福島の一切経山へ久しぶりの登山に行ってきました。
磐梯吾妻スカイラインの浄土平に前夜入りして、まずは夕焼けと星空観賞。標高1600mに位置するだけあって、駐車場からでも素晴らしい景色!周りを取り巻く火山風景も圧倒的な迫力がありました。
翌朝は吾妻小富士に登ってご来光。海の方から昇ってくる朝日がまた爽快で、コロナ明けの最初の登山ながら、色々といいもん見させてもらいました。
一切経山に登る前の前哨戦。
新型コロナの外出自粛が解禁され、いよいよ登山再開。
1発目はもともと6月に行きたかった吾妻連峰の一切経山。日本三百名山にも選定されている福島でも人気の山です。
この山に登るのは6年ぶり。
一切経山自体は日帰りで十分登れる山なのですが、前日も時間に余裕があったので早めに浄土平に現地入りして車中泊。
翌日の登山に備えて寝るだけのはずだったのですが、前夜入りしてからも色々と行動できたので、まずは1日目の記録を。
2020年6月20日 浄土平~吾妻小富士
コロナ自粛前の最後の登山が3月26日の北アルプス・遠見尾根だったので、実に3ヶ月ぶりの山登り。いやいや、待ち遠しかった。
登山を趣味として始めたのはもう10年以上前ですが、これほどのブランクが開いたのは初めてでした。
だからなのか、飢えていたのかもしれない。
日付は6月20日の土曜日。この日の午後から自由に行動できたので、急いで準備して東京から福島へ移動。
3ヶ月もブランクが開くと、例え日帰り装備でも準備に少し時間かかりますね。あれ、何が必要だったっけ……って具合に。
写真は磐梯吾妻スカイラインから見えてきた一切経山。このスカイラインも一切経山登山においては面白ポイントで、突如目の前に現れる荒涼とした火山風景は気分が最高に高まる瞬間!
いきなり別世界に飛び込んだかのような、そんな変貌っぷり。
18時30分、一切経山の登山口である浄土平に到着。標高はすでに1600m。
思っていたよりも早く着いて、まだ空は十分明るかったです。なんせ、この翌日が夏至。1年で一番日の長い季節なもんで、まだ日没まで時間がある。
ということで、駐車場からすぐ登れる吾妻小富士にちゃちゃっと登ることにしました。
一切経山とは浄土平を境に反対側にあるので、この吾妻小富士に登ると一切経山の全容が一層良く見えます。
登山道は観光客でも登れるように階段が整備されているので、特に難しいところはありません。昼間になれば子どももたくさん登ってるよ。
吾妻小富士に登る途中からの一切経山と浄土平。一切経山は今なお活動を続ける活火山。噴煙が立ち上っているのが良く見えます。
2019年は一時噴火警戒レベルが2に引き上げられて、この浄土平や山頂が立ち入り禁止になっていた時期もありました。
階段を登り切ると、吾妻小富士の本当の顔が現れます。
下から見ると小高い丘に見えますが、その正体はどでかい大穴を開けた火山の面影プンプンの山。
すり鉢状の大火口が迫力満点です。
吾妻小富士という名の通り、富士山の山容にそっくりな山。ぐるっと一周お鉢めぐりができるようにもなっています。
1周まわるのに1時間って言われてるけど、山歩きに慣れている人ならたぶんそんなにかからない。
時計回りでぐるっと一周してきます。
この吾妻小富士からの展望がまた素晴らしくって、荒々しい火山風景、緑生い茂る広大な平原、吾妻山の大自然を存分に見ることができます。
そこに敷かれた1本の道、磐梯吾妻スカイラインが走っているのも何かすごくいい。アメリカンな感じ?日本じゃないようなスケール感あります。
夕日は西側に聳える山の陰に隠れて見えませんが、それでも空の刻々と変わる色模様が凄く綺麗。
なんせ山は久しぶり。しかもこの時間に山にいるっていうのは、おそらく昨年夏のテント泊以来だろうから、もうニヤニヤがとまらんよ。
驚くことに、この時間でも結構登っている人がいました。まだヘッドライトなくても十分歩ける状態ですが、ほとんどの方が私服にスニーカーというラフな格好。
吾妻小富士は完全な観光地ですね。
吾妻小富士の大穴を眺める。
観光地ながらもこの迫力は素晴らしすぎる。そして、全景を撮るために広角カメラが欲しかった。あいにく今日はGRⅢしか持ってきてないんだ……
お鉢めぐりを経て東側まで来ると、福島市街地を一望!
夕焼けに染まる空のグラデーションも見事です。
この景色を見ていたからこそ、翌朝のご来光がまた格別でした。正面奥は太平洋の海。そこから朝日が昇ります。
時刻ももう19時過ぎ。
西の空の夕焼けと山のシルエットが際立つ時間。どこの誰ともわからないハイカーさんが絵になっております。
本当にこういう景色を見るのは久しぶりだったわ。
大火口のお鉢めぐりも終盤。結局、ヘッドライトは不要なまま歩き通すことができました。
6月って行動時間が長くていいですね。1日目でこれだけ楽しめたので大いに満足。
19時半ごろの浄土平の様子。
駐車場にはいくらか車が停まっていますが、到着時より若干空きました。
そして、おそらくこの時間帯が一番車が少なかったと思います。この後、日没を過ぎると逆に車が押し寄せてきて、駐車場が徐々に埋まっていったので。(どうやら星空メインの人もいた模様)
吾妻小富士で夕日を楽しんで、後は車の中で寝るだけだったのですが……
陽が沈んだら沈んだで、今度はまた別の絶景に目を奪われる。
駐車場から見上げる満天の星空!
標高1600mの地点なだけあって、星がものすごくクリアに見えます。
一眼レフではないコンデジのGRⅢでさえ、これだけの写真が簡単に撮れました。
左に見えるひときわ明るい星は木星ですかね?
数分空を見上げているだけで流れ星もたくさん見れました。
日没を過ぎて夜になって車がどんどん来た理由が分かった気がする。みんな星空を求めてたんだな。
ここ浄土平には天文台もあって、夏の限られた時期には夜間開放されて観測会イベントも行われています。
柄にもなく、星空撮影に時間を費やす。
時刻は夜中の2時。この時間でも浄土平の駐車場には車が来るので、ライトに邪魔されないかは運次第。
シャッタースピード20秒くらいで撮っていたのですが、その間に車のヘッドライトに照らされたのは数知れず。なかなか賑やかな現場での星空撮影となりました。(週末夜間の浄土平がこれほど盛況しているとわかったのも、今回の大きな収穫)
星空を満喫してさらに仮眠。
……しようと思ったのですが、久しぶりの登山で気が昂っているのか結局全然寝れずに、3時過ぎに朝食を食べて4時前に行動開始。
再び吾妻小富士に登りに来ました。
この日はちょうど夏至。1年で一番昼の時間が長いだけあって、4時の時点でこの明るさよ。
ご来光時刻は4時20分頃らしいので、ゆっくりお鉢めぐりをして東側へ向かいます。
ご来光目当てで浄土平を訪れる人も多かった。
自分より先に吾妻小富士でスタンバイしている人もたくさんいました。
みんなコロナ自粛が解禁されて解き放っておるの~!
そして4時16分、東の空から待望のご来光!
山で見る日の出は2020年の今年、これが初めてになります。
太陽が昇ってくるところは太平洋、海でございます。
太陽が昇るにつれて赤く染まる一切経山の火山帯も素晴らしき光景。
一切経山のモルゲンロートや~
薄暗い中で見てきた吾妻小富士の大火口も、ようやくはっきりと見えてきた。
本当に絵に描いたようなすり鉢状の火山たる姿。
吾妻小富士という名の通り、ミニチュアの富士山のような山容しています。
ご来光の神々しい光に照らされる風景も素晴らしき眺め。
正面奥に見える山は蔵王連峰。ちょうどこの時期は、不忘山のハクサンイチゲが満開となる季節なので6月の蔵王もおすすめです。
続々と浄土平から登ってくる人たち。この山域にしては風も弱くて、そこまで寒くはない朝でした。
これから登るつもりの一切経山に雲がかかってきているのがやや気になるところですが、とりあえずは今は吾妻小富士からのご来光を満喫する。
陽が昇るにつれて陸と海との境目もはっきりと見えてきました。
6年前に一切経山に登った時には、明るくなってから一切経山にアタックしたので、この日の出の景色は今回初めて見たもの。
新型コロナの自粛なども合わさって久しぶりの登山を噛みしめたのか、物凄く目に焼き付いた景色でした。
ここまで登ってきたので、吾妻小富士2周目を敢行します。
正面に見える小高い丘が、吾妻小富士の一応の山頂。標識などは特にありません。
いやいや、本当にこの磐梯吾妻スカイラインの1本道が絵になるよな~
荒涼とした火山帯に敷かれた道路というのもなかなか乙なもので。
車で運転してくる最中でも、その別世界に突入したかのような景色の変貌っぷりは感じ取ることができます。
一切経山にお越しの際は、ぜひ磐梯吾妻スカイラインからお楽しみください。
数時間前に歩いた道をなぞるように時計回りに巡っていく。
そして、一切経山登山後に3周目を執り行うことになるとは、この時は思ってもいなかった。
歩いている場所は火山帯でも、目にする景色は緑豊かな平原だったりと。
一口に吾妻山と言ってもその山域は広大で、色々な景色が楽しめる場所になっています。
吾妻小富士の大火口
お鉢めぐりも終盤に差し掛かり、一切経山がみるみる雲に覆われていく……
まぁ、予報通りと言えば予報通り。
7時ごろから回復する天気予報だったので、それに期待しておきます。なんせ、まだ時刻は朝の5時前。普段の週末なら寝ている時間。
吾妻小富士から眺める一切経山と浄土平駐車場。
驚くことに日の出目的で訪れた人も多かったのか、足早に浄土平を去る車も結構ありました。
福島市街地に住んでいるならここから1時間程度だし、まさかこの後お仕事という人もいたんですかね?
最高のエクストリーム出社じゃないか。
2周目の吾妻小富士登山。
暖かい日差しに包まれたお鉢めぐりは、前夜とは違った雰囲気も感じられて良かったです。
階段を伝って浄土平へ下山。
今のところ駐車場は空いていますが、この後、すぐさま満杯になってスカイラインには渋滞の列ができ始めました。
6月にここまで混むのは異例とのこと。前夜入りしておいて良かったです。
こんな感じで夕日とご来光を堪能した吾妻小富士登山でした。
すでにだいぶ満足のいく景色を見れてしまいましたが、あくまでメインは次の一切経山登山。
こちらはこちらで良い景色を堪能できたので、次の記事で続きを書きたいと思います。
久しぶりの登山、前哨戦な山登りながら大いに楽しめました。
続く……
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