福島の「安達太良山」「磐梯山」「西吾妻山」。
いずれも日本百名山に選定されている名峰であり、冬の雪山登山としても人気の高い山たち。
お互いすぐ近くに聳えている山ながらもその山容は三者三様で、雪を纏った冬の時期でも見れる景色はまるで異なります。
雪山ということで安易にお勧めはできないですが、素晴らしい景色がそこにはあります。
冬の雪山登山。危険でもあるけれど、どこか憧れる山の上の白銀世界。
一口に雪山と言ってもその難易度は様々で、とりあえず最初は入門編から始めてみる。
初心者にお勧めの雪山を探してみると、北横岳とか入笠山とか赤城山とか黒斑山とか……、どうやらそこら辺が入門らしい。
そういった山々に登ってみて、あぁ、雪山って面白いなぁ、と。もっといろいろ登ってみたいなぁ、と
少しずつ標高も上げていき、山域も拡大。やがて探す山が東北へと向かい、そこで登場してくるのが「安達太良山」「磐梯山」「西吾妻山」。
知名度、人気共に抜群の福島の名峰三兄弟です。
この3つの山に共通するのが、1年を通して多くの登山者に登られているところ。特に西吾妻山なんかは冬の方が登られてるんじゃないかってくらい、雪山登山として人気の高い場所です。
今回はこの3つの山の冬の姿をご紹介。
安達太良山
まずは安達太良山。危険個所が少なく、比較的登りやすい東北の雪山として知られています。
この山の魅力は何といっても、山の中腹にある「くろがね小屋」。通年営業の山小屋なので1泊2日で登ることができ、なおかつ温泉も兼ね備えているので、秘湯と雪景色を贅沢に味わいながらの雪山ライフが楽しめます。
自分は過去に3回、冬の安達太良山に登っていますが、いずれも日帰りだったのでくろがね小屋には泊まったことがありません。人気がゆえに週末は速攻で満室になるので、そもそも予約を取るのが困難。
天気を見定めて直前まで粘る余裕もなさそうなので、晴れは期待せずに小屋泊を楽しむと割り切って予約を取ってしまうのが良いのかもしれません。
雪景色については、やっぱり山頂の大火口!夏は荒涼とした風景が広がる火口が、冬ともなれば一面凍結して、まるでスケートリンクのような摩訶不思議な世界が広がっています。
安達太良山は特に風が吹き荒れる山としても有名なので、この火口を見るためには防寒対策はもちろん、コンディションの見極めは必要。台風並みの暴風もザラではないので。
麓にスキー場があるので、登山口までの道路も除雪されていて交通アクセスの面でも良好です。(ただし、ゴンドラは冬季は運休しているので利用できません)
磐梯山
続いては磐梯山。麓から山を眺めた時に、一番カッコいいシルエットを見せてくれるのがこの山。
個人的な感想ですが、3つの中で雪山登山としての難易度が一番高いのはこの磐梯山かなと思います。冬季の入山者も、安達太良山や西吾妻山に比べると少ないです。
タイミングにもよりますが、自分が登った時には山頂直下の弘法清水小屋あたりからラッセル続きで結構な体力勝負になりました。
自分が登ったのは裏磐梯スキー場からのルートだったのですが、この山のハイライトは何といっても稜線に上がってからのこの景色。雪を纏った磐梯山がカッコ良すぎるって!
正直なところ、登頂よりもこの景色を見たいがために登ってきたようなところがあります。櫛ヶ峰側の稜線からの磐梯山、本当に惚れ惚れします。
特に自分はこの雪山に登る半年前の夏にも訪れていたので、景色の対比も合わせて楽しめました。
山頂からは猪苗代湖や近隣のスキー場を一望できるのですが、この日はダイナミックな雲海も見応えありました。
隣にそびえる櫛ヶ峰もなかなかの存在感放っているので、ぜひ見てほしいポイントです。
降雪直後だったので樹氷も綺麗で、雪山で見たい景色が全部詰まっているような山行でした。
ちなみに磐梯山はスノーシューハイクとしても有名で、冬はイエローウォールという黄色く凍った滝を眺められるポイントがあります。
自分が訪れた時は、まだ途中の池が完全凍結していなかったのでイエローウォールまでは行けなかったのですが、雪山ハイキングとして山頂ではなくこちらを目指すのも大いにありだと思います。
麓にはスキー場があるので、営業時間内であればスキー場のリフトを活用することもできます。
西吾妻山
吾妻連峰の最高峰・西吾妻山。この山も火山ですが、安達太良山や磐梯山とは毛色が大きく異なります。
前者2つはどちらかと言えば火山特有の岩々しい雰囲気が強い山でしたが、西吾妻山の特徴は何といっても樹氷・スノーモンスター。
冬に一度は見ておきたい雪のおばけ「スノーモンスター」。(アイスモンスターとも言われるけど、自分はスノーモンスター派)
山肌に立ち並ぶ樹々が一面凍結して、大きな雪のオブジェとなって乱立する光景はまさに異世界!本当に感動ものです。
自分は過去に2回冬の西吾妻山に登ってますが、2回登っても感動したし、また登りに行きたいとも思っている山です。
これほどの樹氷群を見れる山というのは国内には限られていて、有名どころで言えば他には八甲田山、蔵王山、森吉山とか。
全国各地のスノーモンスターの聖地に登ったわけではないですが、この西吾妻山に関してはそこそこ晴天に恵まれるチャンスがある山だとは思っています。
ここ数年、温暖化の影響なのかスキー場の雪不足が叫ばれている中で、スノーモンスターというのもなかなか育たない状況にはなってきています。
考えたくはないですが、もしかしたら数年後にはこれほどの樹氷群にはお目にかかれなくなる・・・なんてことにもなりかねないので、毎年冬の時期は隙あらばスノーモンスター狩りに繰り出したいと思っています。
冬の西吾妻山はグランデコスキー場か天元台スキー場から登るのが一般的ですが、どちらもスキー場のゴンドラ・リフトを活用できるので、高低差は文明の利器である程度稼げます。
山容が穏やかななのでピッケルは不要ですが、スノーシューかワカンは必須。モフモフの雪との格闘も楽しみながら登りましょう。あと、稜線がかなり広大なので、ガスった際の道迷いは要注意。
こんな感じで近くにありながらも三者三様の安達太良山、磐梯山、西吾妻山。いずれも麓にスキー場があるので、冬場でもアクセスしやすいという点が人気の理由なのかもしれませんね。
すでに雪山登山として何度も訪れてはいますが、この3つは今後とも通い詰めたいと思っております。
福島の名峰三兄弟、冬の景色のご紹介でした。
おしまい。
コメント
雪山、未経験の者です。
PEAKS(かな?)に安達太良山は道迷いしやすいとあったんですが、どうでしたか?
GPS的なやつは、持っていきましたか?
Kindergartさん、こんばんは。
GPSは持って行きましたが、安達太良山では確か使わなかったです。
ただトレースがないと、序盤の勢至平あたりは少し迷うかもしれません。
こんにちは。
素晴らしい雪景色をありがとうございます。
僕は冬の安達太良山と西吾妻山には登りに行ったことがありますが、いずれも本当に良かったです。
また雪山の記事楽しみにしています。
ろっぴさん、こんばんは。
安達太良山と西吾妻山、近くにありながらも見れる景色がまるで違うのが面白いですよね。冬の時期でも比較的登りやすく、何度も行きたくなります。