白馬岳(猿倉-大雪渓-白馬三山-白馬大池-栂池) テント泊登山(1日目)

白馬岳(猿倉-大雪渓-白馬三山-白馬大池-栂池) テント泊登山(1日目)

ついに悲願の白馬岳!この日をどれだけ心待ちにしたことか……

初めて白馬岳の大雪渓を見た瞬間から、この山に一目惚れ。こんなに強く行きたいと思った山は、過去にないんじゃないかってくらい衝撃的でした。何としても雪渓を歩きたかったし、花も見たかった。いろいろな山雑誌を見ては妄想を膨らませつつ、時期は7月中がベストと聞いたので、今月は最優先で白馬岳に行くと決めてました。

2週連続の悪天で延期になるも、予定をどんどん後ろに倒して執拗に追いかける。その執着心に、仲間たちからは若干引かれた感もありましたが、7月最終週にようやくチャンスが訪れ、行って参りました!

 

今回もスケールがでかすぎたので、2回に分けてます。まずは、1日目の大雪渓と白馬三山縦走記録~

 

1日目、大雪渓・白馬三山編―――

 


【日程】

2012年7月27日~28日

【コースタイム】

―1日目―

猿倉(6:00)→白馬尻小屋(6:50)→(大雪渓)→頂上宿舎(9:50)→→テント設営・休憩→→出発(10:45)→杓子岳(12:00)→鑓ヶ岳(12:50)→頂上宿舎(14:50)→→休憩→→出発(15:30)→白馬岳(16:10)→頂上宿舎(16:40)

※コースが若干変則的になってます。

 

 

7月中に何としても行きたかった白馬岳。当初は7/14~7/15で組んでいたのですが、雨で流され、さらに7/21~7/22も悪天で順延。。。まさかここまで雨に泣かされるとは思わず、内心焦ってました。。白馬岳に嫌われてるんじゃないかと、、、

3度目の正直ということで、ようやく決行できたわけなんですが、4~6人くらいで行く予定だったはずなのに2週も流れると山友さんの都合も合わなくなってきて、、、八ヶ岳以来のソロとなりました。

 

先週の燕岳と同じく、毎日アルペン号を利用。これが本当にギリギリで、まず予定していた7/27(金)の便がすでに満席…orz。ダメもとでその前日の便を聞いてみたら、残りわずかとのこと。慌てて7/26(木)夜発のチケットを飛び込み予約(助かったぁ・・・)。有給消化して行ってきたわけですが、今考えたらこれが天候的にも大正解だったのかも。

で、毎日新聞社前について見たら、前週とは比べ物にならないくらいの人の数。。。今日ってまだ木曜日だよね??(汗

 

満員御礼のバスに乗って猿倉へ。5時過ぎに到着したのですが、平日にもかかわらずすごい人の数でした。(後ほどテント場で会った人に聞いたら、4時の時点で駐車場が満車状態だったみたい・・・)

 

ここには登山相談所がある他、1000円でアイゼンをレンタルすることもできます。とりあえず、登山届を記入しつつ情報入手。

実は今回、事前のスケジュールでは猿倉を基点に白馬三山を周回する予定だったのですが、ソロになったのでバスの中でちょっと考え直し。せっかく白馬まで来たんだし、できるだけたくさん歩きたいというのがあったので、頂上宿舎でデポって1日目に白馬三山を回ってしまい、2日目にゆっくり白馬大池・栂池へ降りるというルートをひそかに計画。コースタイム上は行けると思ったのですが、そんなことをする人がいるのか相談所で確認。

「あぁ、たまに居ますよ。若いし大丈夫でしょ」

とのこと。この言葉でルート決定!!

 

危険個所なども詳細に教えてくれて本当に助かりました。30分以上猿倉に滞在して、いろいろ準備。午前6時にいよいよ出発!

 

大雪渓までは優雅なトレッキングコースといった感じ。早朝のこのゆったりした雰囲気、いいね。この時は雲が若干出てましたが、前方には雪をかぶった白馬の山脈が綺麗に見えました。

 

1時間ほど歩いて白馬尻小屋に到着。山の谷間の雪が噂の大雪渓。燃えてきたね!

ここから頂上宿舎まで、地図上では4時間半の道のり。その間、トイレは一切ないどころか、隠れてするような場所もないので、心配ならここで済ませておいた方がいいです。

 

小屋から10分ほど歩いて、大雪渓スタート地点に到着!!ずっと来たかった場所だったので、一人でやたらテンション上がってましたw

久しぶりのアイゼンを装着して、さっさと出発!!

・・・したかったのですが、隣にいたツアーガイドさんが案内を始めたので、はやる気持ちを抑えて聞き耳を立てる。

「大雪渓は2時間ほど。ずっと登りで景色が変わらず、途中から眠くなるかもしれないので要注意」

「落石が多発。序盤は右から、終盤は左から落ちてくることが多い」

「軽自動車並みの岩が落ちてくることもあるから下ばっかり見ないで」

「途中、座って休憩する場所は一切なし」

などなど。

なるほど、要は寝ないで注意して頑張れってことだな!面白そうだww

 

ツアー団体が歩き始める前に出発。ひたすら1本道だし、先を歩く人に着いていけばいいので迷う心配なんてありません。

 

注意するとしたらやっぱり落石。こんな感じで道にゴロゴロ落ちてます。自分が歩いていた時も、周りで崩れる音がして落石が発生している場所がありました。

もし、ここがガスってたりしたらちょっと怖かったかもしれないですが、この快晴!雲もいつの間にか消えて、綺麗な青空!そう、この風景が見たかったのさ。

この大雪渓、アイゼン以上に必須なのがサングラス。雪の反射光がとにかくまぶしくて、強烈です。

 

ひたすら登りですが、とにかく周りの景色が最高なので疲れを感じず、ひたすら写真を撮りまくるw

この時、自分の周りにはそれほど人がいなかったので、写真撮りながらのんびり進めましたが、後ろを振り返ったら長蛇の列。。。早くスタートして正解でした。

 

登り始めて90分ほどで終点の岩室跡に到着。同じ景色がずっと続くので、飽きる人には飽きちゃうかもしれませんが、自分はもっと歩いていたかった派。滑り降りて、また登りなおしたいくらいだったなw

 

普通の樹林帯と比べるとあまり登ってきた感じがしないですが、標高は着実に上がってます。振り返れば雲の上。

ちなみに、大雪渓の列はこんな感じ↑。平日でこのくらい人がいるんだから、土日はどうなってるんだろ?w

 

岩室跡から先も小雪渓が待ってますが、アイゼンはここで外してしまってOK。90分程度ですが歩きっぱなしだったので、ここでしばらく休憩。

 

ここから高山植物もどんどん出てきます。周りでは雪解け水が滝になって流れてたり、とても標高2000m越えとは思えない雰囲気。花や滝や大雪渓を歩いてくる人たちを眺めてまったり休憩、これが最高だね!

 

人がたくさん来る前に行動再開。少し登ると小雪渓をトラバース。はしゃいで足を踏み外さないようにw

 

まだ9時前。ペースが早かったからなのか、ここまで来ると道も静かなもんで、周りに人がほとんどいなくなりました。一人たたずみ、周囲を見渡しては圧倒される、そんなことの繰り返し。

 

小雪渓を越えてしまえば、今日のルートで雪道はもうなし。変わってここから先は御花畑ゾーン♪

日本の高山植物の7割を見ることができると言われる白馬岳。素人目に見ても、その種類の豊富さがわかります。名前とか全然わからんけど、とにかくすげぇ!

 

御花畑でしばらく植物観賞。係りの人がいたのでお話を聞かせてもらったら、この前日にようやく晴れ間が広がって花も開き始めたんだとか。高山植物は終わりかけかと思ってましたが、全然そんなことはなくって、まだまだこの先も見ごろなようです。(皆さんお早めに!w)

御花畑をすぎるとテントを張る宿舎が見えてきます。

 

こちらが白馬岳頂上宿舎。全然登ってきた気がしないくらいあっという間でした。

とりあえず、受付をしてテント場を確保することに。

 

ここがテント場。まだ時刻は10時前。かなり早く着いたのでまだ2張しか立っていませんでした。ちょうど同じくらいに到着した方がいらっしゃったので、その隣に立てさせてもらうことに。

 

設置完了(中央のオレンジ)。その左の黄色のテントが同時に到着した方ので、しばらくテント場で雑談。この方も混雑を避けるために少しペースを上げてきたら、思った以上に早く着いてしまったそうw

結局1時間近くここで休憩しちゃいましたが、まだ11時前。鑓ヶ岳まで往復で4時間弱なので、これならゆったり回れそう。不要な荷物をデポって行動再開。

 

テント場のすぐ上にたくさん咲いていたウルップソウ。蝶々もたくさんいました。

 

稜線沿いに出て正面に見えるのが旭岳。あちらの方面へ歩いていく人はほとんどいませんでした。地図で見ると旭岳は登れないっぽいね。

 

右手(北)にあるのが、白馬岳(標高2932m)。その手前にある小屋が白馬山荘。この小屋はかなり人気のようで、見た目もきれいでした。

…がそれは後ほど。いったん白馬岳は置いておいて、杓子岳方面へ進みます。

 

こちらが杓子岳(しゃくしだけ、2812m)と鑓ヶ岳(やりがたけ、2903m)。この2つに白馬岳を合わせた3つが白馬三山。鑓ヶ岳は本場の「槍ヶ岳」と紛らわしいので、「はくばやり」なんて呼ばれているみたいです。

 

ここの稜線歩きがとにかく気持ちよかった!何より不要な荷物を置いてきたので、身軽で歩きやすい。もうここから先は登山ってよりもハイキング。

 

この稜線の周りにもずっとお花畑が広がってます。周りに人が全くいないので、自分のペースでゆっくり進めるのがいいね。ここはぜひ、時間に余裕をもって歩きたいところ。

 

ゆっくり余裕をもって歩けば、、、

 

雷鳥にも会えます!w

実は自分はこれが初雷鳥!よい太りっぷりで貫録ありました。「ウポッ、ウポッ」って鳴いてた。

 

昼に差し掛かってくると入道雲がどんどん出てきました。本来ならここから歩いてきた大雪渓が見えるはずなのですが、すでにガスに覆われてる。。・・・ということは、向こうからもこちらが見えてないわけで、、、(早く登ってきて正解だったかも)

 

大雪渓は見えませんでしたが、小雪渓のトラバースは見えました。列をなしてどんどんハイカーが登ってきてます。

 

少し歩いては立ち止まって写真、、の繰り返しなので全然先へ進んでる感じがしない…(汗

普通に歩けば宿舎から杓子岳までは1時間で着く距離です。宿舎から歩く場合は基本的に下り道で、杓子岳手前で急登が待っている程度。

大雪渓と稜線歩き、序盤以外は展望が良い場所を歩いているので、今日は全く疲れ知らず。それはそれでうれしいのですが、その反面で長時間日差しをダイレクトに受けるので、日焼け対策はいつも以上にしたほうがいいです。

 

杓子岳手前の分岐。左が山頂への道で右が巻き道。帰りのことを考えると、この巻き道があるのが地味に助かるw

まずはガレ道をひたすら登って山頂へ。

 

12時ちょうどに杓子岳到着!誰もいない…ww

 

特に何もなかったので、次に進みます。次の鑓ヶ岳、山頂からだとすぐ目の前にあるように見えるのですが、これが意外に遠い。いったん登り直しです。

 

こんな感じの急登が待っています。テントを担いで登ったらなかなか疲れそうだね。

 

信じられないほど人がいない道。走ろうが何しようがお構いなしの状態w

心配していた天気もまだ大丈夫そう。

 

先週に続いて、高山植物の女王「コマクサ」。一見岩場にしか見えない場所にも花が咲いているから、下を見ながら歩くのも楽しいです。

 

坂を登り切って鑓ヶ岳山頂に到着。先客が3名ほどいました。

 

山頂から唐松・五竜岳方面。残念ながら雲に隠れてピークはあまり見えませんでしたが、稜線沿いはずっと遠くまで見渡せました。向かって右側に立山、剱岳が見える瞬間もあったり。

 

今回の行程はここまで。唐松方面を見たら、さらに先まで歩きたくなりますが、次回のお楽しみにしておきます。唐松岳手前の「不帰キレット」ってのがとにかく気になる!

 

しばらく休んできたUターン。手前が杓子岳、その奥が白馬岳。来るときはあっという間に感じたけど、こうしてみると結構歩いてきたんだなぁ~と実感。2時間かけてきた道を戻ります。荷物軽いっていいね!

相変わらず東側だけ雲がすごい。

 

帰りは巻きで。

 

予定通り往復4時間で戻ってきました。テント場もかなり賑やかになってるね~

このまま白馬岳に行っても良かったのですが、山頂見たら激混みだったので、一度テントに戻ってコーヒーブレイク。

隣のテントの方も白馬岳から戻ってきていたので、また雑談。この方は明日、鑓ヶ岳まで行って猿倉へ降りるとのこと。途中の鑓温泉に入る予定らしいのですが、その後に3時間もまた歩くのが……と悩んでました。そういえば、実際に温泉に入って下山した山友ののぶさんが、「きつかった」って言ってたね。。。

 

3時半に再出発。翌日も白馬岳には登るのですが、テントにいてもすることないので気晴らしに登ってきます。

 

こちらが山頂手前にある白馬山荘。かなり広い山小屋で見た目も綺麗でした。ただ、実際に泊まった人の話を聞いたら、中はかなり混んでて窮屈だったらしい…。

夏休みに入ったからなのか、子どもが多くてかなり賑やかでした。空いているときなら泊まってみたい。

 

テント場からだいたい30分くらいで山頂に到着。そこまで広い山頂ではないです。

 

山頂から、明日歩く尾根道をチェック。雲がかかってあまり見えないですが、うわさ通り展望は良さそう!明日が待ち遠しいね。

 

16時半にテント場に戻る。これで今日の行程は終了。いや~、結構な距離歩けたので満足!

お昼ご飯をまともに食べなかったので、夕食はかなりガッツリ食べました。

 

18時半ごろ、稜線に出て夕日を見ようとしましたが、ちょっと残念。。。西側も雲が出てきて、テント場からはこれが限界でした。

 

代わりに夕日に照らされた白馬岳を見る。今山頂に行ってれば見事な夕日が見れたのに・・・というのは考えないことにします。。。

 

こんな感じで20時ごろまでまったり本読んだり、地図見たりして就寝。1日目にガッツリ歩いたので、2日目は比較的楽な行程。これまでのテント泊では2日目がキツイ行程だったので、今回は気持ちがかなり楽でした!1日目にたくさん歩くようにした方が、精神的にはいいのかもね。今度からなるべくそうしよう!

 

穏やかな夕日から一転、2日目は波乱の中のスタートとなるのですが、それは次の話。

 

2日目に続く・・・

 

 

 

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