1月中旬に福島の安達太良山へ雪山登山してきました。
冬の安達太良山はこれで3回目。なかなか晴れてくれない山で、過去2回とも山頂ですっきりとした青空は見れなかったのですが、今回ようやく快晴登山に巡り合うことができました。
歩いたコースは、あだたら高原スキー場(奥岳登山口)を基点にくろがね小屋~山頂(乳首)~薬師岳と巡る定番の周回ルート。過去何度も歩いたコースですが、今回は天気が良く風も弱かったので、山頂から沼ノ平の爆裂火口展望台まで足を延ばしてみました。
そこには凍結した大火口と雪の稜線、えびの尻尾を越えた巨大な雪と氷のモニュメントなど、過去に見たことがなかった景色が広がっており、3度目ながらも知らなかった冬の安達太良山に出会えた1日でした。
これで3回目の来訪となる冬の安達太良山(あだたらやま)。
1回目は完全にガスってしまい展望なんて全くなく撃沈……。その時の悔しさを晴らすべく再び訪れたのが2年前の2月。この時はそれなりに青空も広がって冬の安達太良山を堪能できたのですが、やはり山頂では雲が邪魔をして周りの展望を見ることは叶わず……。
さらに夏にも一度訪れたことがあるのですが、ガスと強風に阻まれて景色の記憶が全くなく終わるという残念な結果に。
どうにもこの山とは相性が悪いようで、いまだに不完全燃焼感を払拭しきれずにいた安達太良山。毎年シーズン前に「登りたい雪山リスト」なるものを作るのですが、安達太良山に至っては、もはや「登りたい」というよりも「登らないと気が済まない」という気持ちの方が強いかもしれない。
快晴を引き当てるまで何度でも登りに行ってやろうという、半ば意地になっての3回目の冬の安達太良山へ。
2018年1月20日 安達太良山 日帰り雪山登山
寒さがピークを迎えつつある1月中旬。
冬の東北でも日帰りで登れる雪山はいくつかありますが、その中でも比較的登りやすいとされているのが安達太良山。標高1700mの活火山で、入門レベルとまではいかないまでも、雪山シーズンも多くの登山者が訪れる人気の山となっています。
冬の安達太良山の登山コースはほぼ一択で、あだたら高原スキー場の奥岳登山口から登るルート。二本松ICを降りて麓の岳温泉からスキー場へ向かいますが、今年は少雪なのか、温泉街に雪はほとんどありませんでした。
この岳温泉には『成駒』というソースカツ丼の有名店があるので、下山後に良ければ立ち寄ってみてください。1回目の冬山登山の帰りに並んで食べましたが、美味しかったです。(まぁ、下山後のご飯はなんだってうまいんだが…笑)
朝の7時ごろにあだたら高原スキー場に到着。スキー場営業開始までまだ1時間以上あるので、この時点では駐車場も少なめ。出発準備をする登山者しかいません。
駐車場からの朝焼け。風も穏やかで、スタート時は上々の天候。
ただ毎回晴れを狙って登りに来るのに、結局山頂では晴れてくれない安達太良山。山に相性があるとすれば、安達太良山とは間違いなく相性が悪い……
今日はどうにか天気が持ってほしい。
スキー場の入り口に立てられた安達太良奥岳登山口の標識。
向かう山頂方面は快晴だけど、これで安心できないのが安達太良山。天気にここまでセンシティブになる山も早々ない気がする。
トイレはあだたら高原レストハウスにあります。
前回は夜行日帰りのスキーツアーバスを利用してやってきたので、あのレストハウスで出発の準備とか色々利用させてもらったけど、どうもそのスキーツアーバスは今年は運行していないのかな。
探したけど見つけられませんでした。
まだ営業開始前の静かなゲレンデ。スキー場がゲレンデ整備を始める傍らで登山開始。登山口はスキー場右手の方向に進んでいくとあります。
ちなみに、夏場に運行している安達太良山ロープウェイは冬場は運休となっており、リフトも使えないので、麓にスキー場がありながらも文明の利器に頼ることはできません。
こちらが登山道への入り口。前回はスタート時間が早すぎて、なおかつ雪の量も多かったので、ここら辺からワカンを取り出さなきゃいけない状況でしたが、今回はお仲間さんもいるし道も踏み固められていたので歩きやすかったです。
ちなみに今回ご一緒するメンバーは、登山クラスタのTwitter&ブログでお馴染みのRedsugarさんと登山百景さん。どうぞよろしくお願いします。
登山道はしばらく馬車道(林道)と旧道(登山道)が交錯しながら進んでいきます。
たまにスキーヤーのトレースが馬車道についていることがありますが、基本的には旧道の方を辿って行けば問題なし。
場合によっては、ここから早くもラッセル大会になる可能性もあります。
登山道の積雪量。林間コースなので雪だまりが多いですが、トレースがしっかりついているので踏み抜くこともありませんでした。
前回は途中でトレースが途切れて、そこから本来の道とは外れて進むという失態を犯したんだった……
しばらく単調な樹林帯が続いて、ある程度登り切ると道がいったん平坦になります。勢至平と呼ばれる平原地帯。
前回はここら辺は通らずに、写真の左側辺りを彷徨っていた感じ。
やがて展望も開けてきて、向かう安達太良山の姿が見えてくる。
右の横に広い山が鉄山、左が安達太良山山頂の乳首。乳首というのは通称ではなく、地図上にも記されている立派な地名です。ネーミングセンスを疑いたくなっても、その形を見れば大いに納得してしまう小さい突起のような山頂。
ここから見ると紛れもなく乳首ですが、あれを裏側から眺めると全然違う印象を受けることになるのを、今回の登山で知ることになる。
気づいたら乳首が2つに増えた。
3つに増えた。
左が山頂の乳首、中央が篭山の乳首、右が矢筈森の乳首。ここから見ると一番右が高く見えるけど、目指す乳首は一番左。
平坦な道を進んだところで分岐点に到着。ここを左に進むと山頂へ行き、直進するとくろがね小屋へと向かいます。
前回はここら辺もトレースがなくてラッセルが結構しんどかった覚えがあるけど、今回はあっという間。やはりトレースのあるなしは雪山では大違い。
自分たちはくろがね小屋経由で登るので、道を直進してくろがね小屋へ。
眼前に見えてくるのが、先ほど遠くからも見えていた鉄山。火山らしい岩々しい山で、見た目としては八ヶ岳の硫黄岳に近い気がします。
鉄山自体はこうしていつも見上げるだけで、まだ一度も登ったことはない山。
くろがね小屋までのこのトラバース路が毎回歩きづらいんだよね。。
そこまで危険ではないけど、道幅が狭くて終始このように斜めっているので進むのが少し厄介。
目の前に雄大な雪のカール帯が現れてきたところで、くろがね小屋も見えてくる。
こうして俯瞰してみると、すごいロケーションに建てられた山小屋ですな。
9時15分、くろがね小屋に到着。通年営業で源泉かけ流しの温泉もあるので、冬場でも非常に人気の高い山小屋です。夕食の名物カレーも美味しいらしい。
安達太良山自体は冬でも日帰りで登れる行程ですが、この山小屋にゆっくり宿泊して1泊2日で登るのも大いにありかと。自分もそのプランを一度はやってみたいのですが、冬のくろがね小屋は特に人気で、週末ともなればすぐに予約が一杯になってしまいます。
ほんと、あっという間に埋まるので、予約する際はかなり早めに計画立てておく必要があります。もしくは平日に泊まるか。
小屋からの眺め。素晴らしい雪景色!
天気も奇跡的に雲1つない快晴。毎度ここら辺で天気が崩れ出すので、これは行けるかもしれない。
くろがね小屋から山頂へ。
いつもならここでアイゼン装着ですが、相変わらずこの先も歩きやすそうだったので、ツボ足で進みます。
ここから先は、少し登る度に景色が劇的に変わってくる。
アルプスさえ彷彿させるこの白き稜線が最高に美しい景色。
安達太良山といえば強風が付き物で、大抵ここら辺から徐々に風が強まってきて稜線を見上げると雪煙舞っているのが普通ですが、この日はそれも見られない。珍しく風も弱そうで、俄然足に力が入る。
一瞬、雲が出てきて不安になりかけたけど、山を覆うようなことはなくて過去にないくらい平穏な登山が続く。
そして一山超えるとまた絶景。
美しい安達太良山の雪の斜面。山頂まで延びる1本のトレースも絵になる風景。
くろがね小屋から先の景色の変貌っぷりは本当に息をつかせぬ展開で、テンションがやたらと上がります。
火山であることを忘れさせる、この優美さも安達太良山の魅力の1つ。
左手の方向を見ると、先ほどの分岐から登ってくる登山者が見えました。
正面の山が、下から乳首の1つに見えていた篭山。
適度なモフモフ感が最高に気持ち良い。
過去2回に比べたらおそらく今回が一番雪は少なめなんだろうけど、ここら辺まで来てしまえば体感的には例年と変わりない雪山登山を楽しめています。
登ってきた方面を振り返ってみる。麓の二本松市街地、果てには海らしきものも見えた中で、ひときわ輝く雪山を発見。
雪で真っ白に覆われた蔵王山。
安達太良山以上に冬場は晴れが少ない蔵王山ですが、この日はあちらも天気がよろしいようで、白い輝きを放っておりました。冬の蔵王は、樹氷・スノーモンスターが有名で、過去に自分も2回ほど訪れたのですが、モンスターの大きさ・規模は群を抜く迫力で本当に呆気にとられます。
冬の蔵王は天気さえ良ければ毎年でも狙いたくなる山なのですが、この登山の数日後に噴火警戒レベルが引き上げられてしまったので、残念ながら現在は少し近づきがたい山になってしまいました。
それでも蔵王の樹氷はやっぱりけた違い。ここでしか見れない唯一無二の景色なので、またいつか登りに行きたいです。
そんな蔵王山に思いを馳せながらの安達太良山登山。
色々と過去に登った山に思いを巡らせられる点でも、やっぱり展望が望めるって大事。
山頂手前の分岐点、峰の辻に到着。ここで並走していた2つのルートが合流します。
ここに立ってみてわかった。やっぱり今日は風が強くない!
この前の唐松岳の暴風があるだけに、風にも機敏に反応する身体になっておりました(笑)
それでも普段の強風の安達太良山の面影は至る所にあって、稜線上は雪が吹き飛ばされて土が露出しているところもあったり。
南側の展望は薄く靄がかかっているようで、それが海のようにも見えて煌びやかな景色でした。
ここに来て山頂の乳首を捉える。
突起のように突き出ているので、安達太良山の山頂はわかりやすい。
傍目にはこの雪の斜面。雄大なカール地形が本当に綺麗です。
安達太良山は麓にスキー場もあるので、山頂までボード背負ったりスキー履いて登る人も結構います。
ここら辺なら障害物も全くないので、自分でも快適に滑れそう。
峰の辻からいざ山頂へ。
向かって左が山頂の乳首。
少し標高を下げて雪原に降り立つ。
こういう広い雪のフィールドは無性にはしゃぎたくなる。
この1つ前の登山が暴風の唐松岳だっただけに、この平穏さが余計に天国に感じられました。
場所が強風のイメージしかない安達太良山だから余計に。
う~ん、ここだけ切り取ればアルプスみたい。
山域の広さとか雰囲気とか、何となく乗鞍岳に似ている気がしました。
徐々に火山としての姿を現し始めて、荒涼とした雪原の中に岩も出てきます。
なぜかいつも、この山頂直下のリトルスノーモンスターエリアが印象に残ってしまう。
ミニチュアの凍結した草木がかわいい景観。
シュカブラも至る所にできている。
雪の造形物に関しては稜線上ですごいものが待っていたのでのちほど。
振り返って見ると、安達太良山のスケール感を存分に体感できる。これでも安達太良山のほんの一部に過ぎないのがまた驚き。
東北の山は1つ1つが大きいので、日帰りの行程としては贅沢すぎるほど見どころが詰まっています。
最後の坂を登り切って安達太良山の稜線に到着。
稜線に出ると風はそれなりにありましたが、それでもいつもと比べたら弱い方。
ここに安達太良山山頂の標識があります。
最高地点はその後ろの岩の上。序盤から見えていた乳首の正体がこの岩場で、登ることもできます。
こちらが乳首のてっぺん。山頂には小さな石碑が置いてあり、前回は雪でほとんど埋まっていましたが、今回は石碑に刻まれた文字も見えてました。「八紘一宇」という少し政治色のする言葉が刻まれています。
そしてこちらが山頂から見た安達太良山北側の展望。
わたくし、ずっと勘違いしていて、この目の前に広がる雪原が火口かと思ってたんだけど、どうやら違ったみたいですね。ここからだと安達太良山の爆裂火口は見えないらしい。
毎回来るたびに北側はガスっていたので「火口が見えない、火口が見えない!」って言ってたけど、例え晴れていても火口は見えていなかったんだな(笑)
お仲間さんに教えてもらって、あとで火口の展望ポイントまで行くことにしました。
奥に見えているのは吾妻山。最高峰の西吾妻山も樹氷・スノーモンスターの聖地の1つで、自分が初めてモンスターに遭遇したのもあの山。なので、ちょっとした思い入れもあります。
蔵王に比べたらモンスターもやや小ぶりですが、それでも壮観な眺めを堪能できるので、2月までにチャンスがあれば訪れたいところです。
目の前の真っ白くのっぺりとした山が船明神山。この角度からだとわかりづらいですが、あの山に至る稜線もそそられるものがありました。後で爆裂火口展望台に行く途中で目にすることになります。
そしてその後方に聳えているのが……
安達太良山と並ぶ福島の名峰・磐梯山。吾妻山とは違って、綺麗に尖った三角形をしています。
この山頂から磐梯山や吾妻山を眺められるのは、記憶にある限りではこれが初めてのこと。これだけ距離が近いのにいつも雲に邪魔されてたんだよな。
意地なまでの執着心のおかげで、こうして報われることができました。
こちらは登ってきた方面の展望。
蔵王山もまだはっきりと見えています。
こちらは乳首の上から眺める南側の展望。
南側には特に大きい山は見当たらず、薄っすらと麓の街が見えています。下に見えてる柱が、先ほどの山頂の標識。
神々しく見えていたのが、こちらの和尚山。山頂が霧氷にでもなっているのか、陽の光が当たって輝いていました。
前回もこの山だけははっきりと見えていたので、この和尚山の存在はよく覚えています。
そして西側に薄っすらと見えていたのが、飯豊連峰。真冬の厳冬期は立ち入ることさえ敵わない、東北屈指の豪雪山域。
昨年断念した夏の縦走、今年は叶うのだろうか……
流石に乳首の上に立つとそれなりに風は感じましたが、それでもそこまでの強風でもなかったのでゆっくりと景色を楽しむことができました。
山頂の乳首から降りる。時刻も11時近くになってきたので、続々と登山者が登ってきました。
いつもならこれでおしまいで薬師岳方面に降りていくのですが、今回は時間もあるし天気も良いので、爆裂火口を見に行ってみることに。
そんなわけで、北側の稜線を歩いていきます。
この広い稜線は牛ノ背と呼ばれる場所。強風の時には風の通り道になるので、吹き飛ばされないように要注意です。
そして、こちらに来てよかったと思えた景色にすぐ出会える。
振り返って見る安達太良山。写真だとそこまでインパクトがないかもしれないけど、実際に見るとこのシルエットが最高にカッコよかった!
少しだけ中央アルプスの宝剣岳に似ているなぁ~という印象でした。裏側から見る乳首は男前で、自分の全く知らなかった安達太良山の姿がそこにありました。
標識にはえびの尻尾がしっかり育ってる。
吹雪が作り上げる雪の造形。でも、こちらにはそれを上回るものがあって、、、
えびの尻尾という規模に収まらないドデカイ雪のモニュメント。一緒に登っていた百景さんがカニのむき身みたいって言ってたけど、確かにそっちの方が近いかも。
なんか生き物みたいにさえ見える。
こちら側へ来る人はほとんどいなかったので、先ほどまでとは打って変わって静かな道。
東北らしい広々とした稜線がまた自分好みで、顔をニヤつかせながら先へ進む。
やっぱりこちら側から見る安達太良山がカッコイイわ。安達太良山の乳首は北と南から見る場合で全然違った印象を受けます。
シュカブラもそこら中に作られていて、荒涼とした世界観がまた素敵でした。
南側から登ってくる登山者も良く見える。
こうして見ると、乳首も一つの山のように立派な大きさというのがわかります。
少し先へ進むと、船明神山へ至る真っ白な稜線が見えてくる。
見た感じトレースはなかったので冬に歩く人はそんなにいないんだろうけど、はるか先まで平坦なところを見ると駆け抜けたくなる。
西側から徐々に雲が出始めましたが、まだ磐梯山も見えています。
そして沼ノ平展望スポットに到着。奥に見えるのが序盤で見上げていた鉄山。
これまで牛ノ背と呼ばれる稜線を歩いてきたけど、ここから先の鉄山へ至る稜線は馬ノ背と呼ばれる場所。牛と馬との違いは、道幅が広い(牛)か狭い(馬)かという違い。見た感じ、確かに鉄山に至るあたりは道幅が狭くなってますね。
鉄山まで往復するとなると1時間以上はかかりそうなので、山頂散策はここまで。
そしてこちらがお目当ての爆裂火口!
ずっとその位置を勘違いしていた安達太良山の火口をようやくはっきりと眺めることができました。
火口の底はしっかりと凍結していて、スケートリンクのように綺麗な氷が張られています。
凹凸1つない何という美しさ!
展望スポットから見る安達太良山の山頂。一見見えそうだけど、あの山頂からはこの火口が見えない。
ずっと爆裂火口の位置を勘違いしてたので、今回改めて登りに来て本当に良かったわ。
この船明神山への稜線も本当に良い眺め。谷川岳とか上信越の雪山にありそうな綺麗な稜線美です。
安達太良山って4回も登りに来ているけど、毎回同じルートだから実は歩いている箇所って全然少ないんだよね……。この稜線も歩いたことがないし、他にも四方に登山道が巡っている山なので、安達太良山についてはまだ知らぬ魅力がたくさん隠れてそう。
初めて拝める景色と言うことで、しっかりと堪能しておく。ドーム状に取り囲まれた爆裂火口の迫力は素晴らしきものでした。
そういえばTwitterのフォロワーさんに教えてもらいましたが、この沼ノ平ってかつては火口部まで歩けたようですね。火山ガスによる死亡事故があり、それ以来立ち入り禁止になって今に至るようです。
つい先日も草津白根山の噴火もあったし、今立っている場所も火口から近いのでもしかしたら今後立ち入り規制がかかるかもしれない。山は逃げないって言うけど、火山に至ってはいつ登れなくなるかわからないですね。
巨大なえびの尻尾、カニのむき身、凍ったハリネズミ……、何とも形容しがたい不思議な雪のモニュメントも爆裂火口に華を添えている存在で見どころの1つでした。
爆裂火口との別れの時間。
硫黄臭が立ち込める火山ならではの展望でしたが、雪と氷に覆われていたので荒々しさよりも神秘的な雰囲気を感じられた場所でした。
乳首へと引き上げていく。こちら側に来る人はほとんどいなくて、いっとき安達太良山の人気っぷりを忘れさせる静寂さもありました。
天気が良ければぜひともこちらまで足を運んでみるのがおすすめです。(こちらへ誘ってくれたRSさん、サンクス!)
やっぱりこちら側から見る安達太良山、好きだわ。
乳首の姿しか知らなかったからなのか、自分にとってはかなりツボにはまった景色でした。
安達太良山山頂まで戻ってきた。
風は相変わらず弱めですがこのあたりから曇りだしたので、タイミング的にはちょうど良かったです。
帰りはいつも通り、薬師岳方面のルートで下山。道なりに緩やかな尾根道をひたすら下っていきます。
こちらには1つの有名な標識があって……
『この上の空がほんとの空です』
二本松市が設置した、毎回訪れたら写真に収めたく標識。なかなかうまい集客を心得ていらっしゃる二本松市。安達太良山の上に本当に空があるとのことなので、ぜひ心行くまで見上げておくべし。
たまに勘違いしている人がいますが、この標識は山頂ではなく薬師岳の近くにあります。ロープウェイ乗り場からも歩いてすぐの場所なのでお間違いなく。
ほんとの空の撮影舞台裏。
冬場は標識が半分埋まっているので、空を撮ろうと思ったらこういう撮り方にならざるを得ないが、何とも滑稽である。
こちらが薬師岳。この時間になると山頂方面も曇ってしまい、パラパラと雪も降りだしました。
ロープウェイが運行している時期だと、この薬師岳山頂まで一気に上がって来れるので山頂まで楽に登ることができます。
ただ、雪のある時期なら薬師岳からスキー場までも割とあっという間。15分ほどでゲレンデまで降りてこれました。
後はスキー客の邪魔にならないようにコースの端っこを歩いていって、駐車場まで戻ります。
12時50分、あだたら高原スキー場入口に下山完了。
来たときに比べたら駐車場も車がたくさん並んでいて活気も出ていましたが、それでもゲレンデとしたらかなり空いている方だと思います。
いつもながら下山したところにスキー場があると、トイレなんかも借りれるし食事も可能だから心強いです。
帰りの温泉はスキー場に併設された日帰り温泉施設・「奥岳の湯」があるのでここで済ますことができます。1回目に雪山登山をしに来たときにはまだなかった温泉施設なので、比較的新しくて露天風呂もあるので申し分なし。
まだ13時だったのでスキー客もおらずにゆったりと入ることができました。
こうして3回目の冬の安達太良山雪山登山が終了。
3回目にして(夏を入れたら4回目)、ようやく満足の行く快晴を引き当てられた1日でした。
周辺の山々を見渡せる展望ももちろん良かったですが、今回で言えばやはり爆裂火口!
山頂から見えると思っていた爆裂火口でしたが、晴れてみて初めて知った場所の勘違い。少し奥まった場所にその火口はありましたが、雪と氷に覆われて凍結した火口は神聖ささえ感じさせる場所でした。
安達太良山の代名詞とも言える爆裂火口をようやく目にすることができて本当に良かったです。
火口に付随する形で目にすることなった北側からの安達太良山・乳首の姿も印象的で、この上なく男前でカッコ良いシルエットをしてました。
同じ山でも登りに来るたびに違った発見もあったりして面白いですね。
楽しい1日でした。
【日程】
2018年1月20日
【コースタイム】
7:40 あだたら高原スキー場
9:15 くろがね小屋
10:20 安達太良山
11:00 沼ノ平展望台
12:10 薬師岳
12:50 あだたら高原スキー場
コメント
11月に同じルートで登りました!
見える山の名前がわからなかったのですが、この投稿を見てよくわかりました!ありがとうございます!
1月にくろがね小屋泊でまた行こうと思ったのですが、満室で予約取れず(^_^;)
また今度、安達太良山に登りたいと思っています。
奥岳の湯、おいらも入りました〜!
露天風呂からの景色いいですよね!(^^)
村ポチ☆
はたぼーさん、こんばんは。
やはり冬のくろがね小屋は人気ですねぇ…。自分が見た時も3月までびっしりと埋まっていました。1泊2日の安達太良山登山もしてみたいのですが、ゆっくり温泉泊を楽しむならやはり平日になってしまうんですかね。
安達太良山に関してはまだ紅葉を見たことがないので、次は秋シーズンにでも訪れてみたいと思います!
こんにちは。
冬のくろがね小屋、そんなに人気なんです
か!(゜ロ゜;)一度泊まってみたいです。
安達太良山、とても雄大ですね~(^o^)
安達太良山もまだ行った事がないので、行ってみたい山です。特に秋、紅葉の時に行ってみたいですが、すごい混みますよね…
爆裂火口が見れるとは知りませんでした!色々教えて頂けて有難いです。
次の記事も楽しみにしています!
ゆかぽんさん、こんにちは。
冬のくろがね小屋は大盛況ですよ!平日は満室になることは少ないみたいですが、週末はよほど前から計画を立てていないと予約を取るのが困難です。ゆっくり1泊して登るプランもしてみたいんですけどねぇ、、、
僕も実はまだ秋の安達太良山には行ったことがなくて、次に訪れるときは秋がいいです。おっしゃる通り紅葉が有名なので、こちらもゆっくり登るのであれば平日ですかね。雪に覆われていない爆裂火口もどんなものか見てみたいです!