日本の3000m峰の山々へ 一覧と登山記録のまとめ

日本の3000m峰の山々へ 一覧と登山記録のまとめ

日本に存在する標高3000mを超える山々、その数『21』。

前週の農鳥岳でその全てを登り切ったので、ここらでいったんまとめでも書いておきます。

3000m峰は標高が高いので、当然ながら一筋縄では登れない山が多いですが、中には割と簡単に登れるものもあったりします。

夏のテント泊、秋の紅葉、冬の雪山……、四季を通じて登り歩き、21座だけでも色々な思い出がありました。

 

日本の3000m峰登山まとめ

 


冒頭でも語った通り、前週の南アルプス・白峰三山縦走で農鳥岳を登ったことで3000峰の全21座を一通り登頂したことになりました。(厳密にいえば標高3000m超のピークは21より多いですが、一般的に語られるのが21座なのでここでもそれに準拠)

自分が初めて登った山が2009年の富士山で、そこからカウントを開始するなら21座登るだけでも丸10年費やしたことになります。別に3000m峰に強いこだわりがあったわけではないですが、高い山というのはそれなりの名峰でもあるわけで、心の底では一巡しておきたいなという気持ちはありました。

 

そんな日本の3000m峰の21の一覧と登山の記録を振り返る回。

 

No1. 富士山(3776m)

2018/4/29 【富士山】富士山~剣ヶ峰 日帰り残雪登山

富士山(3776m)

日本のNo1は誰もが知っている富士山。世界に誇る日本の名峰です。

この山こそ、自分の原点なのかもしれない。大学の仲間と「人生で一度くらい富士山に登っておくか?」という話がなかったら、登山というものに触れることもなく、このブログが開設されることもなかったでしょう。

初登頂時は登山のことなんて何もわからなかったので、高山病を心配してアウトドアショップに売っていた酸素ガスを買ったり、大量のカロリーメイトを持って行ったりと、今考えれば無駄なものもたくさん用意していた気がします。

今でこそ富士山を日帰りで登れるくらいの体力はありますが、最初は当然ながらマニュアル通りに1泊2日の山小屋泊で登りました。(その時の山小屋がすし締め状態でほとんど寝れず、二度と山小屋なんかに泊まるか!と思ったのは懐かしい記憶)

ただ、心配性な性格だったので登山装備については最初の段階で色々と取り揃えていました。それらを無駄にするのもあれだったので、次の山にも行こうということになり、、、こうして登山人生が始まっていった感じです。

この数年後には会社の先輩を連れて登りにも行ったし、雪のある時期にも挑戦してみたり、これまで登頂は計4回。何だかんだ3000m峰の中では一番回数多く登っている山です。

 

No2. 北岳(南アルプス、3193m)

2019/8/9-10【南アルプス】北岳~間ノ岳~農鳥岳 山小屋泊登山

北岳(南アルプス、3193m)

 富士山に次ぐ日本第2の高峰・北岳。南アルプスの盟主でもある雄々しき山でございます。

登山に親しみを覚えてくると、当然ながら富士山の次に高い山に登りたくなってくるわけで、山好きなら割と早い段階で北岳の存在は知ることになると思います。実際、自分も3000m峰の中で富士山の次に登ったのが北岳でした。

ついこの前、8年ぶりに北岳に登ってきたわけですが、やはり偉大な山でした。南アルプスの展望、特に仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳の眺めが爽快です。

標高は3193mと富士山と比べると700m近く違います。これ、最初に知った時は少し驚きでした。富士山って標高でいえば圧倒的なんだなと。

ただ、登山の難易度でいえば北岳のほうが大変かもしれません。仮に富士山を吉田口から登るとすると高低差1500m弱ですが、北岳の場合、広河原から登っても高低差1700m弱はあります。日帰りでも登る人は結構いるみたいですが、一般的には1泊2日の山小屋泊が最適かと。

あと余談ですが、たまに会社のお偉いさんのプレゼンなんかでNo1を目指すみたいな話になった時に「一番高い山は知ってるけど、2番なんてみんな知らないでしょ?」っていうようなフレーズを聞くんだけど、あれカチンと来ます。いやいや、知ってるわいと。

 

No3. 奥穂高岳(北アルプス、3190m)

2015/9/29-30 涸沢の紅葉と奥穂高岳 テント泊登山

奥穂高岳(北アルプス、3190m)

日本で3番目に高い山は北アルプスの奥穂高岳。次に紹介する間ノ岳と並ぶ標高3190mです。

見ての通り北岳と3mしか違いません。僅差です。No2の北岳以降はその背比べもひしめき合っている状態で、いかに富士山が飛びぬけているかがわかるかと。

日本百名山としては穂高岳と記されていますが、まぁ大抵はこの奥穂高岳を登頂することで「日本百名山の穂高岳に登った」とする人が多いです。自分が奥穂高岳に登ったのは2015年ですが、穂高連峰の山はそれ以前にも登っていて、順番的には北穂高岳、前穂高岳、奥穂高岳、西穂高岳という感じになりました。

もちろん縦走ではなく、それぞれを単発で登りました。岩場苦手の自分が穂高連峰を縦走するはずがなかろう……。

日本の3000m峰21座と言いましたが、この奥穂高岳のすぐ隣にあるジャンダルム(標高3163m)が抜けているじゃないか、という意見もあるかもしれません。いつの日か、機会があれば登りに行くかもしれません。(ジャンダルムを奥穂高岳からピストンするのは反則ですか?カッコ悪いですか…?笑)

 

No3. 間ノ岳(南アルプス、3190m)

2011/9/18-19 北岳~間ノ岳(南アルプス) 山小屋泊登山

間ノ岳(南アルプス、3190m)

奥穂高岳と並んでNo3の地位にいるのが間ノ岳。北岳と同様に、ついこの前8年ぶりに登りに行った山です。

今でこそ第3位ですが、間ノ岳を初登頂した8年前の時点では標高3189mで第4位でした。2014年の計測し直しで3190mに昇格した経歴の持ち主です。

こんな感じで山の標高は変わりうるので、山に登ったら山頂の標識はしっかりと撮っておきましょう。標高が変わった場合、改定前の写真がある意味貴重なものになります。

北岳の隣にあるので間ノ岳もセットで登るのがお得です。南に位置しているので、北岳よりも南アルプス南部の山域がよく見渡せますぜ。

 

No5. 槍ヶ岳(北アルプス、3180m)

2015/5/2 槍ヶ岳(北アルプス) 残雪テント泊登山

槍ヶ岳(北アルプス、3180m)

日本の第5位は槍ヶ岳。北アルプスの中では一番有名な山と言ってもいいかもしれません。

「日本のマッターホルン」などとも称される尖ったシルエットが特徴で、どこか他の山から北アルプスを眺めるときにも、まず槍ヶ岳の尖がりを探すのが常套手段。

これぞピーク!というわかりやすい姿に、登山初心者の中でも憧れを持つ人が多いのではないでしょうか。

その形ゆえに山頂は限られたスペースで直下の登山道も狭いので、連休の時などは渋滞します。ひどい時だと2時間待ちなんてのも聞きました。ディズニーランドのアトラクションかよ、っていうね。

山頂からの展望は言うまでもなく、北アルプスの壮大なスケールを味わえます。

 

No6.  悪沢岳(南アルプス、3141m)

2014/10/11-12 赤石岳~荒川三山(悪沢岳) 南アルプス縦走登山

悪沢岳(南アルプス、3141m)

第6位は南アルプスの悪沢岳。3000m峰のラインナップを見る限り、とりわけ登頂が困難なのが南アルプス南部の山々で、悪沢岳もその1つです。

名前は悪そうですが、登山道で難しいところは特になく、体力があれば登頂可能です。大半の人がおそらく次の赤石岳とセットで登ると思います。

 

No7.  赤石岳(南アルプス、3121m)

2014/10/11-12 赤石岳~荒川三山(悪沢岳) 南アルプス縦走登山

赤石岳(南アルプス、3121m)

第7位は南アルプスの赤石岳。第6位の悪沢岳と周回ルートが組めるので、合わせて登る人が多いです。自分も2つ合わせて登りました。

赤石岳~悪沢岳の周回で見たご来光からの雲海と富士山、この絶景は今でも忘れない。そうそう見れない素晴らしいものでした。

行くまでが困難だからこそ、目にする景色1つ1つの感動も大きかったのかもしれません。悪沢岳とセットの場合、普通は2泊3日あたりの行程ですが、1泊2日でも歩けないことはないです。自分たちは台風襲来直前というのもあって1泊2日で強行しましたが、2日間みっちり歩けて充実した山行となりました。

 

No8.  涸沢岳(北アルプス、3110m)

2015/9/29-30 涸沢の紅葉と奥穂高岳 テント泊登山

涸沢岳(北アルプス、3110m)

このペースで書いていると長くなってしまうので、ここからはやや巻きで。

第8位からしばらくは北アルプスの山が続きます。まずは標高3110mの涸沢岳。奥穂高岳登頂のついでに立ち寄ったピークで、山頂もガスっていたので正直あまり記憶にない山です。

それよりも秋に訪れたので、涸沢の紅葉がとにかく素晴らしかったです。圧倒的なスケールでした。涸沢の紅葉は人生で一度は見ておくべし!

 

No9.  北穂高岳(北アルプス、3106m)

2015/5/3 北穂高岳(北アルプス) 残雪テント泊登山

北穂高岳(北アルプス、3106m)

第9位は奥穂高岳に次ぐ穂高連峰No2の北穂高岳

涸沢からの急登が結構しんどかったです。山頂からは大キレットの展望が見ものなのですが、あいにくガスっていて見ることが叶わなかったので、ぜひ再訪したい山です。

 

No10.  大喰岳(北アルプス、3101m)

2018/7/13-15 【北アルプス】南岳~槍ヶ岳~双六岳 テント泊登山

大喰岳(北アルプス、3101m)

3100m台最後の山は北アルプスの大喰岳。「おおばみだけ」って読みます。

この山は単発で登る人はほとんどいなくて、槍ヶ岳から南岳、はたまた北穂高岳までの縦走の過程で登る山です。

山頂は岩場だらけですが意外と広くて、目の前に槍ヶ岳がドーン!と見れます。 

 

No11.  前穂高岳(北アルプス、3090m)

2015/9/12 前穂高岳(北アルプス) 日帰り登山

前穂高岳(北アルプス、3090m)

第11位は穂高連峰の前穂高岳。上高地から急登が続きますが、コースタイム的には日帰りも十分可能です。自分も日帰りで登りました。

山頂直下の道が一部狭いですが、登山道としては特に難しいところはなかったです。山頂は広くて奥穂高岳の眺めが特に素晴らしいです。

 

No12.  中岳(北アルプス、3084m)

2018/7/13-15 【北アルプス】南岳~槍ヶ岳~双六岳 テント泊登山

中岳(北アルプス、3084m)

3000m峰のラインアップを見て、「あれ、これどこだっけ?」とパッと思い出せなかったのが中岳(ごめんよ…)。北アルプスの南岳~大喰岳の中間に位置する山です。

この山も縦走の過程で踏むことになるピークなので、あまり目立つような存在ではないですが、トップ21には含まれているのでぜひ忘れないであげてください。

 

No12.  荒川中岳(南アルプス、3084m)

2014/10/11-12 赤石岳~荒川三山(悪沢岳) 南アルプス縦走登山

荒川中岳(南アルプス、3084m)

奇しくも「中岳」繋がりで同一標高の第12位にノミネートされているのが南アルプスの荒川中岳

この山は一般的には荒川三山の名前で知られていると思います。その三山の1つで、この山から眺めた雲海の果てのご来光と富士山の絶景はいまだに忘れません。本当にすごかったです。

 

No14.  御嶽山(3067m)

2018/9/23 【御嶽山】二ノ池~摩利支天山 日帰り紅葉登山

御嶽山(3067m)

ここまで見てわかる通り3000m峰のほとんどが北アルプス、もしくは南アルプスに属していて、アルプスに属さない3000m峰というのは2つしかありません。1つは富士山、もう1つがこの御嶽山です。

2014年に噴火して多大な犠牲者を出したのは、今でも記憶に新しい苦い記憶。

2019年9月現在は一部規制はかかっているものの、山頂まで行くことができます。ただし以前は美しかった山頂の池は、いまなお火山灰に覆われた姿。私も噴火後に一度登りに行きましたが、色々と考えさせられるものがありました。

 

No15.  農鳥岳(南アルプス、3051m)

2019/8-9-10【南アルプス】北岳~間ノ岳~農鳥岳 山小屋泊登山

農鳥岳(南アルプス、3051m)

冒頭でも語りましたが、3000m峰21座の中で最後に登ることになったのが、この南アルプスの農鳥岳

3000m峰の中では唯一、日本百名山ではなく日本二百名山に選定されている山です。

農鳥岳は山よりも山小屋のほうが有名かもしれません。農鳥小屋のオヤジ。色々と噂の絶えない名物オヤジなので、良ければネットで調べてみてください。

私はタイミングが悪くて全然お話できませんでした。それがこの山での唯一の心残り。山自体は素晴らしく、特に広河内岳にかけての稜線は特に自分好みでした。

 

No16. 塩見岳(南アルプス、3047m)

2015/8/9 塩見岳(南アルプス) 日帰り登山

塩見岳(南アルプス、3047m)

第16位は塩見岳。南アルプスのちょうど中間に位置する山です。

南アルプスに属していながらも、他の山とは少し距離が離れているので、独立峰のような出で立ちにも見える山。周りから俯瞰しても、その位置が特定しやすいです。

南アルプス南部の山と同じく、この山もアクセス難で登山口に行くまでが結構大変です。

 

No17.  南岳(北アルプス、3033m)

2018/7/13-15 【北アルプス】南岳~槍ヶ岳~双六岳 テント泊登山

南岳(北アルプス、3033m)

第17位、北アルプスにあるけど南岳。第2位の北岳と相反する名前ですね。

すでに紹介した大喰岳、中岳と同様に槍ヶ岳~北穂高岳の大キレット縦走の途中にあるピークです。百名山とかに選定されているわけではないですが、南岳は個人的には推していきたい山です。

特に山頂直下の南岳小屋! 展望が最高です。稜線の絶好のロケーションにありながらも通過する人が多いので、意外と穴場な山小屋かもしれません。私がテント泊した時も北アルプスとは思えないほどガラ空きでした。

自分みたく、大キレットは回避して南岳~中岳~大喰岳と周回することもできるので、岩場苦手の人でもぜひ訪れてみてください。

 

No17. 仙丈ヶ岳(南アルプス、3033m)

2017/1/5-7 【南アルプス】仙丈ヶ岳 山小屋泊雪山登山

仙丈ヶ岳(南アルプス、3033m)

同じく第17位が南アルプスの女王・仙丈ヶ岳

南アルプスの3000m峰の中では一番難易度が低い山なので、親しみある方も多いのではないでしょうか。

かくいう私も過去3回登っていて、うち1回は冬の正月。この時期だけ北沢峠の小屋が開いてくれて、雪山登山にも興じることができます。

夏の仙丈ヶ岳も良かったですが、雪を纏った女王はそれはそれは美しく、もう感動ものでした。自分の雪山登山史の中でも、5本の指に入るほどの絶景を堪能できた山でした。

 

No19.  乗鞍岳(北アルプス、3026m)

2015/3/28-29 乗鞍岳(北アルプス) 山小屋泊雪山登山

乗鞍岳(北アルプス、3026m)

第19位は北アルプスの乗鞍岳。次の立山もそうですが、ここは半ば観光地化されている山です。標高2702mの畳平までバスで行けてしまうので、大して登ることなく山頂に立ててしまいます。

しっかりと登山を楽しみたいなら雪のある時期が良いかもしれません。雪山はそれなりのリスクがあり、おいそれとお勧めはできないですが、麓にスキー場はあるし、位ヶ原山荘という冬でも営業している山小屋があるので、北アルプスの中では比較的積雪期も登りやすい山です。

登山初心者にいきなりアルプスの絶景を見せたいというのであれば、夏の乗鞍岳は適地かと思います。運がよければライチョウにも会えます。

 

No20.  立山(北アルプス、3015m)

2017/9/9-10 【北アルプス】立山~大日三山~称名滝 テント泊登山

立山(北アルプス、3015m)

第20位は北アルプスの立山

この山も観光地になっている山で、何といっても標高2450mの室堂まではロープウェイやバスを駆使して行けてしまうし、街中と変わらないレベルのホテルもあるので、手軽に3000m級の景色を眺めるには絶好の場所です。

テント泊登山としてもお勧めで、特に雷鳥沢キャンプ場は立山連峰の絶景を目の前に泊まれる最高のロケーション。山に登らず室堂周辺を散策するだけでも十分に楽しめます。

春の雪山、夏のテント泊、秋の紅葉と色々な季節に訪れましたが、いつ訪れても圧倒的なスケールで出迎えてくれます。

 

No21.  聖岳(南アルプス、3013m)

2016/8/11-13 上河内岳~聖岳~光岳(南アルプス) テント泊登山

聖岳(南アルプス、3013m)

3000m峰最後の山は南アルプスの聖岳。3000m峰の中では一番低い山ですが、この山がもしかしたら一番登るのが困難かもしれない。

赤石岳、悪沢岳、塩見岳と同様に南アルプス南部のアクセス難な山域で、登山口に行くまでがまず大変。そして、そこから山頂までも長い長い登りに耐えないといけません。南アルプス全般に言えることですが、登頂にはとにかく体力が不可欠。頑張って登りましょう。

山頂に立った時の達成感は計り知れないものがありますし、夏であれば高山植物も豊富で特に山頂のチングルマの群生は見事でした。

あと、「ひじりだけ」っていう名前もカッコいい。ある程度3000m峰に登ったところでチャレンジしてみてください。

 

日本の3000m峰登山まとめ

以上、3000m峰21の山をざっと振り返ってみました。色々と思い出すところもあって、自分自身書いていて楽しかったです。

余談ですが、惜しくも3000m峰に届かない標高2999mという山があります。それがあの有名な「剱岳(つるぎだけ)」。日本の中で最も登頂困難とも言われている岩の殿堂です。2999mという大ボス感のある数字の並びがイメージとピッタリなので、今後計測し直しになっても、ぜひとも剱岳は2999mのままであってほしいです。

 

雑感的な3000m峰のまとめ記事でした。

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