山梨県の滝子山へ寂しょう尾根ルートで登山に行ってきました。
岩場が続くハードなコースでしたが、全体的に道は良く整備されていて、途中には富士山や南アルプス望めるポイントもあってかなり面白かったです。
山頂ではヤマツツジも満開で滝が流れる沢ルートも清涼感ありました。
電車のみのアクセスで笹子駅から直接登れます。
2025年6月7日【山梨】滝子山~大谷ヶ丸~コンドウ丸 駅から周回登山
今年も行ってきました、山梨県大月市の秀麗富嶽十二景。
私がこよなく愛する山域で、今回登るのはNo4の滝子山。
その名の通りいくつもの滝が見れる山ですが、今回は初めて「寂しょう尾根」(じゃくしょうおね)という岩稜コースで登ってみました。一応バリエーションルートになっていますが、登っている人は結構多くて、道も全体的に良く整備されていた印象です。
滝子山~大谷ヶ丸~コンドウ丸というコースで笹子駅から周回してきました。
そんなわけでJR中央本線の笹子駅。
秀麗富嶽十二景登山ではお馴染みの駅で、ここからは今回登る滝子山の他にも笹子雁ヶ腹摺山や本社ヶ丸、清八山にアクセス可能です。
山岳部と思われる団体さん含めて、多くの登山者が同タイミングで降りてました。
今回は登山以外にもいくつか目的があって、その1つがこちらの笹子名物・笹子餅「みどりや」。
駅からすぐそばのハイカー御用達のお餅屋さん。朝7時から営業してくれています。
秀麗富嶽十二景の愛好家として、この餅の味を知らないわけにはいかんのよ。
笹子餅を無事にゲット。5個入り600円でした。
登山中の行動食として活躍してもらいます。
甲州街道沿いをしばらく歩いていくと、次に現れるのは笹一酒造。
こちらで日本酒を買って帰るのも今日の目的の1つですが、それは帰りのお楽しみ。さすがに酒瓶を担いで登るわけにもいかんし。
売店でソフトクリームも売られています。
標識に従って登山口までしばしロード歩き。
この標識のデザインは昔から変わらない。秀麗富嶽十二景登山に何度か登っているうちに見慣れたものになってくるはずです。
正面に見えてきた滝子山。
過去2回登っている滝子山ですが、直近登ったのがもう12年も前。そこまでキツかった記憶はないのですが、こうして見ると結構な高低差。
そして、実際すごく辛かったです。これも体力の衰えによる感覚の違いか……。
こちらの熊よけゲートを開けて中へ。
今回は一応バリエーションルートということで念のため熊鈴も装着しておきます。
寂しょう尾根ルートで登る場合、ゲートから少し歩いたこちらの分岐を右へ行きます。
林道をそのまま直進すると沢ルートの道証地蔵登山口に行くのでお間違いなきよう。
分岐の標識に書かれていたのがこちら。
寂しょう尾根ルートは急峻で岩場も多いから気を付けてね、と。
先に言っておくと、岩場自体は終盤に部分的に出てくる程度で全体の割合としては少なめ。登る分には難しいところもそれほどなかったです。
技術的な難易度よりも体力が求められる感じで、山頂までほぼ一直線の登りが続きます。最後の方は息も絶え絶えで半泣き状態でした。。。
いざ、寂しょう尾根ルートへ。
と言っても、序盤はごく普通の登山道。道も良く整備されていて、迷うような心配もありません。
尾根に出たところで鉄塔の休憩ポイント。
ここから山頂まで、ひたすら尾根伝いの登り坂が続きます。
この先もしばらくは一般ルートと何ら変わらない整備された道。
私の持っている山と高原地図は2012年版で、その地図では確かに破線ルートになっているんですが、昔からそれなりに登る人はいたんでしょうか。
特に最近は滝子山登山レポでもこのルートを歩く人が多いので、準一般ルートに格上げになっている感があります。
しばらく登ると林道と交錯。
ここは右に行くとすぐに登山道への入り口があります。写真の右端に小さくピンクテープが見えているところがそれ。
その後も新緑が綺麗な穏やかな森のハイキング。
はて、これが危険とされる尾根ルートなのかと思いながら歩みを進めると……
中盤あたりで岩が出てきて、少しずつその片鱗を見せ始める。
それでも、ここら辺はまだ普通。写真を見てもらうとわかる通り、常に前後に人がいる感じで、歩いている人は多かったです。
岩場エリアが登場するのは終盤に差し掛かったあたり。
あたり一面がゴツゴツした岩だらけになり、それをよじ登るように登って行きます。
途中には大木が浮遊するというイリュージョンを見せつけてくる寂しょう尾根。
なるほど、これは確かに危険な香りがするぞ。
部分的に痩せ尾根の岩稜ポイントもあって、そこら辺がやや要注意でした。
しかも、ここまでの登りが結構きつくて、体力的にかなり消耗してのこの岩場。
脚がプルプル言い始めてもおかしくない状況なので、一層慎重に進みましょう。私はここ2週間ほどがお手軽ハイキングだったもんで、かなりしんどい思いしながら登ってました。
岩場をひたすら登って行く。
技術的に難しいところはほとんどないですが、高低差があるのでとにかく疲れる。そして周りの人たちのペースも速い。強者だらけじゃないかっ!
難しいところはないと言っちゃってますが、ここを下れって言われたら話は別。たぶん自分のへっぴり腰が大炸裂するであろう厄介な岩場だと思います。
そんな岩との格闘の癒し系がこちらのヤマツツジ。
中腹辺りはもう枯れ落ちていましたが、6月初旬は山頂付近でようやく満開を迎えるころ。
登るにつれてつつじの花もどんどん咲いてきました。
さらに後ろを振り返ると見事な富士山!これぞ秀麗富嶽十二景登山の醍醐味です。
6月上旬にしてなお、山頂部にはほんのりと雪が残っています。
さらに視線を右に向けると南アルプスも見えました。
梅雨入り間近という季節でしたが、この日は貴重な晴天でアルプスや八ヶ岳方面も天気が良かったようです。
その後も岩場コースをひたすら登って行くとイワカガミを発見。
寂しょう尾根ルートはイワカガミが咲くことでも有名で、まだ何輪か残ってくれていました。
ピークは5月なので、この花目的であればもう少し早い時期に登るのが良いかと思います。
岩場を登り続けて、寂しょう尾根の危険個所とされる岩稜エリアを無事に通過。
下山する際はこの標識の先から急な岩場が始まるのでお気を付けください。
岩場エリアが終わって山頂かと思いきや、まだしばらく登りは続きます。
寂しょう尾根、おそらく滝子山の最短ルートで無駄なアップダウンも一切ないのですが、もうヘトヘトです……。こんなに辛かったっけ滝子山、と過去の自分に愚痴言いながら登ってました。
そんな自分に活を入れてくれるのが、やっぱりこちらのつつじ。
山頂に近づくにつれて群生ポイントが増えてきて、特に山頂直下は山のいたるところで真っ赤な花が咲き乱れていました。
こうしてフラフラになりながらも、ようやく山頂に到着。
や、やったぞ……久しぶりだな滝子山。
12年ぶり3回目の滝子山。標高1620m、秀麗富嶽十二景の四番山頂です。
山頂からはご褒美とばかりに富士山とヤマツツジの美しいコラボが炸裂!これはもう見事としか言いようがない景色でした。
5月下旬から6月上旬にかけて、ツツジの開花が山頂まで来た時にだけ見れる絶景。
疲れも吹っ飛ぶくらい華やかな景色でした。
これを見れただけでも、頑張って登った甲斐があったってもんです。
北側を望むとさらに高い山が2つ。右が雁ヶ腹摺山、左が黒岳あたりかな。
秀麗富嶽十二景を全て登りきったのはもう10年以上前ですが、その全てを電車・バスの公共交通利用で行った身としては、一番アクセス難だったのが雁ヶ腹摺山。
他のピークはすでに2巡以上しているところがほとんどですが、あの雁ヶ腹摺山とその近くの姥子山については最初に登ったっきりです。秀麗富嶽十二景の第2章を終わらせるためには、あの山にも再訪せねばならぬ。
が、その体力が今あるかはわからない……
正面に富士山を見据えながらしばし休憩。
思っていた以上に天気が良くて日差しが強烈。尾根を登っている間はそれなりに風が吹いて涼しかったですが、山頂はとても暑かったです。
暑いと食欲がなくなるのは昔からで、どうにかしたいけどどうにもできない部分。この日も半ば無理やりサンドイッチを胃に放り込みました。
山頂ではミツバツツジも咲いて、紫の花と富士山のコラボも絶妙でした。
おそらく1週間前くらいがミツバツツジのピークだったと思いますが、こうして咲き残ってくれてるだけで有難かったです。
滝子山の山頂ってこんなにつつじに囲まれている場所だったんですね。
休んでいるうちに続々と登山者が登頂する中、みんなで富士山の撮影大会開催。
真っ赤なつつじと富士山の絵は本当に見事でした。良いタイミングで登りに来れて満足です。
山頂も混んできたので少し休んでから下山開始。
すぐに分岐があって直進すれば初狩駅へ下山するルートですが、ここは左に折れて鎮西ヶ池方面へと向かいます。
こちらの白縫神社の社があるところが鎮西ヶ池。
写真右の方の足元に小さな池があるのですが、確かにゲコゲコ鳴くカエルの声が聞こえてました。
池の周りに綺麗に咲いていたのがこちらのクリンソウ。
この花の存在は事前に知らなったので、群生を見たときにはビックリしました。
つつじのシーズンと開花時期が重なるようなので、ぜひこの花も見てみてください。
そこからしばらく下ると大谷ヶ丸への分岐点に到着。
山頂から緩やかな下り坂で疲れもある程度緩和して、ここらで食欲が復活してきました。
そんなわけで、ここで満を持して笹子餅の登場。
笹子駅前で買ったご当地アイテム。
水分をそれなりに持っていかれましたが、なるほど確かに美味しかったです。登山中のあんこはやっぱり心強い味方ですね。
笹子餅を3つ食して大谷ヶ丸までの道のりを頑張ります。
ここに関しても過去に一度歩いたことがあるのですが、道中はほとんど覚えてなかったです。
基本的に山頂直下までは緩やかで歩きやすいのですが、落ち葉フカフカで部分的に迷いやすい箇所があったのでお気を付けください。
こうして1時間ほど歩いて大谷ヶ丸に登頂。新緑とツツジの二刀流で出迎えてくれました。
滝子山に比べるとずいぶん静かな登山道で、途中で出会ったのも2人だけです。
ここからは曲り沢峠方面へ下山していきます。
大谷ヶ丸山頂あたりもツツジが綺麗に咲いてました。
このルート、つつじの群生ポイントが本当に多かったです。
ここから先はひたすら下り坂。
道も緩やかで歩きやすく、今日一番気持ち良くハイキングできたところです。
新緑の緑がまた心地よい景色。
途中には畑のような広場もあったり。
展望こそあまり開けないですが、日差しが降り注いで全体的に明るい登山道でした。
しばらく下るとコンドウ丸に到着。
ここは初めて登頂した山で、周囲展望はないですが立派な標識は用意されていました。
さらに下って曲り沢峠に到着。
ここを直進すれば大鹿山~笹子雁ヶ腹摺山方面へ行けますが、さすがにもう疲れたのでここで笹子駅方面のルートへ行きます。
しばらく平坦なトラバース路を行くと滝子山の登山道と合流。
つづら折りの坂を下ると、やがてこのルートの醍醐味ともいえる場所に出ます。
それがこちらの沢沿いの道。
大小いくつもの滝が流れていて、非常に清涼感にあふれた空間。マイナスイオン全開で、特にこういう暑い季節にはピッタリです。
滝子山の代名詞ともいえるこの沢ルート、涼しげでとても心地よかったです。
過去2回は登りで利用しましたが、下山でのんびり歩くのもいいですね。特に気温も上がってきたので、オアシスのようにさえ感じた道でした。
その後、道証地蔵登山口まで下山して、あとはひたすら林道を下って行きます。
この林道歩きがまぁ長くて、先ほどの沢沿いから一転して暑さとの闘いでした。
熊ゲートを過ぎて街中へ下山。
こういう山の麓ののどかな風景も好きです。
駅に向かう途中で立ち寄ったのが、忘れてはならない笹一酒造。
蔵元直売所で、ここでは珍しく日本酒とワインが製造されているようです。
多種多様なお酒が並んでいる中で、夏季限定の笹一があったのでこちらを戦利品として購入。
これを書いている段階では、冷蔵庫で冷やしているところ。飲むのが楽しみです。
さらにここの名物の1つが笹一吟醸ソフトクリーム。
火照った身体にソフトクリームが身に染みて美味しかったです。お酒を飲まない方も、ソフトクリームを食べにぜひ立ち寄ってみてください。
こうして笹子駅まで戻って本日の行程が終了。駅から直接登って下りてこれるアクセスの良さはやっぱり素敵です。
今年最初の秀麗富嶽十二景登山でした。
初めて歩いた滝子山・寂しょう尾根ルート。
山頂で見た満開のつつじと富士山の景色を含めて、変化に富んだコースは非常に面白かったです。
登りに行く際はお餅に地酒と、ご当地グルメも合わせて楽しんでみてください。
【日程】
2025年6月7日
【コースタイム】
7:30 笹子駅
8:15 寂しょう尾根ルート登山口
10:20 滝子山
11:35 大谷ヶ丸
12:10 コンドウ丸
13:15 道証地蔵登山口
14:00 笹一酒造
14:20 笹子駅
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