涸沢の紅葉と北アルプス奥穂高岳 テント泊登山

涸沢の紅葉と北アルプス奥穂高岳 テント泊登山

9月最終週に北アルプス涸沢の紅葉と奥穂高岳に登ってきました。

日本有数の紅葉名所”涸沢”。穂高連峰の岩稜と涸沢カールの白砂、そこに華やかに彩られる見事な紅葉。山に登っている者としては一度は見ておきたかった景色です。

今回は1泊2日の行程で、涸沢にテントを張って紅葉とモルゲンロートを満喫。ついでに奥穂高岳と涸沢岳にも登ることができました。

涸沢の紅葉メインで行った今回の山旅ですが、思いがけない絶景に出会えたのが奥穂高岳山頂。ガスが切れていくと同時に霧の中から姿を現すジャンダルムが、何とも幻想的な光景で心に響くものがありました。

念願の涸沢の紅葉と奥穂高岳登頂を同時に達成できて、思い出に残る2日間となりました。

 

北アルプス涸沢の紅葉―――

 


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涸沢の紅葉……

山業界的には最も有名といえる紅葉名所なんじゃなかろうか。僕も登山を始めた割と早い時期から、ここの紅葉については存じ上げておりましたよ。

雑誌でもたびたび紹介されるし、いつかはこの目で見てみたいと思ってた景色。…なんだけど、同時に紅葉時期の混雑っぷりも耳にしていたので、なかなか足を運ぶ機会がなかった秋の涸沢。

いつか見に行ければいいやと思っていて、今年の紅葉登山のリストにも特に入れてはいなかったんだけど、平日に2日休めるチャンスがあったので、この機を逃すまいと勢いで行ってきました。

 

ついでと言っては何だけど、数週間前の前穂高岳登山で逃した奥穂高岳も、ついに初登頂してきました。ようやくだよ、ようやく(笑)

一応、これで北アルプスの日本百名山は制覇。まさか奥穂高岳が最後になるとは思ってなかったけど、山頂ではラストシーンに相応しい光景に出会えて、思い出深い山旅となりました。

 

テント泊での2日間の内容なのでやや長くなるかもしれないですが、気が向いたら読んでくださいm(__)m

 

~~ 2015年9月29日~30日 涸沢の紅葉と奥穂高岳テント泊登山 ~~

前週の栗駒山に続いて、今回も急きょ決まった登山。そもそも栗駒山に登ってた時点では、まさか涸沢の紅葉に行くとも思っていなかったし。

紅葉時期の涸沢の混雑っぷりは良く知っていたので、絶対に土日では行くまいと思っていたので、火・水曜で休みが取れたのは本当に幸運でした。

 

今回もさわやか信州号を利用。月曜の夜発なので、簡単に席は確保できました。

テント泊装備ですが今回はルート上に水場が豊富なので、水は少な目。かなり軽量化できました。

 

2週間ぶりの上高地に降り立つ。

2週間で随分夜が明けるのも遅くなったもんで、この前の前穂高岳と到着時間は同じなのにまだ空は暗かった。

いつも通り登山届提出して出発。登山届にビシッと”奥・穂・高・岳”と書いた時は、これまで縁がなかったけどいよいよ登るのか~、、と妙に感慨深いものがあった。

 

早朝の閑散とした河童橋。今回はここは渡らずに直進。

ここから横尾までの道のりは長いので省略。GWの槍ヶ岳の方で書いているので良ければ見てくださいm(__)m

 

明神館からの明神岳。空が明るくなってきたのはだいたいこの辺り。朝は雲が多めだったけど、徐々に青空が広がっていきました。

わずかながら山の上の方が色づいているのが見えた。

 

7時すぎ、上高地から1時間ちょっとで徳沢に到着。

ルート上に水場が豊富で水を持たなくていいってのは楽なもんで、ここまで1時間ちょっとで来れました。心配性なので1L持ってたけど、500mlペットボトル1本持てば十分だったな。

 

横尾までも平坦な道のりなので、テクテクテクテク歩いて行く。長く単調な道でもう何度もここを通っているけど、今のところこの道はあまり苦には感じてない。何だかんだ景色がいいし、急な登りがいきなり始まるよりはこういう平坦な道から慣らしていったほうが身体にも優しい。

 

8時に横尾到着。GWに続いて今年2度目の横尾大橋を渡ります。

 

奥穂高岳と同じく、涸沢も去年まではずっと縁がなかった場所。今年のGW、登山7年目にして初めて訪れた涸沢。まさか今年2回も行くことになるとは思ってなかった。これも巡り合わせか……

 

山頂付近が色づき始めている屏風岩を横目に涸沢へと向かう。

クライマーの聖地とされている屏風岩。この時も双眼鏡構えたおっちゃん曰く、クライマーが登っていたらしいけど肉眼では確認できず。

 

今回の旅は時間的にはかなり余裕あり。そもそも奥穂高岳登頂よりも涸沢の紅葉が目的なので、キノコやら苔やらも愛でながらのんびり進む。

 

本谷橋に到着。GWでは一面雪に覆われていた沢。ここから先は積雪時とはルートも違うので、いよいよ面白くなってくるところ。

 

本谷橋以降、標高も上げていくので、紅葉も徐々に綺麗に見えてくる。

色づく葉が登山道を明るく照らしてくれます。

写真は載せてないけど、本谷橋付近は下山者とのすれ違いも多くて、結構混雑してました。そんなに急いではいないけど、テント場の場所を確保したいのもあるので、なるべく早く涸沢へは行ってしまいたいところ。

 

登山道から見える景色が早くも絶景で、この岩壁と紅葉の迫力。

前週の栗駒山とは違って黄色が目立ってました。紅葉というよりは黄葉か…

 

涸沢が近づいてくるにつれて、 山の色づきも濃くなってくる。

1本沢が流れてるだけで、風景の見栄えもだいぶ違う。後々涸沢に到着してはっきりわかったけど、紅葉風景はアクセント程度に白色が加わると一層映える。

 

当たり前だけど雪の時期とはまるで違う世界観。一面真っ白い雪に覆われた沢は、秋には一変して黄色に染まる。

雪の時期の涸沢はこんな感じ↓

2015年5月3日 北穂高岳登山より)

 

涸沢が近づいてくるにつれて黄色の中に赤が混じってくる。緑も残っていて、何ともまぁカラフルな紅葉。

奥に見える穂高の岩稜帯がまたカッコいい。

 

振り返ると遠くに蝶ヶ岳っぽいのも見えた。

 

 

紅葉と涸沢岳。

上に行けば行くほどナナカマドの赤が強くなってくる。

 

紅葉ピークということで、さすが人気の涸沢。平日でも登山道は人が多かったです。

紅葉時期のテント場の混雑っぷりは知っていたので、そこだけが心配だった…。なんたってひどいときはテントの数が1000張りを超えるとか!?1000ってどんだけよ……

 

ナナカマドの実の大群生

 

上高地から涸沢までの道は楽なもん。道が緩やかだし、涸沢までついてしまえばテントも置けるので、奥穂高岳登頂は軽身でアタックできる。テントを担いでの登山としては、今回は過去最高に楽な行程だったかもしれない。

テント泊の時はどうしてもロングトレイルになりがちだけど、時間に追われない旅というのも大事だと思った。緩いなりに心身ともに充実できる。

 

雲一つない快晴。気温も暖かくて、半袖で行動できる陽気。

この日と翌日は本当に登山日和でした。この後、次第にガスっていくんだけど、それがまた奇跡の絶景を生むことになったのは少し後のお話し。

 

10時半、涸沢ヒュッテに到着。上高地から4時間半ほどなので、思っていたよりも早く着けた。軽いって大事!( ̄▽ ̄)

そしてこの小屋の裏側で、お目当ての絶景とご対面。

 

 

【2015年涸沢の紅葉

雑誌で見たことある景色が、目の前に広がっている。こりゃ~すごい!!

ひぇ~~!(ノ゚ο゚)ノ だよ

これまで見た紅葉風景を圧倒的に凌ぐスケール感。そう、スケールが別次元!3000m峰の岩山を従えての紅葉はここでしか見れない。

これを目当てにたくさんの人が押し寄せるってのも納得の景色。流石の北アルプス様だわ……

 

そんな紅葉を目の前にできる贅沢な涸沢のテント場がこちらです。

まだ時間が早かったのもあったけど、全然空いていた。好きな場所に張り放題でした。安心したけど何だかちょっと拍子抜け。

結局、この後もそこまでテントの数は増えなくて、心配していた混雑も杞憂に終わりました。やはり平日、特に前半が狙い目だったか……

 

テント設営。涸沢のテント場は夜トイレに行ったりすると、戻ってきたときに自分のテント見つけられずに迷うって聞いていたので、しっかり位置を覚えておいた方がいいです。

特に自分のテントは定番中の定番、エアライズなので同じものが結構多い。隣に張ってあったテントがあまり見たことのない形だったので、それを目印にさせてもらいました。

 

設営中、ずっと気になっていたヘリコプター。この日はヘリの荷揚げがとにかく多くて、夕方までひっきりなしに往復してました。

この前週のシルバーウィークでは、あまりの混雑で缶ビールがあっという間に売り切れた山小屋もあるらしいから、この時期は大変なんだろうね……

ご苦労様ですm(__)m

 

改めて見る涸沢の紅葉。溜息しか出ない。色づきは栗駒山の方がすごいけど、やっぱり3000m級の山を従えてのこのスケール感は北アルプスでしか出せない。

岩場と白砂と紅葉のコントラストがとにかく絶妙。鋭利な岩山が迫力を増していて、とにかくその場にいるだけで圧倒される。

涸沢の紅葉、ちょっとなめてました。ゴメンナサイ……

 

重たい荷物は置いて、軽身で奥穂高岳へ。時間が厳しければ翌日にするつもりだったけど、まだ昼前なので登っちゃうことにしました。

まぁ、今回は紅葉がメインなので、意味的には「ついで」という感じが強かったけど、奥穂高岳はまだ登ったことがなかったから記念にね。

 

涸沢カール。9月になってもまだ雪が残る。

 

テント場からのアングルとそこまで変わって見えないけど、ザイテングラードへ向かう途中のこの位置から撮影しているカメラマンが多かったです。 みんな重たそうな三脚にバズーカみたいなカメラ構えてました。

どこかのテレビクルーも撮影しに来てたな。

 

ザイテングラートへはガレ場を越えて紅葉の中を突っ切っていく。

何度見ても色づきが素晴らしい。

 

後を振り返ると常念岳、蝶ヶ岳。

北アルプスの有名どころはだいぶ登ってはきたけど、唯一残ったのが今回の奥穂高岳。過去2,3回は登る計画を立ててたんだけど、いずれも悪天候で嫌われて登れずじまい。

もともと岩場が苦手なんでそこまで惹かれている山でもなかったけど、前穂高から奥穂高の雄姿を見てたらやっぱり一度は登っておきたくなった。

自分の周りでは奥穂高岳に登った人が多いから、よく「えっ?奥穂登ったことないの!?ぷぷっ笑」とか言われてたけど、それも今日までじゃ!

 

紅葉と奥穂高岳。

これまで縁のなかった奥穂高にいよいよ近づいて行く。

 

紅葉美しき登山道。この辺りまで来ると赤色が主体。ちゃんとオレンジ色のウェア着ているので、下から撮影しているカメラマンたちの邪魔にもならずに、しっかりと同化できてるはず!(笑)

 

紅葉を取り囲む山の中で、一番目立っていたのがこの涸沢槍。本場の槍ヶ岳よりも尖がっている見事な三角形。

キリッとしてカッコよすぎる!

 

時刻は正午を過ぎたあたり。テント場もまだ空いてます。

アタックザックで登っているから巻けるけど、涸沢から奥穂高岳までは標準タイムで往復5時間以上かかるので、決して散歩気分で登れる距離ではないです。昼過ぎてからのアタックはやや時間に追われるかもしれないのでご注意を。

 

ザイテングラートへ取り付くまでは見ごたえのある紅葉道が続く。相変わらず周囲の色づきの素晴らしさに感嘆していたけれど、この時、山の向こう側からどんどん雲が湧き上がってくるのを見て、雲行きが怪しいのを感じ取った…

 

紅葉ゾーンを越えた後は広いガレ場の登山道。目印がたくさんついているので、特に迷う心配はなし。

 

やがてガレ場も終わって、写真のような岩稜へと入っていく。

これが穂高岳山荘へ向かう岩の道、ザイテングラート。GWではここで死亡事故も起きてたので、どんなもんか気を引き締めて臨んだんだけど、、、

結果的には呆気ないもんでした。

 

ザイテン開始

 

おぉ、、、いきなりかい。。

見て見ぬふりをしてたけど、ガスが稜線を覆ってきた。。

一日中快晴予報出てたのに、これか。。奥穂高とはやっぱり縁がなかったのかと、諦めモードが漂った。

 

鎖場やハシゴが何ヶ所かあったけど、高度感も全くないし余裕で登れる。

…というか道の険しさを感じるより先に、天気が崩れたことへの不満が大きくて、ふてくされながら登ってたな(笑)

 

紅葉を見て少しでも気を紛らわす。

今回は紅葉がメインだったと自分に言い聞かす。

 

あっという間に青空が消えた。。

ザイテングラートについては見た目は岩だらけだけど、普通の道でした。もっと危険かと思ってたけど、雪のない時期であればなんてことはない。怖いと感じる箇所は1つもなかったです。

 

山がガスに包まれる寸前、確かに目にすることのできた前穂高岳。2週間前に登って、今回の奥穂・涸沢へ行く気にさせてくれたという意味で感謝しているお山。

ガス、どっか行っておくれ~。。。。

 

向かう先に希望(青空)はないので、下を振り返ってみてどんなもんか確認。帰りにこの道を降りることになるけど、この程度なら下りも問題なさそう。

 

13時半、穂高岳山荘に到着。見事なまでにガスってしまったので、小屋で少し様子を見ることに。

9月下旬、日差しが遮られるとやっぱり寒い。

 

穂高岳山荘でコーラ休憩。

平日でも小屋はにぎやか。この日はアジア系ツアー団体が泊まっているようで、何ともグローバルな言語が飛び交っていました。

 

なんか待っても埒が明かない感じだったので、とりあえずすぐ近くの涸沢岳に登って時間稼ぎすることに。

 

真っ白だけど風がないのが幸い。歩いていればまだ暖かいもんです。

 

小屋から10分ほどで涸沢岳に到着。標高3110mは意外と高くて、北アルプスでは奥穂高岳、槍ヶ岳に次ぐ標高。日本第8位の高峰でもあります。

展望見えないしどうしようかと思ってたけど、たまに日差しが差したりして少しだけ希望が持てた。

これは行けるかもしれないと思って急いで戻る。

 

小屋まで戻って、続けて奥穂高岳へ。

何となくさっきよりはガスが取れた気がする。

 

小屋からすぐの直登が核心部。たまに奥穂高岳で渋滞する写真を見たけど、ここだったのか。

鎖場やハシゴが連続します。

 

この時間帯だと登りより下山者の方が多かった。こんな感じで鎖場の所は行列できてました。先に通してもらえて助かった…

 

この後もひたすら岩場。目印がやたらたくさんついているので、その通りに進めば何ら怖いところはなし。

ザイテングラートよりはこちらの方が岩を登っている感じがして楽しかったです。

 

そして急登がひと段落したところで、なんと雲の合間から青空がっ!!

もしかしたら微笑んでくれるかもしれないと思った奥穂高岳。どうかお願いしますm(__)m

 

最初の鎖場の直登以外は楽な岩の稜線。山頂まで緩やかに道が伸びていました。

写真が多くなってきたので省くけど、上から見下ろす涸沢カールがなかなかの高度感あって爽快でしたよ。

 

14時50分、奥穂高岳山頂に到着。

到着時は周りは何も見えなかったけど、とりあえずようやくの奥穂登頂。ここに来るまでに3年もかかったか…

天気や時期にこだわってずいぶん遠回りした気もするけど、北アルプスの百名山登頂はこれで一応達成!!よく頑張ったよ、自分…

 

そして、ここから奥穂高岳のツンデレっぷりが炸裂!

神がかりの展開が待ってました。

 

 

奥穂高のすぐ隣、不気味にそびえる岩山の影。

それがみるみる姿を見せてきた。

 

 

 

おぉーーー!!!(ノ゚ο゚)ノ

 

時間にしたらほんの数秒の出来事。

霧の中から姿を現したのはジャンダルム。奥穂高を守る岩の衛兵。

この雲が取れていくシーンが何とも幻想的で、ただただ茫然と見つめてた。雲を纏う岩の影が怖くもあり最高に美しかった。

 

これを見たときは、涸沢の紅葉以上に心に響くものがありました。色々な思いがあっての奥穂高岳登頂、泣きそうだったぜ……

 

最高のタイミングでの登頂だったようで、表銀座の稜線も見えた。

 

見事なまでの雲海。槍ヶ岳方面は雲の覆われていたので見れなかったけど、この景色を見れただけでも十分満足。

最後の最後に出来すぎといえるくらいの絶景が用意されてました。

 

たぶん、このジャンダルムの姿は忘れることがないと思う。

涸沢の紅葉と合わせて記憶に残る風景。

岩場苦手の自分には今のところ無縁なジャンダルムだけど、克服できたらいつかは登ってみたいと思えた。

 

下山する頃には山頂の真上はすっかり青空。涸沢まで下りなきゃいけなかったので、30分くらいしかいられなかったけど、いいもん見れました。

北アルプス山行の1つの区切りとして、最後に幸運を手繰り寄せたか。ずっと天気に泣かされていた奥穂高だったけど、結局はツンデレちゃんだったわけですな( ̄▽ ̄)

 

山頂手前に刺さっていたこのピッケルがまたカッコよかった。

眺めているのは岐阜方面。誰もいなかったのでここら辺で少し休憩して今日一日を振り返ってたけど、何だかんだ奥穂高岳は巡り合わせが良かったんだと思った。

2週間前の前穂高岳の時も、多少無理すれば奥穂も合わせて登れたわけだし、過去にも天気を気にしなければいくらでも登るチャンスはあった。北アルプスの中で奥穂を最後に残す人なんて早々いないだろうし……

そういう機会を逃したからこその今日があると思えば十分報わる。今日という日に登れて本当に良かったです。

 

小屋の近くまで戻ってくると涸沢岳の雲もスッキリ取れてました。

 

この小屋までの直登が降りるのに多少緊張した。高度感以上に、小屋から出てきている人に見られてる感がすごくて、無様な降り方さらすのが恥ずかしかったぜ……

 

無事に涸沢岳と奥穂高岳を登頂して十分満足。

ザイテングラートを通って涸沢へ戻ります。16時を過ぎているので、ザイテンも人の気配がほとんどなかった。

 

帰りにはしっかりとその姿を見せてくれた前穂高岳。今回のこの絶景に出会えて、穂高の山々が少しだけ好きになれました。

前、奥、北と登ったので、残りは西穂高岳か。2年前の冬に独標までしか登ってないので、機会があれば山頂まで登りに行きたいと思います。

 

穂高の迫力ある岩壁。最後まで北アルプスの偉大さが感じられる道でした。

 

ヘッドライトを使うこともなく、18時前に涸沢に戻ってこれた。

1日目に奥穂高まで登れたので、2日目は下山だけ。そう考えると気が楽で、珍しく夜更かししてみた。

 

涸沢夜のテント村。テントも思っていたほど増えてなくて、静かなもんでした。

夜は雲も取れてすっかり晴れた。

 

「よ~し、最後に星空頑張って撮っちゃうぞ~!」なんて意気込んでたけど、月明かりがすごかった…orz

確かこの前日がニュースにもなっていたスーパームーンが見れた日で、今宵も月が絶好調に輝いてました。

本当に明るくて、真夜中でもヘッデン使わずにトイレまで行けるレベル。

 

月の自己主張が印象的な夜でした。

 

 

続けて2日目の朝―――

 

涸沢と言えばもう1つ見ておきたかった景色。

 

モルゲンロート】

明け方、朝日を浴びて山が真っ赤に染まる現象。GWに来たときには曇ってて見れなかったけど、今回は朝から快晴でバッチリ見れました。

 

陽が昇るにつれて、赤色だった山肌が金色に染まっていく。 穂高の岩山が煌々と輝いてました。

 

紅葉時期のモルゲンロートはだいたい5時45分頃が見ごろ。その時間帯が一番真っ赤でした。

6時を過ぎるとこれだけ明るくなりますが、 赤色から金色に染まっていくシーンも見ごたえあって良かったです。

 

カメラマン多数、テレビクルーも取材に来ていました。インタビューされてる人もいたけど、残念ながら自分にはお声がかからなかったぜ……

 

この日は下山だけなので、久しぶりに朝ごはんゆっくり食べました。時間に余裕があるってのは素敵だな~と思った。大抵テント泊の時は暗いうちから行動開始してるのが普通だから。

朝8時、テント場にも完全に明かりが届いた頃に出発。

 

帰りはパノラマコースを利用してみました。

ここを通るのも初めて。道が狭いから初心者は避けてください、みたいな注意書きがありました。

 

実際歩いてみて、その警告の意味が良く分かった。なるほど、確かに狭い。。。

場所によってはなかなかきわどいところを歩かされます。

 

それでもパノラマと言っている通り、展望は言うことなし!涸沢を一望できます。

実は前夜がかなりの強風で、テント煽られまくって夜中に何度か起きるほどでした。紅葉が散ってないか少し心配だったけど、見栄え的には前日とそこまで大差はなかったです。

 

来るときに歩いてきた横尾からの登山道も綺麗に色づいている。上から見ると本当に一面染まっているのが良く分かる。

 

稜線に出るまでは狭い道。ザイテングラートよりこっちの方が危険に感じました。

 

屏風ノ耳。あそこは涸沢全景を眺めれられる屈指の展望台。

せっかくなので立ち寄ってみます。

 

パノラマコースの稜線に出ると反対側に富士山と南アルプスが見えました。風がやや強いけど、この日もいい天気。

 

紅葉と槍ヶ岳。

屏風ノ耳の手前に来て、今回初めて槍ヶ岳を目にすることができました。

 

途中はすっ飛ばして、屏風ノ耳の頂上に到着。こんな感じで穂高岳の絶好の展望台になっています。

目の前に迫力ある岩壁が広がり、眼下には涸沢のテント場も小さく見えてる。

 

槍ヶ岳方面もバッチリ見えます。こちらも紅葉が綺麗。右奥に見える真っ白い山は野口五郎岳かな?

あまり写真は載せないけど、屏風ノ耳からの展望は素晴らしいものがあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

あとはひたすら下り道。屏風ノ耳以降は普通の登山道で、歩きやすい道でした。

 

パノラマコースも紅葉の名所と言えるほど綺麗でした。何より人が少なかったのが良い。

静かな紅葉狩りを楽しめました。

 

新村橋まで下りてきた。この橋を渡ればもとのルートに合流。

あとは上高地まで平坦な道をひたすら歩きます。

 

定番の徳沢ソフトクリームでエネルギーチャージ!

 

山の上は紅葉だったけど、下りて来ればまだそこは緑一色。夏と変わらない景色でした。

 

今回、初めて小梨平のお風呂に寄ってみた。露天風呂もないしそこまで広くもないけど、平日の昼間ということで貸切だったのでゆっくり入れました。

週末は避けた方がいいかもしれないけど、閑散期であればおすすめです。

 

14時、上高地バスターミナルに到着。平日でも帰りのバスはやっぱり混んでいるもんで、新島々までのバスは1本待つことになりました。

 

上高地カレーを食べて時間をつぶす。これが意外にも美味しかった。

 

上高地からバスに乗って新島々へ。そこからはいつも通り電車を乗り継いで東京へ帰りました。

 

9月最後の山旅となった涸沢の紅葉と奥穂高岳・涸沢岳テント泊登山。テント泊でありながらも、荷物はデポって歩き回れたので、大して疲れることもなく、紅葉狩りを存分に楽しめました。

涸沢の紅葉については、正直なところ少しなめてた部分があった。「有名だけど実際のところはそうでもないでしょ…」みたいな感じで。特にこの前の週に栗駒山に行ってしまったので、そう簡単な紅葉では驚かないつもりでいたけど、、、

いやいや、涸沢の紅葉。想像以上に素晴らしかった!

 

圧倒的なスケールと迫力に満ちた紅葉風景。3000m峰の穂高岳を従えた涸沢ならではの魅力であると思いました。自分も言われたことだけど、「涸沢の紅葉は一度は見ておいた方がいい」と確かに感じたので、ぜひ見に行ってみてください。

 

それと忘れてはならないのは奥穂高岳で出会えたジャンダルムの雄姿。

個人的にはこの風景が今回のハイライトと言ってもいいシーンでした。北アルプス百名山達成の1つの区切りとして、最後に起死回生の絶景に出会えました。

 

色々語りたいことは尽きないけど、長くなったのでこれでおしまい。

次から10月の登山に入っていくけど、まだまだ紅葉登山は続くので、また気が向いたら読みに来てください。

 

2015年涸沢の紅葉―――

 

おしまい

 

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【日程】

2015年9月29日~30日

【コースタイム】

・1日目

上高地(5:45) — 横尾(8:00) — 涸沢(10:30~11:30) — 涸沢岳(14:00) — 奥穂高岳(14:50~15:20) — 涸沢(17:30)

・2日目

涸沢(8:00) — 屏風ノ耳(9:20) — 新村橋(11:30) — 上高地(14:00)

 

 

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