電車とバスを使って那須岳の朝日岳~三本槍岳を日帰り登山してきました。
那須ロープウェイ乗り場からスタートして北温泉へ下山。山頂や稜線からの眺めはもちろん良かったですが、特に素晴らしかったのがシロヤシオ!
マウントジーンズ那須に見事なまでの群生が広がっていて圧巻の光景でした。今年のシロヤシオは当たり年だったようです。
2023年はシロヤシオの当たり年。
5月に入ってから各地で開花情報が流れてきて、その咲きっぷりがとにかく凄まじい。自分もこのビックウェーブに乗らなければと思い、日光や西丹沢を狙っていたところ、ふと見つけたのが那須マウントジーンズ。
シロヤシオの群生地の一つで、まだ歩いたことのないコースを巡れそうだったので5月下旬に行ってきました。
2023年5月25日 那須岳 シロヤシオ登山
那須岳は観光地でもあるので、公共交通機関が充実しているのが嬉しいところ。
山自体も結構な回数登っていて、好きな山の1つです。
何回目かの利用になりますが、いつも通り那須塩原駅から那須ロープウェイ行きのバスに乗車します。
平日だったのでガラガラでした。
終点の那須ロープウェイに到着。
これに乗れば茶臼岳まで簡単に登れてしまいますが、今日は茶臼岳はスルー。ロープウェイには乗りません。
こちらの鳥居の登山口から入山。
那須岳登山の良いところは、展望の遮られた樹林帯区間が少ないこと。
最初こそ森の中を歩きますが、すぐに視界が開けます。
こんな感じで瞬く間に火山帯に突入。この荒涼とした風景がたまらんのです。
右奥の稜線に見えている小屋がまず目指すところ。
登り始めて30分もしないでこの景色なんだから、那須岳はやっぱりすごいです。
少し登るだけで絶景に浸れるお手軽な山。味気ないという人もいるかもしれませんが、自分は好きです。楽して登れるならそれに越したことはない派。
峰の茶屋避難小屋に到着。
稜線の鞍部に建てられた無人の避難小屋。強風が吹くことで有名で、登山口は無風でもここに来た途端に爆風、なんていうミラクルも良くあります。
この日は微風で、嬉しい反面どこか物足りなかった。
こちらが避難小屋から見た茶臼岳。
往復1時間程度で登れますが、もう何度も登っているので今日はスキップします。
お目当ては下山時のシロヤシオ。良いのか悪いのか、そこに早く辿り着きたい欲が強かったです。
反対側が朝日岳方面。
こちらに進んで行きます。
朝日岳に向かう途中、必ず目にすることになる剣ヶ峰の突き出た巨岩。
尖ってます、すごく尖ってます。
歩いてきた道も方面を一望。
火山帯に沿って道が敷かれているのがはっきりと見えてます。
この日は午前中が曇り空でしたが、高曇りだったので視界は良くて遠くの山々まで見渡せました。
朝日岳が近づいてくると、黄色い砂地のアトラクションゾーンへ。
いかにも火山という感じの砂と岩の登山道が続きます。
手すりも設けられてよく整備されているので、危険個所もほとんどありません。
ここら辺の歩きやすさも、那須岳が人気の理由の1つなんでしょうね。
ガレ場を経て本日最初のピーク、朝日岳に到着。
山頂はそこまで広くはないですが、360℃の絶景を望むことができます。
そして誰しもが目を奪われる景色がこちら、茶臼岳の展望!
上から見るとよくわかる、綺麗な富士山型の三角形。これぞ火山という風格しています。
写真で見ると見下ろしている感じがしますが、実際は朝日岳よりもあちらの茶臼岳の方が標高が高いという……目の錯覚か?
反対の北側の展望。
正面の右下へ続いている尾根が下山時に歩く中の大倉尾根ルートです。
あそこが今回初めて歩いた区間でしたが、あちらからの展望も凄かったです。
朝日岳山頂にいた小さいお地蔵様。
ミニチュアの鳥居と合わせて可愛いですね。
来た道を少し戻って、お次は三本槍岳へ。
ここから先の稜線区間も楽しいところで、東北界隈の山がどんどん見えてきます。
左奥に見えている雪山は飯豊山かな。5月でも真っ白です。
三本槍岳方面へ行くと、植生も少しずつ変わってきます。
先ほどまでの火山帯エリアに比べるとやや緑多め。展望の良さは相変わらずです。
振り返って見る朝日岳と茶臼岳。
改めて茶臼岳の存在感は強烈です。
那須岳は一般的には茶臼岳、朝日岳、三本槍岳の総称。最高峰はこれから行く三本槍岳ですが、主峰はあの茶臼岳になります。この先、どんどん見えなくなってしまうので、ここら辺で存分に堪能しておきましょう。
しばらく歩くと木道が敷かれた湿原が出てきます。ここが清水平。
木道箇所は歩きやすいのですが、その先が泥濘ゾーンになるので滑らないようにお気を付けください。
道も細くて、すれ違い困難な箇所もあります。混雑時は渋滞発生ポイント。
ようやく見えてきた三本槍岳。
「槍」というシャープな名前とは裏腹に、全然尖っていない山容をしています。
今現在、冬に登りたい山の1つです。
シロヤシオ登場はもう少し先ですが、ここら辺はミネザクラがたくさん咲いていました。
ツツジと開花シーズンが重なる、山の上に咲く桜です。
こうして11時少し前に三本槍岳に到着。登山口から3時間弱でした。
標高1917mは那須岳の最高峰です。
北へ北へと歩いてきたので、福島~山形方面が特に良く見えます。
目を惹くのが正面に見えている尖った山。あれが那須のマッターホルンとも呼ばれている甲子旭岳です。
雪を被ったらさぞ存在感あるでしょうね。冬の雪山登山に余計来たくなりました。
もう1つ目を惹くのが、こちらの西側に延びている稜線。
流石山~大倉山~三倉山と続く、いかにも東北の山という穏やかな稜線で、あそこも歩きたいところの1つです。
夏のニッコウキスゲが有名なので、その時期に歩くのが良いかもしれません。
三本槍岳まで来ると、茶臼岳は頭頂部がわずかに見える程度。
スタート時の荒涼とした風景から比べると、だいぶ山の雰囲気も変わりました。
山頂はこんな感じでかなり広いです。
三本槍岳はこれから向かうマウントジーンズ那須スキー場から登ってくる人も多いので、平日でも賑わってました。
お昼休憩後は歩いてきた道を戻って、湿原手前の分岐を北温泉方面へ行きます。
入山口とは別方向へ。公共交通利用だとこれができるのが最大の強みです。
ここから先は初めて歩く区間でしたが、展望がとにかく素晴らしかったです。
特にこのスダレ山付近からの眺め!
那須連峰のダイナミックな景観を味わえる絶好の展望スポットになっていました。このルート、おすすめです。
シャクナゲもたくさん咲いてたよ。
中の大倉尾根を下って那須マウントジーンズスキー場へ。
こちらの道もよく整備されていて、非常に歩きやすかったです。
昼を過ぎても登りに来る人が多く、軽くシロヤシオの状況を聞いてみたけど「すごかったよ!」という声多数。よくぞ聞いてくれたとばかりに、凄まじい咲きっぷりを解説してくれました。
期待しちゃうじゃないかっ!
標高を下げて樹林帯へ。
そして、やってきた本日のメインイベント。
シロヤシオ(ゴヨウツツジ)のご登場!
樹林帯に入っていきなり満開ラッシュだったのがビックリでした。
進めば進むほどシロヤシオの数が増えて、真っ白なトンネルが出来上がっています。
タイミングとしてはちょうど見頃で、間違いなく当たり年だなという規模の群生が広がっていました。
純白の花がとても綺麗。
光に照らされた輝きと陰影がセクシーです。
中大倉山に到着。
ここまで来れば観光客向けの遊歩道も用意されていて、登山装備がなくてもシロヤシオを楽しめる場所になっています。
遊歩道の周りも凄い!シロヤシオの群生の規模がさらに増してきました。
例年以上に咲いているのは当然ながら、ここまで一斉に開花するのも非常に珍しいんだとか。
気候によるものなのかはよくわかりません。全国のシロヤシオが示し合わせたように咲くっていうのが不思議ですね。どこの名所も今年は当たり年だったようです。
途中にあったのが「黄金のゴヨウツツジ」。
マウントジーンズ那須が推す、シロヤシオ遊歩道にある1つの名所です。
黄金という名の通り、やや黄色がかっていてこの樹だけ花の色が違います。
開花はシロヤシオよりも少し遅いようで、満開までもう間もなくという感じでした。
スキー場までシロヤシオの森が続く。
途中にシロヤシオの合間から茶臼岳が見えるポイントがあるので探してみてください。
スキー場のゲレンデトップに到着。
エヌエーエスユー、NASU!
シロヤシオシーズンはマウントジーンズ那須のゴンドラが動いているので、これを使えば誰でも簡単に見に来ることができます。
ゴンドラ乗り場には山頂カフェがあるので、休憩するには最適。ドッグランもあって、ワンコも多かったです。
スキー場に用意されている展望デッキ。
本日の締めに相応しい景色が広がっていました。
茶臼岳と朝日岳、眼下にはシロヤシオ。
この時期の那須岳はあまり狙ったことがなかったですが、ツツジのシーズンも猛烈にお勧めしたいです。
登山としての面白さがあって、シロヤシオの群生も半端ない。公共交通でのアクセスもいいので、これはきっとまた来ることになります。
マウントジーンズ那須は残念ながらバスがないので、もう少しだけ歩きます。
遊歩道から続く登山道に入って北温泉へ。
この区間は人が全然いなかったですが、歩きやすくて迷うようなポイントもなかったです。
何よりここら辺もシロヤシオの群生がずっと続いていて、もうこの1時間ほどで見飽きるくらい見た感じです。
こうして北温泉に下山完了。
初めて訪れたレトロな温泉旅館。せっかくなので入っていきます。
建物の中も昭和の雰囲気漂う、どこか懐かしさを感じる素敵な空間。
タイムスリップしたような不思議な感覚でした。
温泉も凄くレトロな感じでした。
天狗のお面が印象的な源泉かけ流しの温泉。洗い場やアメニティの類は一切ないですが、これぞ秘湯という感じで凄く良かったです。
誰もいなかったのでのんびり入れました。
北温泉から北湯入口バス停までは30分くらい車道を歩くことになるので、そこだけお気を付けください。
バスに乗って那須塩原駅へ帰還。那須岳登山が無事に終わりました。
最初から最後まで見所豊富で本当に楽しかったです。
初めて歩いた中の大倉尾根からの展望が新鮮で、那須岳にはまだまだ面白いところがあるなぁ~と一層好きになれました。
そしてマウントジーンズ那須のシロヤシオ。
かなり広範囲に渡って群生が広がる凄い場所でした。紛れもなくツツジの名所の1つなので、ぜひ行ってみてください。
【日程】
2023年5月25日
【コースタイム】
8:20 那須ロープウェイ
8:35 峰の茶屋登山口
9:40 朝日岳
10:55 三本槍岳
13:00 マウントジーンズ那須
13:50 北温泉
15:00 北湯入口バス停
コメント
いつも拝見させていただいています。2023.10.7の朝日岳での4人遭難は痛ましかったですね。峰の茶屋避難小屋のところで書かれているようにもともと風が強いところなんですね。
Ochityさん、コメントありがとうございます。
遭難事故の件は私もニュースで見ました。朝日岳あたりの稜線は風の通り道で強風になることが多いですね。樹林帯もないので逃げ場がないのも辛いところです。
これから紅葉シーズンでどんどん寒くなってくる季節なので、私も気を付けて行きたいです。