冬の乗鞍岳(北アルプス) 位ヶ原山荘泊 雪山登山

冬の乗鞍岳(北アルプス) 位ヶ原山荘泊 雪山登山

3月の最後の週末に北アルプスの乗鞍岳へ行ってきました。

標高3026mの高山ですが、日本の3000m峰の中では積雪時でも比較的簡単に登れる乗鞍岳。もちろん登るには本格雪山装備が不可欠ですが、厳冬期をはずして麓では桜も咲き始めた3月末。登っている間は半袖でも十分なほど暖かく、快適な雪山登山となりました。

乗鞍岳なら冬でも日帰りで十分登れますが、今回は公共交通手段で行ったので、ゆっくりと山小屋泊。「位ヶ原山荘」という冬季でも営業している山小屋があるので、そこに泊まりました。(鹿鍋が有名!)

流石の北アルプスなだけあって、近隣の槍~穂高連峰が良く見えた!そして山頂からは今なお噴煙を上げ続けている御嶽山…。今シーズンの雪山の1つの締めとして、色々な思いに浸りながら登ってきました。

 

冬の乗鞍岳、雪山登山―――

 


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昨年末の浅間山からスタートした今シーズンの雪山登山。金峰山上州武尊山宝永山蔵王山伯耆大山などなど、、、今年は例年以上に天気に恵まれて、大層遊びつくすことができた冬の山。

正直なところ伯耆大山の遠征登山が大成功で終わったので、雪山に関しては十分満足だったんだけど、、、

ただ1つ頭の片隅に残っていたのが、「雪のシーズンに一度は北アルプスに入っておきたいな」という欲張り願望。

天使か悪魔か知らんけど、行けるときに行っとけって言われた気がしたので、3月の最後の週末に北アルプスに乗り込んできました。

 

標高3026m、北アルプス乗鞍岳。今年初の北アルプスにして今年初の標高3000m超え。

時期としては厳冬期を過ぎているけど、標高3000mはまだまだ雪と氷の世界で、アイゼンピッケルが欠かせない領域。今シーズンの1つの締めとして、北アルプスの名峰を歩き、拝んできました。

 

しばらく続いた雪山登山も、今シーズンはこれで一区切り。

 

~~ 2015年3月28~29日 乗鞍岳(位ヶ原山荘泊)1泊2日登山 ~~

記事が前後するけど、前回アップした三毳山の4日前、3月27日夜。各所で桜が開花し始め、徐々にお花見シーズンを迎えつつあるこの日、雪山へ乗り込む前に都内の桜の名所へ。

六義園のしだれ桜。

ライトアップされたこのしだれ桜は、都内有数のお花見スポット。しだれ桜はソメイヨシノよりも開花が早いので、一足先に3月下旬には満開を迎えます。

 

都内に住んでいながら六義園は初めて来たけど、心落ち着かせるにはいい場所でした。桜だけでなく、ライトアップされた庭園が素敵空間を演出してた。

仕事帰りのリーマンなどで19時以降は激混みになるので要注意。日没前に入園しておくと比較的スムーズに入れます。

 

この六義園についても別で写真載せられたら載せるとして、こっから本題。

北アルプスの乗鞍岳へ。

桜から雪山へ季節を逆行してやんよ!!

 

登山装備で夜行バスに乗車。ないと思っていたら実はあった松本行きの夜行バス。

もともと土曜の朝発でのんびり出発して山小屋泊。日曜日に登って降りてくる計画だったんだけど、日曜の天気がかなり悪い予報だったので、土曜に登ってしまおうと。そうなるとやっぱり夜行しかない。

 

高速使うのに、東京から松本まで6時間もかけてバスを走らせるという、謎のコースタイム。(おそらく途中のSAにでも停まってたんだろうけど…)。おかげで平日と変わらぬ睡眠時間を確保できました。

松本駅前は何でもそろっているので、松屋で朝飯食って始発の電車が動くのを待つ。

 

松本駅からの乗鞍岳。もうじき4月ってのに、あの山だけ真っ白。さすがの北アルプス!

まだどんより曇っているけど、日中は回復してくれる予報なので大丈夫なはず。

 

7時16分発の上高地線。よぅよぅ、久しぶりじゃないか~!

これに乗ると、(まだ春だけど)いよいよ夏が来るんだって感じがする。

ここから電車とバスを乗り継いて行くけど、乗鞍岳へ行くなら事前に松本~乗鞍岳の往復チケットを買っておくのが賢いやり方。割引効いて断然お得です。松本バスターミナルで買えたので、ぜひそれを利用すべし!

 

土曜の始発の上高地線はこんなもん。行きでこの電車を使ったのは今回が初めてだから、どんだけ混んでるのかわからなかったけど、この時期はこんなもんなんだね。いつも帰りで利用するときは、登山客で激混みの印象しかない上高地線。

 

7時49分、終点の新島々で下車。ここから8時5分発の乗鞍高原行のバスが出ているので、それに乗車。このバスもかなり空いておりました。

この時期、公共交通を駆使して乗鞍岳に行く人は少ないことが発覚。

 

8時53分、スキー場前で下車。ここが冬の乗鞍岳の登山口。「Mt.乗鞍スノーリゾート」

 

スキー場は4月上旬まで営業しているみたい。閑散としてたけど、この時期ならリフトも動いているのでそれに乗って楽できます。

 

リフト券は回数券3枚購入。下りはリフトを利用することができないので歩いて降りてくるしかないです。

 

文明の力、最高やな。

「全部、自分の足で登るんだぃ!プンプン!」みたいなプライドなんて特にないから、こういうものは惜しみなく利用させてもらう。

 

登山届は2つ目のリフトを降りたここに提出。写真の黄色いポストが登山届提出箱です。

ゲレンデスタッフと思われる方から「頑張っておいで」と黄色い声援頂きました。

 

3つ目のリフトに乗るころには、真上はほぼ青空になってきた。そして、風が全くないので、かなり暑くなりそうな予感。水1.0Lで足りるか怪しくなってきたわ…。

 

3本目のリフトトップに着いたのが9時半。電車・バス利用だと登山開始できるのが最速でこの時間になります。

ただ、乗鞍岳だったら頑張れば往復6時間程度で登れるので、この時間からでも日帰りは可能。自分たちは山小屋泊ののんびりプランなので、特に急ぐ必要なし。

 

9時40分登山スタート。リフトの先もまだゲレンデが続いているように見えるけど、ここから先はスキー場の管轄外で、冬のバックカントリーツアーコースになってます。これほど立派なコースになっているのが少し謎だが、、、

圧雪されてそうだけど、とりあえずワカンをつけて登りはじめ。

 

そう、ワカン!!今回初の投入。軽すぎて笑った(笑)

買ったのは結構前だけど、なかなか使うシーンがなくて、控えのベンチを温めておりました。これまではスノーシュー1本だったけど、せっかくだからワカンも活用していきたい。

 

で、登山道はいきなりの急斜面。いきなりこれは結構キツかった……

登りはじめて早々、アイゼンにしときゃ良かったと軽く後悔する。

 

最初の急斜面を過ぎればしばらくはなだらか。バックカントリーコースなだけあって、スキーヤーがたくさん登ってました。

 

スキー場として利用しないのがもったいないくらい立派なコース。ほとんどゲレンデのコースと変わらないので、滑ってBC気分が味わえるかはわからないけど、登山する側としては道に迷う心配がないので助かる。

 

ツアーコースからは早速乗鞍岳が見える。右の尖がったのが乗鞍岳の剣ヶ峰、左は高天ヶ原かな。

 

あの剣ヶ峰目指してひたすら林間コースを登っていく。

 

林間コースの終点が分岐。右に行けば本日泊まる位ヶ原山荘(徒歩40分)。今日中に登ってしまうため、人の流れに沿って剣ヶ峰方面へ。

 

飛行機雲とスキーヤー。

飛行機の通り道なのか、飛行機雲がやたら多かったです。

 

こういう広い斜面は滑りたいかも。スキーヤーが羨ましく思った。

そういや今年は結局、ボードは上州武尊山の帰りに1本滑っただけとなりました。ボードと登山、両立目指す目標はあっけなく崩壊…。

 

青空綺麗、雪がまぶしい!

日焼け止めは必須。照り返しが強すぎます。

 

樹林帯は超えたので、後ろを振り返ると中央アルプスが正面に見えます。その奥が南アルプス。

 

今シーズンの雪山のラストってことで、華々しく締める意味でも晴れてほしかったけど、どうにか今日は大丈夫そう。最後の締めが悪天候で終わったら、たぶん泣いてた(笑)

他の登山客も「いい天気や~、いい天気や~」と歓声あげておりました。

 

この辺りはまだ北の展望が遮られているので北アルプスはそんなに見えないけど、東の方を見ると遠くに浅間山とか八ヶ岳なんかも見えました。

 

無事に登れれば今年最初の標高3000m超え。すでに2500m付近にいるので、菓子パンもパンパン現象発動中。

登山し始めの頃は、富士山はもちろん、高い山に対しては高山病とか結構心配したけど、今は全然気にしなくなったな。高山病とかいまだになったことないからわからないけど、乗鞍岳も高山病になる人はなる標高なんだろうね。

 

ここら辺からワカンからアイゼンに履き替えて登山再開。人がたくさん入っていたのと、しばらく雪が降らなかったようでコース上はかなり締まってました。

正直、ワカンなくても余裕で登れたけど、ワカンの感覚試す意味ではちょうど良かった。ワカンってかなり滑りやすいんだね…。帰りの下り斜面で盛大にコケたよ…

 

ある程度登ると、右手にいよいよ登場してきました、北アルプスの名峰群!正面の尖がったのが、(たぶん)前穂高岳。そこから吊尾根が左にのびてて奥穂高。で合ってるかな?

こちら側からのアングルはあまり見たことないから少し自信ない…

 

近いようで遠い乗鞍岳・剣ヶ峰。目標物が少なくて広大な雪面が広がってるあたりは宝永山に感覚が似てる。

 

この雪原はかなり広いのでガスってると迷うやすいポイントだと思います。ツアーコースにさえ出れば問題ないけど、ここでホワイトアウトしたらかなり怖いと思う。標識の類も一切なかったです。

 

そして、そんな広い雪原を思いっきり遊んでいる岳人現る!!

 

突然、どこからともなく登場。

右に行ったり左に行ったりと、風に任せて縦横無尽に雪原を滑りまくってました。みんな思わず足を止める(笑)

このスポーツ、何ていうんだろか??見ている感じ、楽しそうだけどパラシュートを持っている腕が辛そうでした。

 

景色を撮ろうとしても、こんな感じで颯爽とフレームイン!!

まいりましたm(__)m

 

乗鞍岳の稜線もだいぶ近づいてきた。道なんてなくて、みんな適当に好きな場所を登ってます。

 

雪原にポツンと建てられた小屋はトイレ。夏の観光客用に作られたものだからか、かなり立派な造り。

 

この乗鞍岳の大雪渓は夏場でも雪が残っていて、7月でも夏スキーが楽しめるそうです。トイレの埋まり具合とかを見るとそれほど積雪量があるようにも見えないけど、残るもんなんだね、雪って。

山やってると1年の半分近くは雪に触れられる。ボードしかやってなかった頃と比べたらえらい違いだよ。雪なんて1月~3月限りだと思ってた。

 

後半の斜面がエグそうだったので、ピッケルに持ち替えてみた。このピッケルが登場するのも今年は残りわずかかな…

 

 

日差しが強くて日焼けしているのが肌で分かったけど、標高2500mを越えたので、風は結構冷たくなってきた。

動いているときは半袖にハードシェルで十分。

 

先人たちが歩いた足跡は追わずに、適当なところで尾根に直登。

 

トレースないところは割と埋まる(笑)

もっと凍結してガリガリかと思ったけど、歩いてみると意外とモフモフ。所によりひざ下ラッセル。

 

尾根に差し掛かる登り。ここはなかなかの傾斜で登り応えあり!

凍結している場合は、少し緊張感あるポイントだと思います。

 

おっ!?我らの開拓ルートに着いてきてくれた方発見!

ヤター!\(^o^)/

 

直登が思っていたよりも急なんで、ややトラバース気味に登っていく。

 

ここら辺が一番ズボッときたところかな。ピッケルはほとんど用無しでした。

 

ふぅ、、、雪山登山は伯耆大山以来だから結構疲れる。まぁ、焦って登る必要も全然ないので、ゆっくりペースで行く。

なんせ、小屋泊ですから!

 

それにしても、北アルプスは何度見てもカッコいいわ。やっぱり雪がある方がより凛々しく見える。

計画では3月中旬に焼岳に登ってるはずだったんだけど、悪天候に阻まれて実現できず、、、。これは来年の持ち越しにした。その代わりが、今回の乗鞍岳。

あんまり目立ってないけど、写真の一番左に槍ヶ岳が見えます。

 

 

オーバーグローブいらずで登れてるけど、山頂直下はまだまだ雪と氷の世界。シュカブラがホイップクリームのようにおいしそうに育ってました。

 

結構な斜面になってきた。下にはいつの間にか肩の小屋も見えた。あの小屋はまだ閉鎖中。

 

うーん、、登っているとそうでもないけど、振り返ると結構な高度感( ̄0 ̄; )

凍ってたり風が強いときはかなり怖いかも。

 

実際、尾根に出る手前はガリガリで、スキー担いでいる人見ながら、こんなとこ良く滑るな~と思った。ビビりの自分には絶対できない。

…というか、そもそもスキー滑れない…。

 

標識がなかったけど、剣ヶ峰手前の朝日岳に到着。リフトトップから4時間近くかかりました。

 

朝日岳からの眺め。左が剣ヶ峰、右が大日岳。大日岳方面は入山禁止区域になってます。

 

稜線の反対側はこんな感じ。夏場であれば火口湖の権現池が広がっているんだけど、冬は一面雪で埋もれてました。

御嶽山が登れない今となっては、訪れることが可能な中では、この権現池が日本で最も高い位置にある火口湖。夏場ならコバルトブルーの池が見れるはず。

 

北西側、1つだけ真っ白く輝いている山が、霊峰・白山。

あまりに天気との相性が悪くて全然行くことができず、自分の中で半ば神聖化されつつある山。今年こそは!と思ってる。

日帰りでも行けるけど、遠いのでできれば1泊して北陸観光と合わせて登りたい。

 

そして何度も目が行ってしまう北アルプス。登るにつれて見える範囲が広がってくるのがまた面白い。良く見ると、右は蝶ヶ岳、左は黒部五郎岳まで見えます。

 

拡大。こちらは左から槍ヶ岳、奥穂高岳、前穂高岳。槍ヶ岳の天辺が岩が出て黒ずんでいるので、遠目からだとわかりづらかった。

 

こちらは左奥が黒部五郎岳、その手前に重なるように聳えているのが笠ヶ岳だな。

同じ北アルプスでも常念岳とかに比べると白さが全然違う。裏銀座方面、真冬の雲ノ平とか、無理とわかっていてもどんな世界なのか見てみたい。

 

ちっこいスノーブリッジ。

 

ここまで来れば登頂したようなもん。稜線伝いに剣ヶ峰を目指す。

 

手前の蚕玉岳。地図上で見ると、この蚕玉岳は長野県側にあるけど、剣ヶ峰は岐阜県っぽい。

今歩いている稜線が、両県の県境。

 

先ほど立っていた朝日岳。その奥に見えないけど摩利支天岳などが続く。

乗鞍岳も1つの山として語るには大きすぎる。細かいのも合わせれば20峰以上のピークがあるらしい。

 

真横で滑りはじめるスキーヤー。そういや、このルートだと登り返しが一切なくてひたすら登りor平坦だから、スキーで滑れば一気に麓まで行けちゃうんだろうね。

スキーがあればまた山の選択肢も広がるんだろうけど、たぶん今後もスキーには手を出さないと思う。

下の雪原には相変わらずパラシュート片手に雪原を滑りまわってる人がいました。しかも人数が増えてた(笑)

 

剣ヶ峰直下は岩と氷のミックス。

 

14時、乗鞍岳最高峰の剣ヶ峰に登頂!山頂には鳥居のアーチが用意されております。

普通の山なら14時登頂は遅すぎるけど、今日は山小屋に泊まるんで何ら問題なし。

 

雪に埋まった乗鞍本宮神社。

 

標高3026mの標識。今年1発目の3000m超え。

そしてその背後に否が応でも見えるのが、昨年9月に噴火した御嶽山。

 

この前日が噴火からちょうど半年に当たる日だったのでニュースにもなってました。今なお噴煙を上げてる御嶽山。

噴火以降、何度か山に登っては御嶽山を眺めてたけど、これまでで一番近づいてその姿を見れた。色々と複雑な思いはあるけど、富士を彷彿させるその出で立ちはやっぱり日本を代表する霊峰。立派と言わざるを得ない。

雪が融けるのは、もうしばらくかかるだろうね…

 

こちらは左奥が南アルプス、右手前が中央アルプス。北アルプスの中でも限りなくこの両アルプスに近いのが乗鞍岳。

 

北アルプスに属していながら、北アルプス全体を俯瞰して見えるあたりが展望の山とも言える。

乗鞍岳はこれが2回目で、1回目は3年前。その時はガスっていて展望もなかったから、この位置から眺める北アルプスは妙に新鮮。位置的にも少し違和感があって、笠ヶ岳と槍ヶ岳があんな遠かったっけ?とか思ったりした。

 

3年越しに見れた展望。御嶽山を中心に、南アルプスから白山までを撮っておく。

 

山頂はやや風が強かったけど、気温は高いのでここで昼飯。夕食が楽しみなので、軽くね。

 

14時過ぎてるけど、山頂はまだ結構人がいました。

まぁ、スキーで滑って降りるなら30分くらいで麓まで行けるはず。あとは、同じく山小屋に泊まる人か。

 

昼ご飯食べ終わって下山する頃にはだいぶ人も減ってました。本日のお宿、「位ヶ原山荘」目指して下山開始。

 

うーん、、、やっぱり火口湖の果てに聳える白山が気になって仕方がない。

今年は絶対に登ってやるから、お花たくさん咲かせて待ってな!(`・ω・´)

 

束の間の稜線ハイク。夏場は観光客でにぎわう山だから、雪山やっているのであれば一度は積雪時に登っておいて損はないはず。

夏よりは格段に静かな乗鞍岳を味わえます。

 

朝日岳手前の斜面から下山。パッと見、急斜面に見えるけど雪のつき方が安定してたのでそんなに危険には感じなかった。

むしろ、ヒップそりに最適だったんじゃないかってくらいの斜面とモフモフ具合。

 

この時間になると、パラシューターもいなくなってました。

 

シュカブラの陰影はやっぱり綺麗。自然の造形美ってのはまさにこれでしょ。

 

肩の小屋と、上に見えるのが乗鞍コロナ観測所。摩利支天岳の頂上に建てられてます。

山であまり人工物を見たくはないけど、よくよく考えてみると、文明の力を駆使してリフトで楽に登ってきた手前、あまり偉そうなことは言えないわな(笑)

 

無人の雪原。中心に立っているのは同行者のあつし。黄色いグレゴリーのザックは、遠くからでも目立ってるので助かる。

自分はウェアがオレンジなので、ザックを派手な色にするとそれこそ統一感なしのダサさ全開なので、控えめの色にしております。

…というか、登山道具はあまりこだわってない。(ってか詳しくない!)

 

登山装備もカメラもいまいち中途半端だけど、こうして頑張って登っておりますm(__)m

気持ちと人並みの体力があればある程度の山は登れるさ。自分がそうなんでね。

んで、この小屋がトイレね。

 

登ってきた乗鞍岳を振り返る。雲もすっかりなくなって、朝よりも青空全開。

太陽の位置が少し変わるだけで影のつき方もかわるので、登ってきた時と比べても山の印象がだいぶ違う。

 

雪原は登ってきたところよりも北寄りに進路を取って、直接位ヶ原山荘を目指す。途中は北アルプスの絶好の展望台。

 

こちらは摩利支天岳以北の富士見岳とかかな。雪原の端まで行くと、登りでは見えなかったこれらのピークも見れてきます。

夏場は畳平から登れるので、あの辺のピークは全て周って剣ヶ峰へ行くことになるはず。運が良ければ雷鳥にも会える。

 

眼下に位ヶ原山荘発見。2月から営業している北アルプスの中でも貴重な冬季営業の山小屋。

小屋の前は夏場は道路で、道路脇に建てられた山小屋です。標高は2350m地点。夏場は山頂付近にいくつも山小屋があるので、泊まりに来る人はそれほど多くはないのかもしれない。

 

小屋まで下るともう北アルプスは見えなくなるので、ここで見納め。あの山域へは、近々また行く予定。

 

最後の小屋までの道のりが少々厄介。正規ルートではないので、かなりの急斜面を下ることになります。

山頂直下より全然傾斜がきつい…。

 

程よいモフモフ感なのが助かった。少し時間はかかったけど、何とか降りれました。

 

下りたところでダイヤモンド乗鞍岳。陽も沈みかけ間近でした。

 

下りてきた斜面はこんな感じ。かなりの急こう配です。

左下を歩いている人たちのルートが標準ルート。ショートカットしすぎたか…

 

16時20分、位ヶ原山荘に到着。道路側は雪に埋まっているので、裏口から入ります。

 

気さくな山の主人に迎えられて部屋に案内される。12畳の部屋に6人、快適すぎます!

この時期はご主人1人で切り盛りしていて、宿泊者の人数も制限しているようです。なので冬場であれば予約さえ取れれば、混雑することもなく快適な山小屋ライフが送れるかと思います。

 

アルプスの刺繍が入った畳。将来マイホームを買うことになったら、和室の畳はこれにしようかの。

 

待ちに待った夕食のお時間。囲炉裏の周りに談話スペースもあったり、広々したこの食堂の空間がまた良かったです。

空いてる山小屋はアットホームな感じで居心地よすぎる。

 

夕食は鍋と鶏肉のホイル焼き。ホイル焼きがアツアツで美味しかったけど、この小屋の名物が鍋。

 

シカのお肉を使った鹿鍋。鹿の肉をちゃんと食べたのは初めてだけど、臭みも全然なくて柔らかいね。具だくさんで締めのうどんまで付いていて言うことなし!

これまで食べた山小屋の食事の中では堂々の1位にランクインしました。ご主人一人で作ってるっていうのがまた凄いよ。写真は撮らなかったけど、朝食もおかずが豊富で美味しかったです。

 

コタツまで完備してある。この山小屋、あまり知られていないのかもしれないけど、料理は旨いし空いてるしコタツはあるし、さらに山雑誌の最新刊まであるし、文句のつけようがない。

ポイントカードももらってしまったし(10ポイントたまると1泊無料!)ここならまた泊まりに来ようかと思った。位ヶ原山荘おすすめです。

(山小屋で10ポイントはハードル高すぎだが…)

 

久しぶりの山小屋泊なので、星空でも撮ってみた。

ただ、月が絶好調に光り輝いていたので、星はあまり撮れなかった。目で見る分には綺麗だったので、星空は目に焼き付けておきました。

 

翌日が下山だけって言うのが精神的にもかなり気楽。気を張る必要もなく、9時間ぐっすり寝かせてもらって1日目終了。

 

Zzzz……

 

\(〇O〇)/

 

翌朝は外が明るくなった6時半に小屋を出る。一人で大変なのに小屋のご主人がお見送りしてくれました。冬にまた来ます。

帰りは夏場は車道になっている道を歩いて帰る。

 

日曜日、天気が悪い予報だったけど、朝は意外に晴れてくれた。綺麗なご来光を見れるほどではなかったけど、風もなくて穏やかな朝でした。

 

ツアーコースまで戻ってくれば、後はコース通りに歩いて帰るだけ。この時間帯はまだリフトも動いていないので、静かなツアーコースでした。

下りているときに学習したけど、下りでワカンは良くないね。何度転びそうになったシーンがあるかわからないくらい歩きにくかった。

 

リフトトップに到着。営業開始前のスキー場は静かでした。

ここから麓まで歩いて降りないといけないので、意外とまだ時間がかかる。

 

下りている途中でスキー場の営業開始。正直なところ、今回の登山の核心部はある意味このスキー場で、上級者コースの斜面なんて降りるのにかなり苦労した。。ワカンだけ履いてアイゼンつけてなかったってのもあるけど、なるべく初級コースを選んでおりていきました。

 

9時すぎ、無事に下山完了!途中のスキー場脇の森にカモシカもおった。

 

下山後はスキー場から少し歩いたところの湯けむり館へ。ここは9時半から営業しているので時間的にもちょうど良かったです。

源泉かけ流しなだけあって、硫黄臭もなかなか。朝一なので空いていて快適でした。建物も綺麗で、ドライヤーはターボ機能搭載のものが確か4つほどおいてありました。女性にはドライヤー事情が大事らしいので、プチ情報流しておきます。

 

温泉の目の前がバス停。バスの本数は少ないけど、10時51分のバスが松本駅直行便なので、それに乗車できるとかなり楽に帰れます。朝9時ごろに下山できれば、温泉にもゆっくり入れてちょうどいい時間です。

意外だったのが、その松本行きのバスがかなり混んでたところか。午前中のバスだし空いてるかと思ったけど、白骨温泉帰りの観光客でほぼ満席でした。ギリギリ座れたから良かったけど、運が悪いと松本駅まで立ちっぱなしか補助席になるかも。

 

12時過ぎに松本駅に到着。ここまでくれば電車でも帰れるけど、少しでも安く済ませたいので高速バスを予約。

 

松本駅での食事と言えば、自分はこの駅前の豚丼屋。安くて旨いし、店内のメニューが岳人向けなのもいいね。次は燕岳定食あたりを食ってみますかな。

 

こうして昼過ぎの高速バスに乗って東京へ。

想定外だったのが高井戸あたりで大事故があって長時間の事故渋滞……。行きの夜行と変わらず東京まで6時間もかかりましたとさ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

以上、こんな感じの乗鞍岳雪山登山でした。雪山シーズンの締めとして、北アルプスの地を踏めて充実感いっぱいですよ!

雪の時期に登れたってのもあるけど、3年前の乗鞍岳登山では見れなかった景色をこうして見れたのが何よりもうれしかった。

 

ちなみに3年前の乗鞍はこんな感じ↓↓

2012年9月2日 ホワイトアウトの乗鞍岳(記事はこちら

 

北アルプスの名峰群、浅間山、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス、そして白山。白さを残す山もあったけど、徐々に雪解けも始まって黒いシルエットに変貌しているあたりは雪山シーズンの終わりを感じました。

そして、やっぱり御嶽山かな。

 

山頂から一番近くに見えた御嶽山。厳冬期が終わってこれからあの山でも雪解けが進んで行くだろうけど、まだ噴煙が立ち昇っているのを見ると、あの山が元通りの姿になるのは、はるか先に感じた。

 

今年は大きな自然災害もなく終わりたいもんです。

 

色々と思うところもある登山だったけど、無事に登り終えてホッとしております!

北アルプスの雪はまだまだ残ってるし、4月、5月も天気さえよければ行くかもしれないけど、昨年末から続いた雪山の旅はこれでいったん一区切り。

毎度懲りずに読んでくれた方、ありがとうございました。しつこく続いた雪山もこれからは少し減っていくと思います。(と言って、次の記事が雪山だったらすんません、、)

 

雪の乗鞍岳に関しては、快晴だったのもあるけど、途中に危険な箇所もそれほどなくて体力的にもそれほどきつくはなかったので、雪の3000m峰を体感したいなら良い山だと思います。

北アルプスでありながら、北アルプス全景を見れるので展望も素晴らしかったですよ。

 

雪山シーズンの締め、北アルプス乗鞍岳より

 

おしまい

 

 

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毎度読んで頂きありがとうございます

 

 

【日程】

2015年3月28日~29日

【コースタイム】

・1日目

乗鞍スキー場(9:00) — かもしかリフトトップ(9:30) — 位ヶ原山荘との分岐点(10:50) — 朝日岳(13:20) — 剣ヶ峰(13:55~14:40)— 位ヶ原山荘(16:20)

・2日目

位ヶ原山荘(6:40) — カモシカリフトトップ(7:50) — 乗鞍スキー場麓(9:00)

 

 

 

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