2月に冬の那須岳(茶臼岳~朝日岳)へ登ってきました。
雪のない時期は那須ロープウェイを利用して一気に山頂付近まで上がれてしまいますが、冬季は運休していて道路も閉鎖されているため、少し下の大丸温泉からのスタート。那須塩原駅から大丸温泉まで路線バスが出ているので、公共交通でも行くことが可能となっています。
風が強いことで有名な那須岳ですが、この日は天気も風も穏やかで展望を楽しむことに専念できました。冬場のみ登頂可能な剣ヶ峰からの茶臼岳が迫力ありましたが、一番の景色は真っ白く雪に覆われた裏那須の稜線!流石山~大倉山~三倉山へと続く稜線の白さが際立って美しく印象的でした。
花がたくさん咲く稜線とも聞くので、裏那須へはぜひ夏の時期にも訪れてみたいと思います。
これで5回目となる那須岳登山。
登山を始めてもうすぐ10年になるけど、5回も登っている山ってそんなに多くはないと思う。ロープウェイで手軽に登れるし、紅葉も綺麗だし展望も良いし、お気に入りの山の1つになっています。
厳冬期に登るのはこれが初めてですが、茶臼岳のみだったら雪山としてのレベルもそこまで高くはないかと思います。冬場はロープウェイが使えず大丸温泉から登ることになりますが、それでも日帰り行程としては十分時間に余裕を持って登れます。気を付けるとしたら強風による凍傷くらい?
風の強さだけは侮れない那須岳ですが、今回は風も穏やかで平和すぎる状況だったので、茶臼岳から朝日岳までを縦走してみました。朝日岳に至るトラバース路が一部要注意ですが、朝日岳から眺める雪の茶臼岳の展望、そして裏那須の白き稜線が素晴らしき風景でした。
2018年2月9日 那須岳・茶臼岳~朝日岳 日帰り登山
那須ロープウェイが営業休止となる冬シーズン。代わりの登山口となるのが、ロープウェイの少し手前にある大丸温泉になります。
嬉しいことに冬季もこの大丸温泉までは路線バスが運行してくれているので、電車・バスを利用しての公共交通でもアクセス可能となっています。
朝の8:05、那須塩原駅から大丸温泉行きのバスに乗車。路線バスは本数が少なく、登山をするとなると行き帰り1便に限られますが、日帰り登山としてはちょうどいい具合の時間設定になっているのでそこまで時間に縛られる感じでもないです。
平日と言うこともあって、バスに乗車したのは自分以外に1人だけでした。
1時間ちょっとで終点の大丸温泉に到着。冬場はこの先の道路が封鎖されているので、マイカーで来たとしてもここが冬の那須岳の登山口となります。
駐車場は結構広くて、平日にもかかわらず20台ほどの車が停まっていました。トイレの他自販機もあるし、大丸ガーデンという売店もあって、ここで日帰り入浴も可能になっています。
大丸温泉から眺める那須岳。明け方はまだ風が強くて、稜線上で激しく雪煙が舞っているのを容易に見て取れました。
那須岳は立地上、日本海側からの風の通り道となるのである程度の強風は覚悟しなくちゃならないけど、それにしても音がすごい……。冬場の那須岳登頂可否は天気よりも風の強さにかかっていると言ってもいいくらい。
弱まってくれることを期待して出発の準備をしていたら、強風以上にけたたましい「ゴゴゴゴゴゴォ!!!!」という轟音が……
パッと山を見てみたら、何と目の前で雪崩が発生しておりました。。。
だいぶ雪煙が収まってから撮った写真だけど、なかなか激しく崩れてましたよ。雪崩が発生したのは登山道とは全然関係のないところだけど、一気にケツの穴が引き締まったぜ…。
到着早々思わぬ展開になったけど、9時20分に大丸温泉駐車場から登山開始。
まずは写真右の坂(雪に埋まっているだけで実際は階段)を登って行きます。
ロープウェイ駅までは道路を歩きつつ、部分的にショートカットできる登山道を歩きつつ進んでいきます。
登山道は入口が少しわかりづらい上に、意外と積雪量があってモフモフとの格闘になる場合もあるので、状況次第では道路沿いをひたすら歩いていく方が早いかもしれません。
金曜日に加えて明け方まで雪が降っていたのでラッセルも覚悟していましたが、先行者がたくさんいるようでトレースがしっかりとできていました。
公共交通利用だとマイカー組に比べるとスタート時間が遅いことが常なので、必然的にトレース泥棒になることが多い。
夏道と変わらず20分ほどで那須ロープウェイに到着しました。
冬場はロープウェイは営業休止なので、ここから先も自分の足で登って行く必要がありますが、そこまで長い行程でもありません。
那須ロープウェイ山麓駅から眺める茶臼岳(左)と朝日岳(右)。
帰りのバスの時間もあるので、とりあえずこの時点ではまず茶臼岳に登って、朝日岳は時間があればということにしてました。
この先もトレースを有り難く頂戴してサクサク登って行く。
ワカンを取り出すまでもありませんでした。
少し登ると再び視界が開ける場所に到着。雪のない時期は駐車場となっている場所です。
ここら辺で先行く登山者の姿がチラホラと見えるようになってきました。
雪に埋まった峠の茶屋。冬場はもちろん営業していません。
駐車場からさらに少し登ったところにあるのが那須岳登山指導所。ここも人の気配は感じられませんが、ここで登山届を提出できます。
本格的な登山道となるのはここからなので、ここでアイゼン装着しました。
そして冬の那須岳登山の1つの名物ともなっているのが、この雪に埋もれた鳥居。ほふく前進をしてギリギリ通れるくらいの隙間しかありません。
この鳥居の埋まり加減が、積雪量の1つの指標にもなりますね。
那須岳はロープウェイを使わなくとも、樹林帯に囲まれているのは序盤のごくわずか。すぐに展望が開けます。
前夜に新雪が積もったようで、なかなかのモフモフ具合を感じられる登山道が続きます。
早くも茶臼岳の懐に入る。
冬場でも基本的には夏道に沿って歩くので、まずは稜線にある峰の茶屋を目指します。
峠の茶屋と峰の茶屋の中間地点あたり。
那須連峰は端から端までを鑑みるとその山域は広いですが、主要ピークである茶臼岳~朝日岳~三本槍岳(那須三山)についてはコンパクトにまとまっているので、日帰りでも十分歩くことが可能です。
冬場の日帰りとしては茶臼岳のみ、もしくは茶臼岳~朝日岳を登る人が多いようです。
峰の茶屋が早くも見えてきた。
あの稜線がとにかく強風吹き荒れる場所なので警戒していましたが、雪煙が舞うこともなく、遠目で見る限りでは意外なほど穏やか。
そういえば、明け方聞こえていた暴風音も、今となっては全然聞こえないな……
眼前に迫る朝日岳。
雪を被った岩山というのは、標高に関係なく迫力ありますね。見ていると登りたい意欲が強まってくる。
登るにつれて登山道の積雪量は逆に減ってきて、所々地面が露出するところも。
普段は風が吹き荒れて雪をまき散らす環境なので、それが顕著に登山道にも表れてきます。
冬の茶臼岳は登山ルート自体は夏場と変わりありません。
唯一注意するところと言えば、この部分的に登場するトラバース路くらいかな。距離も短いので大したことはなかったけど。
10時50分、峰の茶屋跡避難小屋に到着。ここに来てみて改めてわかった風の弱さ。
この前の安達太良山に続いて、強風がつきものの山では何とも幸運なコンディション。避難小屋に退避するまでもなく、日差しも暖かいので外で休憩できました。
こちらが峰の茶屋から見る朝日岳方面。茶臼岳は夏道と同じと言いましたが、朝日岳の冬季ルートは夏とは違って、目の前に聳える剣ヶ峰を越えていく必要があります。
こんな感じで。
ちょうど登山者が果敢に剣ヶ峰に挑んでいる真っ最中でした。
夏場は剣ヶ峰を迂回するようにルートが組まれていますが、そこをなぜ冬場は歩けないのか、これは剣ヶ峰に登ってみればよくわかる。
朝日岳に行きたい気持ちもありつつ、とりあえずまずは茶臼岳へ。
尖がった朝日岳とは対照的に、茶臼岳は台形型に平べったくどっしりと構えています。
岩の城のような佇まい。
今なお活動を続ける”成層火山”の那須岳、その主峰にあたるのがこの茶臼岳。噴火口も茶臼岳の山頂部にあります。
ここが火山であることは登山道に散らばる岩石はもとより、目の前に現れる噴気ガスがその現実を如実に突きつけてくる。
登るにつれて硫黄臭も立ち込めてきます。
稜線上に立ったので、これまで見えなかった西側の展望も一気に開けます。
見ている方面は上信越の山なみ。雲がかかっていますが、あちらも晴れ傾向でこの後徐々に雪山が姿を見せ始めました。
そして、どこよりも真っ白く輝く存在がすぐ身近にあった。流石山~大倉山~三倉山の裏那須の稜線!
これが本当に美しい白さで、見ていて惚れ惚れするほどの美白具合でした。「うひょー!」と思わず唸ってしまったぞ。
岩だらけのこちらの環境とはまるで別世界です。
山頂に近づくと足元の岩もより一層大きくなってくる。
足場はしっかりしているし、急斜面もなければ凍結した箇所もなかったので、正直なところ茶臼岳のみであればアイゼン履く必要もない状況でした。
アイゼンの歯が岩で磨り減ってモッタイナイ……、というケチ臭い考えを持ってしまう。
雪は少なめですが、景色は火山ならではの独特の世界観が広がっていきます。
茶臼岳の懐は広く、平らな台地に大小無数の岩が転がる荒涼とした景観。
雪は雪でホイップクリームを塗ったような滑らかさ。
岩陰は雪が溜まりやすいので、足元の積雪量は結構めまぐるしく変わります。踏み抜くところはズボッと埋まる。
これぞ火山の山というお手本のような、本当に岩だらけの山。
山頂部まで登ると、また景色が一変します。
山頂部について初めてお目にかかれる那須岳の火口部。ぽっかりと穴が開いており、その淵を歩けるようになっています。
ちょうど登ってきたところの対岸が山頂なので、お鉢をグルっと周回していきます。
どちら周りでも良かったけど、何となく反時計回りで周ってみる。
すれ違う登山者を見ていたけど、ピッケルを持っていた人はあまりいなかったです。朝日岳まで登るとなると必要ですが、茶臼岳のみであれば確かに不要かもしれないです。
凍結する火口部。
この前の安達太良山の爆裂火口に比べたら規模は小さいですが、それでも写真一枚では収まりきらない広さ。
草津白根山の噴火もあったし、いつ噴火するともわからない活火山の登山は怖い部分もあるけれど、火山特有の絶景というのも確かに存在する。植生がない分、展望に関しても比較的恵まれているのも大きい。
ここまで登って来れば那須岳の主要ピークのほとんどが見えてきます。
右の尖がったのが朝日岳、左奥に見える高い山が三本槍岳。那須岳の主峰とされるのは今登っている茶臼岳ですが、最高峰は三本槍岳になります。標高順で言えば三本槍岳(1917m)、茶臼岳(1915m)、朝日岳(1896m)。
これだけ近くにあるのに、この3つの山はそれぞれがまるで違う雰囲気を持っているので、そこがまた面白い所。雪のない時期に登るとそれが良くわかります。
相変わらず目が行ってしまうのが裏那須の領域。あの真っ白な稜線は冬場は特に輝いて目立つ存在。
まだ歩いたことがない場所だけに、余計に惹かれるものがありました。
茶臼岳の巨岩も雪を纏えば迫力絶大。
自然が作り上げる景色って、なぜこうも美しいのだろうか。
ドーナツ型のちっこいえびの尻尾。
茶臼岳は最後まで岩だらけ。急登箇所というのは全くないので、岩場苦手の自分でも特に怖い思いをすることなく登れます。
やはり風さえ弱まってくれれば、冬の時期でも那須岳はかなり登りやすいです。
11時30分、茶臼岳山頂に到着。
山頂はもちろん360℃開けているので、麓の街並みまで見渡すことができます。
山頂の鳥居がまた絵になりますな。
反時計回りで周ってしまったので、あの鳥居は帰りにくぐることにします。
こちらが茶臼岳山頂から眺める朝日岳~三本槍岳方面の展望。
「那須岳」という1つの山として括るにはあまりにも広い山域というのが、ここからの眺めでよくわかる。
こちらは新潟方面の展望。奥に見えているのは平ヶ岳かな。
みるみる天気が良くなってきて、朝よりも上信越の山々が良く見えるようになってきました。
そしてしつこいようだけど、やはり見てしまうのがこの真っ白な稜線。
この写真だけ切り取ったら、新潟の山と言ってもおそらくバレない。上信越に匹敵する雪の量です。
内陸に位置していながら日本海側の気候も併せ持つ那須岳の魅力の1つですね。
こちらは茶臼岳から南側の展望。眼下に見えているのは南月山~白笹山方面の稜線。
標高で言ったら茶臼岳よりもかなり低いですが、南月山に至る稜線はかなり展望が良いのでおすすめ。自分が歩いたときはあいにくガスっていたので、晴れた日にもう一度歩いてみたい場所の1つです。
時間的にも行けそうなので、朝日岳にも登ってみることに。
こちら側から見る朝日岳のカッコいい尖がり具合を見たらやはり登りたくなってくるし、何よりもう少し裏那須領域に近づいてみたい。
来た道をたどって峰の茶屋まで戻ります。
噴気ガスを横目に下山。
プシュー!という音が禍々しい。
峰の茶屋まで戻ってきた。アイゼン履きっぱなしで脱ぐのも面倒だったので避難小屋の中には入らなかったですが、強風の時には絶好の隠れ家になる存在です。
風も穏やかで日差しも暖かいので気温が気になったけど、肝心なところが割れておったぞ……
菓子パンを食ったのちに後半戦の朝日岳登山開始。
前述した通り、冬場は目の前の剣ヶ峰を越えていきます。
こちらは剣ヶ峰から見下ろした斜面。
無積雪期ルートはこの斜面を横にトラバースして行くのだけど、雪の時期にそれができないのは上から見るとよくわかる。この斜面を横切るなんてできないわ……
冬のみ立ち入ることが許される剣ヶ峰。これも時期限定の貴重な経験。
剣ヶ峰は狭いピークがあるのかと思いきや、登り切って見ると少しばかり稜線が続いていて、意外と楽しいコースとなっていました。
冬季限定の那須岳・剣ヶ峰に到着。
山頂にはちゃんと標識が用意されていました。この剣ヶ峰の昇り降りは急斜面なので、ここはさすがにアイゼンとピッケルを用意した方がいいです。
剣ヶ峰から見る茶臼岳がまた格別!
どっしりと構えている様をすぐ真横から眺めることができます。
こちらは朝日岳。
茶臼岳とは打って変わって急峻な山というのが、ここから見るとよくわかります。基本的にこの手の急な岩稜帯は苦手な部類ですが、朝日岳についてはそこまで岩と格闘する場面もないので、あまり苦手意識は持っていないです。
だからこうして登りに来ようと思った。
剣ヶ峰に登ったら、すぐさま急斜面を下っていく。
足場は割としっかりしているのでそこまで難しくもないです。岩場で頻繁にへっぴり腰っぷりを披露する自分が躊躇なく下りれたので、おそらく大丈夫かと…(笑)
剣ヶ峰山頂直下にあるこの2つの突き出た岩。
これは毎回那須岳に登りに来るときに印象に残る存在なのでよく覚えています。
剣ヶ峰から降りきったら夏道と合流。
ここから先は夏場と同じルートを歩いていくことになります。
朝日岳特有の黄色い岩場の登山道。茶臼岳のいかにも火山という登山道とは違って、何となくこちらはアトラクション感覚の造られたような岩の道。至る所に手すりが設置されているからなのかわからないけど、エンターテインメント性すら感じる。
同じ岩山でも、茶臼岳とは雰囲気がまるで違います。
登山道から見える茶臼岳の展望がまた素晴らしい。先ほど登った剣ヶ峰もすでに目線の下にあります。
朝日岳まで登る場合、一番注意しなきゃいけないのがこのトラバース箇所。
手すりはありますが、途中は雪に埋まって頼れないので、ピッケルとアイゼン使って通過しましょう。
ここら辺は少しだけ緊張感ありましたが、そこまで長い箇所でもないので時間にしたらあっという間でした。こうして写真で見ると、どうやって通ったんだ…?って自分でも思いましたが、実際はひと一人通れるくらいの足場はあります。
途中ですれ違うことはできないので、前方から人が来ないことだけは要確認。
トラバース箇所を乗り越えれば朝日岳~三本槍岳の稜線に到着。
写真に写っているのは三本槍岳へと向かう方向ですが、今回はあいにくここまで。
こちらの朝日岳へと目指します。最後のビクトリーロード。
茶臼岳から見たらあれだけ急峻に見えた朝日岳も、こちら側から見たら可愛いもんです。
龍のうろこのような雪の造形物がそこら中にありました。
普段はやはりこの朝日岳も強風が吹き荒れる場所のようです。
12時45分、朝日岳山頂に到着。
こちらの山頂は誰もいなく独占状態でした。
朝日岳山頂にも鳥居があったけど、こっちはちっこくて、そして可愛いやつがおった(笑)
鋭利な山の姿とは対照的な一面を見てしまったぞ。
まずは登ってきた方面を見渡してみる。
右奥が三本槍岳、左に連なっているのが先ほどからご贔屓にしている裏那須の稜線。岩だらけの茶臼岳に比べると、裏那須エリアは比較的植生も多いので、雪の積もり具合も多め。
見てくれとしてはこちらの方が雪山に登っている感があります。
そんな雪景色の中で、ひときわ目立つ存在が1ついて、三本槍岳の奥に聳える尖がった山が旭岳(赤崩山) 。
夏に登った時も気になっていた山で、正規の登山ルートが通っていない山だけど冬場は登れるんだろうか?朝日岳以上に尖がったシルエットがカッコいい旭岳でした。冬の三本槍岳に登った際は、ぜひその全容を見てみたい。
しつこいけど、裏那須の稜線をもう一度。同じ那須岳に属していながらも、岩々しい茶臼岳や朝日岳とはまるで違う穏やかな山容。
あの稜線は初夏の時期か紅葉シーズンにぜひとも歩きたいところ。忘れないように「登りたい山リスト」に追加しておきました。
そして朝日岳に登ったら見ないわけにはいかない、この茶臼岳の展望!
ここから眺める茶臼岳の姿が本当に好き。このドーム型がいかにも火山っぽい感じがして、この姿を見ると那須岳の主峰というのもうなずけます。
山の中腹に引かれた登山道が切り傷のようにも見えていかつい。
茶臼岳拡大。ここからでも噴煙が見えますな。
眼下には那須ロープウェイ山頂駅も見えます。
冬季の那須岳はロープウェイが使えませんが、あれを頼らずとも日帰りで登ることは容易に可能です。
茶臼岳のみでも楽しめるけど、時間が許すならできれば朝日岳まで登ってほしい所。こちらから見る展望も素晴らしいものがあるので。
急峻な朝日岳は南側に良く表れていて、こんな感じで断崖絶壁になっているので、くれぐれも落ちないようにご注意ください。
展望も楽しんで歩いてきた道を再び戻っていく。
本当に今回の登山は裏那須の稜線に惹かれっぱなしでしたよ……。あの存在で下山するのがとても惜しくもあった。
那須岳は一見すると雪が少なく見えますが、単に強風で飛ばされただけで積雪量自体は割と多い山域です。
風の影響を受けにくい場所はかなり足が埋まるので、自分も序盤のトレースがなかったら朝日岳まで来る時間の余裕はなかったかもしれません。ワカンは持って行った方がいいかと思います。
帰りも鎖を片手にトラバース箇所を渡っていく。写真で見返すと、本当に良くここ渡れたな自分、と思った。
天気も良いということで、朝日岳方面ですれ違う登山者も何人かいました。
再び剣ヶ峰と茶臼岳。
そしてよく見ると、剣ヶ峰の山頂に登山者がいました。
絶好のタイミング!カッコいいぜ、登山者。
こうして見ると本当に山の大きさを感じられますね。茶臼岳でかすぎ!そして人間小さすぎ!
剣ヶ峰を登り返して峰の茶屋まで戻る。
剣ヶ峰の急登と朝日岳までのトラバース箇所がありましたが、個人的には危険に感じるようなこともそこまでなかった気がします。いずれもトレースが付いていたおかげなのかもしれないけど、とりあえず茶臼岳と朝日岳に登れたので万々歳。
再び峰の茶屋まで戻ってきてようやく下山開始。
時間のある限り歩き回れて充実した山登りができました。
那須岳の代名詞とも言える強風を体感できなかったのは、嬉しい反面少し物足りない気もしましたが、普段の風の強さを示すシュカブラもそこら中にあったりして、那須岳の景色は十分に堪能。
次は三本槍岳まで行けるなら行きたい。
登山口の雪に埋まった鳥居を通過。
下山はあっという間でした。
14時15分、大丸温泉駐車場に下山完了。そこまで遅い時間でもないですが、駐車場の車はもうだいぶ減っていました。
写真に写っている那須大丸ガーデンというのが、日帰り入浴出来る場所なのでここで入浴することにしました。
那須大丸ガーデンにいたのが、可愛いモフモフの柴犬。店番のおばあちゃんに教えてもらいましたが、9歳の女の子で名前が「ちびまる子」。
……ちびまる子!?笑
ふくよかな体系とは似つかない名前でしたが、人懐っこい犬で登山の疲れを癒してくれました。
そしてこの大丸ガーデンの温泉もとても良かった!浴室はそこまで広くはないですが、天然硫黄温泉の源泉かけ流しだし、誰もいなくて露天風呂も独り占めできたので本当に快適でした。
バス停のところにある温泉なので、公共交通で来た人にとってはおすすめです。
大丸温泉駐車場から眺める那須岳。
結局この日は終日天気が崩れることなく、穏やかな青空が広がってくれた1日でした。到着時早々に鉢合わせた雪崩も、この頃にはすっかり忘れてた。
15時30分発の那須塩原駅行きのバスに乗車。
帰りはこの1本に限られますが、温泉にゆっくり浸かる時間も取れたので、日帰り登山としてはちょうど良い時間設定でした。
がら空きのバスに乗って那須岳を後にしました。
公共交通利用で行く、真冬の那須岳日帰り登山。
強風にさらされることもなく茶臼岳と朝日岳に登ることができましたが、展望に関しては朝日岳からの景色が特に印象的でした。
火山特有の岩々しくずっしりと構える茶臼岳と上信越を彷彿させる優雅で真っ白な裏那須の稜線。
北と南で目にする那須連峰の風景がまるで別世界なので、そこが本当に不思議で面白かったです。裏那須の稜線に登りたい意欲がさらに高まった登山でもありました。
冬の那須岳は風さえ弱ければ体力的にも比較的楽に登れるので、また気が向いたときに訪れてみたいと思います。
【日程】
2018年2月9日
【コースタイム】
9:20 大丸温泉
9:40 那須ロープウェイ
10:50 峰の茶屋
11:30 茶臼岳
12:00 峰の茶屋
12:45 朝日岳
13:20 峰の茶屋
14:15 大丸温泉
コメント
いつもみやっちさんのブログを参考にして登山しています。
また那須方面に行く機会があれば旭岳(赤崩山)にも登ってください。
東京から来る価値はあると思いますよ!勝手に冬の那須岳のラスボスと思ってます。ぜひ!
ブログ参考にしてくださってありがとうございます!
旭岳にはぜひとも登りたくなりました。写真見返して、もう少し近づいて見れば良かったと後悔しているくらいです。
あの尖がったシルエットは本当にカッコイイですね。
ラスボスを制した際はぜひまた記事に書き起こしたいと思います!
こんにちは。
登山口の鳥居の所があんなに雪に埋まっているのには驚きました。
すごい積雪量ですね。
自分が行った山の雪山風景を見ると、あんな所あったや、冬はあーなるのかと、楽しく読ませて頂きました。
なるほど、雪山の時も公共交通機関で行ける那須岳はいいですね!
私も、あの裏那須の稜線は気になりました!行った際の記事を楽しみにしています!
ゆかぽんさん、こんばんは。
毎度のコメント本当にありがとうございます!
あの雪に埋まった鳥居は、冬の那須岳登山の1つの名物にもなっていたりします。今年の冬は例年に比べると少し積雪量は少なかったようですが、それでも鳥居をまたいで通れるほどの埋まり具合でしたよ!
今回の登山での一番の収穫は間違いなく、あの真っ白な裏那須の稜線でした。雪が溶けた時期にでもぜひ歩いてみたいと思います!
こんにちはみやっちさん!
那須岳は公共機関で冬も行けるんですね、公共機関で行ける雪山を探してたんですが、那須岳は引っかかりませんでした、リサーチ不足ですね(・ω・)
同じ成層火山なのに茶臼岳と朝日岳で山容が全然違うのが面白いですね!
朝日岳の鳥居はミニチュア模型みたいで小さくてかわいらしいですね、あとちびまる子ちゃんも柔らかそうで触りたくなりました笑
今回もお疲れ様でしたm(_ _)m
someiさん、こんにちは。
冬の那須岳はロープウェイは運行していませんが、公共交通利用でも日帰り登山が可能です!強風さえ気を付ければ比較的危険個所も少ないので割とおすすめです。登山口には温泉もありますし。
個人的には朝日岳から見る茶臼岳が最高にカッコよく見えたので、朝日岳まで登っておいて良かったと思います。次はぜひとも三本槍岳の方面を歩きたいですね。
ちびまる子のモフモフ具合にも癒されました(笑)
はじめましてみやっちさん
今月(2018.03.25)峠の茶屋から朝日岳〜三本槍岳を縦走しようと企てていて、雪の状況を心配していましたが、詳しいガイダンスでなんとなく想像できとても助かります。検索していて偶然ヒットしたのですが、写真もとても美しく、読んでいてとても楽しいです!参考にさせていただきます!!朝日岳は昨年4月、アイゼン忘れて雪渓を渡れず、直登して帰りに迷い、怖い思いをしたので今回は慎重にいきたいと思います。
momoさん、初めまして。
コメントありがとうございます!
三本槍岳までの縦走は楽しそうですね!あの真っ白な稜線を見ていたら、ぜひ自分も三本槍岳あたりまで歩きたくなりました。
雪山はコンディションによって状況がかなり変わるので難しいですが、少しでも参考になっていただけたら幸いです。
安全第一でどうか楽しんできてください!個人的には旭岳の尖がった山容が気になったので、冬の三本槍岳もいつか登りたいと思います。