大源太山(谷川連峰) ~~上越のマッターホルンへ日帰り登山~~

大源太山(谷川連峰) ~~上越のマッターホルンへ日帰り登山~~

飯豊山ぶりのブログ更新。

今回はマイナーな山を攻めてきました。その名も「大源太山」!!

「どこ、それ??」っていう意見が大半かなぁ~と思う。実際、僕も地図を見るまでは気づかなかった山だし。

この山は谷川連峰の一角で、谷川岳の北に位置しています。標高1598mとそこまで高くなく、特に名山に指定されているわけじゃないけど、この山、本当にすごいのよ!”上越のマッターホルン”の異名を誇る岩山であり、かつ優雅な稜線と湿原も楽しめる、もう何でもありの山。

なんでもっと有名にならないのか不思議でしょうがない、素晴らしい山でした。ここもまた、1つの隠れた名峰。

8月24日、久しぶりに青空見れた山行記録になります。

 

上越のマッターホルン、その頂へ―――

 


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2014年の8月は天気にやられてますな。。。

週末になると決まったように雨マーク。どうにも山に行けなくて、気が付いたら飯豊山の記事から1ヶ月が経とうとしてた……。その間行けたのは南アルプスくらいで(この記事は機会があれば書きます)、う~ん……、、、呑んだっ暮れてた週末を送ってましたとさ。

 

8月第4週の週末もそんな感じになる予報で、諦めモードだったんだけど、日曜の天気予報を見てみたら意外と回復傾向!この機を逃したらアカンでしょ、ということで急いで晴れの地域の山を探してたら、、、

 

出会ったのが「上越のマッターホルン」。

 

「日帰りで登りたいからそこまで標高高くなくてもいいや。あっ、でもせっかくだから展望良いところがいい!あと、鎖場とか面白そうだし、湿原散策もしたいなぁ~~!稜線ゆったり歩いてみたいし!でも、人が多いところはイヤ!」

こんなお坊ちゃんお嬢様な贅沢な願望をかなえてくれる山、、、それが谷川連峰の大源太山でしたとさ。

 

~~8月24日、上越のマッターホルン・大源太山~~

 

この山に決まったのは、前日の8月23日の昼過ぎ。当ブログ登場回数最多のまさきとどこに行くか電話で相談。

まさき:「どうすっか~~……」

みやっち:「晴れるところっていうと新潟か山梨か北関東あたりかね?」

ま:「八ヶ岳とかかな。群馬とかどう??行きたいところある?」

み:「朝日岳に登りたいけど、あそこは谷川馬蹄形ルートで歩きたいしなぁ~~」

ま&み:「どうすっかな……」

 

こんな感じで、谷川エリアの地図を開いていたわけですよ。そうしたら、地図上に気になる表記を発見!

 

ま&み:「うん!?上越のマッターホルン??」

 

こういうネーミングに滅法弱いんですよ(笑)

早速調べてみたら、鎖場あり木道あり稜線ありの素晴らしい山じゃないですか!一気にテンション上がって、即決定。いざ谷川連峰の最北端の鋭鋒へ。

(※ちなみに地図上をよく見てみると、すぐ近くの平標山の南にも同名の山があります。今回登ったのはそちらではないのでお間違いなきよう)

 

都内を0時に出発して4時前に登山口に到着。星空撮らなかったけど、久しぶりに晴天を予感させてくれる素晴らしい星空でした。

 

軽く仮眠して、明け方5時に駐車場を出発。駐車場はこんな感じで10台程度しか停められない広さだけど、マイナーな山だからなのか他に登山客はおじさん1人だけでした。

公共交通で来る場合は、手前の大源太キャニオンまで越後湯沢駅からバスが出ているのでそれに乗ってくればOK。アクセスも割と良好な山のようで。

 

マイナーな山と言いつつ、しっかりと登山届が用意されてました。標識も立派。山頂まで3.5kmなんで、まぁ比較的楽な行程か。標高差で言うと900m弱。

 

登山届提出して、クライムオン!

まずは沢に出るまでは平坦な道のり。時期はまだ8月、標高700m程の地点ですが、冷夏ということもあってかなり涼しい気温の中でのスタート。

 

10分くらいで沢沿いに。2回ほど沢を渡ることになるんだけど、これが水量が多いと結構渡るのに苦労するんで、前日の降水量とかは気にしておいた方がいいかも。浮石がチラホラあったので、ここは十分お気をつけて。

 

沢を渡ったあとはハシゴとか。ひん曲がったハシゴ、適当に垂らした感のロープ、放置された倒木、、、マイナー感があっていいじゃないか。

 

数回の渡渉。ツルツルの岩は勢いで乗り切るべし!変に慎重になるよりも安全かと。(↑自分、もたついてるけどもね。悪い例ってことで)

 

沢を越えて分岐を過ぎると、いよいよ急登開始。ここら辺はロープが垂らされていて、直登を一気に登る感じ。大雨の後は登山道が川と化す気がするので、注意されたし!

 

ここから山頂までは下りは一切なしの登り一辺倒。まぁ風がない分、暑くなってきたけど、時間もあるので標準タイムよりもかなりゆっくり進ませてもらいます。

 

ここら辺は頑張るしかない。我慢どころ。

 

標高1300m付近から徐々に展望が開けてくる。こうなればこっちのもんよ。

 

左に見えるのが目指す大源太山。ここからだと全然マッターホルンっぽく見えないけど、その姿を拝められるのは南側の稜線から。

 

それにしても久しぶりの気持ち良い青空!決行して良かったな、まさき先生。

このお決まりの紹介ポーズも、もう何度目だかね~。

 

負けじとどこかで見た図で応戦。目の前に広がる風景は新潟県。

 

展望開けたら尾根沿いを登っていく。相変わらずの登りが続くけど、登りルートに関しては特に危険箇所はなし。

 

ここまで来れば、後ろを振り返れば開放感抜群の展望!目の前に広がる山々は新潟県の名も知られていない山たち。

久しぶりの照り付ける日差しは、うれしい悲鳴か。

 

花の時期はだいぶ過ぎてしまったけど、この時期でもまだ見ることのできるのがこの白いホソバコゴメグサ。岩場にひっそりと咲く小さい花が健気で可愛い。8月中旬でもその群生を見ることができるので、癒しをお求めの際は足元に目を向けてみてくだされ。

 

ここまで来れば後は岩場を登って行くだけ。大源太山は標高1598m程しかない山ではあるけど、マッターホルンと言われるだけあって岩の山。ある程度登れば高い樹木も途絶えて森林限界の様相になります。

 

なかなかの高度感でしょ!急登を頑張ってきた甲斐があったってもんよ。

 

鎖場も登場するけど、登りのルートでは使う必要なし。何でこんなところに鎖設置されてるの?っていう感じでした。

上の写真は、少しでも臨場感出すために嫌々鎖を持ってもらった図(笑)

 

北側に見えてきたのが、日本百名山の1つ巻機山。雪渓、稜線、高山植物と、あの山もまた自分好みの名峰。紅葉時期にも登りたいし、近いうちにまた登るであろう山の1つ。

 

見えた山頂。ここから見るとあんまり岩山っぽく見えないけど、南の稜線を周回すればマッターホルンと呼ばれる理由がわかるはず。

つまり、絶対に周回ルートにすべきってこと。

 

ラストスパート。標高を考えれば贅沢すぎる展望をバックに登り詰める。

 

午前9時、大源太山山頂に到着。360℃の展望が見渡せる山頂。マイナーな山だからか、週末なのに貸切でした。

ゆっくり喋りながら休み休み歩いたので山頂までは4時間かかったけど、標準タイムは2時間40分なので、普通に歩けばもう少し早くつけるかと思います。

 

登ってきた西側の展望。新潟県湯沢町の街並み。スキー場がたくさんある地域なだけあって、夏のゲレンデがチラホラ。

 

登ってきた道と対面に見える大きい山が平ヶ岳。あの山は奥深くて避難小屋もテント場もないので、なかなかアクセスしづらい。百名山のうち、日帰りで登るには最難関クラスの山と言われてるけど、実は裏技で簡単に登れるルートもあったり、、、。

 

そしてこちらが南側の七ッ小屋山へ至る稜線。これから歩く道。痩せ尾根の稜線だけど、これがまた面白そうでテンション上がったわ。

右奥に谷川岳が見えるかと思ったけど、あいにく雲の中に隠れちゃいました。逆に左奥のとがった山は白毛門かな。こちらは快晴。

 

ちなみに山頂は傍から見るとこんな感じ。少しだけ降りてお仲間さん達を撮影。

もう少し離れれば岩山っぽく見えるけど、ここからでも山頂が開けてるってのがわかるでしょ。

 

逆に上から自分を撮ってもらったのが↓

こんな感じ。(自分がどこにいるかわかるかな?)

目の前に谷川の稜線を一望できる絶好の展望スポット。

 

しばし休んで七ッ小屋山へ向けて出発。ここから先は少しばかり危険な道になるので要注意。

 

稜線全貌。奥までずっと細い登山道が通っているのが見て取れます。

 

早々に地図でも危険マークが出ている鎖場に差し掛かる。

 

斜面が突然切れ落ちた岩壁。なかなか急な鎖場。

一人ずつゆっくり順番に下ってく。幸いほかに誰もいなかったんで焦ることなく下りれたけど、この手の鎖場って下ですれ違いを待ってくれてる人がいるときって、かなりやりづらいよね。。特に自分は岩場の下りが大の苦手なもんで、、、スマートかつスピーディーに降りたいけど、なかなかそうもいかないことが多い…。

 

まぁ、ここは余裕でしたけどね(キリッ!)

ただ、何でか途中で鎖がなくなるのが理解できなかった。最後まで垂らしてくれりゃいいのに、、って注文をつけつつ3点確保でしっかり下りました。

なんか下からは「7点確保になってんぞ!」みたいなヤジが聞こえたけど、気にしない。3点だろうが5点だろうが10点だろうが、手足、ひじ、膝、おでこ、あらゆるものを駆使して安全に降りればよし!

 

鎖と戯れた後は稜線ハイク!この両側が切り立った尾根道もスリルがあって、稜線フェチにはまたたまらないひと時でした。

 

そして、七ッ小屋山へ向けて歩く途中からぜひ振り返ってみてくだされ!

大源太山が上越のマッターホルンと呼ばれてる意味がわかるから。

 

はい、ドンとな!!!

登りルート側から見た姿とはまるで違う、迫力あるシルエット!

まぁ、マッターホルンって言うのは言い過ぎかもしれないけど、この山が標高1600m弱であることを考えたらすごいでしょ。

大源太山はこのアングルから眺めてこその山。これを見るために登ってきたからね。しっかり目に焼き付けた。

 

痩せ尾根を進んで行く。最初の鎖場以外は危険箇所はないんでご安心くだされ。このナイフリッジっぽいのも右から回り込んで通過できるし。

 

う~ん、、何度も振り返ってしまうこの尖がったシルエット。カッコいいわ!もう少し標高が高ければ絶対に名山に選定されていたであろう凛々しい姿だね。ホント穴場でした。

 

見どころはまだまだ続く。展望開けた稜線を歩いて七ッ小屋山へ登ってみてください。

そこでまた1つ魅了される展望に出会えるから。

 

11時、七ッ小屋山の山頂到着。七ッ小屋山は1674mなので、大源太山より高くなります。

故にここから大源太山を眺めると、、、

 

こんな感じで大源太山が目線より下に来てしまう。これだと迫力半減なので、マッターホルン感を味わうのであればぜひ途中の稜線上から眺めるべし。

 

七ッ小屋山山頂。ここは谷川馬蹄形ルートに含まれている山の一角。知名度で言えばただの通過点と思われがちだけど、この山からの展望がまた素晴らしいのよ。

 

それがこちら↓↓

谷川岳へ至る雄大な稜線!何度も言うけど、標高1600m程度でこの稜線美。谷川さん、なかなか侮れないです。

 

こちらは反対側の朝日岳、白毛門へ至る稜線。アップダウンがなかなかキツそうだけど、改めていつか歩いてみたいルートだと思った、谷川馬蹄形。紅葉時期にひっそりと狙ってます。

 

今回は谷川岳方面へ行き、大源太山登山口に戻る分岐点までの稜線を楽しむ。約1時間の道のり。アップダウンもなくて癒しの道。

 

途中には木道が敷かれ、池塘の周りにはお花畑。初夏の時期であればさらに魅力が増しそうな場所でした。

 

ホントいい道だなぁ~。馬蹄形日帰り踏破を目指しているトレランの方も数名いました。

 

所々藪漕ぎっぽくなるので、これだけ厄介。笹が刈り取られてたら楽に歩けるんだろうけど、この時は刈り取られてない場所があった。ここは雨上がりだと笹が濡れていてびしょ濡れになるので要注意。僕は一番最後尾を歩かせてもらってたので、被害最小限で済みましたが。。(楽してゴメンナサイね)

 

ひたすら続く緩やかな稜線。馬蹄形への憧れが一層強くなった瞬間でした。

 

谷川岳の展望が良い場所なんだけど、この日はあいにく谷川さんは雲の中。

残念だったけど、自分たちの場所はガスられてないだけ、ある意味こっちを歩いていて正解だったか。

 

谷川馬蹄形ルートとサヨナラする分岐点に到着。

 

少しの間だけだったけど、楽しかったよ谷川馬蹄形ルート。来た道を振り返ってみると左奥に大源太山、中央に七ッ小屋山が見えました。

 

ここからは馬蹄形を逸れて、謙信ゆかりの道へ。ここもしばらく稜線だけど藪漕ぎ多いので要注意。例によって雨上がりだとびしょ濡れになります。

最後尾だからあんまり濡れなかったけど、常に後ろにいて仲間を盾にすると当然ながらブーイング受けるので、率先して先頭歩くのをお勧めしときます( ̄▽ ̄)

 

こっちの稜線は本当に誰もいない静かな場所。シシゴヤノ頭までは展望のいい道が続く。

 

12時半、 シシゴヤノ頭に到着。ここから先は展望なき樹林帯がひたすら続くので最後に見納めしときましょ。

 

雲に包まれつつある大源太山。これはこれで幻想的な風景。厳かな鋭鋒の雰囲気感じられた。

上越のマッターホルン、予想を上回る楽しさでした。ありがとさん!たぶんまた来ます。

 

岩場、鎖場、稜線、木道、湿原、大いに楽しませてもらって下山。

 

この満たされた気持ちをキープして終われたら良かったんだけど、最後の下山で痛い目見ました。。

地図によると「ジグザグ道だが歩きやすい」なんて書いてあるけど、所々荒れ果ててた。何より展望ないし雨も降ってくるしであまり良いことなかったので、足元に目を向ける。

 

名前もわからないキノコたち。なぜかこの下山道はキノコが豊富で色々な種類を見ることができました。

 

2時間半ほどひたすら下りに下って、ようやく終わりが見えてきた。

 

14:50、登山口駐車場に帰還。スタートが5時だったから、約10時間近くも歩いていたのか…。

標準タイムよりは大幅に遅れたけど、久しぶりの青空の下、ゆっくり展望味わいながら歩かせてもらったので満足!下山後の温泉は越後湯沢駅内のぽんしゅ館で済ませました。

謎に満ちていた上越のマッターホルン、大源太山。何もかもが期待以上でした。

 

トップ画像にも使った尖った山のシルエットというのは知ってたけど、そこから伸びる稜線、急な鎖場、適度なスリルがあって本当に楽しめました。この岩稜からの展望は低山とは思えない圧巻の光景よ。

 

もう1つの魅力としては、七ッ小屋山からの優雅な稜線と木道・湿原かな。序盤の岩稜との対比がまた魅力的で、こうしてボーっと眺めたくもなるってもんさ。

 

谷川連峰といえば、主峰の谷川岳、その脇を固める白毛門、朝日岳、平標山、仙ノ倉山あたりが有名どころだけど、この大源太山もぜひ覚えてやってください。馬蹄形に含まれてないが故に、日の光を浴びないのはあまりにも勿体ない山だから。

公共交通手段だけでも行ける山なので、おススメさせてもらいます。

 

岩場、鎖場、稜線、湿原、木道、季節によっては高山植物あるいは紅葉と、低山としては十分すぎるスペックを備えた大源太山。

有名どころはもちろん登っておきたいけど、また1つこういうマイナーな山に出会えて良かったです。

 

谷川連峰の隠れた名峰、上越のマッターホルンこと大源太山―――

 

おしまい

 

 

【日程】

2014年8月24日 晴れのち曇りのち雨

【コースタイム】

登山口(5:00) — 分岐点(5:30) — 大源太山(9:00) — 七ッ小屋山(11:00) — 分岐点(11:50) — シシゴヤノ頭(12:30) — 登山口(14:50)

 

 

 

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