栃木県足利市の行道山〜両崖山(足利アルプス)へ電車とバスを使って春のハイキングに行ってきました。
登山道は全体的に歩きやすく展望の良い箇所もたくさんあって、さらにコース上には桜やツツジも咲いて非常に面白い縦走ルートでした。
まさに春の花のシーズンにおすすめ!初心者でも安心して歩けて、帰りは織姫神社を経て足利市駅まで直接下山できるので公共交通でのアクセスも最高です。
2025年4月5日【栃木】行道山~両崖山 春の縦走ハイキング
最近、自分の中では両毛線界隈の栃木低山が熱いスポットになってます。
今回は足利市の行道山と両崖山。「足利アルプス」と呼ばれている縦走コースを歩いてきました。
ここもまた、変化に富んだ縦走路がとても面白い駅近のご当地アルプスでした。
電車、バスの公共交通でアクセスする場合、東武足利市駅やJR足利駅を経由する行道山行きのバスを利用します。
路線バスの名前は「あしバスアッシー」。運賃はなんとたったの210円という格安設定。現金のみの前払い方式なので、あらかじめ小銭を用意しておきましょう。
自分は東武足利市駅から乗車して、40分ほどで終点の行道山バス停に到着。
晴れた週末でしたが、登山客は自分以外に4名。バス車内はガラガラでした。
ここからしばらくは林道歩き。スタート早々、桜が綺麗に咲いています。
4月5日ということで関東は桜のシーズン。山の中も凄いことになってました。
バス停にトイレはないですが、しばらく歩くと登山口手前にこちらのトイレがあります。
薄暗くてやや不気味だったので、不安であれば駅のトイレで済ませておきましょう。
林道を歩いてこちらが登山口。
標識に書かれている行道山浄因寺まではひたすら階段が続きますが、時間にしたら10分もかかりません。
門をくぐって行道山浄因寺に到着。鐘楼の周りの桜が綺麗です。
ひっそりと静まり返っていましたが、山の中の断崖絶壁に囲まれたお寺で「関東の高野山」とも呼ばれているそう。独特の雰囲気あるので、時間があればじっくり見て回るのも良いかと思います。
秋は紅葉も綺麗だそうで。
登山道はここから本格的な登り坂になります。
しばらくは樹林帯ですが、それも15分ほどで尾根まで上がると最初の絶景ポイントに出ます。
それがこちらの寝釈迦というたくさんの石仏が祀られている場所。
中に寝ているお釈迦様が1体いるので探してみてください。
寝釈迦は眺めが素晴らしい!
突き出た岩場の展望台になっていて、足利市街地方面を見渡すことができます。
手前にベンチもあるので、一息入れるのにちょうど良いポイントです。
ここからは尾根沿いを緩やかに登って行きます。
行道山までは急登と呼べる急登もほとんどなくて、非常に歩きやすい道が続きます。
しばらく歩くと稜線の分岐に出て、右手に少し進むと後行道山に到着。
展望は特にないですが、分岐からすぐなので立ち寄っておいて損はないかと思います。
分岐まで戻って行道山方面の縦走路を進んで行く。
ここからはひたすら稜線を南下していくのですが、ここからの道が変化に富んでいて非常に面白くなってきます。
縦走路に入ったのも束の間、すぐに行道山に到着。標高は442m。
標識に書かれている通り、ここは栃木百名山に選定されているほか、さらに上位の関東百名山にも選定されています。さらには足利百名山にも。ブランド力はかなりのものをお持ちですぜ。
山頂は屋根付きベンチもあるほど広くて、何より展望が凄い!
特に西~北側が開けていて上信越の山々を見事に見渡せます。
左奥に見えるのは赤城山、右奥には新潟方面の雪山が白く輝いています。
右奥にうっすらと見える三角形の雪山は浅間山。
低山とは思えないほどの大展望で行道山のポテンシャルの高さを思い知らされました。
まだ大して疲れてないですが、ロケーションが素晴らしすぎるので山頂のベンチでしばし休憩。
ここから両崖山へ向けて、引き続き登山道を南下していきます。
ここは足利アルプスと呼ばれている縦走路で、この時期ならではの景色も出てきます。
その1つがやっぱり桜。
ヤマザクラが至る所に咲いていて、頭上を覆う白い花がとても綺麗です。一番見応えある桜の木は両崖山の奥にありました。
行道山から一度下って何度か林道と交錯しながら進んで行きます。
途中、最勝寺(大岩山毘沙門天)というお寺があるので、そこに立ち寄ってみるのも良いかもしれません。日本三大毘沙門天だそうです。
写真を載せていないところから察するかもしれませんが、自分はスルーしました。
縦走路の途中にあったのが黒岩山。
山頂自体に展望はなく黒い岩も見当たりませんでしたが、この先に岩場のビュースポットが用意されてます。
ここら辺からアップダウンが出てきて、ご当地アルプスらしい歩き応えになってきます。タフな登り坂もあったりしますが、途中途中にこんな感じでベンチが用意されているのが嬉しいところ。
低山の割に完全に樹林帯に包まれることが少なく、登山道全体を通して明るい雰囲気なのでメンタルは終始上々。非常に楽しく歩けてます。
そしてやってきたのが飛天石と書かれた岩場。
断崖絶壁にある突き出た展望台になっていて、岩からの眺めが最高でした。
眼下に見えている高速は北関東自動車道。
まだまだ先が長い今日の登山。
右奥に見えているのは天狗山で、今日は立ち寄らないですが両崖山~天狗山の周回ルートも人気のハイキングコースになっています。
足利アルプスはルートが多岐にわたっていて、とても今日一日では歩けない規模でした。こりゃ~また来るしかないな。
非常に歩きやすい道が続く足利アルプス。
こんな感じでフラットな箇所も多くあり、トレラン勢も結構いました。
さらに進むと分岐点に到着。両崖山ルートは左ですが、右に行くと小天狗、裏天狗という2つのピークが待っています。
分岐からそんなに距離がなさそうなので行ってみることにしました。
……が、右に行こうとした瞬間、思わず声を上げてビビってしまった。写真に映っている右のやつに。
足元にいたどデカいカエル、の置物。
なんて事はない、普通に見れば置物とわかりますが、視界に入った瞬間に本物と見間違えて飛び退いてしまった。色味が妙にリアル。
情けない声を上げてしまいましたが、誰もいなかったのが幸い。カエルやヘビは大の苦手なんだ。。。
カエルに一撃食らいながらも、分岐から5分も歩けば最初の小天狗に到着。
タヌキや熊の置物が飾られて、標識には天狗のイラスト。足利百名山と書かれていましたが、その割にNo101というのがちょっと謎でした。(帰って調べてみたらNo101~No130が新足利百名山とも呼ばれている次点扱いの山らしい)
ここも山頂からの展望が最高で、歩いてきた縦走路を一望できます。
山肌がポツポツと白くなっている通り、桜が色々な場所で咲いているのもわかります。
さらに奥の裏天狗までも10分もかからないので行ってみることにしました。
左奥に見える山は天狗山で、あそこまでは行きません。
下って少し登り返したところが裏天狗。
私の持っている地図ではここでルートが終わっていますが、標識に書かれている通り、ここから下って天狗山へ登る道があるそうです。そしてそれがラクで早いとのこと。
今日は両崖山に行きたいので自重しましたが、天狗山も非常に展望が良い山らしいので今度来るときに行ってみたいと思います。
寄り道を終えて、先ほどのカエルの分岐点まで戻って先へ進んで行きます。
ここら辺も道が良く整備されてとても歩きやすい。
登った先がまた分岐点。左が雷電神社、右が両崖山。
雷電神社方面に行くとまた2つピークが待っているので、ここも寄り道して左に行ってみることにしました。
まず10分くらいでたどり着いたのが小谷山。
先ほどの小天狗、裏天狗と違ってこの区間はアップダウンあって多少距離も長め。
結構疲れました。
そんな疲れた身体の癒し系が登山道に咲いていたツツジ。
紫色のツツジはミツバツツジしか知らないんですが、それで合ってるのかな?
まだ咲き始めですが、一部群生となっている箇所があって綺麗でした。この翌週くらいに来たら満開になっていそうです。
ツツジロードを抜けてアップダウンの縦走路を進む。
ここら辺も随所に視界が開けるポイントがあって、疲れていても気分は気持ち良く歩けてました。
そしてこちらが2つ目のピーク小谷雷電山。
足利百名山のNo38とのこと。足利百名山はこの日だけでも10個近く登りましたが、足利市だけで百名山組めるってやっぱり凄いですね。
雷電山から先は下山路になるので、ここで来た道を戻ります。
行きでは気づかなかったですが、これから行く両崖山がしっかりと見えていました。
ポイントは山頂左下に咲いている桜。あそこにとても綺麗な桜並木があります。
往復40分ほどで再び分岐まで戻ってきて両崖山へ。
この寄り道は結構体力削られるので、無理に立ち寄らなくてもいいところだと思います。
雷電山方面では誰とも会わず、あまり登られていないコースなのかもしれません。
両崖山までの道も非常に明るくて眺めも良い。
すぐ近くの大小アルプスもそうでしたが、この界隈の低山は非常に展望に恵まれているところが多い印象です。
樹林帯というのも最初のごく一部の区間だけでした。
その大小アルプスも登山道から良く見えます。
正面奥に連なっているあの山脈。大小アルプスの縦走も非常に面白かったのでお勧めしておきます。
ちなみに左手前のピークが先ほどの小谷山でその奥が小谷雷電山です。
こうして両崖山に到着。標高は251m。
山頂には御嶽神社があり、ここら一帯が足利城跡にもなっています。そして標識には特に書かれていなかったですが、両崖山も栃木百名山に選定されています。もちろん、足利百名山にも。
山頂で軽く休憩して織姫神社方面のルートを下って行きます。
ここまで写真には誰も写っていないですが、両崖山でもたくさんの人とすれ違って本当に人気の山なんだなと。ちびっ子たちも元気に登りに来てました。
そして両崖山山頂直下にも、また1つ素晴らしき眺めが用意されていました。
こちらの両崖山の桜並木。
ちょうど満開を迎えていて、今日イチ見ごたえのある桜でした。
気温も暖かくてまさにお花見ハイキング日和。行道山~両崖山は桜が咲いているポイントが非常に多く、中でも両崖山のこの辺りは密集して咲いているのでひときわ華やかです。
その先にあった展望台も凄い!
突き出た展望テラスからの眺めはもう最高で、関東平野を一望できます。
その後の下山路も全然樹林帯に囲まれる気配がなく、展望の良い道が続く天空回廊。
地平線を感じられる景色を眺めながらの下山が続きました。
ここら辺は時折岩場も出てきますが危険個所はほとんどなくて、むしろ変化に富んだ登山道で面白さ倍増という感じ。
さらに進むとツツジの群生ゾーンも出てきました。
標高が高いところではまだ蕾も多かったですが、中腹辺りはすでに見ごろ。稜線部分は翌週あたりには開花すると思うので、良ければ登りに行ってみてください。
途中にあったのが明石山。
下山する中でもいくつかピークを越えていきます。
途中ではヤマツツジも咲き始めてました。
こちらもまだ多くは蕾だったので、ツツジを求めるなら4月中旬辺りが良さそうです。群生ポイントもたくさんあったので、一斉に開花したらすごい景色になりそう。
そして、こちらの不思議なモニュメントのような屋根付きベンチがあるのが鏡山。
ここまで来れば織姫神社も近いです。
鏡山から少し下っていくと広場のような場所に出ます。
ここら辺はもう織姫公園の敷地内で、普段着姿の観光客も目にするようになってきました。
ここら辺でも桜が満開。
本当に今日の縦走路は桜が咲いているポイントが多かったです。
織姫公園を下っている中で見つけた、こちらのロウバイにも似ている黄色い花は何でしょうかね。
一部で群生となって咲いていました。
織姫公園にあったのがこちらの機神山。
小高い丘に見えましたが、実はこちらは古墳だそうです。そのため、立ち入り禁止となっていたので眺めて素通りする形になりました。
そうしてやってきたのが織姫神社。
事前に写真では見ていましたが、朱色に輝く神殿がとても美しい!
名前の通り縁結びのご利益があるとされる神社で、観光地としても非常に人気です。桜も見頃の週末ということで賑わっていました。
織姫神社の七色の鳥居。
赤以外にも青、黄色、緑などのカラフルな鳥居が立ち並ぶ縁結びの坂です。
鳥居は並べるだけでも絵になる風景。こういうのも観光受けするんでしょうね。
織姫神社の229段の階段を下って行く。
山から来たので自分はここを下るだけでしたが、登ってくる人はちょっと辛そうでした。
ここから東武足利市駅までは徒歩20分くらい。そんなに遠くはなく、十分歩ける距離です。(※正面に見えている小さい山がこの後行く浅間山)
ちなみに階段にはこんな注意書きがありました。
なるほど、トレーニング自体を禁止しているわけではないんですね(笑)
寛容な神社の対応が心に響きます。そして確かに地元の高校生と思われる学生さんがトレーニングしてました。
織姫神社を後にして駅に向かう途中で渡良瀬川を越えていく。
山から下山して駅まで向かうこの時間も非常に好き。登山モードから観光モードへ、現地の街並みをのんびり歩いて回れるのは公共交通利用だからこその醍醐味かもしれません。
そんな観光モードでしたが、駅に向かう途中に登れる山があったので締めとして登っておきました。
こちらの浅間神社見晴台と書かれたところから入って行きます。
山に入ると途中からしっかりとした登山道になりましたが、それも10分弱。
写真は登りきったところの分岐点で、奥が山頂、手前側が浅間神社になります。
こちらが浅間山の山頂。
標識は用意されていましたが、展望は特にありませんでした。
そして標識を見て知った栃木283山なるカテゴリー。栃木県は色々と括りを作っていて、登山プロモーションが上手いですね。
そしてこちらが浅間神社。
神社裏手は展望台になっていて、今日登った行道山~両崖山の山々が見渡せます。
肉眼では中腹の織姫神社も目立つので、ぜひ時間があればここにも立ち寄ってその眺めを見てみてください。
こうして足利市駅まで歩いて今日の登山が終了。
行きだけバスを使いましたが、帰りは直接駅に降りてこれるので、この足利アルプスもまた公共交通アクセスが良いご当地アルプスでした。
桜とツツジが咲く行道山~両崖山の足利アルプス縦走登山。
春爛漫の景色に加えて登山道も随所に展望の良いポイントがあって非常に面白いコースでした。
来週以降はツツジが満開となりそうなので、まだまだこの先もお花見ハイキングが楽しめそうです。
良ければ登りに行ってみてください。
【日程】
2025年4月5日
【コースタイム】
8:50 行道山バス停
9:15 浄因寺
9:40 行道山
10:30 黒岩山
12:10 両崖山
13:15 織姫神社
14:15 足利市駅
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