秋田駒ヶ岳~乳頭山 ムーミン谷のお花畑と展望豊かな稜線登山 

秋田駒ヶ岳~乳頭山 ムーミン谷のお花畑と展望豊かな稜線登山 

2015年夏の東北遠征登山、まずは花の名峰・秋田駒ヶ岳へ。

甲斐駒ヶ岳、木曽駒ヶ岳、、、○○駒ヶ岳と名のつく山が日本にたくさんある中で、最も高山植物豊富な駒ヶ岳と言われているのが今回の秋田駒ヶ岳。標高1637mは決して高山というわけではないものの、ムーミン谷をはじめ湿原に広がるお花畑は駒ヶ岳随一の言われる花の宝庫で、いつかは登りたいと思っていた山です。

8合目までバスが通っているので秋田駒ヶ岳だけであれば観光気分で登れる山ですが、今回は少しロングコースを選択して湯森山から乳頭山まで縦走してみました。結果的にはこれが大正解で、乳頭山方面は稜線フリークにはたまらない静かで雄大な稜線が広がり、点在する湿原にはお花畑も豊富。下山後には乳頭温泉にも入れて、秋田駒ヶ岳のもう1つの隠れた魅力を感じられました。

阿弥陀池やムーミン谷に広がるお花畑はもちろん良かったですが、時間があればぜひ隣の乳頭山まで歩いてみてください。個人的に最も気に入ったのが、縦走路の途中にある笊森山!飯豊山を思い出させる広い稜線と秋田駒ヶ岳の絶好の展望台がそこにはありました。

 

高山植物の宝庫、秋田駒ヶ岳―――

 


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今回は……、というか今回も公共交通手段だけを利用しての東北遠征登山。2年前の岩手山八幡平、昨年の飯豊山に続く東北の電車・バスの山旅。

東北は遠いけど、有名どころの山は登山口までバスが通っていることが多いので、割と行きやすい。

今回の秋田駒ヶ岳については、田沢湖駅から秋田駒ヶ岳8合目行きのバスが出ているのでそれを利用。

 

で、田沢湖駅までどうやっていくのかって言うと、都内からだと良い具合に直通夜行バスが出ていて、それが「レイク&ポート号」。

 

浜松町バスターミナルからこんな路線経路で田沢湖駅まで連れて行ってくれる、秋田駒ヶ岳登山には打ってつけの夜行バス。 もともとは盛岡駅まで夜行バスで行って、そこから電車で田沢湖駅まで行く予定だったけど、偶然このバスを発見したのでこれを利用させてもらいました。

 

この日は木曜日の夜。平日なので車内がら空きで、6人くらいしか乗車してなかった。好きなところに座っていいと言われたので、適当にみんな散らばって何とも快適空間でした。

そしてこのバス、クオリティーが半端ない!3列シートはもちろんだけど、席1つ1つに仕切りのカーテンまで着いとる。夜行バスはかなり利用している身だけど、カーテンでプライベート空間演出できるのは初だな。

現地到着は朝の8時だし、これなら登山開始前としては異例の9時間睡眠余裕で確保できるわぃ( ̄▽ ̄)

 

のんびりバスに揺られて、いざ東北・秋田へ!眠りに着く前にスカイツリー見えたけど、、、そういやあれはまだ登ってなかった。

快適なレイクポート号だけど1つ注意点があって、10時間ほどの乗車時間なのに途中休憩でSAに停まるようなことはないです。まぁ、こっちは寝るだけだからいいけど、そういうこともあるんだなって思った。

 

普段仕事に行くときと変わらない時間に起床して、田沢湖駅到着。8時到着の予定だったのが、だいぶ早く着いちゃいました。

新幹線も停まる駅なので駅舎は大きいけど、駅前には確かコンビニの類はなかった。

ここから8合目までの直通バスが出てるけど、本数がそれほど多くない。8時15分のバスまでだいぶ時間があるので、アルパこまくさまで移動。アルパこまくさまでは乳頭線の路線バス、もしくはタクシー利用で行けます。

 

こちらがアルパこまくさ。秋田駒ヶ岳は週末だけマイカー規制がかかるので、その場合はマイカー組もここからバスに乗ることになります。

ここまで来てしまえば8合目までのシャトルバスが豊富にあるので、直通バス待つよりも早めにスタートできます。

 

ここから駒ヶ岳8合目行きのバスに乗車。右上に見えているのが秋田駒ヶ岳。

この日は特にマイカー規制もかかってない平日だったので、バスも空いてました。

 

秋田駒ヶ岳8合目に到着。平日朝8時半過ぎの8合目駐車場はこれくらいの埋まり具合でした。

8合目からすでにこの雄大な眺めだけど、標高はまだ1300m。さすが東北、森林限界も低いっすな!

 

8合目の水場。 秋田駒ヶ岳の周回ならハイキング気分で回れるけど、今回は少し長めのコースなので水も2.5Lほど持った。

 

入口の地図。今回のルートは

8合目~男女岳~男岳~ムーミン谷~横岳~焼森と秋田駒ヶ岳の有名どころを周って、焼森から稜線伝いに湯森山~笊森山~乳頭山と縦走するコースを予定。帰りは乳頭温泉へ降りるつもりなので、もうここには戻ってこない。

9時スタートでこのコースは時間的には少し厳しいけど、乳頭温泉からの最終バスが18時15分なので多少巻けば行けなくはない。せっかく遥々やってきたので、可能な限り歩き回る精神で行ってきます!

 

9時前にスタート。8合目まで来ているので、すでに山頂らしきものが目の前に見えている。

 

登山開始からいきなり周りにはお花畑。ハクサンチドリがたくさん咲いていました。

 

すぐに見えたのが、この硫黄鉱山跡。豊富な高山植物で知られる秋田駒ヶ岳だけど、今なお活動を続ける活火山でもある山。

お花畑の楽園の裏でこういう物々しい姿を見せたりもする。

 

少し前を歩いていた山マダムさんたちが熱心に見ていたのが、このミヤマハンショウヅル。

貴重な花なんでしょうかね……?

 

阿弥陀池に向かう途中にあった片倉岳というところに到着。目の前に見えるのが、最初に登る男女岳。

 

ここが絶好の展望台で、麓の田沢湖が良く見えた。

日本で一番深い湖で真冬でも凍ることがないらしい。日本百景にも選ばれていて、秋田県では有名な観光スポット。東京からの直通バスがあるのも、秋田駒ヶ岳ではなくあの湖のおかげ。

 

こちらが北側の展望。右奥に見えるでかい山が、2年前の東北遠征で登った岩手山

その手前のこんもりした丸い山が後で登る予定の笊森山で、稜線伝いに左にちょこんと飛び出た山が乳頭山。

こうしてみると距離的にかなり近くに感じるけど、実際にあそこまで歩くとなると、それなりに時間かかります。

 

すでに登山道脇がお花畑で、青紫色のハクサンシャジンが綺麗でした。

 

ニッコウキスゲやコバイケイソウも咲き始めてました。

 

他にも色々と咲いているんだけど、この先でも見ることになるんで、写真は後ほど。

今回は載せる写真の精査に本当に苦労して、絞るのに困るという贅沢な悩み。それくらい見どころが多い山でした。ここまででもかなり端折ったつもり。

 

やがて木道が出てくると、秋田駒ヶ岳の中枢にたどり着く。

 

阿弥陀池。秋田駒ヶ岳にある巨大な池。周囲に木道が敷かれて、その周りにはお花畑が広がっています。

 

ヨツバシオガマの群生。パッと見、ハクサンチドリとの見分け方が良く分からないけど、たぶんこれはヨツバシオガマで合っているはず。

 

エゾツツジとミヤマダイコンソウ。阿弥陀池の周りで一番見れた高山植物が、この紫と黄色の花のセットでした。

 

阿弥陀池の水も透き通っていてとても綺麗。

秋田駒ヶ岳はいたるところに湿地帯があって、水も豊富な山。だからお花畑も多いんだろうね。

 

1周15分ほどの阿弥陀池。池の周りに秋田駒ヶ岳を形成する火山峰がコンパクトにまとまっている分、登山道が入り組んでいるので少々わかりづらい。かの有名なムーミン谷の場所もあまり把握しないで来てしまったので、歩いている人に教えてもらいました。

 

とりあえず、まずはムーミン谷の前に1つピークを踏んでおく。

登ってくる間にずっと見えていた男女岳。他に男岳、女岳もあるけど、時間の都合上ピークはそんなに回れないと思っていたので、とりあえず(名前的に)男と女を網羅する男女岳だけは登っておこうということになった(^^;

見た感じすぐに登れそうだったし。

 

山の斜面には一面、ミヤマダイコンソウの黄色いお花畑が広がっていました。

 

少し登ったところから。

目の前に広がっている湿地帯は浄土平と呼ばれている場所。ここも高山植物の宝庫らしい。木道が敷かれているけど、今回は山の尾根伝いに歩くので、ここは眺めるだけ。

 

トウゲブキ?

現地では花の名前なんてほとんどわからないから帰って調べるんだけど、2,3割は調べてもわからない……

 

10時、標高1637mの男女岳山頂に到着。”だんじょだけ”かと思ったけど、”おなめだけ”って読むんだね。

「だんじょだけに登りました!(キリッ!)」なんて恥さらさないで良かったわ。

 

男女岳山頂から阿弥陀池を挟んで反対側に見えているのが男岳。標高はこちらのほうが高いけど、秋田駒ヶ岳の本峰はあちら。

今回はスルーしてムーミン谷に行くつもりだったけど、あちらも割と簡単に登れそうだったので後で寄って見ることに。

左に見える、いかにも火山という姿をしているのが女岳。右奥には田沢湖。

 

こちらは北側の展望。右奥に聳えているでかい山が、序盤でも見えていた岩手山。 標高2038mは岩手県最高峰。

あの山に関しては、盛岡市内から見るのが一番迫力ある。

その手前には乳頭山までの穏やかで広い稜線が見えていて、稜線フリーク魂に火が付いた!!アップダウン全然ない、素晴らしい!早くあそこを歩きたい。

 

東側、遠くに早池峰山も見えました。あちらはこの翌日登る予定だけど、今回の山旅のメインは秋田駒ヶ岳。日本百名山に選ばれている早池峰山のほうがブランド的には上なのかもしれないけど、そういうのはあまり気にしない。とにかく秋田駒ヶ岳に登りたかった。

 

男岳に寄り道するんで、サクッと下りて阿弥陀池の対岸へ。

 

池の周りが穏やかな雰囲気で、歩いていて気持ちよかった。ここが山の上ということを一瞬忘れる。

池のほとりに建つ小屋は阿弥陀池避難小屋。片方の棟がトイレでした。

 

阿弥陀池をグルッと1周して、男岳方面へ向かう。ここを登り切ると、また1つ新しい景色が見える。

 

眼下に見えるのが女岳。その左隣にクレーターのように凹んだ山が小岳。名前からして親子関係か。

地図を見る限りではこの2つの山に登るルートはなかったので、立ち入り禁止なのかもしれない。

穏やかな池のほとりハイキングから一変して、火山の様相になってくる。

 

やせた稜線を歩いて秋田駒ヶ岳本峰の男岳へ。ここも周囲にお花畑が広がっていました。

 

本峰、男岳到着。標高は1623m。もちろん現地では「おとこだけ」って読んでたけど、帰ってきて「おだけ」と読むことを知った。それに倣って女岳も「めだけ」と読むらしい。

山の名前は難しいわ。

 

山頂から見下ろす。このカールになっている部分が、秋田駒ヶ岳の名スポット「ムーミン谷」。木道が敷かれ、秋田駒ヶ岳屈指とも言えるお花畑が広がっている場所です。

歩くにはだいぶ下りないといけないけど、秋田駒ヶ岳に来たからには外せない場所。

 

ムーミン谷に行く前に、稜線フリークとしてはまたまた見逃せない尾根道発見。

これは南側からの登山ルートの1つ、金十郎尾根。 上から見てると何組か登ってきてました。かなり先の方まで展望良さそうな道が続いていて、歩いている人を羨ましくも思った。

 

そしてこの方角のはるか遠くに、もう憧れに近い存在になってしまったあの山の姿を見る。

 

秋田・山形にまたがる名峰、鳥海山。秋田富士とも呼ばれているだけあって、富士山を思わせる円錐形。登りたいと思いつつも、もう2年連続で悪天候に阻まれて行けていない。

3年目の正直ということで、今年こそはと思っているけどどうなることやら……

 

先ほど登った男女岳も眺めておく。見晴らしがどの方角もいいので、山頂にいる人、稜線歩いている人、木道散策している人、全部見える。こんな楽に登れて展望いいんだから、人気が出るもの当然。時間が経つにつれて観光姿の人も増えて、徐々に賑わってきました。

遠方から来ている人も多いようで、この男岳でおじいちゃんに写真撮ってもらったんだけど、その人から「どっから来たの?」って聞かれたから、「(遥々的な意味を込めて)東京です!」って言ったら、「勝った!こっちは広島から!」とのことで…。

参りましたm(__)m

 

おじいちゃんとお別れして、いよいよムーミン谷へ。

このムーミン谷へ降りるところがかなりの急斜面で、登ってくる人はみんな息切らして辛そうでした。岩が多いので落石にやや注意。

 

こちらへ来ると、阿弥陀池の周りとはまた違った花たちを見ることができます。

 

シラネアオイ

 

ウラジロヨウラク

 

イワカガミ

 

ムーミン谷へ下りてきたところ。可愛い名前とは裏腹に、下から見あげると岩が険しい風景で、千畳敷カールあたりに似ている。

お花畑よりもまずこの迫力に魅せられたムーミン谷でした。

 

ムーミン谷で一番見応えあったのが、何と言ってもチングルマの群生。

時期的には花は終わりかけだったけど、それでもまだたくさん残っていて一面のお花畑見れました。

 

ムーミン谷の木道。標高は低くくても、独特の火山地形が高山帯を造り出していて、これだけの高山植物が咲くらしい。

 

エゾツツジの群生。紫色の花はひときわ目を惹く。

 

想像と違ってムーミン谷は岩のカール。お花畑と同時にその迫力も楽しめる場所でした。

梅雨とは思えない青空の下で見れたのも良かった。

 

チングルマの群生が本当に綺麗。7月中旬のチングルマは花としては終わりに差し掛かっている時期で、逆に2つの姿を楽しめる。

 

チングルマの実の群生。花の後はこのような姿に変貌するチングルマ。どちらかと言えば、実の方が多かったので、花のお花畑を見たいなら6月下旬ごろが最盛期だと思います。

本当はその時期に狙っていたのに、雨で延期での今回。その時は残念に思ったけど、こうして快晴の日に来れたんだから全然問題なし!

 

ここにも小さな池がありました。

駒池。水辺の周りにはたくさんの花が咲く。

 

ショウジョウバカマ。この子はどこにでもいる花だな。

 

ここらでとても可愛らしく咲いていたのが、このヒナザクラ。1つ1つはかなり小さい花だけど、たくさん集まって賑やかに咲いていました。

 

ここにもハクサンシャジンの群生。

 

色々咲いていたけど、ムーミン谷ではやはりチングルマのお花畑が一番だったな。

ここら辺一帯の高山植物帯は国の天然記念物にも指定されている貴重な花の宝庫。規模、種類共に豊富です。

 

歩いて行くとまた景色が一変する。湿原地帯から火山特有の砂地へ。

そして、ここにも1つの有名な高山植物が咲く。

 

高山植物の女王、コマクサ。

砂の斜面にたくさん咲いていたけど、近寄って撮ることができないのでなかなか写真に収めるのに苦労した。

実際目で見てみると、斜面にピンクのコマクサが点在して本当に綺麗です。

 

ムーミン谷の散策コースを終えたら、横岳まで登る。何てことのない上り坂だけど、砂で足を取られて結構歩きづらかったところ。

先ほどのコマクサはここら辺からのほうが良く見れました。

 

コマクサはちょうどピークを迎えていた頃で、一帯にコマクサ天国が広がっていました。

ここまで規模の大きいコマクサの群生は初めて見た。

 

大焼砂から先ほどのムーミン谷方面を眺める。ここが秋田駒ヶ岳の火山峰を眺めるポイントとしては一番の展望台で、女岳と男岳をセットで眺められる。こうしてみると、穏やかさよりも険しさを感じる秋田駒ヶ岳。標高1600m程度の山とはとても思えない。

 

登ってきた道を振り返る。この尾根も横長根と呼ばれる登山ルートの1つで、岩手県と秋田県の県境も兼ねている尾根。向かって左側が岩手県で、右側が秋田県。

この後、横岳~焼森~湯森山~笊森山~乳頭山と歩いて行くけど、ひたすら県境を歩くことになり、途中の標識を見ると秋田県になっていたり岩手県になっていたりする。

 

12時、横岳に到着。予想よりもいいペース。

花はゆっくり見るけど、標準タイムでは帰りのバスに間に合わないので、登るところは一気に登って時間稼ぐ。標高差は大したことないんだけど、花を見るためにしゃがんだり立ったりの繰り返しだから、結構疲れてます(笑)

 

横岳で軽く休憩して、お次は焼森方面へ。目の前に見える広く禿げた丘が焼森。

 

この山頂はかなり広くて、ここの周辺にもコマクサの群生が広がっていました。

 

数時間前に散策した男女岳と阿弥陀池。

これ以降は秋田駒ヶ岳からはどんどん遠ざかっていくので、一通り見納めしておく。

 

焼森から先は、男女岳から見えていた広大な稜線エリアへ。稜線と言うにはあまりにも平べったい丘のようなところだけど、ここがまた最高に素晴らしい道でした。

 

ここから先は人も一気に減って、周りには誰もいなくなる。ルートは明確だけど、一部藪漕ぎに近い箇所もあったので、念のため熊鈴鳴らしながら歩く。

湯森山までの道はヨツバシオバマロードで、登山道わきにたくさん咲いていました。

 

美味しそうな赤い実。

 

先ほどまでの賑やかな秋田駒とは打って変わって静かな道を歩く。緩やかな坂道が続くけど、日陰がない分、暑さがなかなかきつかった。

 

ハクサンシャクナゲも満開を迎えていました。

 

12時50分、湯森山。山頂の標識があるのは、ここから少し先へ行ったところですが、展望はこのベンチがあるところのほうが良いです。

 

湯森山から見た秋田駒ヶ岳はこんな感じ。

 

湯森山周辺にはヒサギギクがたくさん咲いてました。現地では名前がわからないので、とりあえずヒマワリってことにしておいた(-з-)

 

まだまだ続く広大な稜線。

見てください、このアップダウンがほとんどない身体に優しい稜線を!!

花メインのハイキングとしてはこれくらいがちょうどいい。

 

途中には木道が敷かれて、こちら側にも花の楽園が待っていました。

 

コバイケイソウとニッコウキスゲの群生。

 

湯森山と笊森山の間には、熊見平という湿原が広がっていて、ここもお花畑になっています。

阿弥陀池やムーミン谷に比べたら規模は小さいけども、こちら側まで歩いてくる人はほとんどいないので、静かな湿原散策が楽しめる。

ただ人が誰もいない分、熊見平って名前がやたら気になって、熊が出てこないかかなり心配だったが……

 

ワタスゲも咲いてました。前回の田代山を思い出す。

 

傍から見たら丘に見えた笊森山も、実際に歩けばそこそこ登る。

それでも開放感抜群なので終始楽しく歩けた道でした。途中に宿岩などの巨岩も点在していたけど、写真が多くなってきたので省略。今回のコースは見どころが多すぎる。

 

13時45分、笊森山に到着。1人だけ先客がいました。

 

笊森山から眺める秋田駒ヶ岳。こうして見ると、だいぶ遠くまで歩いてきた感じがする。

今回立ったピークとしては、この笊森山が一番のお気に入りで、展望はもちろん、ここに至るまでの稜線ハイクが最高に楽しかったです。仲間内で秋田駒ヶ岳に登る人が出てきたら、笊森山はぜひとも勧めておこう。

 

北側には相変わらずの岩手山。独立峰に思われがちだけど、岩手山も鬼ヶ城というそれはそれは楽しい稜線が待っているので、ぜひそのコースを歩いてみてほしいです。左に延びている尾根がそのルート。

ここから道は二手に分かれて、自分は乳頭山方面へ。今回は歩かないけど、もう一方には千沼ヶ原という湿原地帯が広がっていて、そこにも綺麗なお花畑があるらしい。

ここまで来ると秋田駒ヶ岳の山域というよりは八幡平の一角に入ってくる。

 

自分が進む方向はこっち。左奥に見えるのが今回のコースの終点、乳頭山。笊森山からはどの方面を眺めても穏やかな稜線が続く。

こういう雄大な稜線を眺めを見ると、どうしても1年前の飯豊山を思い出してしまう。この手の景色はアルプスではなかなか見られない、東北ならではだと思う。

標高1400m程度でこの景色は、関東ではありえないな(笑)

 

登山道脇には湿原がいたるところに点在。綺麗にくり抜いたような円形がまた絵になって可愛らしさあるな。

ちなみにこの池は、真ん中の池がトナカイのように見えることから、トナカイ沼なんて呼ばれてもいるらしい。

 

乳頭山。名前からも見た目からもわかる通り、おっぱいに似ているから乳頭山。名づけた人の単純さがいいな(笑)

岩手山の山頂にも、確か通称「おっぱい山」と呼ばれている山があった。

 

こちらは乳頭山付近でたくさん咲いていた花。

コメント頂いた「いにしえ人さん」からミネウスユキソウと教えてもらいました。ありがとうございますm(__)m

 

乳頭山までの最後の登り。立ったりしゃがんだりを繰り返していたら、ここら辺で足をつりそうになったので少しだけ休憩する。

 

14時40分、乳頭山山頂に到着。先客の方は笊森山にいた方です。湯森山以降は結局この方を含めて3,4人ほどしか会わなかった。

 

乳頭山山頂。岩手側からは烏帽子岳とも呼ばれている山。日本三百名山にも選ばれています。

 

山頂からは360℃の展望!今回踏んだピークはどこも展望が開けているので、見える景色にそれほど違いはないけど、乳頭山からは歩いてきた稜線が 何とも心地よい眺めでした。雲の陰影が夏らしい。

 

さっきまでいた秋田駒ヶ岳もだいぶ遠くに感じる。乳頭山と秋田駒ヶ岳をセットで登る人は多くないのかな?

公共交通利用だけだと多少時間に追われるけど、マイカーなら早朝から登りはじめれば標準タイムでも十分に回れるルートなので、かなりオススメしたいです。地元の人曰く、乳頭山から登るとキツいから絶対に秋田駒ヶ岳から登るべし!とのこと。

8合目まで文明の力で登れてしまうのは大きい。

 

乳頭山は片側がこんな感じで断崖絶壁になっています。落ちたら絶対に助からない高さ。

ロープや柵といった親切なものはないので、間違っても落ちないように。

高度感ある山頂でした。

 

15時前に乳頭山に到着できたので、予定よりだいぶ巻けた。当初の予定では、乳頭温泉に入る時間はないだろうと思っていたけど、これなら温泉に入れそうってことで、逆に疲れ吹っ飛んだな~!

少し休んで下山したけど、下山方面もまだまだ穏やかで展望の良い道が続く。こういう道なら時間が許す限り歩き続けたくなる。

 

ラストはニッコウキスゲがたくさん咲いていました。何種類の花を見たか思い出せないくらい、たくさんの花を見れた旅。

登山としても十分充実したプランが組めたし、観光の山とは程遠い登り応えと疲れも感じられた。

乳頭温泉へ降りる下山路は3つほどありますが、最短ルートではなく、せっかくなので田代平まで行ってから降りることにする。時間もそこまで変わらないし。

 

こちら田代平山荘。無人の避難小屋です。

 

田代平一帯は湿地帯になっていて、小屋の目の前にも綺麗な湿原が広がっていました。花は時期が少しずれていたのか、ハクサンチドリが一輪咲いているだけでした。ここは何の群生だったんだろ……

 

田代平からもう少し先まで稜線が続いていたようだけど、今回はここで下山路へ。思い残すこともないので、もう帰る。

朝方登った秋田駒ヶ岳が遠くに感じられました。

 

田代平から乳頭温泉までの下山路はひたすら樹林帯だったので省略。特に見どころはなかったのでサクッと降りました。早く温泉に入りたい思いと、どことなく熊が出そうな雰囲気があったんで、やや駆け足(^^;

 

16時に孫六温泉へ下山。乳頭温泉の中では一番奥地にある温泉だったっけか。

古き日本家屋が立ち並ぶ、昭和の時代にタイムスリップしたような場所でした。

 

秘湯感あふれてたけど、孫六温泉に入ってしまうとバス停までしばらく歩かないといけないので、我慢してもう少し下の温泉街へ。

 

乳頭温泉は日帰り入浴可能なところがいくつもあるけど、16時以降に入れる場所はかなり限られているので事前に調べて行ったほうがいいです。だいたいは15時くらいで日帰り入浴の受付終了してしまう。

 

自分が入ったのは結局ここ。乳頭温泉郷休暇村。

ここなら17時まで日帰り入浴やっているし、バス停が目の前なのでおあつらえ向き。入浴料510円と安いのもうれしい。

ここが一番遅くまで入れる温泉だけど、それでも17時まで。下山後に乳頭温泉に入りたいなら、時間にご注意を。

 

平日なだけあって、かなり空いてた。他の温泉宿に比べると秘湯感というか昔ながらの雰囲気はないけど、泉質は宣伝通りのぬるぬる感と硫黄臭でした。ドライヤーとかアメニティーが充実していたので、女性には入りやすいんじゃなかろうか。

 

頑張って歩いた甲斐あって、ゆっくり1時間ほどのんびりできました。

 

最終便の1本前の17時33分のバスに乗車。誰も乗ってなかったし、誰も乗ってこなかった(笑)

 

せっかくなので観光名所の田沢湖で途中下車。ちょうど夕日の時刻で、湖も空もいい感じに染まっていました。

田沢湖は夕日スポットとしても有名。

 

田沢湖の夕日。水面に反射した、見事なまでの光の階段。

最後の最後でもう1つ絶景を見ることができました。

 

こうして1日目の旅が終了。

この後は最終バスで田沢湖駅まで戻って、電車で盛岡駅へ。そこで格安ホテルに泊まって、また翌日の山旅に備えました。

 

秋田駒ヶ岳のお花畑、乳頭山までの稜線、乳頭温泉に田沢湖の夕日と、色々盛りだくさんな内容で本当に充実した1日でした。ムーミン谷だけで1つの記事書けるくらいのボリュームがあった。

秋田駒ヶ岳だけでも十分に見どころ多くて楽しめるけど、さらに時間をかけて山登りがしたいならぜひ乳頭山まで歩いてみてください。記事内でも書いたけど、穏やかな稜線と広大な湿原は秋田駒ヶ岳の火山帯とはまた違った雰囲気で、この山域のもう1つの魅力を味わえます。

 

2年前の岩手山の記事でも「あと1日休みがあったら秋田駒ヶ岳も登りたかった」なんて書いてたけど、ようやく登りに来れました。しかも花の最盛期に快晴とベストコンディションで。

登り終わった直後だけどかなり気に入った山なので、また登りに来たいと思います。

 

秋田駒ヶ岳登山、大満足で終了。

 

東北遠征登山、2日目へと続く。。。

 

 

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【日程】

2015年7月10日 快晴

【コースタイム】

秋田駒ヶ岳8合目(8:50) — 男女岳(10:00) — 男岳(10:40) — ムーミン谷(11:00) — 横岳(12:00) — 焼森(12:20) — 湯森山(12:50) — 笊森山(13:45) — 乳頭山(14:40) — 乳頭温泉休暇村(16:15)

※若干ペース早め

 

 

 

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