埼玉・奥武蔵の天覧山と日和田山へ登ってきました。
春の時期は登山道に咲く桜やツツジが見頃を迎え、手軽なハイキングが楽しめるコースになっています。中でも日和田山麓の巾着田の桜並木は圧巻の光景で、お花見スポットとしてもとても人気の高い観光地。
少し距離は長くなりますが、飯能駅スタートの高麗川駅ゴール(もしくは高麗駅)であればバスを使わず、電車のみの公共交通でアクセス可能です。
埼玉県の低山ハイキングスポット、秩父・奥武蔵。
都心からも比較的近い山域ではありますが、奥多摩や丹沢に比べると登りに来た回数は全然少なく、いまだに疎い場所です。
今回登る天覧山も日和田山も初めて訪れるところ。街からのアクセスの良さを考えると、都民の高尾山的存在と言ってもいいくらい人気の高い山なんだろうなとは思います。平日でも結構な人が登っていました。
目的は巾着田の桜だったので、そこに立ち寄れるようにルートを組み立ててみたけど、低山ながらも歩き応えあってなかなか楽しかったです。
駅から登れて駅に下山できるというアクセスの良さもいい!公共交通利用登山としても強くお勧めしたいところ。
2021年3月26日 天覧山~巾着田~日和田山 日帰り登山
登山のスタートは西武鉄道の飯能駅。
西武鉄道の運賃安くていいですね。自宅からだと奥多摩に行くよりもはるかにコスパ良かったです。
久しぶりの飯能駅。この駅は過去に2、3回ほど登山で利用したことがありますが、もうかなり前なのでほとんど覚えてなかったです。山登りをスタートする駅とは思えないほど栄えている感じがしました。
今回はバスを使わないので時間に縛れることもなく本当に気楽。駅前のコンビニで朝食食べてから歩きだします。
GPS地図を頼りに、まずは天覧山へ。
登山口まで徒歩30分ほどの距離ですが、「本当にこれから山に登るのか……」と心配になるほど、最初のうちは山らしい山が見えてきません。
でも、山はちゃんとあるようで。
住宅街をしばらく歩いて行く途中、所々に天覧山までの標識が用意されているのでそれを頼りに進みましょう。
道すがらにあった飯能河原が最初のチェックポイントでした。
宿泊可能な河原キャンプ場・飯能河原。テントも数張ありました。
3月下旬と言うことですでに街中の桜が開花中。キャンプ場周辺にも桜の木がたくさんあったので、お花見キャンプとしては絶好の場所なのかもしれません。
私もこの日の登山は桜目的で来たようなもんです。
天覧山の麓にあったのが能仁寺。
後々知りましたが、紅葉の名所だったようです。
軽く中を見学。
能仁寺の裏手が登山口。
まだ近くには車の交通量も多い大通りが走る街中。今回の山はどれも街との距離が非常に近かった。
天覧山は標高195mしかない低山。子どもでも登れる小高い丘という感じです。
道も途中までは舗装路。
ものの10分程度で天覧山・中段の広場に到着。
開けた場所で公園のような感じ。東屋近くの桜が綺麗でした。
ここにはトイレもあります。
ここから先が登山道。
入口にあったのが十六羅漢像という石仏。
十六羅漢像
断崖絶壁にたくさんの石仏が祀られていました。低山とは言え、この石像といい麓の神社といい、厳かな雰囲気をひしひしと感じる天覧山。
登山道に岩場が多いのも特徴の1つ。
あとで登る日和田山もそうですが、埼玉の山って何となく岩が多いイメージが自分の中にはあります(二子山とか両神山とか)。
そして登山道ではツツジも満開。
サクラの開花と合わせてやってきましたが、ちょうど早咲きのツツジとも時期がかぶるので合わせて楽しむことができます。
ツツジにそれほど詳しくないけど、この色はミツバツツジかな?
中段以降はしっかりとした登り道が続きます。
道も岩々しいけど、標高は200m弱なので距離としては大して長くはないです。
あっという間に天覧山に到着。飯能駅から1時間程度で登ってこれました。
登山入門の山として名前だけは知っていた天覧山。山登り13年目にして初登頂でございます。
山頂は開けていて、こんな感じの展望デッキが用意されています。
逆光だけど、左に咲いているのは桜。
展望デッキのからの眺望。
3月下旬と言うことで春霞によってそこまで遠くは見通せませんでしたが、空気が澄んでいれば新宿高層ビル群なんかも良く見えるようです。
山頂の桜。天覧山の頂上に見事に咲いていました。
山のてっぺんに桜が咲いてるって、なんかいいですね。事前によく下調べしないで来たもんで、天覧山の山頂がどうなっているかなんて全然知りませんでした。
まだ時刻は朝の9時30分。
今回の行程はまだまだ先が長いので次へと行く。続いては標識にある多峯主山(とうのすやま)へと向かいます。
まずは登った分を一気に下る。
多峯主山までは片道40分ほどの道のりですが、しっかりとした登り返しがあります。
下ったところで山間の開けた平原に出る。
池が近くにあったのか、カエルの鳴き声がたくさんしました。
山頂までの登り返し。
ここら辺まで来れば、車の音も聞こえないしっかりとした山道。しばらく雪山が続いてたもんで、こういう低山の森の散策っていうのは何だかすごい久しぶりな感じがしました。
山頂直下に面白そうな鎖場発見。
やはり埼玉の山は岩場が多い。なかなか楽しませてくれるじゃないかっ!
:
:
うん?
……子ども専用というお叱りを受けたので、大人しく鎖から手を放す。
子どもしか通れない鎖場って言うのもなかなか珍しい。一度に子供5人いけるなら大人も大丈夫じゃね?っていう突っ込みは心の中に留めておきます。
大人は迂回路の階段を登りましょう。
鎖場は将来有望のチビッ子岳人たちのためにあります。
登り切ったところが山頂。
こちらも開けていて、ベンチも用意されています。
多峯主山、こちらも初登頂。標高は天覧山よりも少し上げて271m。
そして、天覧山以上に景色がいい所でした。
都心方面も見渡せますが、多峯主山は特に秩父方面が良く見えます。
パッと見、シンボルとなる山があまりないのでどれが何の山なのかはあんまりわからないです。そしてたぶん、目にする山のほとんどをまだ登ったことがないと思う。
秩父・奥武蔵の山域にやってきたのは、2年前の破風山以来でした。
多峯主山の山頂にも桜が咲いていました。
山桜かな。街で見るものとはまた違う綺麗さがありますな。
多峯主山山頂ベンチからの展望。
多峯主山からは高麗駅方面へ下山。
今回は多峯主山から日和田山へ行きますが、普通の日帰り登山であれば天覧山~多峯主山の周回ルートで組んでもいいかと思います。
それであれば全行程3時間程度。半日で歩けます。
登山道には花がたくさん。大規模な群生が広がっているわけではないですが、ツツジや桜が要所要所で咲いていました。
登山口まで下りたらいったん街へと出ます。
次に向かう日和田山は正面奥に見えている山。あの山もこの界隈では非常に人気の高い山です。
道なりに歩いていると高麗駅に到着。
日和田山単体で登る場合はこの駅が最寄り駅になります。
駅を通過して、日和田山麓の巾着田方面へ。
途中にコンビニもあるので買い出し可能です。
高麗駅から徒歩5分ほどで巾着田に到着。今回の登山の主目的がここ。
写真に映っていますが、ここは秋の曼珠沙華が非常に有名で、多くの観光客が訪れるハイシーズンになります。自分も10年くらい前に一度来たことがありますが、コスモスの花と合わせて凄い規模だったのを覚えています。(非常に懐かしい……)
春のこの時期は桜の季節。
巾着田の周りをアーチ状に取り囲むように、桜並木が立ち並んでいました。
開花状況もほぼ満開。曼珠沙華シーズンに比べると人も少ないですが、お花見スポットの1つとして良く紹介されている場所です。
サクラと合わせて楽しめるのが黄色い菜の花。
こちらは少し時期が早かったのでまばらでしたが、もう少し後であれば黄色い菜の花絨毯と桜並木の共演を見ることができます。
水車小屋。
しばし登山を休止して、のんびりと巾着田を散策。
満開の桜並木。
3月26日時点でこの開花状況。自分が子どもの頃は桜と言えば入学式あたりの4月7日頃が満開と言うイメージだったけど、年々開花が早まってる感じですね。
もう都内の桜なんて4月すぎたら結構散ってるでしょ。
巾着田の桜と日和田山。
時刻は12時ごろ。一度こういうゆったりモードに入ると登りに行くのがやや面倒にもなってきますが、未踏というのもあるので一応登っておきます。
公園内は広くて休憩場所もたくさん。
桜のシーズンが普段どれだけ混んでいるのかは知らないですが、平日に訪れた限りではかなり空いていて駐車場にも余裕がありました。
巾着田の代名詞ともいえる曼珠沙華公園。
秋の時期は交通規制がかかるほど、人がごった返します。
春のこの時期がどうなっているのか散策してみましたが、スミレの花の群生が広がっていました。
夏になればアジサイが咲くようだし、冬以外の時期に来れば何かしらの花は楽しめるようになってます。
3月下旬で桜が8分咲き、菜の花が3分咲き。
そう考えると、桜が満開をやや過ぎた頃、4月上旬あたりに来るのがベストなのかもしれません。
どなたか、一面黄色い菜の花絨毯の果てに咲く満開の桜並木ショットを撮ってください。
小一時間、巾着田の桜を満喫。
この時点で身体はご帰宅モードになりかけているけど、せっかくなので日和田山へと登山を再開させます。
巾着田のお花見散策を楽しんで日和田山へ。
目指す山は見えているので、その方向に住宅街を突き進んでいきます。
登山道はいくつかあるようですが、適当に進んだらこの住宅脇の登山口にたどり着いたので、ここから登ることにしました。
最初の登り出しは結構な急坂。
序盤の急登を終えて明るい尾根道に出るとひと段落。
この日、3つ目の山ですがまだまだ元気です。
そしてこの日和田山もツツジの花が至る所に咲いています。
この色はヤマツツジですかね。天覧山に比べると赤いツツジが多かったです。
紫のミツバツツジも点在。
巾着田のサクラ以外は特に期待してなかったですが、天覧山も日和田山も間違いなく花の山。
ツツジの群生箇所がとにかく多い。
そして、日和田山も山頂近くになると岩場が多くなってきます。
ここら辺は手を使って登るシーンもあって、低山ながらも侮れないアグレッシブな登山道。
山頂に近づいてきたところで1つの鳥居がありました。
一礼して鳥居のゲートをくぐっていきます。
鳥居の場所は展望台にもなっていて、そこから眺める景色が気持ち良かったです。
眼下に見えるグラウンドのように開けた場所が、先ほどまでいた巾着田。
巾着田、その名の通り巾着の形をしているからその名がついたわけですが、その形を一望できるのがここ日和田山です。
12時30分、日和田山に到着。
埼玉の高尾山とも聞いたことがある人気の山。ようやく初登頂となりました。
巾着田から30分程度でしたが、ひたすら登りが続くのでそれなりの登り応えは得られます。
山頂はそこそこ広くてベンチも用意されています。
おそらく地元の中学生と思われるジャージ着た学生さんたちが元気にお昼休憩してました。
小、中の遠足で登山なんて、自分は高尾山しか登ったことないよ。
学生たちがスカイツリーも見えるっていうから見てみたけど、俺の目には見えませんでした。
どうやら体力に加えて視力まで落ちてるっぽい……。
そんな楽しい山頂を後にして、再び鳥居へ。
これは金刀比羅神社の二の鳥居だそうで。巾着田を見守っている感じがします。
日和田山は下山こそ気を付けなはれ。
山頂直下は岩場が多く、割と滑りやすいので要注意。
下山はルートを変えて、一の鳥居方面へ。
途中には水場もあって、低山ながらも景色の変化に富んで面白い。
こちらが一の鳥居。
登山道の真ん中に建てられた、ずっしりと厳かな鳥居です。
その後は道なりに緩やかに下山。
途中途中に咲くツツジの花を最後まで楽しませてくれました。
登山口へ下山完了。
ここから高麗駅へ帰ることもできますが、標識にある高麗神社にも興味があったので、ちょっと欲張ってそちらへ向かうことにしました。
高麗神社までの道路歩きは結構長いので、神社に興味がなければ高麗駅へ帰るで良いと思います。
途中にあった「バチカン市国の面積は巾着田二個分」というトリビアを紹介しておきます。
これは広いのか狭いのか、感覚は全然つかめませんでした。
で、高麗神社へ行くのであれば、ぜひ立ち寄ってほしいのが途中にある聖天院。
入口の桜もさることながら、その巨大な門構えが圧倒的で非常に見応えありました。
ここは一見の価値あり!日高市はもっとこの寺院を推して良いと思う。
登山口から40分ほど歩いて高麗神社に到着。
ここは市内でも割と有名な神社で、観光客向けに広い駐車場も用意されています。
高麗神社も桜が満開。
鳥居をくぐった先の参道が桜のトンネルになってます。
高麗神社の御神門。
神社に関する知識なんて持ち合わせていないので、境内の広さくらいでしかその良し悪しを判断できないけど、高麗神社は広かったっす。
こちらが本殿の前にある御神木の桜。
神の宿る木として、その存在感はなかなかのものでしたが、高麗神社に来た目的はこの桜ではなくもう1つの方。
こちらの本殿裏手にあるシダレザクラ。
これが見たいがために来ました。樹齢400年を超える桜。その傍らに建てられた入母屋造りの建物は桜以上に昔のもので、国指定重要文化財にもなっています。
シダレザクラはソメイヨシノよりも開花が早いですが、3月下旬と言うことでギリギリ満開の状態で見ることができました。
こうして見たいものはすべて見れて高麗川駅まで歩いてこの日の登山は終了。
高麗神社から高麗川駅までは徒歩30分ほどでした。
今回の天覧山~多峯主山~巾着田~日和田山。登った山はいずれも低山でしたが、登り返しはあったし途中は街歩きもあったりで、全体を通してはそれなりにロングルートになりました。
飯能駅スタートの高麗川駅ゴール。駅から駅へ歩けるというのが何とも良くて、巾着田の曼珠沙華シーズンに来ればまた違った景色が見れそうなので、またこのプランは実行したいと思います。
春先は桜とツツジが楽しめるので、天覧山~多峯主山の周回ハイキング、もしくは巾着田~日和田山のセットで訪れても良いかもしれません。
良ければ行ってみてください。
【日程】
2021年3月26日
【コースタイム】
8:40 飯能駅
9:30 天覧山
10:00 多峯主山
10:40 高麗駅
10:55 巾着田(~12:00)
12:30 日和田山
13:40 高麗神社
14:20 高麗川駅
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