秩父・芦ヶ久保の氷柱と丸山〜日向山登山に行ってきました。
ルートは芦ヶ久保駅をスタートして最初に氷柱鑑賞、そこから丸山〜日向山を登り武甲温泉へと下山して横瀬駅へ。
電車のみのアクセスで氷柱観光と登山、温泉を楽しめるかなりコスパ良しのコースでした。
初めて見た「あしがくぼの氷柱」も、想像以上の巨大さで圧倒されましたよ。
今回の舞台は久しぶりの秩父。
都内からも比較的近い登山エリアでありながら、奥多摩や丹沢に比べると登る頻度が少ない山域。年に1回来るか来ないかという程度で、まだ登ったことのない山もたくさんあります。
今回登った丸山〜日向山もお初の山でした。
ただ、今日のメインは登山よりも観光。「あしがくぼの氷柱」という秩父三大氷柱の1つでもある冬の名所が主目的。
人口的に水を撒いて作られた氷柱ではありますが、その規模・迫力たるやなかなかのもんでした。
2022年2月26日 あしがくぼの氷柱と丸山〜日向山登山
久しぶりの秩父登山。
一番の目的は「あしがくぼの氷柱」ですが、それだけだとすぐに終わってしまうので近くの丸山〜日向山を登ることにしました。温泉にも入りたかったので、少し距離は長くなりますが、武甲温泉へ下山。
日帰り登山としてはちょうど良い歩き応えだったと思います。
スタートの芦ヶ久保駅。久しぶりに乗った西武線でしたが、やっぱりこの路線は運賃が安いですね。今回はバスすら使わないので、コスパ最強の行程でした。
「あしがくぼの氷柱」は駅から徒歩10分ほどの距離にあります。冬の観光名所として有名なので人がたくさんいるかと思いきや、この駅で降りたのは数人だけでした。
標識に従って氷柱方面へ。営業開始に合わせて9時過ぎにやってきました。
自分が訪れたのは2月26日。通常であれば氷柱は終わっている時期ですが、今年は激しい寒波もあってか、氷柱の成長っぷりも半端ないようで公開期間を延長してました。(それを聞いたから、飛び込みでやって来たわけだけど)
ライトアップもしていますが事前予約制とのこと。
入場料400円を支払って場内へ。
すでに氷の塊が見えている通り、早くも散策コースの周りに氷の造形が現れ始めます。
兵ノ沢という川を埋め尽くすようにポコポコと立ち並ぶ大小様々な氷柱。
なかなか可愛げな氷の造形。
造形という言葉の通り、これらは自然にできたものではなく、人口散水によって人の手で作られたものです。
なので、歩道の周りはこんな感じで土の上に氷の塊が露骨に設置されたちょっと違和感ある景観。
ここら辺はライトアップ時に来る方が幻想的な世界に浸れるのかもしれません。
そしてこちらがメインの氷柱。
山の斜面に壁のように立ちはだかる氷柱の軍勢。
事前に写真では見ていたけど、その場に立つと想像以上のスケール!高さがあり、なおかつ横に広い。
「よくこれほどの氷柱を作ったなぁ」と、感心してしまうほどの巨大さ。
八ヶ岳・赤岳鉱泉のアイスキャンディを彷彿させる氷の造形が広がってました。
陽の光が当たっているところなんか、透き通ったブルーでとても綺麗。
冬の限られた時期にだけ見ることのできる「あしがくぼの氷柱」
巨大な壁のように立ちはだかる氷柱はまさに圧巻の光景で、特に2022年は度重なる寒波で積雪もあり、かなり出来栄えが良かったようです。
例年にないくらい大きいよ、と係のおじいちゃんが言ってました。
俯瞰してみると、その大きさがよくわかる(しかも写真に映っているのはごく一部)。
人口的に作られたとはいえ、これだけの氷柱に仕上げるのにはかなりの労力が必要でしょう。
言うても埼玉県秩父市。雪国ではないので、暖かい日があれば瞬く間に溶けてしまうので、シーズン中必ず見れるというものでもありません。
訪れる場合は、事前に横瀬町のHPから最新情報をチェックしておく必要があります。
ここら辺はライトアップ用のイルミネーションですね。明るい日中に来ると、見てはいけない舞台裏を見てしまったような感覚に陥ります。
氷の世界をイメージした幻想的なBGMなんかも流していて、頑張ってオシャレな観光名所にしようという思いを強く感じました。
このハート形も町内会の会議で決められたんでしょうか。
「人を呼び込むために氷柱をライトアップじゃ!」
「若いカップル向けにハートのイルミネーションじゃ!」
みたいな。
氷柱を上から見下ろせる展望広場がありました。
普段、どれほど混雑しているのかはわからないですが、9時半ごろに入場したあたりでは人もまだそれほどいなくて快適に見て回れました。
そしてここからの眺めがまたすごい。
いやいや、本当にこれほどの規模の氷柱をよく作ったもんだわ。「どうやって作ったの?」って言うくらい氷が不規則に立ち並んでいて、自然にできたようにさえ見えてきます。
上段の遊歩道。
ここからの眺めが個人的には一番迫力あって好きでした。
ポコポコ立ち並ぶツララたち。
2週間前の積雪が氷をより大きくしたのか、生で見る迫力は本当にすごいものがありました。
満足!文句なし。
先程の広場では甘酒か紅茶の無料サービスをやっていたので、登山前に甘酒をいただく。
ごちそうさまでした。
(甘酒ってアルコール入ってるの……?)
「あしがくぼの氷柱」
観光したのは40分くらいだったと思います。規模、迫力共に文句なしで、滅多に見れない幻想的な氷の世界を堪能できました。
ツララ鑑賞を終えて再び芦ヶ久保駅へ。駅前には「道の駅」もあるので、ここら辺で買い物なんかも可能です。
周りを見た感じでは登山客は全然おらず、観光客で賑わってました。
本日のメイン行事を終えて、ここからおまけの山登り編。
芦ヶ久保駅から登れる山はいくつかありますが、久しぶりに温泉にも入りたかったので、武甲温泉までのルートを組める丸山〜日向山を選択しました。
大野峠経由で登ることにしたので、しばらく駅前の国道を東方面へ進み、写真の分岐を左へ。
こんな標識が目印。
軽く登ってやるつもりでいましたが、実はこれが意外とキツかった。。。
住宅街を登っていくと自然と登山道へ入っていきます。
のんびりムード漂う久しぶりの里山らしい景色。
登山は朝の早起きが正直面倒だけど、こうして登山道に入ってしまえば「今日、登りに来てよかった」と思える。
まだ季節は冬ですが、見上げる景色は春間近?
新緑のような瑞々しい緑が広がっていて、ここ最近のパソコン業務で疲れた目を癒してくれました。
ただ、登り始めて30分ほどで登山道が怪しい雰囲気に。
おそらく2週間前に降った雪(前回の扇山に登っていた時のやつ)が所々に残っていて、道が凍結し始めました。
登りも部分的に急登に。
丸山の標高が960m程度。高低差600mほどだから大したことないだろうと思ってましたが、結構ガッツリ登らされます。
間を端折って大野峠に到着。ここまでが展望なしのひたすら登り坂なのでご注意を。
体感的には結構な登りで、お手軽ハイキングという感じではなかったです。
峠道との合流地点ですが、道路はご覧のような雪道。
念の為持ってきてよかったチェーンスパイク。この後、大活躍しました。
大野峠からが登山としては面白いところになります。
この階段を登った先が、まず最初のビューポイント。
北側が大きく開けていて、周りの山々を一望することができます。
正面に見える山は堂平山とかかな。
この先、丸山まで行くとさらなる大展望が待っています。
ここから先は平坦な道も多い稜線ハイク。
太陽の光も差して明るい登山道が続いてます。
その分、地面の雪は溶けかけでぐちゃぐちゃ泥濘みが激しかったけど……
樹林帯に入ると、そこはもうしっかりとした雪山。
前回の扇山のモフモフ具合とは違って、かなり固まった雪なので軽アイゼンは必須のコンディションでした。
11時45分、丸山に到着。芦ヶ久保駅から2時間弱でしたが、かなり登り応えはありました。
ご覧のように山頂には展望台が用意されていて、その上から素晴らしき展望にありつけます。
氷柱といいこの展望といい、今日は人工物の恩恵を存分に受ける。
こちらが展望デッキ。
皆さん、身をかがめて覗き込んでいる通り、親切に双眼鏡が用意されています。
こちらは北側の群馬方面の展望。
写真だとわかりづらいですが、遥か奥に真っ白な雪山が輝いて見えました。
谷川岳、尾瀬、日光あたりの山を一望できます。
こちらは登ってきた秩父側の展望。
中央に見えるのは武甲山。この先、武甲山に近づくように下っていくので、あの山の存在感はさらに増していきます。
八ヶ岳なんかも見えて、この日はどこもよく晴れていた1日でした。
昼休憩を挟んで日向山方面へ。
ここから先は下り道が出てくるので、チェーンスパイク履きました。
この日のコンディションを見ると、軽アイゼンなかったらヤバかったかもしれません。踏み固められた部分がツルツルでした。
登山道はひたすら雪道。明るい日差しが差し込む快適な稜線がしばらく続きます。
登山客とすれ違うことも多かったのですが、アイゼン持ってない人から上の凍結具合を聞かれて「結構凍ってます」って応えたら、引き返していく人もいました。
駅近な山ということで、観光客っぽい人も登りに来てましたが、冬の秩父はやはり雪山に変貌しうるので軽アイゼンはザックに忍ばせておきましょう。
予定通り日向山方面へ。
チェーンスパイク発明した人は天才だと思います。こういう氷と土が入り混じったところなんかも躊躇なく進めるのが強み。
しばらく進むと林道に出ました。
正面に見える武甲山が、ここからは展望の主役。
下りるのは横瀬駅方面ですが、標識を頼りに日向山山頂へ寄り道。
「山の花道」という春になればさぞ花が咲くんであろう登山道を登っていきます。
流石にまだ2月。
花なんて咲いてないだろうと思ってましたが……
ロウバイが咲き乱れていました。
おそらく時期的には終わりかけという頃でしたが、割とたくさん咲いていて黄色い花が癒し系でした。
13時に日向山に到着。
日向山という名前の通り、日差しが差し込む明るい山頂。
広い公園のようになっていて、中央には展望デッキが用意されてました。
正面に見えるのは武甲山。
先程の丸山からは標高を落としたので、武甲山の高さが一層際立ってます。
石灰岩採掘のために削られた山肌が、周りの山と比べてもだいぶ異質な存在です。
日向山からは六番峠ハイキングコースという道を下って武甲温泉を目指します。
標識に書かれている「あと32分」という細かい分刻みに、これを設置した方の律儀な性格を垣間見ました。
ここから先は林道を歩いたり登山道を下ったり。
要所要所に標識はあったのでおそらく迷うことはないかと思いますが、ヤマップの地図にはこの道は正規ルート扱いされてませんでした。
登山道を出た先にあるのが、秩父札所六番・ト雲寺。
秩父には「秩父札所巡り」という34箇所の霊場を回る巡礼コースが用意されており、その六番がこちら。
せっかくなのでお参りしておきました。
34箇所全て巡る日が来るのかはわからないですが、こういう街中を歩く巡礼コースも機会があればやってみたいですね。
道なりに横瀬駅方面へと向かいますが、その途中には七番、九番札所もありました。(あとセブンイレブンもあるので、買い出しも可能)
街中に降りてきて、改めてわかる武甲山の存在感。
日本二百名山にも選定されている秩父の名峰。どっしりと構えつつ、石灰岩採掘によって削られた山肌がどこか痛々しくもある山でした。
最後の道路歩きがやや長かったですが、無事に武甲温泉に到着。
日向山以降はもう温泉のことしか考えていなかったくらい、早く湯に浸かりたかった。
週末だったのに空いていて、のんびり入らせてもらいました。
武甲温泉から横瀬駅までは徒歩10分ほど。
芦ヶ久保駅から1駅分歩いた形になりますが、距離にして15km超えだったので、日帰り登山としてはまぁまぁの歩き応えでした。
駅から駅という、公共交通利用としては理想的な展開。バスの時間を気にしないでいいというだけで、精神的にはかなり楽になるってもんです。
こうして芦ヶ久保の氷柱と丸山〜日向山、武甲温泉という秩父観光登山が終了。
想像を大きく上回ってくれた「あしがくぼの氷柱」。
寒波の影響と降雪のおかげで当たり年でもあったようで、良いタイミングで訪れることができました。
観光だけで訪れてももちろんいいですが、近くには半日で登れる山がいくつかあるので、登山と組み合わせても楽しめる場所です。
ややロングコースにはなりますが、下山後に温泉も入れてバスも不要というコスパ最強の今回のルートは強くお勧めしておきます。
良ければ歩いてみてください。
【日程】
2022年2月26日
【コースタイム】
9:20 芦ヶ久保駅
9:30 あしがくぼの氷柱(〜10:15)
11:20 大野峠
11:45 丸山
13:00 日向山
14:20 武甲温泉
16:00 横瀬駅
コメント
みやっちさん
こんにちは。
あしがくぼの氷柱、すごいですね!
びっくりしました。
ここは昔一度行った事があるのですが、その時もおぉ~と感動したのですが、今年の迫力の大きさには驚きました。
しかも今400円取るんですね、それにもびっくり^^;
甘酒は、麹から作るものと、酒かすから作るものと2つあって、麹から作るものはアルコールは入ってなく、酒かすから作るものは、アルコール分少し入ります。が、沸騰させるとアルコール飛ぶので、ほとんどないかな?と思います。
丸山にも雪があるのですね、驚きました。
友人が最近?横瀬に(駅に?)紅茶ソフトクリームが出来て、めちゃくちゃ美味しいと言ってました。ご参考^^;
ゆかぽんさん、こんばんは。
さすが!すでに訪れたことがありましたか。私は今回が初めてだったのですが、想像を大きく超えてきました。正直なところ、秩父ということで少し舐めていたかもしれません。
今年は当たり年というのもあるかもしれませんが、あれほどの規模の氷柱を良く作ろうなんて思ったなぁ~、と心底感心しましたよ。
甘酒情報ありがとうございます!実は私のすぐ近くにいた年配ご夫婦が「甘酒アルコールあるだろ、ないだろ」で盛り上がっていて、私もちょっと気になっちゃいました。
秩父って紅茶ソフトクリーム有名なんですかね?確か芦ヶ久保駅前の道の駅でも、紅茶ソフトが売られてた気がします。登山前だったので食べなかったですが、そんなに美味しいなら食べておけばよかった……。次の楽しみにしておきます。