【北アルプス】上高地~西穂高岳 日帰り登山

【北アルプス】上高地~西穂高岳 日帰り登山

北アルプスの西穂高岳(標高2909m)へ日帰りで登ってきました。

西穂高山域に足を踏み入れるのは3年前の独標までの雪山登山以来2度目。前穂高、奥穂高、北穂高はそれぞれ過去に登っているので、穂高連峰の主要ピークとしてはこれがラストになります。

西穂高岳を日帰りで登る上で最も定番ルートとされているのは、新穂高ロープウェイを利用しての往復になるかと思いますが、今回はあまり登られていない上高地からのルートにしました。

ロープウェイのお金節約と時間に制約を受けたくなかったのが大きな理由ですが、実際歩いてみたところ、このルートはかなりおすすめ。標高差はあるものの、上高地から西穂山荘までの樹林帯は非常に静かで登りやすく、なおかつテンポよく進めばロープウェイ始発便よりも早く稜線に立てるので、週末でも岩場の渋滞に巻き込まれず山頂まで登ることができます。

快晴に恵まれて、穂高岳の迫力ある岩壁と北アルプスの名峰を一望できた登山でした。

 

上高地から西穂高岳山頂へ―――

 


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岩場を大の苦手とするビビりハイカーが行く、穂高連峰登山第4弾『西穂高岳』。

西穂高岳をこれから登ろうとしている人は、この記事を読んでぜひ自信を持ってほしいです。岩場になると途端に歩幅が縮まる自分でも無事に登ることができたので(笑)

北穂高岳前穂高岳奥穂高岳はすでに過去に登っていたので西穂高岳が穂高連峰の主要ピークとしては最後の砦。西穂独標までなら3年前の冬に登っているのですが、ピークはまだ踏んだことはないので、独標以降は未知の領域でした。

 

別に夏の西穂高岳山頂までならバリエーションルートでもなんでもなく、普通の一般登山道にややスリルある岩場が加わった程度なのですが、何といっても岩場が苦手なもんで、こういう岩の山は自分にとってはハードルが高いです。

 

岩場のへっぴり腰具合はあまり見られたもんじゃないので、ひっそりと夜行バスを利用してソロで登ってきました。

 

~~ 2016年9月10日 西穂高岳日帰り登山 ~~

9月上旬、山では夏も終わりを迎えつつある頃。高山植物も軒並み開花時期が過ぎ去り、紅葉にはやや早いという微妙な時期。こういう時にこそ、もともと花も紅葉も期待してない岩の山を登っておきたい。

……という発想で西穂高岳に登るに至りましたが、考えてみたら昨年の全く同じ時期に同じ思い付きで前穂高岳に登ってたわ、、(^^;

 

昨年と同様にさわやか信州号を利用して上高地へ。乗り場となるバスタ新宿もだいぶ見慣れたもんになってきた。

さわやか信州号は途中、談合坂SAと諏訪湖SAで休憩になります。珍しくどちらのSAでも目が覚めてしまいましたが、身体が高速バスに慣れっこなもんで、バス出発と同時に即就寝。6時間の睡眠はしっかり確保できました。

 

上高地から西穂高岳を目指す場合、降りるのは終点の上高地バスターミナルではなく、その1つ手前の上高地帝国ホテル。ここが登山口から一番近いです。

 

帝国ホテルを横目に早朝の田代橋を渡る。

思えばこの田代橋を渡ったのは、自分にとって初めての北アルプスとなった5年前の焼岳登山以来。あの時はさわやか信州号に乗るのも初めてで、降り立った後の上高地のひんやりとした空気でさえ新鮮に感じた。

見るもの全てが初めての光景で、北アルプスの偉大さにとにかく圧倒されてたな。山頂から見える周辺の山の名前なんて全然わからなかったけど、あの頃が一番目を輝かせて山に登っていた気がする。

 

出発前に梓川と明神岳。5年前もこうして出発前にここで朝食休憩をしていたのを思い出す。

目の前の山の名前も当然わからなかったけど、梓川の清流にとにかく感動していたのをはっきりと覚えている。

 

5時40分、上高地側の西穂高岳登山口に到着。

焼岳に登る場合は、ここから左にさらに林道を歩いていくことになります。この入口の門も焼岳登山の時に見たけど、まさか5年の歳月を経てここをくぐることになるとは思わなかった。

 

周りを見渡しても誰もいない静かな入口。登山届出して熊鈴片手に登山開始。

 

登山口からしばらくは展望の利かない樹林帯の登りが続きます。

本来なら新穂高温泉側から登ればロープウェイで標高稼げるところを歩いているので、無駄な労力なのかもしれないけど、この登山道は思っていた以上に歩きやすかったです。

西穂山荘まで標高差900m弱の直登ですが、急登続きというわけではなく、時折緩やかな場面もあって、適度な緩急が身体に優しい。

 

おそらくここをテント泊装備で登れば聖岳登山のように嘆いていたのかもしれないけど、日帰り装備なのでスイスイ進める。何よりも週末快晴の北アルプスでありながら、誰もいない静かな森の散策が本当に心地よかったです。

登山道はほぼ無人で、西穂山荘手前で下山する2,3組とすれ違った程度でした。

 

登り始めて1時間ほどで宝水の水場に到着。標識に薄っすらと書いてあるように、ここから先は水場がないので、ここで水の補給は済ませておきましょう。

 

宝水の水場。勢いよく流れ出ていました。

下山時にここの水場は利用させてもらったけど、キンキンに冷えてて美味しかったです。

 

これはナナカマドの実ですかね?(追記:ムシカリの実が正解のようです)

部分的に葉も色づき始めていて、秋の兆しが感じられました。

 

登山道は迷う心配もないほど明瞭。標識も随所に立てられています。

唯一心配するとしたら熊くらい。歩く人が全然いなくて、恐ろしいほどひっそりと静まり返っていたので、北アルプスでは珍しく熊鈴鳴らしながら歩きました。

 

急登もあるけど、非常に快調なペース。やはり前週の中ノ岳~丹後山の縦走登山が効いていたのかもしれない。上高地から西穂高岳まで単純高低差で1400mほどあるけど、前週に1600m登っているのでそれほどの高低差には感じないのが不思議。

実際、昨年の同時期に上高地から前穂高岳に登ったけど、この時は1ヶ月ぶりの登山で病み上がりでもあったので、ズタボロにやられました。。。それが今回は全然疲れもなく登れたから、やっぱり登り慣れっていうのは大事だと思った。

 

7時過ぎ、焼岳との分岐点に到着。この標識が見えたら、西穂山荘はすぐそこです。

 

7時20分、西穂山荘に到着。登山口からここまで3時間50分なんて地図上には書かれているけど、実際は2時間かからず登れました。途中休憩はしなかったものの、淡々と登ってこの時間なので、ここの標準タイムは甘く見積もられている気がします。

 

早朝の西穂山荘。小屋泊やテント泊の人はほぼ出払った時間帯で、ロープウェイはまだ動き出す前だったので、西穂山荘は驚くほど静かでした。

無人のベンチで一人静かに休憩。どうしても目に入ってしまうソフトクリームを見つめながら、おにぎりを黙々と食べる。

 

シーズン中は大混雑するという西穂山荘のテント場もこの時間ではもぬけの殻。今なら好きな場所に張り放題でしたよ。

 

快調に登れてロープウェイ始発組より早く稜線に立てたのは良かった。シーズン中は岩場の渋滞は避けられないと聞いていたので、とりあえず一安心。

これもロープウェイ使わずに上高地から頑張って登ってきた恩恵。登り慣れている人なら割とスムーズに登れる道だと思うので、ロープウェイ使わずに上高地から登ったほうがいいかもしれません。その方が断然経済的だし、帰りのロープウェイの時間を気にする必要もなし。

 

西穂山荘から少し登って振り返ってみるとこの絶景!目の前に聳える焼岳と乗鞍岳が素晴らしく綺麗に見えました。

西穂に登った一番の景色はこの焼岳&乗鞍岳のセット。この先、岩場の稜線に入っていきますが、振り返れば常にこの2つの山が見守っていてくれるので、何度も振り返ってしまった。

 

前方にはこれから目指す西穂高岳の岩稜。中央のやたら目立つ綺麗な三角形がピラミッドピーク。山頂は一番左奥なので、あそこに至るまでにはいくつもの細かい岩峰を越えていかなきゃならない。

 

稜線の序盤は、穂高岳とは思えないハイマツが生い茂る緑豊かな道が続きます。

西穂高岳は岩場オンリーじゃないのが嬉しい所。短いながらも、ここら辺は自分好みの平和な稜線。

 

7時50分、西穂丸山に到着。ここからの眺めも素晴らしく良くて、冬季もここまでであれば入門レベルの雪山として簡単に登ることができます。

 

目の前に聳えるのは笠ヶ岳。北アルプスの中では端っこに位置しているので、こうして間近で見ることができるのはこの西穂高岳くらい。

前回の独標まで登った時にはまだ笠ヶ岳に登っていなくて、「あの山もいつか登りたいな~」とか考えてた記憶がある。結局、その年の夏に登りに行けたけど、膝負傷事件とかもあってヒヤヒヤものの山行となってしまった苦い思い出の場所。。。

いつか機会があれば再訪したい。そして、その時にはもっとスマートに登ってやりたい!

 

丸山から先もしばらくは穏やかな道が続きます。

ロープウェイの始発便がちょうど動き出した時間帯で、これから徐々に人が増え始める頃。下山時に登ってくる人とのすれ違いがたくさん発生しましたが、登りに関しては静かな中で歩けたので良かったです。

ここら辺は、ご来光目当てで早朝から登っていたのであろう小屋泊の人とすれ違う程度でした。

 

石が敷き詰められた斜面を登っていく。ガラガラ崩れるので、積雪時と比べるとここら辺はやや登りづらかった。

 

ハイマツ帯も終わりに差し掛かって、徐々に西穂の岩稜群が近づいてくる。

 

この位置からでも良くわかるピラミッドピークと独標の山頂標識。てっぺんに棒が1本突き立てられてます。

まるで形が違う2つのピーク。独標のずっしりとした四角形型は珍しい気がする。

 

何度も振り返って見てしまう焼岳と乗鞍岳。

特に焼岳!

これほど近くで迫力ある姿を見れるのは他にないんじゃないかな。北アルプスの中では標高が低いので見下ろす形になるけど、1つだけずっしりと聳えている火山特有の山容が、ここらの山の中では異質な姿で見ごたえあります。

 

東側には富士山と南アルプスもくっきり見えました。

この日は9月らしい涼しさで、終始快適に登れた1日。1年前の前穂高岳も同じようなコンディションで岩登り楽しめたので、少し懐かしい感覚でもありました。

夏の花が終わった9月は岩山が定番となりそう。

 

稜線をトラバース気味に進んでいくと、目の前に独標が迫る。登山道も気づいた時には岩だらけになってました。

 

独標手前で、初めて手を使って岩場を登っていく感じになります。

見た目、急に見えるかもしれないけど、ここら辺は誰でも登れるレベルなので安心してください。

 

親切に鎖を設置してくれてるところもあったり。

混んでいるときはここら辺も渋滞ポイントになります。

 

8時20分、西穂高岳独標に到着。目の前には相変わらず笠ヶ岳がバッチリ見えてます。

岩に薄っすらと11峰と書かれているのは、西穂高岳までの岩峰につけられた番号。山頂が1峰で、計13の岩峰があるはずなんだけど、13と12はどこにあったのかわかりませんでした。

この先も岩のピークは所々巻いていって全てのピークを踏むわけじゃないので、この数字はあんまり当てにならないです。

 

西の彼方、雲海の果てに聳えていたのが白山。ここ西穂高岳からも良く見えます。

眼下に見えている建物が新穂高ロープウェイ駅の西穂高口。標高2100m地点まではあのロープウェイを使えば一気に上がれるので、上高地からよりも遥かに楽に登れます。ただし、マネーがかかるのと、ロープウェイの時間の制約があるので、渋滞に巻き込まれたりすると日帰りではそれほど時間的な余裕はない感じがします。

 

歩いてきた稜線。ここまでは足慣らしという感じで危険個所も全くないです。

淡々と登ってきたけど、振り返って見ると西穂山荘がだいぶ下に見えてました。

 

真横には雲海の果てに八ヶ岳。今日はあちらも天気が良さそう。

 

こちらが、これから歩いていく岩稜帯。一番左の尖がった山が次に目指すピラミッドピーク。山頂はまだその先。

 

穂高岳の岩壁も見えてきた。

これは奥穂高岳~前穂高岳の吊尾根かな。この時間に後ろから軽装のトップスピードで追い抜いていく人がいたけど、おそらく西穂高岳から奥穂高岳までを日帰りで縦走しちゃう人。自分には到底真似できないけど……

 

独標から先へ。ここから先は初めて歩く領域。

いきなり急な岩場を下っていくけど、ここら辺は見た目だけで実際は大したことないです。

 

ピラミッドピークへ登り返し。ここから先はもう岩だらけ。

 

稜線上を歩くのではなく、飛騨側の岩陰をトラバースする感じで登っていく。マーカーに沿って歩けば、ここら辺も特に危険なところはなかったです。

 

下りで若干高度感感じるところがあります。稜線左側は切れ落ちているので、誤って足を滑らせたら大怪我じゃ済まないレベル。慎重にね。

1つ1つの足場がしっかりしているので、やや見掛け倒しなところもありますが、雪の時期にここら辺を歩けるイメージはちょっとつかなかったな。。

 

親切すぎるほどのマーカーを頼りに進んで行く。

独標からピラミッドピークまでは思っていたより時間かからなかったです。

 

8時40分、独標から20分ほどでピラミッドピークに到着。数字で言うところの8峰。

 

目の前に聳える西穂高岳とその背後に奥穂高岳。

穂高連峰の中で唯一標高3000mに満たない山だからなのか、西穂は他の穂高のピークに比べて緑が多い印象でした。

 

鎖の手すりが設けられた岩のトラバース。ピラミッドピークから先は念のためヘルメット着用しました。

独標までであればヘルメットしてない人もいたけど、ここら辺まで来るとヘルメットしてない人のほうが少ないです。

 

目の前の尖ったピークはチャンピオンピーク。名前がいちいちカッコいい。

 

まだ意外と遠い西穂高岳山頂。ここまでは特に危険も感じず登ってましたが、確かこのあたりで、前方からガラガラと岩が崩れる音とともに「ラーーーック!」という大声が聞こえてヒヤッとした。。。

足の置き場所間違えると、岩が一気に崩れる箇所もあるので慎重に。あまり人のすぐ後ろは歩かない方がいいと思う。

 

チャンピオンピーク(4峰)到着。山頂まであと少し。

 

う~ん、ここを雪の時期に歩ける気がしないな。いつか冬の西穂高岳へ、とも思ってたけど少なくとも今の自分では楽しんで歩けるルートではなさそう。

やっぱり自分は岩山よりも穏やかな稜線が好きなようです。

 

岩がひしめく見た目迫力ある光景ですが、ここら辺も落石さえ気を付ければなんて事のない道。アスレチック感覚で楽しめるレベル。

良く見ると前方の岩場に3の数字も発見。

 

 

西穂高岳山頂直下。この山頂までの直登部分は下りがやや足の置き場に難儀する箇所でした。逆にいうと核心部と言えるのはここくらい。

岩場苦手の自分が手こずってるだけなので、普通の人なら何も感じずに通過できるかもしれないです。

 

見上げるほどの岩壁を登っていく。こういうところは逆に鎖がないんだね……

 

9時15分、西穂高岳山頂に無事に到着。上高地の登山口を出発して3時間半ほど。思っていたより全然時間かからなかったです。

ロープウェイ利用の場合だと同時刻にスタートの人が大勢いるので、たぶんこれほどスムーズには登って来れなかった。

上高地からのルート、おすすめです!

 

西穂高岳山頂から見る奥穂高岳~前穂高岳の岩稜帯。

岩の稜線はこの先も続いていて、あの有名なジャンダルムを経て奥穂高岳へとつながります。

ここから先はいよいよ破線ルートとなって危険個所も多くなりますが、結構あちらへ進んでいる人もいました。自分はもちろんここまで( ̄ー ̄)

 

切り立った岩のピークということで展望は言うことなし!西側には序盤から見えていた笠ヶ岳の他に、中央奥に聳えているのは黒部五郎岳ですかね。富山側の山も見えました。

 

こちらは槍ヶ岳と裏銀座の山なみ。

 

尖った槍ヶ岳はどこから見ても分かりやすい。

正面奥に見えている白い山は野口五郎岳。左奥に見えているのはおそらく立山。視界良好でかなり遠くまで見渡せました。

 

眼下に広がるのは上高地・梓川。こうしてみると距離がかなり近くて、序盤の樹林帯は標高だけを熱心に上げていたのがわかる。

急登だったのに、前回の中ノ岳や前々回の聖岳と違って気持ちよく歩けたのはなぜだろう……?適度に緩やかな場所があったからなのか、単純に体調が良かったからなのか……。よくわからないけど、稜線にも思いのほか早く立てたので、今回のコース取りは大正解だったと思います。

お金の節約できてロープウェイ組よりも早く山頂に立てたんだから、上高地ルートは人に勧めたくなります。

 

時間に余裕があったので、しばらく休憩。山頂はそれほど広くはないですが、到着時点では5人ほどしかいなくて、休憩スペースには困らなかったです。

目の前の穂高連峰の岩壁がとにかく迫力あってカッコいい!岩山は登るのは苦手だけど、見る分には大好きですよ。

 

焼岳と乗鞍岳を見つめる登山者。おそらく山のベテランと思われるご夫婦の後ろ姿がカッコよかったので、1枚撮らせてもらいました。

岩登りは体力以上に経験が物を言うのは、今回も感じたところ。年齢とか関係なくうまい人は本当に軽快に登り降りしていく。足運びのテンポ良くて、決して急いでいるわけじゃないのに、進むスピードが速い。体力でやみくもに突き進むスピードより、ああいう軽快な足運びのテクニックが今の自分には一番ほしいよ……

 

今回の登山で何度振り返って見たかわからない焼岳と乗鞍岳。山頂まで来ると焼岳はだいぶ低い位置に見えるけど、火山特有の荒々しい迫力は変わらず伝わってくる。

5年前に初めて北アルプスで登った焼岳。あれ以来、焼岳には登ってないけど、猛烈に登りに行きたくなりました。

 

奥穂高岳~槍ヶ岳。岩の峰がひしめく北アルプス南部の領域。

苦手分野の山域ではあるけども、1年に一度は足を運びたくなる場所。見たい風景はしっかりと見ることができました。

 

混み始める前に下山開始。山頂直下の急斜面がいきなりの核心部。しっかりと足場探せば何ら問題はないけど、岩場苦手の身としては結構必死な場面(笑)

もし間違って落ちれば真っ逆さまに崖の下まで放り出されます。へっぴり腰っぷりを周りの人に見られたくない意味でも、こういうところはロープウェイ組が登ってくる前に通過するに限る。

 

登ってきたところ、こんなに急斜面だったっけ?というような下りが続く。

岩場は登りと下りでは感覚がまるで違う。岩場の下りが大の苦手なんだよ。。。

 

西穂の岩峰は上から見た方がその凹凸がわかりやすいです。

ゴジラの背中のようにコブがいくつもある。

 

足を滑らせると谷底まで真っ逆さま。ゴロゴロと岩の落石の音が聞こえるだけでヒヤヒヤする……

 

ピラミッドピークあたりまで戻ってくれば、気持ちとしては楽になる。

下るにつれて登ってくる人とすれ違う回数も増えてきました。

 

ピラミッドピークと乗鞍岳。岩のピークに立つ人がはっきりと見えるので、なかなか絵になります。

 

ピラミッドピークを過ぎたあたりで、渋滞が発生し始めました。圧倒的に登ってくる人が多いので、下山する方は少し進んでは待ちが発生する状態。

こういうのはロープウェイの時間を気にしているとヤキモキすると思うので、そういう意味でも上高地基点のほうが心にゆとりが持てます。

 

遠目からでも独標にすごい人が押し寄せているのが見えた。

 

登って来た時とはまるで異なる、西穂独標の混雑っぷり。休憩する場所もなかったので、さっさと山荘まで降りることにしました。

積雪時に限らず、夏場でも西穂高岳山頂まで行かずにこの独標で引き返す人も多いです。ハイキング気分でラフな格好で登っている人も結構いましたよ。

 

登ってくる人を待ちつつ、次はどこに行こうかなんて考えたりするのが良い暇つぶし。

これからはいよいよ紅葉時期に入るから、山もまた楽しみが増える。1年を通して一番山の回数が増える時期でもあるから、どうか天気に恵まれますように……

 

ここら辺まで戻ってきてしまえば、あとは楽ちん。ごく普通の北アルプスらしい稜線です。

考えてみたら穂高連峰でこの手の穏やかな稜線を堪能できるのはここくらいじゃないかな?北穂高岳、前穂高岳、奥穂高岳と登ってきたけど、どれも岩だらけで肩の力を抜いて歩けるシーンが少ないので、西穂高岳は自分にとっては割と好きになれた山でした。

難易度的にも西穂高岳が一番楽だと思うので、初めて穂高岳に挑戦する人にもおすすめです。

 

穂高岳入門とも言える西穂高岳。ロープウェイもあるので、人が多いのも頷ける。

山頂まで日帰りで行くとなると、標準タイムよりはやや早めに歩かないとロープウェイ最終便に間に合わないと思うので、そこだけ注意が必要です。週末は登山道の渋滞も考慮しておいた方がいいです。

 

 

11時、西穂山荘に戻る。

こちらも朝登ってきたときの閑散とした雰囲気は一切なく、外のテラスでたくさんの人が休憩してました。この山荘の名物は麓の高山ラーメンの生麺を使った「西穂ラーメン」

時間があれば食べたかったけど、売店が並んでいたのと、思っていたより下山で汗かいてラーメン気分じゃなかったので、またの機会にしました。

上高地からの西穂高岳はかなりお手軽ということがわかったので、また登りに来ることがあるでしょう。

 

テント場はまだ空いてる状態でした。示し合わせたかのように、4色カラフルのテントが張られていたのが面白かったです。

 

西穂山荘からは再び樹林帯に入って上高地へ一気に下山。

この登山道はホント歩きやすい。砂利が少ないからなのか、急坂でも滑りにくくてテンポ良くどんどん標高を下げられます。

 

12時15分、登山口に帰還。結局下りは西穂山荘から1時間ほどでした。

上高地~西穂山荘の区間は登りも下りも結構巻けた。

 

下山後は上高地バスターミナルのほうに向かって林道を歩いていく。

 

山の色づきはまだでしたが、ススキの穂がなびいて秋の気配が漂ってました。

 

通り道にあった上高地温泉ホテル。ちょうど日帰り入浴の営業開始時間だったので、タイミングよく入ることができました。

日帰り入浴は800円。

 

温泉後は帰りのバスまで上高地散策。梓川のエメラルドグリーンの清流には、何度見ても癒されます。

 

通り道にあったウェストン碑。上高地には何度も来てるけど、ウェストンさんは久しぶりに見た気がする。

標識案内も出ている観光スポットだけど、周りの観光客の反応を見た限りでは、残念ながら期待外れ感は否めない場所だと思います。

 

いつも撮ってしまう、河童橋からの穂高岳。

例年に比べると梓川の水量がやや少ない気もしましたが、相変わらずの絶景ポイント。

 

こちらは河童橋から見る焼岳。9月になっても日中はまだまだ暑い。

川遊びしている観光客がたくさんいました。

 

信州名物・山賊焼カレーで締め。

登山後のカレーの旨さは裏切らないです。

 

上高地バスターミナルに到着。奇跡的に新宿までのさわやか信州号の空きがあったので、それに乗って直行で帰ることができました。

 

こうして穂高連峰最後のピークとなった西穂高岳が終了。

 

昨年同時期の前穂高岳に続いて、今年もまた日帰りの穂高岳登山でしたが、今回のほうが余裕を持って登れたと思います。記事中に何度も書いたけど、上高地からの登りが本当に歩きやすくて、久しぶりに苦手意識を持たずに好きになれたコースでした。

ロープウェイ利用に抵抗のある人にはぜひとも上高地からのルートをお勧めしておきます。経済的だしコースタイムは長めでも日帰りは十分可能です。

ただ注意点としては、単純高低差だけでも1400mはあるので、日帰りで慣行するのであれば、ある程度登りに慣れている人、かつ標準タイムよりは早く歩ける人に限ります。

頑張って登ったはいいけど結局途中で力尽きた、はもちろん論外だし、ロープウェイ始発組より遅く到着して渋滞に巻き込まれた、だとあまり上高地からのメリットがないので。

 

いずれにしろ、西穂高岳山頂からの景色は素晴らしいものがあるので、ぜひ一度は登ってほしい山です。目の前に聳える穂高連峰の迫力ある岩稜帯はもちろん、槍ヶ岳から裏銀座の山々、八ヶ岳や南アルプス、白山まで一望できます。

 

展望の中でも特に一押しは乗鞍岳と焼岳。穂高岳の中では西穂が一番近い位置にあるので、間近にその姿を捉えることができます。今回の山行を機に、久しぶりに焼岳に登りに行きたい気持ちが強くなりました。

 

西穂高岳は穂高岳にまだ一度も登ったことがないという人にはおすすめです。ロープウェイあるし、独標から先の岩場も他の穂高岳に比べるとそれほど危険個所もないですし、場合によっては山頂まで行かないで独標やピラミッドピークまででも十分に楽しむことができます。

色々と偉そうなこと言っている自分も、西穂、前穂、奥穂、北穂をいずれも縦走せずにそれぞれを単発で登るというチキンコースなので、もう少し岩場に慣れて穂高岳の縦走を1回くらいはしてみたいです。

 

最後に、今年も来てしまった上高地。

下山後のホッとした気持ちの中での上高地散策はやっぱり気持ちよかったです。

 

いつ見ても絵になる風景の上高地・梓川と穂高岳。今年も見ることができて満足の1日でした。

 

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【日程】

2016年9月10日 快晴

【コースタイム】

西穂高登山口(5:40) — 西穂山荘(7:20) — 独標(8:20) — 西穂高岳(9:15) — 西穂山荘(11:00) — 西穂高登山口(12:15)

 

 

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