GWのニュージーランド旅行、そのメインでもあったのがニュージーランドを代表するトレッキングルートの1つ「ルートバーントラック」。
有名なミルフォードトラックと双璧を成す、世界に名高い美しいトレイルコース。計画段階からかなりの期待を寄せておりました。
歩くにあたって、バスやら山小屋の予約が必要だったのでそこら辺をまとめておきます。特に5月はオフシーズンに入るので、いくつか注意が必要です。
ニュージーランドの南島に広がるフィヨルドランド。
氷河で作り上げられた美しい渓谷、それを見ながら歩ける幾多ものトレイルルート。
3泊以上かけて歩くロングトレイルもあれば日帰りで歩けるショートトラックもあったり、多種多様なコースが豊富に用意されています。
数あるコースの中でも、とりわけ有名なのが以下の3つ。
・ミルフォードトラック
・ルートバーントラック
・ケプラートラック
この3つの中で一番人気なのが「ミルフォードトラック」。”世界一美しい散歩道”とも称されるトレイルコースで、世界中のトレッカー憧れの場所なんだとか。
最初は自分たちもミルフォードトラックを狙おうかと思っていたのですが、ゴールデンウィークの5月に入ると、山小屋や交通機関の通常営業が終了して、色々制約が絡んできます。
諸々の理由があってルートバーントラックにしたので、そこら辺を中心にまとめておきます。少しでも参考にあれば幸いです。
(※この情報はあくまで2019年のものです)
ルートバーントラックについて
5月に歩くときの注意点
ニュージーランドのトレイルシーズンは基本的に11月から4月までで、日本のGWにあたる5月はオフシーズンに入ってしまいます。
今回、自分たちは以下の2泊3日の日程で歩きました。
4/30、5/1、5/2
つまり、行きのバスと1日目の山小屋は4月中なので問題なく、2日目の山小屋と帰りのバスが影響あった感じです。
オフシーズンに入ると、まず山小屋のガスが停止して使えなくなります。これはガス缶を現地調達して持っていけばいいだけなので、さほど問題ではないです。5月中であれば山小屋のトイレや水場は問題なく使えるし。
(山小屋で利用できるガスコンロ)
問題なのは登山口までのバス。こちらはオフシーズンになると定期便が終了してしまいます。レンタカーという手もありますが、ルートバーンの場合はスタートとゴールが全く別の場所なのであまり現実的ではありません。近隣の街からも離れているのでタクシーも高くつきそう。理想はやはりバス。
色々とWebを調べただけでは不明だったのでバス会社に問い合わせたところ、5月中に限っては最低6人乗客がいれば運行、という条件で出してくれることがわかりました。
幸い自分たちは6人で歩く予定だったので偶然条件を満たしていたのですが、少人数の個人ウォークで挑む場合は少し注意が必要です。現地のDOCやバス会社(後述)に運行してくれそうかを問い合わせてみるといいかもしれません。
小屋の宿泊状況を見た感じでは、5月に入ってもそれなりに歩いている人はいました。実際バスも他にも乗客いたし、そこまで心配する必要はないのかもしれません。
バスの予約
で、そのバスの予約方法。今回自分たちはクイーンズタウン発着で、以下のリンクから往復のバスチケットを予約できました。
Info&Track
https://infotrack.junction6travel.com/products/package/4560/
ルートバーントラックは道順と行程を自由に組めるので、「The Divide」と「Shelter」のどちらからでもスタートできます。自分たちはDivideスタート、Shelterゴールの2泊3日の行程で歩きました。日程に合わせて往復分のチケットをここから購入しておきましょう。
バスについては事前にここから予約すれば当日を迎えるまで何もしなくて大丈夫でした。運転手に名前を伝えるだけで予約画面を見せるようなこともなかったです。(一応予約完了メールに添付されたpdfは印刷して持っていきました)
5月のバスの運行状況については、2月以降に決定していたので、早すぎるともしかしたらパッケージが用意されていないかもしれません。
山小屋・テント場の予約
山小屋とテント場も事前予約が必要になります。予約ページはDOCの以下のページからできました。
このページのBook Onlineというボタンから山小屋の予約画面に飛べます。日付を入力すると空室状況も見れるようになってます。小屋泊の場合はHutを、テント泊の場合はcampsitesを選んで予約。
支払いを済ませると完了メールが届いて領収書のpdfファイルが添付されています。これも一応印刷して持っていきました。当たり前ですが、山小屋では電波が入らないので、携帯画面を見せる場合も事前にダウンロードしておきましょう。
小屋泊は130$、テント泊は40$。まぁ、なかなかいいお値段しますね……。今回の旅の宿泊費で一番高かったです(笑)
1日目に泊まるLakeMackenzie/マッケンジー小屋を予約。シーズン最終日でしたが満室になることもなく、問題なく予約完了できました。
シーズン中であればここからすべて予約して完結するのですが、5月に入るとこんな感じでWebからは予約できないようになっています。
5月以降の宿泊については現地のDOCで手続きすることになります。登山口に近いテ・アナウのDOCでもできますが、クイーンズタウンのDOCでも手続きできたのでそこで行いました。
(出発前日の4/29にDOCで申請手続き)
2日目に泊まったのはRouteburnFalls/ルートバーンフォールズ小屋。宿泊料は15$。シーズンオフになるとグッと安くなるので、お財布事情的には狙い目の時期になります。ここはテント場がないので小屋泊限定。基本的に制限は設けてないっぽいので、寝床の確保は先着順になります。DOCのお姉さん曰く、2日目の方が混んでるよ、って言われました。
実際は後々の記事でも書きますが、そんなに混んでなくて問題なく寝床確保できました。
5月に入るので、この日からガスが使えなくなりますが、水場とトイレは問題なく利用できます。小屋の灯りも点いていて、かなり居心地良かったです。
ここで手続きを済ませると、1日目の領収書と合わせて2日目の支払い完了のタグみたいなものをもらいました。これ↓
領収書とタグは実際に現地でもレンジャーに見せたので、忘れずに持っていきましょう。オフシーズンの5月に入っても宿泊者リストをレンジャーがチェックしに来たので、事前にDOCで手続き済ませておくのが無難です。
忘れても現地で15$払えばいい気もするけど、そこら辺の厳しさはよくわかりません。(1日目のレンジャーはあまり融通利かなそうな感じではありました…)
ざっくりですが、こんな感じです。
サイトを読めばわかりますが、5月の他に10月の場合も同じような状況になるようです。11月から4月まではシーズンなので問題なくWebで完結できますが、シーズン中は予約確保するのがかなりハードル高いので、そこはもう頑張ってと言うしかない。
台湾でも入山制限かけてし、日本の山小屋事情がむしろ特殊なのかもしれないですね。
逆に言えば、シーズン外せばここら辺の手間はかかりますが、予約確保は比較的容易だしコストも一気に下がるので、悪いことばかりじゃないです。
ミルフォードトラックについて
おまけですが、ざっくりとミルフォードトラックについても事前の計画段階で調べた限りのことを載せておきます。
GWに訪れる場合はルートバーンと同様にこちらもそれなりのハードルがありました。
日程
まずルートバーンとの大きな違いが日程。ミルフォードトラックは個人ウォークだろうがツアーだろうが3泊4日で歩くのが決まりで、スタート地点とゴール地点が固定。道順も一方通行で各日で宿泊する山小屋も決められています。(オフシーズンの5月でもこのルールが適用されるのかは確認してないです)
対してルートバーンは一応2泊3日の行程ですが、1泊2日で踏破することも可能です。トレランスタイルで日帰りで駆け抜けている人もいました。
ルートバーンの方が色々と自由がきいて個人ウォークには向いていると思います。
トレイル距離もミルフォード53km、ルートバーン32kmと全然違います。
登山口までのアクセス
これもルートバーンと大きく違う点の1つ。ミルフォードの場合、登山口に行くためにバスの後に船に乗って湖を渡る必要があります。つまり、オフシーズンに入ってからこっそり個人ウォークで一気に駆け抜けようと思ってもできないわけ。
船の運行が不可欠。これがミルフォード最大の核心部といってもいいくらい。
5月でもルートバーンと同じく最低6人乗客が集まれば運行してくれるようです。以下のサイトに情報が載っていました。
Tracknet
https://tracknet.net/milfordtrackwinter/
こちらを見ればわかりますが、まぁ~なかなかのお値段。バス代と合わせたら2万円以上しますね。それだけの価値があるのかもしれないし、逆にこの時期に行けば空いていること間違いなしなんだろうけど、ちょっと躊躇してしまう感じですね。。
予約の取りづらさ
ミルフォードトラックは”超”がつくほどの人気のトレイルなので、特に夏の12月~3月はすぐに予約で一杯になってしまいます。これはもうどうしようもない……
個人ウォークであっても、上に書いたように船に乗れないと登山口にさえいけないので、入山者が完全に限定されているという難しさがあります。シーズン中はツアーに参加する方がいいのかもしれないですね。ツアー料金はやはりお高いですが、山の中とは思えないほど綺麗なロッジに泊まれるので(ホント綺麗!ホテルみたいでした)、セレブリティーなトレイルとなるでしょう。
ルートバーンと同様に、最低6人という条件さえクリアすればバスと宿の予約は比較的容易だと思うので、GWのミルフォードも狙い目と言えば狙い目なのかもしれません。
ルートバーンとミルフォード、計画段階ではどちらも魅力的で迷いました。決め手だったのは、同行者にミルフォードトラックを普段から現地ガイドしている山仲間がいたのですが、その仲間から「手間とお金を考えたらルートバーンの方がおすすめ」という推しの一言を頂いたこと。結局この一言がきっかけで、我々はルートバーンに行くことにしました。仲間とのスケジュール合わせも、2泊3日の方が都合よかったというのもあります。
ケプラートラックについてはあまり調べなかったですが、ミルフォードやルートバーンと違って山の稜線を歩けるようなので、個人的には大いに興味があるところ。もし次があるなら、候補の選択肢として加えたいと思います。
そんなわけで次回からは旅のメインでもあるルートバーンの記録を書いていきたいと思います。
備忘録として載せた今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。
コメント
いつも楽しく拝見させていただいております。
2019年の記事へのコメントで大変恐縮ですが、みやさんが行かれた時期はサンドフライいましたか?
私もこの素敵な記事を見て是非ルートバーントラックに行きたいと思っているのですが、サンドフライでひどい目に遭ったという人も見かけたので、もし覚えていらっしゃいましたらご教示いただければ幸いです。
もるもとさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
サンドフライはいませんでしたね。トレッキング中に虫で悩まされた記憶は全くないです。
時期がもう間もなく冬に差し掛かる時期だったからかもしれません。朝晩は少し寒かったですが、日中は過ごしやすい気温でした。
ルートバーントラックは本当に眺めが素晴らしくて、見どころがたくさんあるのでぜひ行ってみてください!
早速ご返信くださり、誠にありがとうございます。
朝晩少し寒いくらいであれば、虫もいないしシーズン終わり頃を狙ってもいいかもしれませんね。
ここ数日ずっとDOCの予約サイトを眺めていますが、小屋の空きがまったくありません。笑
なんとか粘って予約を勝ち取りたいと思います。今後も記事を楽しみにしています!