10月初旬に新潟の苗場山に登ってきました。
苗場山と言えば、山頂に広がる大湿原が最大の特徴。そのあまりにも広大な台地はとても山の頂のものとは思えず、他の山では味わえない苗場山の特筆すべき魅力ともなっています。
10月になると苗場山でも紅葉が始まる季節で、山頂の湿原は一面黄金色の草紅葉が広がり、青空を映し出す池塘も点在して天空の楽園と化していました。
途中の木道ベンチに広がる庭園のような紅葉風景や稜線から見る苗場山の迫力ある山容など、随所に見どころポイントがあって、秋の日帰り紅葉登山を存分に堪能できた1日でした。
一口に山と言ってもその山容は様々で、富士山のような綺麗な円錐形もあれば槍ヶ岳のような鋭利な岩峰もあったり。
岩山があまり得意でない分、自分の登山の比重としては雄大な稜線を兼ね備えた”のっぺり”とした山に向かうことが多い気がするけど、今回登る苗場山については穏やかな山容とか、そういうレベルに留まらない少し異質な存在。
山頂に立ってみれば一目瞭然ですが、あまりにも広大な湿原を有しているが故に、山の上に1つの台地が広がっているような、そんな不思議な景観を見せてくれる山です。
苗場山については5年ぶり2回目の来訪。前回はまだ緑が残る夏の終わりの時期に登りましたが、今回は紅葉真っただ中の時期に遊びに行ってきました。
2017年10月1日 苗場山・祓川コース 紅葉登山
広い山容という特徴もあって四方八方に登山道が延びている苗場山ですが、関東県内から登りに行くのであればおそらく一番メジャーなルートは祓川(はらいがわ)コースだと思います。
前回歩いたコースですが、今回も同じコースで登ることにしました。
まだ暗いうちに祓川コース登山口駐車場に到着。この日は高気圧にすっぽりと覆われて、”超”が付くほどの快晴予報が出ていたので、早朝5時の時点ですでに駐車場は大盛況。
紅葉も見頃という情報が出ていたのもあって、50台ほど停められるスペースはあっという間に埋まって路駐も発生していました。
登山口にあった苗場山・祓川コースの登山地図。標準タイムでだいたい登り4時間30分、下り3時間30分と言ったところ。
途中の中ノ芝あたりまで登ってしまえば展望も一気によくなるので、そこまでが勝負どころです。
6時少し前に登山開始。駐車場からはしばらく舗装された道を歩いて行き、少し先にある和田小屋を目指します。
今回は昨年の日光白根山以来の久しぶりにご一緒させてもらうRSさん。どうぞよろしゅうm(__)m
普通に登って降りてくるだけなら時間に余裕がありすぎるので、可能ならだだっ広い山頂をくまなく散策する予定です。
出だし早々にご来光を迎える。朝日の向こうに浮かぶ谷川連峰の山なみが綺麗でした。
今歩いている林道は、冬場はかぐらスキー場のゲレンデにもなっている場所。たなびくススキと合わせて、今はまだ止まったままのリフトにどこか哀愁を感じる。
歩いて15分ほどで和田小屋に到着。タクシー利用であればここまで上がってくることもできます。
越後湯沢駅から和田小屋まではだいたい7000円くらいと書いてありました。
かぐらスキー場のゲレンデに入っていく。もうだいぶ慣れたけど、山登り初期の頃は雪のないゲレンデに来るというのが違和感あって不思議な感じがしたものです。
この時点での標高は1370m。山頂が2145mなので高低差800mほどになります。
ゲレンデ脇の登山口に入ったら、しばらくは展望のない樹林帯の登り道になります。
見ての通り岩が多くて、こういう道は下山時に膝に響くから嫌なんだよねぇ、、
六合目の標識。スタート地点の駐車場がすでに山の中腹にあるので、途中の六合目からのスタートになります。
しばらくは黙々と登る時間ですが、上を見上げると早くも葉っぱが色づいて綺麗な紅葉が見れました。
天気も予報通り雲1つない快晴で、この日に至っては天気の心配を全くしなくて良かったのも気持ちよく登れた要因の1つ。
単調な1本道を登って行く。空が開けてくるあたりになると、目線の高さでも紅葉が目立ってきます。
足元は相変わらず細かい岩が多め。
スキー場のゲレンデを横切る。苗場山に登っていますが、今いるのは苗場スキー場ではなくお隣のかぐらスキー場。
何度か滑りに来たことがあるので、たぶんこの写真のコースも過去に滑ったことがあるはず。
しばらく登って最初の休憩ポイントが下ノ芝。
木道脇にベンチが用意された場所です。
まだ樹林帯に囲まれた場所ですが、樹々の合間からは反対側の山の稜線も見渡せるようになってきます。
ほんのり黄色く色づいた紅葉がまた綺麗。
下ノ芝を過ぎると登山脇の紅葉も一段と綺麗になってきます。
この先、中ノ芝、上ノ芝と続きますが、上に行くにつれてさらに雰囲気も良くなってくるので、登る足にも力が入る。
特に中ノ芝は最初の絶頂ポイントとなるので、大いに期待してくだされ!
ゲレンデの最終リフトまで登ってくると、いよいよ登山も面白くなってくるところ。
この先に楽園への入り口があります。
登っている間に少し気になったのが、祓川コースの真横に延びている高石尾根。草原のようなところもあって歩いたら気持ちよさそうな尾根ですが、地図で見る限りだと残念ながら登山道はないようです。
そしてやってきた最初の絶景スポット。
樹林帯を超えて、辺り一面が草紅葉に包まれるこの場所が中ノ芝。見ての通りベンチも用意されています。
木道が敷かれており、そのすぐ脇には日本庭園のように整った色づきを見せてくれる紅葉風景。
正面には平標山といった谷川連峰の山なみも一望できます。
ゲレンデを超えていきなり飛び込んできた山の上の楽園よ!
草紅葉も見事なもんで、この中ノ芝だけでも錦秋の風景に浸ることができます。
もちろん、山頂の草紅葉はこんなものでは収まらない規模なので大いに期待すべし!
木道の階段が穏やかな雰囲気を演出していて本当に素晴らしい景色!
ここは夏の緑豊かな風景も良かったけど、秋の方が断然綺麗な場所だと思いました。陽の角度によって帰りは帰りで少し違った印象に見えたのも面白いところ。
天に延びる木道回廊はしばらく続く。
ここら辺はゆっくり歩いて紅葉を堪能すべき場所です。
苗場山の紅葉は赤もあったり黄色もあったり、色とりどりで華やかさがあります。
それでいて山頂に行けば草紅葉に池塘も加わるので、秋の日帰り登山としては堪能できるポイントがあまりにも多い。
秋の苗場山は贅沢三昧ですぜ。
木道の先にあるのが上ノ芝。
ここまで登って来れば背丈を超える樹もだいぶ少なくなってきます。
例によってベンチあり。展望は中ノ芝と大して変わらないですが、点在するツリーを見ていると、雪景色もさぞ綺麗なんだろうと妄想が膨らむ。
明け方でまだ空気も澄んでいるので、尾瀬や日光方面の山も見渡せました。
上ノ芝を過ぎれば山の稜線に出て、ここからしばらくは横移動。
位置的に稜線の向こうに苗場山が控えているので、祓川コースから登ると神楽ヶ峰を超えるまでは本丸を捉えることができません。
なかなか姿を現さない苗場山、ただそれがまたいい。大いにじらされた後に盛大な登場劇を迎えることになります。
振り返ってみて眼下に見えるのがカッサ湖(田代湖)。 人工的につくられたダム湖です。
オーシャンブルーの綺麗な湖ですが、どうやら立ち入ることはできない模様。
稜線の途中にあったのが股スリ岩。 股を擦って降りろってことなんでしょうかね?
特別難しい岩場というわけでもなく、股を擦るまでもなかったのでご安心を。
そして神楽ヶ峰に到着。苗場山手前のピークですが、稜線の途中にあるあまり特徴のない場所で、標識がなければ通過してしまうようなところです。
小さく八合目と書いてあるのを見て、そういえばそういうシステムだったというのを思い出した(笑)
すっ飛ばした七合目は、おそらく下ノ芝あたりにあったんだと思います。
そしてこの先に行くと、ようやく今回目指していた苗場山が姿を現します。
散々隠れて期待させておいてのご登場という感じで、本当に唐突に出てくるので大いにビビッてください。
ドン!という感じで、盛大にご登場されたこちらの山が苗場山。これぞ山というドッシリ身構えた横綱級の姿が迫力ありすぎです!
特筆すべきは、ここから見ると山頂に広大な草原が広がっているようにはとても見えないところ。この姿を見てから山頂に行くことになるので、そのギャップがまた堪らんのですよ。
ここからはいったん登り返し。富士見坂という坂を稜線の鞍部まで下っていきます。
坂の途中にあるのが雷清水という水場。
ちょうど良い所に給水ポイントが用意されているのも、苗場山の素敵なところ。
いきなり現れた苗場山の山容に目を奪われましたが、稜線脇に広がる紅葉も見逃せないポイント。
三ツ石山のように一面が真っ赤に染まるわけではないですが、緑の稜線が部分的に秋色に染まって綺麗です。
それでもやっぱり目が行くのは苗場山のこの姿。
山頂の湿原を一度見ているが故に、逆にこの姿のギャップがとても不思議に思えてくる。平標山などから見ると苗場山はテーブルマウンテンの形をしているけど、ここから見る苗場山はそれとは全くの別物。
この景観が見れるのが、もしかしたら祓川コースの一番の醍醐味かもしれないです。
稜線の途中にあるお花畑ゾーン。
紅葉のこの時期は当然ながら咲く花は見当たらず、少し寂しい風景。
色づく紅葉が花の代わり。稜線の華やかさは夏に劣らぬ素晴らしいものがあります。
鞍部まで降り立つと苗場山が見上げるほど大きく、その迫力も倍増する。
こういう緑の笹が豊かな稜線はいかにも上信越らしい景色です。
何となく雨飾山に近い雰囲気を感じました。
鞍部まで降り立ったら、あとは山頂まで直登するのみ。
部分的に急登箇所がありますが、随所に紅葉ポイントがあるので景色を楽しみながら登ればそこまで苦にもならない。
振り返ってみる稜線の紅葉がまた絶品。
距離的には短いですが神楽ヶ峰から苗場山にかけての稜線は、上信越ならではの展望の良さがあってかなり好きな道です。
道は見上げるほどの急坂で雲尾坂という名前がついていました。
山頂直下の紅葉も綺麗で、ここら辺の紅葉は華やかというより渋い感じがしました。
上から見下ろす稜線の紅葉。陰影がオシャレな演出。
山頂直下は岩場も多少あります。部分的にロープが垂らされている箇所もありましたが、難しいようなところは特になかったです。
写真では載せないけど、この坂の途中に9合目の標識がありました。
神楽ヶ峰までの稜線全景。
道が急な分、振り返ってみる景色の高度感はすごいものがあります。
急坂を登り切ってしまえば、そこが天空の楽園の入り口。
この先で苗場山の本当の姿を見ることができます。
それがこちら↓
突然目の前に広がった、雄大な湿原風景。
山の上に登ってきたはずなのに、着いた先は広大な台地。開放的な眺めに感動しつつも、別世界に飛び込んだような不思議な感覚を抱く景観。これこそが苗場山の本当の姿。
湿原は一面草紅葉と化して、金色に染まる錦秋風景。
そこに敷かれた木道路がまた絵になる風景で、尾瀬にも似た長閑で開放的な雰囲気があります。
山の上に切り開かれた広大な台地、信じられないかもしれないけどここが苗場山の山頂。
山頂の湿原には池塘も点在していてオアシスのような水の豊かさ。
青空を映し出す水面がとても綺麗で、池というよりも泉といった神秘的な雰囲気さえ感じます。
どこまでも延びる木道をじっくり歩いていく。
何度も言うけど今いるのは山の頂、標高2000mを超える場所。平ヶ岳とか田代山とか、山の上に湿原広がる場所は他にもありますが、広さで言ったら苗場山に敵うものはない気がします。
顔のような池塘発見。
この池、笑ってやがる!
この木道ハイキングこそ、苗場山登山における至福の時間。
それを雲1つない青空の下で歩けるんだから、もう言うことなしです。
行き交う人さえ景色に溶け込んで絵になる風景。
湿原の広さに心奪われますが、意識を外に向ければ遠くの山なみも色々と見渡せます。方向的には志賀高原とか草津白根山とかそのあたり。奥に浅間山らしきものも見えました。
休憩用のベンチもいくつか用意されています。
四方八方見渡しても、草紅葉広がる大湿原地帯。まさにここは山の上の楽園ですよ。
木道の行き着く先に山小屋が見えますが、そのすぐ近くに一応山頂とされている最高地点があります。
砂漠の中のオアシスのように樹々が密集しているところがそれ。
こちらが苗場山山頂。あれだけ開放的な大湿原が広がっていながら、山頂の標識があるところだけ樹に囲まれて展望がないという残念な感じですが、湿原有する山はだいたいこんなもん。平ヶ岳もこんな感じで標識のところだけ展望なかったしね。
でも、湿原のど真ん中に標識が立っていたら、撮影大会になって雰囲気壊れるかもしれないので、これくらいひっそりと構えてくれていた方がある意味ちょうどいいのかもしれないです。
山頂のすぐ近くにあるのが苗場山山頂ヒュッテ。別名「苗場山自然体験交流センター」
山小屋として機能しているので、シーズン中はもちろん宿泊可能です。
山小屋の寝床を見学。なかなか綺麗だったし、トイレも水洗式でとても清潔感ある山小屋でした。
湿原のど真ん中に建てられているので、ここに泊まって星空観賞なんかしたらきっと最高の景色が見れるんでしょうね。
山小屋のテラスで軽く休憩。
以前はこの苗場山山頂ヒュッテの他に「遊仙閣」という山小屋があって、前回来たときはその小屋の取り壊し工事中だったのですが、今はもう跡形もなかったです。
自分の持っている山と高原地図は2011年版で、その時点ではまだ遊仙閣の名前は地図上に残っているのですが、最新版ではもう名前も残ってないのかな……?
まだ時刻は10時前。今回はだいぶ時間にも余裕があるし、天気も快晴なのでできる限り山頂の湿原を探検してみることに。
山小屋からさらに先へと延びる木道を歩いていきます。
…が、その前に1つの顕彰碑を発見。
これは大平晟という人のレリーフで、苗場山開拓に力を注いだお方らしい。
山頂にレリーフが用意されているあたり偉大なお方というのは簡単にわかりましたが、岩の上に隠れるように置かれた仏様の立ち位置が妙におかしくて、そっちの方に注目してしまったぞ……
イェーイ!
引き続き木道ハイク再開。
ここから先は単線に切り替わるので、すれ違い待ちも発生。新潟側からのメジャールートの1つである小赤沢コースから登ってくる人たちで、こちらから登ってくる人も結構多かったです。
草紅葉の合間に点在する池がたくさん。水の豊かさも苗場山の特徴の1つです。
奥に薄っすらと見えているのは北アルプスの山なみ。小赤沢コースの方まで行くと北アルプスもくっきり見えるようになるので、時間が許すならこちらまで散策しにくる価値は大いにあります。
苗場山の湿原と登山者。背景の山景色も前回は雲に阻まれて見えなかったので、新鮮な気持ちで見ることができます。
足元にはチングルマの穂も。
紅葉時期にはすっかり姿を消していると思っていましたが、まだ綺麗な綿毛をなびかせていました。
注意深く見て見ると、はるか遠くまで湿原が広がっているのがわかります。
山頂と呼ぶにはあまりにも広大すぎるテーブルマウンテン・苗場山。色々と巡り歩きたい場所はありますが、自然保護もあって木道は限られた場所にしか敷かれていないので、散策できる範囲はそう多くはないです。
だからこそ、心ゆくまでこの大湿原を端から端まで歩いてみる。
景色は先ほどから似通ってはいますが、ここら辺は前回歩かなかった場所なので、個人的には未知なる領域です。
奥に進んでいくにつれて北アルプスも良く見えるようになってきました。
湿原のはるか彼方に地平線のように横に伸びる黒い影、あれが北アルプス。これほど遠目でもそのスケールの大きさを感じられる北アルプスはやはり偉大です。
3つのコースの分岐点に到着。
左に行けば苗場山神社を経て赤倉山へと通じるルート。右に行けば新潟側のメジャールートである小赤沢コースになります。
どちらにも行くつもりなので、まずは人がたくさん来る小赤沢コースへ。
この後いったん樹林帯に入っていき、ぬかるみも激しい悪路でしたが、しばらく我慢するとまた山頂に似たような湿原風景が広がります。
それがこちら。苗場山山頂の大湿原をコンパクトにまとめたような金色の湿原風景。
それでも十分すぎるほど広くて、長閑な雰囲気漂う居心地抜群の場所でした。
こちらにも綺麗な泉は点在します。奥に見える小高い山を越えてくるのかと思ってましたが、どうもあの山はルート外で登れないようです。
この湿原に来た醍醐味といえば正面に広がる北アルプスの展望!山頂よりもより近くで見ることができ、槍ヶ岳なども容易に確認することができます。
手前右の尖った山はおそらく鳥甲山。山容を見る限りでは険しそうだけど、新潟の有名な山は一通り制覇したいという目論見があるので、チャンスがあれば登りに行きたいところです。
木道の終点から山頂方面を振り返ってみる。標高的には少し下ったところなので、ここから山頂の湿原は見ることができません。
小赤沢コースから登る場合、山頂の手前に広がるこの湿原風景が最高にテンション上がるポイントなのかもしれないですね。
そして、先ほどから写真にゴミが入ってすいません……。途中からずっとレンズが曇っていましたが、そうとは知らずにこの先も撮ってます(^_^;)
小赤沢コースを見て回ったところで先ほどの分岐まで戻って、次は苗場神社方面へ。
こちらはルート上、日帰りが困難なので、歩いてくる人もほとんどいなかったです。
こちらが苗場神社。どんな神社かと思いましたが、小さい祠があるだけの場所でした。
ただ神社の裏手は、こちらもご覧のような広々とした湿原風景。
若干見飽きた感じもするけど、こちらは人が全くいなくて静かな雰囲気が良かったです。
赤倉山へと通じる木道路。
しばらく先へ進んでみましたが、笹の中に敷かれた1本の木道がひたすら続いていました。
ある程度探検しきったところで引き返す。
池も点在していましたが、何となくこちらのルートは手つかずの自然が残っている印象を受けました。
このまま稜線を突き進めば赤倉山、佐武流山、さらには白砂山へと続いていきます。
小一時間の散策を楽しんで山頂へと戻る。
草紅葉の景色が当たり前のように感じられてしまうほど、一通り山頂の湿原は歩き回れた気がします。
色々と散策はしてみたものの、苗場山の大湿原を歩ける範囲というのは本当に限られていて、いくら探検しても歩き足らないくらい。
冬場であれば広大なスノーシューフィールドとなりそうだけど、冬場に苗場山山頂まで登って来れるのかは不明。
時間もお昼時に差し掛かってきたということで、山頂のベンチもかなり賑わってきました。
風もなく暖かい日だったので、山頂でゆっくり休憩するには最高の1日だったと思います。
黄金色に染まった草原がたなびく風景がまた美しい。
散々見て回って満足したはずの草紅葉も、いざ下山するとなると後ろ髪を引かれる思いになります。
最後の見納めを行って、苗場山山頂から下山。
2回目でしたが、天気に助けられたのもあって前回以上の景色を見ることができました。
来た道を戻っていくわけですが、山頂直下の坂はやはりなかなかの斜度。
鞍部まで一気に急降下していきます。
神楽ヶ峰に至る稜線と紅葉風景。
陽も高くなったので、登ってきた時とは若干印象も異なって見えます。
カール地形の合間を縫って流れる沢。地図を見るとお花畑沢という素敵な名前がついていました。
もはや登山道すらない場所で、ある意味ではこの辺りも秘境と呼べる領域なんでしょうね。
帰りも帰りで紅葉が目の保養になりました。
明け方と比べると紅葉の色づきもやや淡く優しい感じになった印象。
富士見坂の登り返しの途中から苗場山の山容を見納め。
山頂の草紅葉の絶景をたくさん語りましたが、個人的にはこの場所から眺める苗場山の雄姿もそれに匹敵するだけの絶景だと思います。
何よりこの姿は祓川コースを歩かないと見れないものなので、このルートならではの見どころでもあります。
登ってくるときに見たカッサ湖(田代湖)の色も、朝と比べるとずいぶん鮮やかに見えました。
あのカッサ湖でさえ、標高1000mを超える山の上に広がる湖。何層もの台地で形成されている苗場山はやはり広いです。
祓川コースの最初の絶景ポイントとも言える中ノ芝の庭園風景。
真っ赤に染まる紅葉と黄金色の草紅葉、そこに敷かれた木道の階段、行きも帰りも楽しませてもらいました。
この後は来た道をひたすら下山。岩がひしめく膝に優しくない登山道に難儀しながらも、14時前には和田小屋へ戻って来れました。
あとはアスファルトの林道を歩いて行けば駐車場へ到着します。
14時ちょうど、祓川コース登山口駐車場に下山完了。
色々と散策したので山頂だけでも2時間半ほど費やしましたが、思っていたよりも早く登山を終えました。
帰りの温泉はすぐ近くにある道の駅・みつまたの「街道の湯」へ。スキーシーズンに来たときには行列ができるほど混んでいて入れなかった温泉ですが、10月のこの時期はまだ空いていて快適に入ることができました。
お風呂のあとにソフトクリームをペロッと食して、苗場山の日帰り登山が終了。
今回も特にアクシデントもなく、無事に終えることができました。
5年ぶり2回目の来訪。
夏の時期に一度登った苗場山でしたが、秋の紅葉シーズンも素晴らしい絶景を見せてくれた山でした。
山頂の池塘広がる大湿原は、やはり苗場山でしか見れない唯一無二のものだと思います。これだけの広大な台地が山頂にあるというだけでもスケールの大きい話なのに、さらにそこに草紅葉も広がるんだから、秋の苗場山は本当におすすめです。
紅葉だけでなく展望に関しても文句なしで、特に今回は北アルプスの山なみが印象的でした。山頂の西側に行くと良く見えるようになるので、晴れた日に時間があればぜひ山頂をくまなく散策してみてください。
夏は夏で高山植物が咲く花の楽園、秋は黄金色の草原が広がる紅葉天国、苗場山の魅力にまた1つ迫ることができた登山でした。
おしまい
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【日程】
2017年10月1日 快晴
【コースタイム】
5:50 祓川コース登山口駐車場
7:00 下ノ芝
8:10 神楽ヶ峰
9:15 苗場山(~11:45)
13:15 下ノ芝
14:00 祓川コース登山口駐車場
コメント
いつも素敵な風景を見させていただいています。
今年こそは草紅葉の苗場山に登るぞっと意気込んでいましたが、このところの週末になると悪天候ばかりで登ることができません。
これから登って紅葉の時期はすっかり過ぎ去っているでしょう。
雄大な湿地の広がる秋の苗場山の姿をしっかりと見ることができました。
ありがとうございます。
mamichiさん、こんにちは。
最近は週末になると台風直撃という負のサイクルでしたね……。
もう高山では雪も降り始めているので、紅葉を楽しむとしたら近場の低山になるでしょうか。
この苗場山は10月1日に登ったので紅葉には少し早いかとも思っていましたが、山頂が見事に色づいていてくれました。
10月後半の悪天候を考えたら、この時期に登っておいて良かったです。ぜひ来年登ってみてください!
みやっちさん
紅葉も展望も、お天気に恵まれてバッチリですね(^o^) 特に色とりどりの紅葉が鮮やかにみえます。
ちょうどみやっちさんの1年前に登りました。紅葉はまずまずでしたが、天気が小雨→曇くらいで、こんなにきれいではなかったです。
山シーズンも終わりに近くて寂しいです。今季もみやっちさんには充実のシーズンだったと思います。
私は初めてのキタダケソウと岩手山のコマクサくらいでしょうか…… 秋の週末が悪天候多くて少し残念でした。
ねもさん、こんにちは。
今年は紅葉シーズンもそうですが、夏場もあまり天気が良くなかったですね。僕も例年に比べたら登山回数も減っている気がします。来年に持ち越しの登山も多かったですよ・・・
苗場山は5年ほど前に夏場に登りに行ったことがあったのですが、秋の紅葉シーズンは初めてでした。
山頂の湿原はまるで印象が変わりますね。一面金色の草紅葉は本当に絶景で、この後の台風襲来を考えたら、このタイミングで行けて良かったです。
白根三山縦走は来年こそ実現したいものです。
こんばんは。
苗場山の草紅葉、ホント黄金色で綺麗ですね~!
苗場山のどっしり大きな山容もすごいです!
ぜひ、紅葉時期に行ってみたいと思いました。
みやっちさんの写真はホント綺麗ですね!
いつも素晴らしい景色の写真を見せて頂いてありがとうございます。おかげでいつも癒されております。
また次の記事を楽しみにしています!
ゆかぽんさん、こんにちは。
草紅葉も良かったですが、おっしゃる通り稜線から見た苗場山のどっしりした山容がとても印象的でした。夏もいいですが秋もいい山でしたよ!序盤の華やかな紅葉も見ものなので、ぜひともお勧めです。
ここまで来ると次は冬景色の苗場山も見たくなりました。できたらいつか雪の時期にも登りに行きたいと思います!