5月末に日光の男体山へ日帰り登山に行ってきました。
中禅寺湖のほとりに聳える標高2486mの日本百名山。火山らしく見事な円錐形は、日光のシンボルともいえる存在です。
一般的なルートは日光二荒山神社からの往復で、公共交通機関も充実しているので電車・バスでの日帰りも可能。
天気も良く、新潟や東北方面の雪山風景が綺麗でした。
ここ最近の運動不足を懸念して、今回は体力測定を兼ねての山登りです。
自分の中で、現在の身体の調子を推し量るのに打ってつけなのが日光の男体山。
男体山との出会いはかなり昔にさかのぼり、まだ自分が駆け出しのペーペーだった頃。
「登山の世界には日本百名山というブランドがあるらしい」
「なるほど。じゃあとりあえず、この日光にある三角形の山にでも登ってみるか」
そんな軽いノリで突撃し、浅はかな自分を懲らしめてくれたのが男体山でした。
まだ身体も全然作られておらず、翌日以降しばらくの間筋肉痛に苛まれたのは今でも忘れません。
ザックも登山用のではなくスポーツタイプの安いやつでした。(なめてますね……)
もう10年以上前のことです。
そんな色々な因縁がある男体山。久しぶりに行ってきました。
2022年5月29日 男体山 日帰り登山
もう何度目かの日光・男体山。
この山はアップダウンもなく、ストレートな登りがただ続くだけなので、体力測定にはぴったり。
どれくらいのタイムで登れたのか?下山後のダメージは?
過去の自分の記録と照らし合わせられるのも、ブログを書いていて良かったと思える瞬間です。
ここ最近の運動不足を懸念して、久しぶりに師匠の山に赴くことを決めました。
やってきたのは東武日光駅。登山で何回も利用しているので、もうだいぶ馴染みある駅になってきました。
注目すべきは駅舎の時計、時刻は朝の9時30分。
この時点でまだ駅にいる……。
そうです、寝坊しました。
なめてますね。男体山相手に舐め腐った態度は10年以上経っても変わらずでした。
日光の良いところは観光地であるがゆえにバスの本数がたくさんあるところ。
時間も少し遅めなので空いているかと思いきや、観光客でバス待ちの列はなかなかのもんでした。
さすが、世界の日光。
中禅寺温泉行きのバスに乗って終点で下車。バスターミナルからは男体山が目の前に見えます。
時刻は10時30分、登山をするにしてはだいぶ遅い。
中善寺温泉から登山口の二荒山神社までは徒歩10分ほど。
二荒山神社前にもバス停はありますが、そこまで行くバスの本数が少ないので、中善寺温泉行きのバスに乗ってそこから歩き始める方がいいかと思います。
すぐ目の前に広がるのは中禅寺湖。
標高1269m、日本で一番高いところにある湖です。
正面に見えるのは社山。時期的にもシロヤシオの季節なので、寝坊した手前あっちの山に切り替えることも薄っすら考えましたが、予定通り男体山の方へ歩みを進めます。
10分ほど歩いて男体山登山口のとなる二荒山神社に到着。
ここに来るのも久しぶりです。
トトロの木彫り。
これは前回なかった気がする。
「お前、今から登んの?」って言われてる気がした。
二荒山神社の門をくぐって境内へ。
この奥に登山口がありますが、入口で登山届と入山料(1000円)を支払う必要があるのでお忘れなく。
入山料も上がってますね。前回は確か500円でした。
受付を済ませるとお守りもらえるので、ザックにでもぶら下げながら入山しましょう。
時刻はもう間もなく11時。受付の巫女さんからも「17時までには下りるようにお願いします」と釘を刺されました。
こちらの鳥居の奥が登山口。
多少時間を気にしつつ、行ってきます。
最初はしばらく階段。
スタートが神社らしい、いかにも修行の山という雰囲気の登山道です。
道中にはこんな感じの「〇合目」の目印が立てられているので、それを目印に進みます。
一合目は登山道脇にありますが、二合目の石碑は登山道から少し外れたところにあります。
二合目を過ぎるといったん林道へ。
写真には誰も写っていないですが、すでに下山してくる人も多かったです。
林道をしばし歩いて、こちらの鳥居から再び登山道へ。
ここから先、山頂までほぼノンストップで登りが続くのでご承知おきください。
所々に休憩スポットは用意されています。
最初はこんな感じの道。
日本百名山なだけあって登山者も多く、道も明瞭。
二荒山神社からのルートであれば迷うポイントは一切ないです。
時期は5月下旬。
ツツジが咲くシーズンで、登山道にはチラホラと紫のミツバツツジが見れました。
シロヤシオも咲いていたのですが、登りでは全然気づかずに、下山後にその存在を知りました。
いつの間にか五合目。
石碑は注意しておかないと見逃します。
半分来ましたが、まだまだ登りは続く。
男体山ってあんまり花のイメージがないですが、足元を良く見ると花も結構咲いてました。
単調な道のちょっとした癒しになります。
5合目辺りを過ぎると、道は岩場がメインになってきます。
ここら辺は登りは問題ないですが、下山は少しお気を付けください。ゴツゴツした岩だらけで道も急なので、滑ると怪我します。
実際、下山時に救急隊員に連れられた怪我人と出くわしました。
ひたすら登りが続く辛い区間なので、一息つくときは後ろを振り返ってみましょう。
綺麗なブルーの中禅寺湖を一望できます。
その後も岩場を黙々と登って七合目に到着。
体力的にはまだまだ大丈夫だけど、暑さがピークに差し掛かる時間帯。
登りよりも圧倒的に下山者が多いので、自分がかなり後発隊であることを思い知らされます。
その後も同じような道が続いて八合目の瀧尾神社に到着。
神社となっていますが、古びた小屋のような社だけがあるポイントです。
ここで軽く小休止。
男体山は途中に水場や売店と言った補給ポイントがないのでお気をつけて。5月下旬にもなると、水の消費量も増えて2Lはないと心細い。
8合目を過ぎて少し登ると、道が若干緩やかに。
そして、単調だった登山道もようやく視界が開けてきます。
樹林帯を超えて火山らしい砂地ゾーンへ。
みんな大好き、森林限界。
頑張って登ってきた苦労が報われる瞬間です。
まず振り返ってみると、目の前に中禅寺湖を一望!
記憶にある中禅寺湖よりも数倍綺麗で、肉眼で見ると湖の青さが際立っていました。
西の方角には同じく日光の名峰・日光白根山。
あちらはまだ雪の白さが残っていました。眼下に見える草原のような場所は、戦場ヶ原かな。
こうして13時過ぎ、男体山山頂に到着。
二荒山神社奥宮の鳥居が出迎えてくれます。
そしてそのすぐ傍、堂々と鎮座するのが二荒山大神。
10年以上前、自分が初登頂した時から変わらずそこにいる男体山の守り神。登山の厳しさを教えてくれたのもこの山(このお方)でした。
久しぶりなもんで、しっかりと挨拶しておきます。
山頂に到着して初めて見えるのが北側の展望。すぐ近くに堂々とそびえているのは女峰山や太郎山です。
父の男体山、母の女峰山、息子の太郎山、と家族にも例えられる3つの山。標高こそ男体山が一番高いですが、難易度で言うと女峰山の方が上なので母を相手にする場合はお気をつけください。
山頂は横に広く歩いて回れます。
まずは西側の日光白根山方面へ。
太郎山の存在感が半端ない。
そしてその奥には新潟方面の雪山、平ヶ岳あたりだと思います。
もうじき6月だっていうのにまだ真っ白な姿なんだから驚きです。
山頂の西の端っこにあるのが太郎山神社。
太郎山がよく見えるからその名が付いたのかな?
ここからは南側の展望がよく開けています。
すぐ目の前に中禅寺湖を望む絶好の展望台。
中禅寺湖は基本的にどこからでも見えますが、このポイントが一番全景を眺められて綺麗だと思うので、時間があればぜひ立ち寄ってみてください。
広い山頂を横断、続けて東側方面へ。
こちらにはこんな感じで標識が用意されているので、登頂写真を撮るならここでどうぞ。
そして、男体山のシンボルとも言えるのが後ろにある岩場。
こんな形で大剣が刺さっています。
やっぱりこれ、かっこいい!
天に向かって輝く男体山の剣。
この剣、数年前に雷に打たれて一度折れてしまったことがあるのですが、新しく打ち直してこうしてピカピカになって帰ってきました。
東側の奥には女峰山方面へと続く縦走ルート。
男体山はこれまで日帰りでしか登ったことがなく、毎度二荒山神社コースなのでここから先は足を踏み入れたことがないですが、途中の避難小屋を利用すれば女峰山と繋げて歩くこともできます。
男体山山頂の全景。
時間も13時30分を過ぎているので人も少なめですが、まだチラホラと登ってくる人がいました。
「あなたも、寝坊ですか…?」
山頂に建てられている小屋は老朽化が激しく立ち入り禁止になっているので、休憩場所として利用することはできません。
この小屋もそろそろ建て替えられるのかな。
個人的に見ておきたかったのが、山頂に設置されたライブカメラ。
このカメラが撮る映像は以下のサイトから確認できます。冬場とかに見るとたまに霧氷風景になっていたりします。
山頂でしばらく休憩してから下山開始。
中禅寺湖を望みながら来た道を下っていきます。
山頂直下のこの砂地は滑りやすいのでご注意を。
岩場に入ると、急な道を登ってきたんだなと改めて実感できます。
ここら辺も転げ落ちないようにご注意ください。
この後、転倒して怪我をした登山者と出くわしました。
登っている最中には気づかなかったシロヤシオが点々と咲いていました。
時期が少し遅かったのと、今年は裏年だったようで数としてはそれほど多くはなかったですが綺麗でした。
下山中、終盤になってやけに登山者の渋滞が発生しているなと思って、下まで来てみたら納得。
救急隊員に連れられて怪我した登山者がゆっくりと下りていました。この林道に差し掛かるところで待機していた救急車に乗っていきましたが、自分の足で歩けていたので大事には至らなかった模様。
救急車と警察車両が横を通り過ぎて行く中、自分は林道を黙々と下っていきます。
登山道でたまに出てくる林道歩き、登りより下りの方が長く感じるのは登山あるあるか。
再び樹林帯に入って階段が見えてきたら登山口も近い。
ここら辺は新緑が特に綺麗でした。
そういえば、この日は野生のサルの姿を一切見なかった。
15時30分、二荒山神社に無事に下山完了。
全体的にペースとしては悪くはなかったですが、この翌日以降激しい筋肉痛になったのはご報告しておきます。
(筋肉痛にならないようにするには、どうしたらええのか……)
二荒山神社前にもバス停はありますが、本数が少ないので来た時と同様に中禅寺温泉まで歩くことに。
鳥居をくぐって道路沿いを左手に歩いていきます。
すぐ目の前が中禅寺湖なので散歩するにはちょうど良い道です。
釣りをしている人も多く、この暑さの中での水浴びが気持ちよさそうでした。
だいぶ陽も西に傾いてきた中禅寺湖。
正面奥に見えている社山も久しぶりに登りたいので、また遊びに来たいと思います。
中禅寺温泉からバスに乗って帰途へ。
晴れた日曜日ということで観光客も多く、臨時便も出ていました。
登ってきた男体山を振り返って締め。
お疲れ様でした。
数年ぶりの日光・男体山登山。
ペースは悪くなかったものの、下山終盤で足がプルプル言い始めたので、体力測定としては何ともいえない結果に……。
それでも終日快晴で、まだ雪山風景も残る初夏の山なみを一望できて満足の1日でした。
ひたすら登って下るだけのシンプルな日光・男体山。日本百名山の中では短期決戦タイプで、高低差はそこそこありますが道迷いの心配はなく人気の山となっています。電車・バスの本数が多いのも嬉しいところ。
良ければ登ってみてください。
【日程】
2022年5月29日
【コースタイム】
10:30 中禅寺温泉バス停
10:45 二荒山神社
12:20 八合目
13:15 男体山(〜13:40)
15:30 二荒山神社
15:50 中禅寺温泉バス停
コメント
みやっちさん、お久しぶりです。お元気ですか?
男体山はホントに修行の山ですよね。私は今までに2回しか登っていませんが、「楽しい登山」というよりは修験者になったようなそんな気分です。
山開きの時の登拝祭は参加されたこと、ありますか?
今年は残念ながら夜間登山は中止になってしまいましたが、コロナ禍の前参加しました。
真っ暗闇の中、自分のライトと同行した仲間の灯だけで山頂まで。
途中で帰りたくなりましたが、山頂で見た日の出は忘れられません
機会がありましたら是非!!
今年の5月の末、なんと私は社山に登っておりました!
もしかしたら中禅寺湖を挟んで同じ景色を見ていたかもですねwww
rai-raさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
男体山は1回目に登った時に本当に痛い目を見て、まさしく修行という感じでした。登り一辺倒で、山頂に着くまではひたすら我慢の時間ですね。
登拝祭は友人と一度参加してみようかという話は出たのですが、タイミングが悪く行くことができませんでした。なので男体山からの日の出は羨ましいです!通常の登山の場合、登山口の二荒山神社が開くのが早朝なので、どう頑張ってもご来光には間に合わないんですよね。
機械があればぜひ一度は参加してみたいものです。
rai-raさんも社山お疲れさまでした。こちらからもバッチリ見えてましたよ!