冬の金峰山 日帰り雪山登山 (瑞牆山荘~大日岩~金峰山)

冬の金峰山 日帰り雪山登山 (瑞牆山荘~大日岩~金峰山)

2015年最初の登山は、奥秩父の金峰山。

山頂に置かれた五丈岩という巨大な岩がシンボルで、標高2599mの山頂からは富士山はもちろん南アルプスや八ヶ岳など、奥秩父随一とも言われている360℃の展望が用意されている山です。

この山に登ったのは過去に2度あるのですが、積雪時に行くのは初めて。あまり雪の時期のイメージが湧かなかった山ですが、実際に登ってみると……、もうただただ美しい銀世界が広がるばかり。樹氷と青空が織りなす稜線は感動しっぱなしの光景でした。

今年の初登山としてはこれ以上ないくらい素晴らしい絶景に出会えた旅。快晴に恵まれ、初富士も見れて上々のスタートを切れました!

 

青空と雪の稜線、奥秩父の盟主・金峰山―――

 


改めて、明けましておめでとうございます。

2015年の記事としては2つ目だけど、前回は昨年の山行を載せていたので、今年最初の登山記録としてはこちらが1発目。場所は長野県と山梨県にまたがる標高2599mの金峰山。山梨県側だと「きんぷさん」、長野県側だと「きんぽうさん」と呼ばれているけど、僕は「きんぷさん」派。

ルートは瑞牆山荘から大日岩を経て金峰山山頂を目指すコース。金峰山の最短ルートの大弛峠は冬季閉鎖中なので、冬に登るのであればこのルートが最も一般的だと思います。

冬の金峰山はあまりチェックしていなかったので、どういう景色が待っているのかあまり想像してなかったけども…、結果としては「今すぐ人に薦めたい冬山No.1!!」と言えるほど素晴らしい雪山でした。

 

新年1発目の登山、おそらく長くなるかと思いますが、良ければご覧くださいm(__)m

 

~~ 2015年1月3日 冬の金峰山(奥秩父) ~~

新年の初登山を共にするのは、毎度おなじみのまさきと久しぶりの登場、モンベルけーすけ。

まさきについては、昨年の本ブログ登場回数で堂々の1位になったので、粗品としてハーゲンダッツを差し上げておきました( ̄▽ ̄)

 

都内を深夜に出発して、スタート地点の瑞牆山荘を目指す。

南側の増富温泉側の林道は凍結で通行止めになっていたので、北側のみずがき山ヘルシーランド方面から向かいました。

 

駐車場に到着したのが早朝5時少し前。5時半にスタートの予定だったけど、長めの仮眠を取ってしまい6時スタート。

登山届は瑞牆山荘登山口の黄色いポストに入れました。

 

6時、まだ暗い中を3人でヘッデンつけて登山開始。

日付は1月3日。帰りは正月のUターンラッシュとぶつかるので、できるだけ早く登って降りてきたい。

 

登山道途中から夜明けを迎える。

前日に雪が降ったようでサラサラな雪が登山道に敷かれて歩きやすかったです。トレースは明瞭で迷うポイントはなし。

 

1時間ほどで富士見平小屋に到着。ここはテント場もあるけど、この日は一張りも見当たらなかったな…。小屋は閉鎖してると思ったけど、週末だけ営業していることを下山時に知る。

ここを左へ行けば瑞牆山、奥に直進すれば金峰山。

 

金峰山方面へ樹林帯を抜けていく。

金峰山ってそこまで雪が降る山だとは思ってなかったけど、意外としっかり積もっていて、立派な雪山と化してました。

 

富士見平小屋からさらに1時間ほど歩いて、大日小屋に到着。山小屋ではなく避難小屋的な扱いで、冬季も利用できるみたいです。

 

ここから見上げた先に見えるのが大日岩。あそこまで行くといったん展望が開ける。

道も急になってくるので、ここでアイゼン装着。

 

大日岩までは30分ほど。コンディションが良かったから、軽アイゼンでも行けたかもしれないけど、道が急なので12本アイゼンは持って行ったほうがいいです。

奥秩父って都内からもそれほど遠くはないから、どうしても近場の山っていうイメージ。このエリアに厳冬期装備でやってきたのも初だな。

 

ほぼ真下から見上げる大日岩とまさき先生。金峰山山頂の五丈岩は言うまでもないけど、この岩もなかなかの存在感を放っていて好きです。

3年前の夏、金峰山~甲武信ヶ岳を縦走した時にもこんな感じで見上げて圧倒されてたな~。テント泊登山2回目の初々しい記憶が蘇る。

 

8時半、大日岩に到着。ここは特にピークではないけど、展望台になって絶景が得られるポイントです。

 

こちらが大日岩。左側が下から見上げていた岩壁。

 

目の前に開けた展望!すぐ近くに見えるのが南アルプス。予報通りの快晴で気持ちいい朝の山景色でした。

 

ここから金峰山山頂も見える。中央奥にちょこっと立っているのが五丈岩。かなり大きい岩で、金峰山のシンボルとなっている存在。

雪煙が豪快に舞っていて、風が物凄い強いのがここからでもよくわかった…(´□`;)

 

樹氷も綺麗や~!

ちなみにこの写真含め、いくつかの写真はまさき先生の作品。特に許可せず載せてるけど、「なに勝手に使ってんだっ!プンプン」と快く承諾してくれます( ̄▽ ̄)

 

大日岩からしばらく樹林帯を歩くと砂払ノ頭という場所に出るんだけど、そこから先が最高の稜線道。

そこまで頑張ってください。そこから先は天国なんで(笑)

 

この日は天気は良かったんだけど、暴風予報が出てた。大日岩までは風もほとんどなかったけど、そこから標高を上げていくと徐々に風が強くなってくる。稜線に出ると風を防ぐポイントがあまりないんで、ここら辺でピッケル持ち替えてバラクラバ&ゴーグルで完全防備。

 

そしてやってきた砂払ノ頭。樹林帯が終わり、展望効く稜線が始まるところ。

山頂まで残り1時間の地点。

 

砂払ノ頭にある岩。そしてその奥には八ヶ岳。この時はまだ若干雲がかかってました。

 

そして、その反対側には富士山!こちらは雲1つない晴天!

昨年も1月3日に愛鷹山から富士山を眺めたけど、位置的にはちょうどこの真裏になるかな。

今年も初登山にして初富士をしっかりと抑えました。

 

ここから稜線開始。危険も多少あるので、頑張るぜ!

 

まずは手前の坂を登っていく。ここを登るとすんごい光景見れっから!

樹氷も綺麗で、やっぱり前日に雪が降ったんだろうね。稜線上も凍結箇所はなくて、フカフカ雪の絶好のコンディションでした。

 

そしてこちらがこれから歩く稜線!山頂までいくつかのピークを越えて行くんだけど、まず圧倒されるのは目の前の岩壁。

 

千代ノ吹上の切り立った岩壁。初めて見たときも圧倒されたけど、その時はガスっていたのでこんな下までは見えなかった。

改めてみると相当な高度感。スリルあるよ!

 

気を引き締めてアタック!北アルプスにも匹敵する稜線だよな、これ。ワクワク感が止まらない。

そしてさっきまで強かった風どこ行ったの?ってくらい静かで平和でした。

ちなみに稜線左が長野県、右が山梨県。山梨県側が写真のような岩壁が続くので、基本的には長野県側を歩いて行くことになります。

 

鎖場もあるけど、特に使う必要もなし。

岩壁にビビらされたけど、実際は危険個所もほとんどないです。

 

いや、本当に素晴らしい稜線!!

何となく雰囲気としては北アルプスの西穂高独標へ向かう稜線に似てる感じがしました。

 

展望も最高。位置的には金峰山に向かって右手に富士山、背面に南アルプス、左手に八ヶ岳という感じ。

写真は南アルプス。中央左の高い山が富士山に次ぐ国内標高No2の北岳(標高3193m)。さらにその左は昨年の標高改定で奥穂高岳と並んだNo3の間ノ岳(標高3190m)。新年早々、日本の標高トップ3を眺められるなんて出だし絶好調すぎるでしょ!

 

たまに風が吹き付けるけど、歩行に支障が出るほどではなかったな。事前の予報では風速20mオーバーだったから警戒したけど、常時吹きつけるわけではなかったから何ら問題なし。

ただ、すれ違った人から聞いたけど、早朝はだいぶ強かったらしい。

 

ピークを1つ越えてはまた登る。それでも登り返しなんて大したことないし、何より展望がいいからいくら登らされても苦にならない。

山頂の五丈岩が徐々に大きくなってくる。

 

振り返ると、1つ1つのピークが鋭利な岩場でまたカッコいい。北アルプスに引けを取らない岩稜帯。

 

自分たちだけで贅沢に歩ける稜線ハイク!もう最高の時間でしたよ。

風の通り道でシュカブラもいい感じ。あんまり山梨側に行くと雪庇になっている箇所もあるので、それだけ注意。

 

岩場の陰に入ると風は収まるけど、吹き溜まりになっているので踏み抜きもあり。

今回はトレースもバッチリ着いていたから難なく歩けたけど、こういうところをラッセルして自分でルートを作れるようにもなってみたいもんだな。週末登山だと有名どころの山ならトレースほとんどついてるからね。それが当たり前の感覚になってしまってる。

 

山頂手前のこの光景が、僕の中ではハイライトシーン。

雪と青空、樹氷と岩場のコントラストが絶妙で、雪山の美しさが凝縮された風景でした。

この展望をまさか金峰山で味わえると思ってなかったから、感動もひとしお。

 

真っ白な樹氷。前日の降雪と強風で立派な雪のモニュメントが出来上がってました。もう少し雪が降ってくれればスノーモンスターも生まれそう。

 

気づけば南アルプスや八ヶ岳の雲も取れて一面青空。もう雪の楽園!!3人ともテンション最高潮であります。

 

ここは本当にいい道だったので、ゆっくり書かせてもらう(笑)

基本的に稜線は左が樹氷、右が岩場。そこを縫うように新雪モフモフのパウダーをかき分けて進んで行く。

 

1つ1つのピーク手前は岩場。北斜面で日が当たらないから、凍結していると少し厄介かも。

雪がしっかり積もっていてくれたほうが、ここら辺は楽に歩ける。

 

最後の小ピークを越えて、いよいよ現れた五丈岩。稜線の終点に相応しい圧倒的な存在感。このルートだと、五丈岩を裏側から眺めることができます。

 

終わるのが惜しいくらい、素晴らしい稜線だった。

最後のビクトリーロードを歩いて山頂へ。

 

そして10時50分、山頂に到着。風も思っていたよりは強くない。

 

こちらが五丈岩。正面から見たアングル。

誰かが人為的に置いたんじゃないかってくらい、自然にできたとは思えない綺麗に積み重ねられた巨岩。金峰山のシンボルで、周辺の山から金峰山を探す時の目印にもなっている。

簡単に登れそうに見えるけど、実際に登ろうとすると最後の足かけ部分が少々厄介。登りたい人は登ってみてください。夏のシーズン中なら、一人くらいは登って注目を浴びてるはず。

 

山頂の標識はパシャリ。

標高2599m。新年初登山にしては攻めたほうかな。奥で八ヶ岳も輝いておりました。

 

こちらは山頂に来て初めて見えた大弛峠方面の展望。はるか左奥に見えるのが甲武信ヶ岳か。

3年前のテント泊縦走では1泊2日でよく金峰山から甲武信ヶ岳まで歩いたもんだな。。テント泊2戦目だったって言うのにさ。

あの頃の体力を取り戻したいぜ……。

 

改めて富士山。正月の縁起物でもあるし、初登山でしっかりとこの目に焼き付けておきました。

祝、初富士!!今年も怪我なく登山を楽しめますように。

 

五丈岩と富士山。金峰山、近場の山の中ではかなり好きな山だな~

冬場はわからないけれど、夏場なら都内を朝出発しても登れる山。奥秩父の盟主と呼ばれるだけあって、最高の眺望が得られる山頂です。

人気の山なだけに、誰もいない金峰山山頂は貴重かもしれない。

 

思ったよりも風が強くないので、岩陰でお昼休憩。

すぐに下山するつもりだったけど、この展望だしすぐに降りるのは勿体なさすぎる。風が弱まってくれて本当に良かったです。

 

五丈岩を眺めながらの山頂ランチ。山に登るものとしては贅沢すぎるロケーション。

登ろうと思ったけど、何か無理そうだからやめた。

 

カップラーメンを食べながら周囲の展望をとにかく見て回る。

奥は雲が完全に取れた八ヶ岳。右手前は金峰山の隣にある瑞牆山。金峰山と並んであの山も日本百名山の1つ。こうしてみると瑞牆山ってかなりちっこく見える。

 

右奥に真っ白に見える山は浅間山。ほんの1週間前だけど、昨年の山納めに登った山。

ここ1週間で雪もたっぷり降ったようで、僕が登った時以上に真っ白な姿になってました。

 

貸切の山頂に1時間近くもいて、お昼ご飯食べつつ仲間と談笑したり写真たくさん撮ったり……、寒さ気にせずゆっくり時間つぶしました。

かなり名残惜しいけど、12時前に下山開始。

 

登ってきた道をそのまま戻るけど、帰りは帰りでこれまたテンション上がる。

登って来た時は背にしていた南アルプスや八ヶ岳を眺めながら下れるので、最高に気持ちいい。

 

岩場の脇をトラバース。こういう部分もあるので、ピッケルはやはり持ってくるべき。

 

うーん、、、登って来た道のはずなのに下山時の稜線はまた違った雰囲気。1つ1つのピークが迫力ある岩場でした。

 

稜線の終わり、千台ノ吹上の岩壁を拝んで稜線ハイクも終わり。

あとは樹林帯へと戻って大日岩、大日小屋へと下って行きます。

 

帰りは少々巻きで。13時45分、富士見平小屋まで戻って来た。

 

冬季は年末年始と週末のみ営業の山小屋。よく見たらこの日も絶賛営業中でした。100%ブルーマウンテンが猛烈に気になる(笑)

この山小屋で麓の増富温泉の割引券が手に入るのでぜひ入手しておくべし!

 

登ってきた道をそのまま戻って14時15分、駐車場に到着。登りはじめは5,6台ほどしか停車してなかったけど、降りてきてみたら15台近くまで増えてました。

広い駐車場なので、冬場であればまず満車になることはないかと思います。

 

金峰山を後にし、下山後は割引券が手に入ったので麓の増富温泉へ。割引券を使えば770円で入浴可能。

初めて来た温泉だけど、源泉がぬるいようで全体的に湯温低め。露天風呂も湯温が低くかったので内湯だけで済ませました。冬場だと少し物足りないかも。。

 

こうして16時過ぎにインター近くのすき家で夕食食べて帰途に着きました。

心配していた渋滞は大月からすでに17km発生していたけど、思っていたよりは流れもスムーズで19時くらいには都内に帰ってこれました。(ずっと運転してくれたまさき、ありがとさん!)

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

以上が新年初登りとなった金峰山の山旅。どうでしたかね?

個人的には過去に登った雪山の中でもかなり上位にランクインするほどの絶景を味わえた山行でした。

 

今回のハイライトシーンは間違いなくこの終盤の稜線。

この樹氷と青空の世界は雪山でしか味わえない冬の絶景!息を飲むほどの素晴らしい景色でした。雪山は他にもたくさんあるけれど、条件が揃わないとそう簡単に見られるものではないと思う。

晴れてくれたのはもちろん、前日に雪が降ってくれたのも良かったと思います。フカフカのパウダーがずっと続いていたので、道も難なく歩くことができました。

 

1つの目的でもある初富士を拝められたのも万々歳!初詣にも行ったけど、それ以上にこの富士に対して色々と祈願しておきました。

今年も充実した1年になりますようにm(__)m

 

新年1発目、野郎登山になったけどこれはこれで楽しかったな!色々と話しながら登れたし、レベルも似たようなもんなのでお互い気にせず自然体で登れたしね。まさき、けーすけありがとう!(ウェアの色が若干かぶったのだけが反省点だな…笑)

 

新年早々、素晴らしい雪の金峰山を登れて上々のスタートを切れました。冬のシーズン早々で最高の雪山に出会えてしまい、これ以上の雪山登山ができるのか不安だけど、冬の感覚もだいぶ戻って来たし、これからも冬の登山を楽しんで行きたいと思います。

 

初登山にして初富士を拝められた雪の金峰山。充実感に満たされて終了!!

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

2015年、ここから始まる雪山シーズンへ向けて―――

 

おしまい

 

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【日程】

2015年1月3日 快晴

【コースタイム】

瑞牆山荘駐車場(6:00) — 富士見平小屋(6:50) — 大日岩(8:30) — 砂払いの頭(9:50) — 金峰山山頂(10:50~11:45) — 砂払いの頭(12:10) — 富士見平小屋(13:45) — 瑞牆山荘駐車場(14:15)

 

 

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