登山に関する雑談記。
今回は過去に泊まった山小屋の中で、特にご飯が美味しかったと思えた所をいくつかピックアップしてみました。どれもおすすめしたいものばかりです。
数日かけての縦走登山、小屋だろうがテント泊だろうが、山泊で食べるご飯もまた楽しみの1つですね。
ここ最近、新型コロナの影響で山小屋の営業情報が気になる中で、ふと書いてみたくなった山小屋に関する雑談記。
「山小屋とご飯」のお話です。
私自身の登山において、山小屋泊というのはそれほど多くはなく、特にテントを買ってからはめっきりと減りました。テント泊での食事というのは、、、あまり語れるほどのものは作ってないので、それはまた今度話すとして……
数少ない山小屋泊の中でも、ご飯のおいしさが印象に残っている山行というのも結構あって、そのいくつかをまとめてみました。
もちろん、山小屋の立地環境によって食事のクオリティーも変わるので同一に括るのは難しいですが(山奥の遠隔地なら当然提供できる食材も限られてくるだろうし)、いったんそういうのは無視してお勧めしたいところをピックアップしてます。
ここの小屋の食事美味しいよ、とかの情報あったらくださいな。
そこまでグルメな人間ではないですが、山小屋のお食事も色々と開拓していきたいところ。
【南アルプス・仙丈ヶ岳】こもれび山荘
2017年1月5日~7日【南アルプス】仙丈ヶ岳 山小屋泊雪山登山
まず自分が最も印象的に残っている食事が、南アルプスの北沢峠・こもれび山荘。
冬の仙丈ヶ岳雪山登山の際に2泊3日でお世話になったのですが、その1日目の夕食で出てきたハンバーグ!
これがもう凄く美味しかった覚えがあります。肉厚でそこらのハンバーグとはわけが違った。食べた瞬間「うんめぇ!」って言ったわ、確か。
こもれび山荘は正月の期間だけ冬季営業してくれるのですが、三が日はおせちが振舞われるので有名です。
自分は混雑を避けるために1月5日からの日程で行きました。もしかしたらこのハンバーグも正月の特別仕様だったのかもしれませんが、とにかく美味しかった。
付け合わせのシチューも美味しく、ご飯とシチューがおかわりし放題だったのも良かったです。
こちらは2日目の夕食。揚げ物にビーフシチューと、子供も大喜びなメニュー。
こちらも旨かったですが、やはり印象に残っているのは1日目のハンバーグ。
もうとにかくハンバーグ!
どこがどう美味しかったのか、詳しく語れるほどは覚えてないですが、自分の口に合ったのだけは確か。毎日の食卓のお供としてほしいわ。
今のところ、山小屋の食事でこもれび山荘のハンバーグを超えるものとは出会っておりません。こいつがNo1です!
冬の仙丈ヶ岳、登山自体も充実した内容で、真っ白い南アルプスの女王は本当に美人さんでした。
白き女王とハンバーグ、似つかわしくないコンビですが、自分の中でセットで思い出される山の記憶です。
【四国・剣山】剣山頂上ヒュッテ
初めての四国遠征登山、1泊2日で剣山~三嶺を縦走してきたのですが、その時利用したのが剣山頂上ヒュッテ。
ここの夕食も豪勢でした。
こちらが夕食。街中の旅館と大して変わらないおかずのラインナップよ。
剣山頂上ヒュッテは小屋自体もとても綺麗で、個室にはこたつも完備されているので、かなり快適な山小屋泊が約束される場所です。
日本酒も色々と取り揃えております。
私はソロで行ったので半個室の部屋に泊まったのですが、同じ半個室に割り当てられた他の人たちとお酒を飲んで消灯時間ギリギリまで語り合ったのは良い思い出。
遠征した先で出会う人たちとの交流も、登山の面白さの1つだと身に染みて実感した山旅でした。
剣山~三嶺縦走ルートも強くお勧めしたいところ。
稜線の大半が草原のように開けているので、常に展望の良い中を歩くことができます。もう冬に差し掛かろうかという11月上旬に訪れたので、山の上は霧氷、麓の祖谷渓では紅葉と、季節の変化を肌で感じられたのも良かったです。
日本百名山の剣山だけじゃなく、ぜひ余裕があれば三嶺も合わせて歩いてみてください。
【北アルプス・乗鞍岳】位ヶ原山荘
2015年3月28日~29日【北アルプス】乗鞍岳 山小屋泊雪山登山
北アルプスで冬季も営業している山小屋というのは限られていますが、5年前に訪れた乗鞍岳の位ヶ原山荘は雪のある時期に宿泊できる山小屋の1つです。
標高3000mを超える乗鞍岳ですが、冬場は麓のスキー場のリフトを利用できるので、冬の時期も日帰りで登ろうと思えば登れる山ではあります。
自分たちは電車・バスの公共交通で行ったのもあるので山小屋泊にしたわけですが、位ヶ原山荘の夕食もかなり旨かった。
位ヶ原山荘の名物と言えば、この「鹿鍋」。
シカの肉って確かこの時に初めて食べた気がしますが、臭みもなくて全然イケました。特に雪山登山を終えた後だったので、暖かい鍋が身に染みたぜ。
談話スペースにはこたつも用意されていて、切り盛りしているご主人も良い方で居心地の良い空間でした。
冬の乗鞍岳登山については、快晴という絶好のコンディションだったので特に危なげなく登れました。山頂からの展望も良くて近隣のアルプスを一望する壮観な眺めでした。
全体的に道は広いので滑落するような危険個所こそないですが、ひとたび風が吹き荒れれば、宝永山のような状況にもなりえるんだろうなぁ~と思ったり。
5年も経って記憶もやや薄れてきているので、機会があればまた登りに行きたいです。
【佐渡ヶ島】ドンデン山荘
4年前のゴールデンウィークに訪れた佐渡ヶ島。1日は観光に費やして、残り2日で大佐渡山脈を縦走しました。その時に利用したのがドンデン山荘。
ここの夕食も街中の民宿と変わらぬくらい贅沢なものでした。魚は何だったかもう覚えてないですが、刺身も付いて海の幸主体の食事はご飯が進んだ。
山荘と名前がついていますが、建物自体もホテル並みに綺麗です。部屋数が少ないのでGWともなれば予約を取るのが難しいですが、自分たちは現地入りした日にキャンセル待ちが通って、運よく泊まれたという奇跡体験でした。
標高こそそこまで高くはない佐渡ヶ島の山ですが、ドンデン山荘の裏側にはこんな感じに開けた草原と稜線が広がっています。
もちろん、稜線の両サイドには海の展望も。金北山までの縦走は暴風にさらされるという天候でしたが、海を渡っての登山は楽しいものでした。
さらに素晴らしかったのが、カタクリの大群生。GWがちょうどシーズンにあたるので、見事な満開風景に出会うことができました。
佐渡ヶ島はシカや猿といった動物がいないので、草花が荒らされることがなく、これほどの群生が出来上がるそうです。
カタクリだけでなく、シラネアオイなども咲いていて、花好きの方にも強くお勧めしたいルートです。
【大台ヶ原~大峰山】和佐又山ヒュッテ
同じくゴールデンウィークを利用して歩いたのが、大杉谷~大台ヶ原~大峰山の2泊3日の縦走登山。
2泊とも山小屋に泊まったのですが、食事の面で言うと2日目に泊まった和佐又山ヒュッテ。
山の麓にあるキャンプ場併設のヒュッテなので、他の山小屋と比べるのは少し違うかもしれませんが、器からして豪勢で「このレベルが食えるのか~」と思った記憶があります。
さらに和佐又山ヒュッテにはお風呂もあるので、ここで心身ともにリフレッシュして3日目の縦走に向かうことができました。
ただ残念なことに、この和佐又山ヒュッテは昨年の11月で閉館になってしまいました。小屋の老朽化によるものらしいですが、もし可能ならこの食事レベルでお風呂付の小屋ができてほしいものです。
この大杉谷~大台ヶ原~大峰山は和佐又山ヒュッテがあったからこそ、公共交通アクセスでつなげられたルートでもあります。
大台ヶ原、大峰山(八経ヶ岳)の日本百名山を回るだけであれば、それぞれ日帰りで簡単に登れますが、やはりこの縦走ルートのメインは最初の大杉谷の渓谷トレッキングにあります。
秘境感あふれる神秘的な滝と泉、エメラルドグリーンに輝く清流はとにかく美しく、スタート序盤ながらも時間とお金をかけて来た甲斐があったと心から思えました。
大杉谷については紅葉も綺麗と聞いているので、次は秋に訪れたいです。
【八ヶ岳】赤岳鉱泉
宿泊せずとも山小屋のご飯を食べられるのが、昼間のランチ営業時間。たまに日帰り登山で山小屋の食事も利用させてもらっているのですが、その中で印象に残っているのが八ヶ岳の赤岳鉱泉で食べたカレー。
ビーフカレー。見た目こそ普通のカレーですが、ここの凄いところがカレーの種類の豊富さ。
私が訪れたのは2017年の冬でしたが、こんな感じで5種類ものカレーメニューが用意されてました。インドカレーなんかもあります。
仲間と訪れたのでそれぞれ違ったものを頼んで食べ比べてみましたが、特に美味しかったのが「タヒチカレー」。辛さがちょうどよくコクもあり、大層旨かった。
辛さのレベルがそれぞれ違うので、特に辛いのが好きというのは「マレーシアカレー」あたりが口に合うかもしれませんぜ。
赤岳の雪山登山自体は稜線からの眺め以上に、行者小屋あたりの樹氷風景が特に綺麗だったのを覚えています。
今年はコロナの影響で山小屋の営業がどうなるかは不明ですが、八ヶ岳は通年営業している小屋も多いので、冬の時期でも小屋の食事を楽しむことができます。
【北アルプス】燕山荘
2012年9月29日【北アルプス】燕岳 日帰り登山(ケーキバイキング)
おまけでもう1つ。全国の山小屋で一番人気ともいわれているのが北アルプス燕岳にある燕山荘。
私自身はここに泊まったことはないので食事の内容は知らないですが、8年前にケーキバイキングに訪れてケーキを食いまくったので、ここのケーキの美味しさなら知ってます。
現在はケーキフェアというイベントに変わったようですが、毎年9月下旬から10月上旬の紅葉シーズンにケーキに関するイベントが開催されます。
8年前は1600円で6種類のケーキが食べ放題というバイキング形式でした。制限時間は1時間、ワンドリンク付き。
燕山荘のケーキも舐めたらあかん。
どれも本格派のケーキで、1つ1つがとても美味しかったです。バイキングの食べ放題ということで6種類全部完食する勢いで登ってきたのですが……、
自分は5つが限界でした。
紅茶シフォンがでかい壁となって立ちはだかっていたのを覚えています。
ケーキの種類はその年によっても微妙に変わるようなので、それもまた楽しみの1つですかね。「山の上でこのレベルを出すか~」というほどクオリティー高いので、ケーキ好きの方はぜひ紅葉の燕岳と合わせて訪れてみてください。
ただし日帰りで訪れるのであれば、これを食べた後に下山しなきゃならないというのをお忘れなく。ケーキでお腹パンパンの中での合戦尾根はかなりきつかった記憶が……
とりあえず山小屋とご飯の思い出第1弾はこれくらいで。
山小屋にそれほどたくさん泊まっているわけではないので、まだ知らぬ美味しい山小屋の食事も多々あると思います。例えば先に紹介した八ヶ岳・赤岳鉱泉の夕食で出てくる「名物ステーキ」とか、いつか食べてみたい。
どこかご飯が美味しい山小屋知っていたらぜひ教えてくださいませ。
自分も思い出したらまた書こうと思います。
コメント
どこの食事もおいしそう!けっこうあるもんですね。
山小屋の食事って、なかなか・・・つらい・・・というところが多いですね。まあ、贅沢いったらきりないですけど。
わたしがとまった山小屋では、冷池山荘の鮭が、おいしかったです。朝ご飯の焼き鮭は、どこでもよく出ますが、レベルが一段上!と思いました。また、鏡池山荘のご飯もおいしかったです。
山小屋といっていいかわかりませんが、徳沢園の夕ご飯もいいですね。尾瀬の各小屋の食事もおいしいです。とくに、みそ汁とご飯がおいしい、と思います。
つらいご飯の記憶のほうが多いので、そちらを語ったらいくらでもでてきますが。どうしてこんなまずいカレーが作れるのか・・・。おかずはなんでもいいけど、ご飯がゴジ飯なのはかんべんしてほしい、しかも夜・朝・弁当三食とも・・などなど。そんな経験から、山小屋泊のときは、パンを多めにもっていくことに決めています。「一切れのパン」の話を思い出しながら。
くみちゃんさん、こんばんは。
貴重な情報ありがとうございます!冷池山荘も鏡池山荘も数回訪れていながら、小屋のご飯は食べたことがないので参考になります。
上高地や尾瀬など、荷揚げが比較的簡単なところはご飯も美味しいのがいいですね。場所によっては街中の宿と遜色ないところもありますし。
>どうしてこんなまずいカレーが作れるのか
これ、面白いです(笑)基本的に普通に作っていればカレーなんて美味しくなるもんですよね。まずく作るのが逆に難しい気がします…(^^;
言われてみれば山小屋の食事でハズレを引いたことはそんなにない気がするので、恵まれているのかもしれません。ひどい山ご飯にありつけたら、私もブログでご報告します!
お久しぶりです。
GWころの日本は民主主義国なの!?と疑うくらいの自粛一色の期間中も、有意義な記事をアップされて敬服します。
私が行ったことのない山小屋が多くて参考になります。
私はずっと、食事一番は北アルプスの朝日小屋と思ってきました。あんな辺境の地にあるのに、夕食はよその山小屋の2倍はおかずがあってグラスワインのサービス付きで。
でも昨夏、百間洞山の家で朝ご飯食べたら美味しくて。夕食の揚げたてトンカツが美味しいのは前から知ってましたが、ウン年前は早朝出発で朝は食べず。
どっちも山小屋とは思えない食事ですが、僅差で総合首位は百間洞かな。
どうでも良い自慢ですが、私はテント泊しないので(20歳代ではたまに)、100近い山小屋に泊まってます。そのなかで、栄えある1位があの混み合うこと稀と思われる山奥の百間洞とは(・□・;)
別の記事で書かれていますが、南アルプスの山小屋が今季はほぼ全滅とは衝撃です。
私が初めて南ア南部を歩いた1983年(みやっちさん誕生以前?、笑)に戻るだけさ、超静かな山を歩いてみようかとチラっと考えましたが、行き帰りに何時間も林道を歩くのは辛いので、悔しいけど見送りかな。
先週末、お散歩コースですが、八ヶ岳南部を歩いてきました。お時間あれば眺めてもらえるとうれしいです。https://4travel.jp/travelogue/11627687
ねもさん、お久しぶりです。
朝日小屋の食事の評判は確かに聞いたことありますね。百間洞山の家は、全くのノーマークでした。というか、まだあの縦走区間は歩いたことがありません。
あの辺境の地でとんかつが食べられるなんて最高ですね。南アルプスは稜線までの登りがしんどいので、どうしてもテント泊の場合は軽量化を図って食事が質素になりがちです。食事だけ小屋を頼るというのもありなのかもしれませんね。
今シーズンは南アルプスほぼ全滅です。小屋がやっていないだけならまだしも、途中の水場の状況もわからないので、立ち入るのは難しそうです。北アルプスに人が流れそうなので、本当にどうしたものかなぁ~と悩んでおります。。
4トラベル、ありがとうございます。時間があるときに見させてもらいますね。