都内近郊の陣馬山~景信山~高尾山を縦走登山してきました。
東京でも雪がちらついた週末、山の上はしっかりと降り積もっていて、明け方の陣馬山ではまさかの霧氷風景を見ることができました。
ここが東京というのを忘れさせるほどの雪景色!そりゃ~もう最高に美しかったです。こんな綺麗な陣馬山は初めてでした。
タイミングが合えば高尾山界隈でもこれだけの風景に出会えるんですね。
1月の真冬シーズン、今年は暖冬少雪と言われながらも、東京で雪マークがついたのは1月18日。ちょうどセンター試験の日です。
翌19日が休みだったので、東京在住の自分にとっては最も手軽に行ける陣馬山~高尾山を思いつきで行ってみましたが……
もう本当に素晴らしかったです。決行して良かったと心から思えた山行となりました。
陣馬山山頂の霧氷天国。ここは本当に東京か!っていうくらいに立派な雪山になっていました。
陣馬山でも降雪直後を狙えばこれだけの風景が待っているんだから、登山ってのはやっぱり面白いです。
2020年1月19日 陣馬山~高尾山 雪山ハイキング
世の中の高校生たちにとって勝負の日でもある大学入試センター試験日。
少雪の冬のくせに、何もこんな日に限って降らなくてもいいじゃないかって気もしますが、降っちゃったんだから仕方ない。受験生に心の中でエールを送りつつ、私は早起きして高尾へと向かいます。
ちなみに、もう何年も前ですが、自分がセンター試験を受けた日も東京で雪降ってました。このセンター試験の雪の呪縛、何なんでしょうね。
朝6時半、まだ夜明け前の高尾駅。
これでも5時起きで間に合っているんだから、やはり都内からのアクセスは抜群です。
今回は陣馬山~景信山~高尾山の順で裏高尾を縦走するので、ここからバスに乗ります。
乗るのは陣馬高原下行きのバス。朝6時55分に第1便があるので、それに乗車しました。
降雪直後の雪山を狙おうって考えの人はやっぱり多くて、バス停も結構列ができていました。
バスに40分ほど揺られて、7時30分に陣馬高原下バス停に到着。
下りた途端に待っていたのがこの雪景色よ。加えて、朝の冷気がこもって雪国のような寒さ。
ここは本当に東京ですか?
バス停からはしばらく道なりに道路を歩いていきます。
アスファルト舗装の道は部分的に凍結していてツルツル。結果的にこの日はアイゼン使わずに歩き通せたのですが、朝一のこの林道歩きが一番滑りそうでした。
普段ならさっさと通過するこの序盤の林道歩きも、この日に限っては周囲の景色に目を奪われる。
樹々が真っ白く凍り付く綺麗な霧氷をこの段階で見ることができました。朝の凛とした空気感と合わせて、モノクロの景色が美しい。
しばらく歩いていくと左手に登山道入り口が見えてくるので、そこから入山。
登山道に入った瞬間はいったん雪がなくなりましたが……
それもものの数分で雪道に変わりました。
まだこの段階では大した積雪量でもないので、スイスイ登れます。
しばらくは樹林帯の中を黙々と登っていくことになりますが、静かな森の雰囲気も心地よい。少しずつ光が差し込んでくる感じも心地よい。
過去に何度も歩いたことがある道なのに、雪があるってだけで全然気分が違う。
山の上の稜線が見える頃になると、雪もだいぶ深くなってきました。
新雪モフモフなので、登る分には軽アイゼンは不要。チェーンスパイクを一応持ってきてましたが、使うことはありませんでした。
そして山頂が近づくにつれて、周囲を取り巻く景色は一面真っ白に。
完全な雪山へと変貌しました。
そして待っていたのがこれよ!煌びやかに輝く霧氷風景!
陽が当たればなおさら綺麗。
明け方の寒い時間帯にだけ見ることのできる繊細な雪の結晶です。
青空の下で見ると霧氷も一段と美しい。
白い花が咲いているみたいだな~
ここら辺までは一気に登ってきましたが、この霧氷天国に飛び込んでからは景色を見るのに忙しく、足が全然前に進まない。
ホントすごいわ……
パッとこの写真を出されても、とても東京都は思えない雪景色。
これ陣馬山なんだぜ。
裏高尾でもこれだけの景色が見れちまうんだぜ。
樹氷に差し込む神々しい光がまた美しき。
都心では前日はほぼ雨でしたが、山の上はしっかりと雪が降り積もっていてくれました。
視界が開けて樹氷の森を見渡す。
めったに見れない陣馬山の雪景色。さっきから綺麗、綺麗しか言ってないけど、本当に綺麗でした。
スタートして1時間ほどで山頂に建つ富士見茶屋に到着。
まだ朝の8時半ということで営業前でひっそりとしていました。
そしてこちらが陣馬山山頂。
陣馬山の山頂と言えば、シンボルともいえるこの白馬が有名ですね。
天に向いてそそり立っておりますが、あんまりこの馬について語りすぎると下ネタっぽくなるので自重します。
陣馬山のシンボルでありつつも、その見た目に賛否両論巻き起こす異端児です。
馬はさておき、山頂は御覧のような雪景色!
一面真っ白い雪に覆われて、山頂周辺の小屋の屋根にもしっかりと積もっていました。
積雪10cm以上はあったかな。
吹き溜まりのところは膝まで埋まるくらいのモフモフワールドでした。
周辺の景色もすごくって、どの山も小麦粉をまぶしたかのように山肌が白くなっていました。
今日は大月の秀麗富嶽と迷ったんだけど、大月の方も雪がしっかり積もっているようで。本日の東京近郊はどの山も大当たりでしょうね。
そしてこちらが山頂から眺める富士山。
御覧のように、陣馬山からは富士山の展望も抜群で、裾野までしっかりと見ることができます。
さらに今日は手前に霧氷というオプション付き。
空気も澄んで一面の青空、素晴らしい景色じゃないかっ!
さらに視線を右の方にずらしていくと、奥の方に真っ白い山並みが見えるはず。
こちらは南アルプスの3000m峰、左が赤石岳、右が悪沢岳。
ひときわ白く輝いているので、ここ陣馬山からでもはっきりとその姿を捉えることができます。
こちらは南側の展望。右奥に見える山は丹沢エリアの山々。
おそらく今日の丹沢はものすごい賑わっているでしょうね。大山あたりもしっかりとした雪山になっていたようです。
さらに肉眼では丹沢の左奥あたりに海も見渡せます。都心からほど近い山でも、その展望は侮れない。
まだ朝の8時30分過ぎ。やや急ぎ目で登ってきた甲斐あって、明け方限定の綺麗な霧氷を見れて満足です。もう今日はやり切った感が強く、山頂でゆっくり休憩します。
続々と登山者が登ってきますが、それでもまだ10人ちょっとで静かなもんでした。
富士山を眺める陣馬。
陣馬のぷりっけつを眺める俺。
山頂で休憩している間に清水茶屋が早くも営業開始してました。
朝から雪かきしていて、ご苦労様です。
陣馬そばが名物の1つになっているので、良ければどうぞ。
富士山と南アルプス
ダイヤモンド陣馬
最高にクールな白馬の姿がこちらでございます。
まだ登山を始めて2時間も経ってないけど、陣馬山単体でだいぶ満足してしまいました。
このまま下りても良かったけど、稜線もしっかりと雪が積もっていたので予定通り高尾山まで歩くことにしました。
ここから裏高尾縦走路に入ります。
陣馬山から高尾山まで縦走するとなると20km弱の長丁場になりますが、道は平たんな箇所が多いので日帰りでも十分歩くことができます。
とはいえ、今日は雪がありますが、先行者もいてトレースはバッチリついていました。
何より今日はこの霧氷天国よ!
これがあるだけで、縦走ハイクの楽しさが数段増す。もう何度も歩いている道なのに、こんな景色は初めて。
エビのしっぽ
西側の展望が開ければ、そこにはいつでも富士山。
実際のところ、霧氷に関しては陣馬山周辺が一番綺麗でした。
陣馬山山頂周辺は枯れ木が多いので、霧氷に適した山なのかもしれないですね。
低山で雪が溶けるのは早いので、霧氷目当てであればなるべくスピード重視で登るべし。
もう何度目かの裏高尾縦走ルート。
まずは景信山を目指します。
ここからは樹林帯も多くなってきますが、平たんで歩きやすい道が続きます。
展望がさえぎられても、森に差し込む光が幻想的で美しい!
写真ではあまりわからないですが、風に舞って落ちてくる雪がダイヤモンドダストのように輝いて、こんな光の筋が至る所で見れました。
樹々の合間からも富士山。
霧氷のフレームにしっかりと収まっています。
ひたすら雪の稜線が続く裏高尾縦走路
しばらくすると明王峠に到着。
ここの茶屋さんはいつも閉まっている気がするけど、営業していことはあるのだろうか……
明王峠からもこんな感じで木の合間から見事な富士山を拝むことができます。
雲一つない見事な青空の下で、富士山が輝いておる。
さらに稜線を進んで行く。
写真には映っていないですが、こんな雪道にもかかわらずトレランの人は平常運転の模様で、たくさんの人が走りぬいて行きました。
森に入れば再び神々しき太陽の光がっ!
こんな幻想的な高尾は初めて。
日陰に入れば樹氷ロードと化し、とても裏高尾とは思えない雪景色が続きます。
降雪直後を狙えば、これだけの景色が見れるんですね。
陣馬山から1時間ちょっとで景信山に到着。
高尾山と陣馬山の中間地点にある山。ここも展望が良くて人気の高い山になっています。
ここの茶屋の名物はなめこ汁。ご賞味あれ。
こちらが景信山山頂からの展望。
陣馬山よりも街に近づいたので、東京都心の展望を大パノラマで見渡せます。
空気が澄んでいるときはスカイツリーも見えます。この日も、新宿の高層ビル群は肉眼で良く見えました。
楽しかった雪山登山も景信山までで、ここから先は日中に差し掛かって気温も上昇。雪も一気に溶けだして、地面はグズグズ、頭上からは雨が降っているかのような雪解け水が滴り落ちる。
レインにザックカバーと、晴れているのに雨具装備で進みました。
こちらは小仏峠の有名なタヌキ。
雪をかぶってご満悦でした。
小仏と言えば、この足元にはあの中央道の渋滞の諸悪の根源でもある小仏トンネルが通っています。
さらに進んで城山に到着。
時刻は11時40分。この時間になるとすっかり暖かくなって、半そででちょうどいいくらいでした。
昼に差し掛かるので、この城山は団体客も多くかなり賑わってました。山頂はベンチがたくさん置いてあって、かなり広いです。
城山と言えば、この天狗様ですね。
いかつい顔の割に、頭に可愛い雪だるま乗せられてました。
城山からも富士山。
この後、富士山方面に雲がかかってしまったので、富士山はこれが見納めとなりました。
陣馬山、景信山、城山と来て、最後の高尾山目指してさらに前進。
部分的に凍結している箇所もありましたが、結局チェーンスパイクは履かずに歩き通せました。
どこかの誰かが作った雪だるま
高尾山が近づくと、もう雪道も終わって、道は泥濘激しいグジョグジョなコンディションに。
水たまりを避けて歩くのに必死でした。
転んだらもう最後。
12時20分、高尾山に到着。
もう人生で何度目かの登頂。例によって、ここはいつ来ても混んでますな~
このコンディションの中、普段着&普段靴で来ている人もいたけど、ある意味凄いわ。どうしたって泥だらけになりそうなもんだけど。
人ごみを避けるべく、高尾山からはそそくさと稲荷山コースで下山。
ここも終始泥濘が激しい道でしたが、その分空いていたので、個人的には歩きやすかったです。
こうして13時20分、高尾山口に下山完了。
最後は雪解け後の泥濘道で、終わってみれば靴とズボンが泥だらけになりました。高尾山口駅に靴洗い場があるので、そこで汚れを落としていきましょう。
自分はいつものように、ここから高尾駅まで20分ほど歩いて中央線に乗って帰りましたとさ。
こんな感じで、いつもの裏高尾とは一味違う景色が見れた1日となりました。
数年前に大雪直後の高尾山には登ったことがあったけど、今回のような霧氷風景を見れたのは初めてで本当に感動しました。
東京都心からも電車とバスだけで気軽に訪れることができる陣馬山、高尾山。降雪直後を狙えばこれだけ美しい景色を見ることができます。
この霧氷天国、早起きして見に行く価値は大いにあるので、冬の陣馬山~高尾山も大いにお勧めです。
【日程】
2020年1月19日
【コースタイム】
7:40 陣馬高原下バス停
8:40 陣馬山
10:40 景信山
11:40 城山
12:20 高尾山
13:20 高尾山口(稲荷山コース登山口)
コメント