンに登りに来たいと思っている山です。

 

またいつかこんなお花畑を見に行きたいな

 

 

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【日程】

2014年6月21日~22日

【コースタイム】

・1日目 晴れのち曇り時々雨

新穂高温泉(4:20) — わさび平小屋(5:40) — 鏡平山荘(10:15~11:10) — 弓折岳(13:00) — 双六小屋(14:40)

・2日目 曇り時々雨

双六小屋(7:00) — わさび平小屋(12:50) — 新穂高温泉(14:30)

 

 

 

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