長野県の飯縄山へ雪山登山に行ってきました。
この山の魅力はなんと言っても山頂からの展望!真っ白に輝く北アルプスの山並みと岩々しい戸隠連峰~高妻山の存在感が絶大でした。
危険個所が少なく冬でも登りやすいので、雪山の入門としても良いかと思います。長野駅からバスもたくさん出ているので、電車を使った公共交通アクセスでも登ることができます。
今回の舞台は長野県の飯縄山(標高1917m)。
妙高山、斑尾山、黒姫山 、戸隠山と並んで「北信五岳」の一角を成す山で、日本二百名山にも選定されています。
この山は過去に秋と初冬の時期に登っていますが、それぞれ紅葉と霧氷がとても綺麗で、山頂からの展望も申し分なし!
登りやすく、アクセスも良いので個人的にもかなり気に入ってる山です。
ガッツリ雪が積もった冬山として登るのは初めてでしたが、やっぱり素敵な山でした。
2023年3月3日 飯縄山 雪山登山
北信五岳・飯縄山。
長野県の北端にあるので都心からの距離は遠いですが、電車・バスの公共交通であればアクセスは割と容易です。
長野駅から戸隠行きのバスに乗車するだけ。これで飯縄山の登山口まで連れて行ってくれます。
ターミナル駅から直行バスがあるのは都心からのアクセスも非常に楽だし、このバスも本数が多いので大変助かります。
それもこれも、戸隠神社という観光地のおかげ。冬だと戸隠スキー場もあるので、朝の便はほとんどスキー・スノボー客でした。
50分ほどの乗車時間で飯綱登山口バス停に到着。
1時間に1本の間隔でバスを走らせてくれているので、下山の時刻を深く気にしなくて良いのもこの山の好きなポイント。
バス停を降りたらこの一本道をひたすらまっすぐ進みます。
奥に見えている真っ白な山が飯縄山。今日目指す頂があそこ。
すぐ近くに登山者用の駐車場(一の鳥居苑地駐車場)があって、トイレもそちらにあります。
一本道を歩いた先にあったこちらの鳥居が登山口。
すぐ近くに戸隠神社がありますが、この山も古より山岳信仰の対象となっている霊山。
入口の狛犬しかり、道すがらには仏様もたくさんいて、独特の雰囲気があります。
飯縄山の登山ルートはいくつかありますが、冬場はほとんどの人がこの南登山口を利用することになります。
この日は平日でしたが、雪山としても登りやすいとあって結構な人が登ってました。
登山口から入山。
少し進んだ先にもう1つ大きな鳥居、一の鳥居。
ここをくぐるのも4年ぶりです。
一合目。
その横に祀られているのが第一不動明王。
山頂までに13もの石仏が安置されており、十三仏を巡るのがこの登山ルート。〇合目の標識と合わせて、山頂までの良い目印となります。
序盤はかなり緩やかな斜面。
登りも下りも非常に歩きやすい雪道で、ここら辺は危険個所も皆無です。
この前日に結構な雪が降ったのでどうなっているかと思いましたが、先行者がいてくれたのでしっかりとトレースができていました。
三合目の第七薬師如来。
石仏の方が数の進みが早く、高頻度で登場するのでお見逃しなきよう。
大抵はどれも登山道脇にいるので、雪にさえ埋もれていなければ全部の仏様を見ることができます。
登山口の鳥居から40分ほどで駒つなぎの場に到着。ここにもしっかりと仏様。
冬の飯縄山ルートで多少危険個所があるとしたら、ここから先の区間になります。
雪の時期はこんな感じで夏道が閉鎖されています。
これは雪崩の危険があるからで、シーズン中はしっかりとロープで封鎖されているので、誤って足を踏み入れてしまうなんてことにはならないです。
こういうのを親切に整備してくれるのは、本当に感謝しかない。
それじゃ冬場はというと、この時期だけ開放された直登ルートを登っていくことになります。
ここがなかなかの急斜面で、適宜ロープも張られています。
夏道が九十九折にジグザク登っていくところ、馬鹿正直に真っすぐ登るような感じ。
急斜面をガシガシ登っていく。
冬限定ルートならではの注意看板。尻セードで滑り降りるのはやめましょう。
トレースが消えるだけじゃなく、斜度的にボブスレーのようなスピードが出て非常に危険です。
それにしてもおかしいな、晴れる予報だったのに曇ってきた……。
ピンクテープがあるしトレースも明瞭だったので迷うことはなかったですが、ガスが立ち込めて辺りの森が白くなってきました。
冬道の区間はそれほど長くはなく、20分ほど登れば夏道と合流します。
上もこんな感じで閉鎖されているので、下りももちろん冬道を使いましょう。
夏道との合流地点を過ぎると、いよいよ視界も開けてくる。
そしてガスも徐々に取れてきて、これは起死回生の予感!?
七合目に到着。
空は青空ですが、この段階ではまだ晴れたりガスったりの繰り返し。
「頼むから晴れてくれ!」と心の中でひたすら祈ってました。
森を抜けて辺りは森林限界の様相に。
正面に見える山は偽ピークですが、あそこまで登ってしまえば山頂もすぐです。
この辺りで先行者の2名がちょうど降りてくるところで、すれ違いざまにあいさつを交わし、心の中でトレースのお礼を言っておきました。
上に来ると、雪の深さは一段と増してモフモフ具合が凄かった。
降雪直後なのでいわゆるパウダースノーで、雪に埋まりながら進む感覚が気持ち良かったです。
後続者の中にはスノーシューで登っている人もいましたが、確かにこの山ならスノーシューハイクもいいかもしれない。
太陽が出てからの気温はかなり高めで、登っていると暑いくらい。
そこら中に霧氷(樹氷)の残骸がありました。
前回登った時は初冬の時期で、それはそれは霧氷が綺麗だったので、12月あたりもお勧めです。
山頂近くにある鳥居。
こちらはほぼ雪に埋まった状態で、ギリギリ頭が見えてくるくらいでした。
この鳥居が見えたら、山頂はもうすぐです。
登ってきた道を振り返る。
晴れたというよりも雲の上に出たという感じ。
目線の高さに広がる雲海は、今にも飲み込まれそうで迫力あります。
飯縄山の偽ピークに到着。
飯縄山は双耳峰のようになっていて、ここも山頂のように小高い丘。飯縄神社の社もこちらにあります。
お参りはあとでするとして、先に山頂へ。
あちらが飯縄山の山頂。
見ての通りこんもりとしたお椀型の山。この山が初心者向けの入門とされている理由が、あの山容を見るとよくわかります。
左て前に少しだけ見えているのが携帯トイレのブース。雪でほぼ埋まっていたので、かき分けて掘り出さないと使えない状態でした。携帯トイレ使うほどの切羽詰まった状況では、たぶん間に合わないっすね。
波打つように雪庇ができたビクトリーロードを進んで行く。
ここら辺はズボズボ埋まるんで、結構時間かかりました。
この時間になっても雲は完全には取れず、ガスったり晴れたりの繰り返し。
足跡の無い雪面が美しい雪景色。
見たところ前方には誰もいない。
どうやら先ほどすれ違った2名以外、先行者はいなかったようです。
山頂独占やぁ~
こうして10時半過ぎに飯縄山山頂に到着。
標識はちょうど「飯縄山山頂」が見えるあたりまでは出てました。
「ここは俺のもんだぜ!」と意気揚々と山頂を独占した気分だったのですが、それが罰当たりだったのかすぐにガスってしまい……
しばし待つ。
こうなってくると逆に話し相手が欲しい。
しばらく待っていると後続者がチラホラと登ってきてくれたので、気ままに話したりして時間つぶしました。
そうしていたら、徐々に晴れ渡ってきてくれた。
特に晴れてほしいと願ったのが西の方角。あっちに北アルプスやら戸隠連峰があるので、どうかその姿を見せてほしい。
少しずつ、その白銀の山なみを見せてきてくれた北アルプス。
真っ白に輝いているのは白馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳あたりの面々。
飯縄山は北信五岳の一角。長野県でも限りなく新潟に近いので、並走する北アルプスも最北の白馬界隈が最も近くに見えます。
ほとばしる雲海と登山者。
完全に晴れ渡るのを、しばしみんなで待つ。
先に晴れてきてくれたのは東側の展望。
肉眼では浅間山辺りが特に目立って見えました。
山頂も標識を中心に非常に広くて、縦横無尽に動き回れるだけのスペースがあります。
(晴れるのを待つ間、手持ち無沙汰で色々と歩きまわった足跡がコレです)
そしてついに晴れてくれた西側の展望!
北アルプスを待ち望んでいましたが、晴れ渡った先で待ち構えていたのが右奥の凛々しい山。
あれが戸隠連峰の最高峰・高妻山でございます。日本百名山にも選定されている名峰ですが、ここから見た堂々たる山容を見れば納得です。
カッコいいぜ、高妻山!
北アルプスも全域にわたってその姿を見せてくれました。
はるか南まで続く飛騨山脈。槍ヶ岳や穂高連峰なんかはずっと奥です。
北アルプスを見ると、どうしても槍ヶ岳を探してしまうのは山ノボラーの性ですかね。
改めて北アルプスをバックに飯縄山山頂。
簡単に登れてこれだけの展望が得られるだから、人気が出るわけだ。
こういう山が家の近くに欲しいものです。
それにしても高妻山の存在感が半端ない。
戸隠連峰の岩々しい稜線が黒ずんでいる中で、高妻山だけが真っ白にその頂を輝かせていました。
冬の高妻山って相当難易度高そうだけど登れるのかな。残雪期でもいいから、いつか登りに行ってみたいと強く思いました。
晴れ渡るのを辛抱強く待ったので、久しぶりに山頂に1時間以上滞在してました。
満足のいく景色が見れたので12時ごろに下山開始。
向こうのピークへと戻ります。
南側のピークに戻ってきて、飯縄神社にお参り。
こちらが社で、だいぶ雪に埋もれてました。
眼下に長野市街を望める絶好の展望が用意されています。
下山は下山で面白い。
北アルプスに向かって歩く感じが最高に気持ちいいです。
何度も足を止めては展望に入り浸ってしまう。
高妻山の絶大なる存在感。
飯縄山からの展望は、北アルプス以上にあの高妻山に注目してあげてください。
来た道をそのまま下っていく。
写真には誰も写っていないですが、昼を過ぎても登ってくる人がチラホラいて、飯縄山の人気っぷりがうかがえました。
ラッセル登山ともなれば話は別ですが、これだけの人の入り具合を見たらやっぱりかなり登りやすい雪山だと思います。ピッケルは不要で、ストック&アイゼンで登ることが可能。
飯縄山登山道から眺める北アルプスと戸隠連峰。
真っ白な北アルプスと岩々しい戸隠連峰の対比が印象的でした。
北アルプスって本当に長いですね。
おそらく有名どころの山は全部見えていたんでしょうが、最近視力が低下気味なもんで、南の方は見えていたような見えていないような。
山をやる上で目が悪いのも致命的なので、誰か視力が良くなる方法教えてください。
樹林帯へと戻っていき、登ってきた時にも見た夏道閉鎖の区間。
冬季限定ルートを下って駒つなぎの場まで戻ってしまえば、あとは楽ちんです。
この道は本当に歩きやすい。
降雪直後であればスノーシューハイクでも楽しめそうな緩い斜面が続きます。
こうして山頂から1時間ちょっとで入口の鳥居まで下山。
下りはあっという間でした。
バス停まで歩いて本日の登山も終了。
お疲れさまでした。
北信五岳・飯縄山。
一年を通して登れる山で、ガッツリ積もった冬の雪山登山もかなり面白かったです。
何といっても北アルプスと戸隠連峰、そして高妻山の展望!ガスが抜けて現れたその姿はとても神秘的であり、本当に感動しました。
展望の山であり、その頂には絶景が待っています。
電車・バスの公共交通アクセスでも非常に登りやすいので、良ければ登ってみてください。
【日程】
2023年3月3日
【コースタイム】
8:15 飯綱登山口バス停
8:40 南登山口
9:25 駒つなぎの場
10:40 飯縄山(~11:55)
12:40 駒つなぎの場
13:05 南登山口
14:00 飯綱登山口バス停
コメント
整体で視力が回復するらしいです。