蕨山(奥武蔵) アカヤシオとミツバツツジ咲き誇る春の日帰り登山

蕨山(奥武蔵) アカヤシオとミツバツツジ咲き誇る春の日帰り登山

アカヤシオを求めて埼玉県の蕨山(わらびやま)へ登ってきました。

棒ノ折山の近くにある山で、飯能駅からバスで登山口まで行くことが可能。登山口に温泉もあるし、バスの本数も多いので公共交通アクセスが容易な山です。今回は一般的なルートである、名郷バス停から登ってさわらびの湯へ下山するコースを歩きました。

標高1033mあるので、意外としっかり登ることにはなりますが、稜線に出てからのアカヤシオの彩は素晴らしく綺麗!ミツバツツジも最盛期を迎えており、ピンクと紫の共演が見事でした。

岩場付近に咲くイワウチワもまだ残っていて、春のお花見ハイキングを楽しめた1日となりました。

 

アカヤシオ咲き乱れる春の蕨山―――

 


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都内から電車アクセスが可能な登山エリアとして、奥多摩、丹沢、箱根、高尾・大月(秀麗富嶽十二景)などが挙げられるけども、春の花を求めて登るのであれば今回登った奥武蔵・秩父エリアは1つおすすめしたいところ。

この界隈はツツジや桜で有名な山が割と多く、都内からのアクセスも悪くない。

特に4月の山登りは、雪山登山もいったん終わりを告げて、新緑もまだ始まらない微妙な時期。この4月に花の盛りを迎える奥武蔵あたりは1つの狙い目だと思います。

今回は兼ねてよりアカヤシオの時期に登りたいと思っていた、蕨山(わらびやま)へ登ってきました。そこまで有名ではないけども、棒ノ折山のすぐ近くにあって、歩行距離を延ばせば奥多摩の川苔山まで縦走も可能なルート選択が豊富な山です。

あまり長時間は歩きたくなかったので、名郷バス停~蕨山~藤棚山~さわらびの湯という一般的な周遊ルートでのんびり歩いてきました。

 

~~ 2016年4月16日 アカヤシオの蕨山 ~~

蕨山へ登るには、飯能駅から名郷行きのバスに乗ります。棒ノ折山はもちろん、武川岳や大持・小持山に登る場合もこのバスになるので、週末はある程度の覚悟が必要。

バスの本数は2,30分に1本出ているけど、電車が到着するたびに長い列ができます。名郷までは1時間かかるので、できれば座りたかったけど、ギリギリ乗るので精一杯でした……。

8時発のバスだったので、もしかしたら一番混んでるのに乗ってしまったのかもしれない。

 

名郷までの1時間立ちっぱなしが正直一番キツかった……

この時期は街中でもたくさん花が咲いていて、バスの車内からも色々と花を楽しめたのが救いだったけど、帰りのバスは何としても座りたいので、やや巻きで登ることを決意。

 

名郷バス停はこんな感じで、ベンチやトイレがあるので、ゆっくり身支度可能。10台ほど停められる駐車場もあったけど、9時の時点で満車となっていました。

 

登山口にはまだ桜が残っていた。4月中旬にもなると芝桜がシーズンを迎えるので、羊山公園なんかもおすすめ。西武線車内でもかなりプロモーションしてました。

 

この蕨入橋が登山道の入口。山頂までの距離は4.5kmと書いてありました。標高差は650m。低山ハイキングとしてはまぁまぁ登る。

 

しばらくは林道を歩いてきます。横に沢が流れてて涼しげな雰囲気が気持ちよかった。

毎年そうだけど、雪山登山が続いた後で久しぶりに近場の低山に帰ってくると、何ともいえない懐かしい感覚になる。高峰に比べたら派手さは微塵もないけど、こういう山登りも好きなので、今後も合間を縫って差し込んでいきたい。

 

 

瑞々しい緑も垣間見れる。新緑までもう少しと言ったところ。

 

20分ほどで林道が終わって登山道に入る。稜線に出るまでがやや急登です。

 

たまにこんなベンチが置かれていたりもする。お目当てのアカヤシオは稜線に出ないと見れないので、ここは頑張りどころ。

倒木の多さが目についたけど、登山道自体は明瞭で歩きやすかったです。

 

蕨山の序盤は苔が印象的でした。久しぶりに雪のない山は精神的にも気楽で、色々と自然に目を向けられる余裕がある。

 

小一時間頑張って登って、稜線に出る。ここまで登ってしまえば、一区切りついたようなもん。ここから先は花も展望も見えてきて、面白くなってくる。

 

葉が生い茂る前なので、登山道も明るい。展望が開けるポイントもたくさんあります。

 

花の盛りを迎えているのは、遠目から見てもよくわかる。

桜かツツジか、点在して咲く春の花が山肌を彩ってました。

 

アカヤシオより先に目に入ったのがミツバツツジ。ツツジの中でも比較的早い時期に咲く花で、透き通った紫色がなんとも綺麗でした。蕾を見ると、名前の通りに葉が三つあるのがよくわかる。

 

白いアセビもたくさん咲いてた。

 

登山道も面白くなってくる。岩場も出てきて、簡単な岩登りも楽しめます。

地図上に書いてある「急坂注意」というのは、たぶんこの手の岩場のアップダウンのことだと思うけど、危険な感じは全然しなかったです。

 

 

そして見えてきたのが、お目当てのアカヤシオ

アカと名がついているけど見た目はピンク。ミツバツツジと比べると、何となく子どもっぽい可愛らしい印象がある花。

 

序盤は稜線を覆うように咲いているというよりは、少し離れたところに点在して咲いている感じです。ミツバツツジも混ざって紫とピンクの共演が綺麗でした。

 

登るにつれてだんだんと増えてくるアカヤシオ。登山道のすぐ近くでも見れるようになってくる。

 

 

ミツバツツジは山の中腹が見頃、上の方に行くとまだ蕾も多かったです。アカヤシオはまだこれからの所もあれば、すでに散り始めているところもあったり、まばらでした。

しばらくは見頃が続くと思います。

 

岩場注意の看板。こういった岩場にも綺麗な花が隠れてる。

 

岩陰にひっそりと咲くイワウチワ。この花もアカヤシオと時期が被るので一緒に楽しめます。

 

 

明るい尾根道は続く。花が目当てではあったけども、この尾根も個人的には気に入った部分で、無駄なアップダウンも大してなく、のんびり歩けました。

 

たまに用意されているベンチ。こういうさりげない心遣いは秀麗富嶽十二景が見習うべきところ(笑)

秀麗はこういう気の利いたものは少ないからな~、、、

 

稜線はほぼアカヤシオとミツバツツジのオンパレードでした。場所によっては蕾も多いので、まだまだ楽しめそう。

 

山頂まで延びる緩やかな道。近隣の棒ノ折山が人気なので、こちらは空いているかと思ったけど、結構人がいました。山頂に着くまで、前後に人が途絶えることはなかったです。

 

展望台手前の分岐点。ここを右に有間山方面へ進むと、川苔山まで抜けられます。少しロングトレイルを楽しみたいならそちらに行くのもあり。

川苔山は単体でしか登ったことがないから、ぜひこのルートは歩いてみたいところ。

 

そしてこの分岐点が、実は蕨山の最高地点。かしこまったように小さな看板がありました。

標高1033mは低山ハイキングとしてはなかなか高い。序盤の急登もあるので、それなりにしっかりと山登りできます。

 

看板に書いてある通りに少し先へ進んだところに展望台があります。

 

10時半、蕨山展望台に到着。登りは休憩は取らなかったので1時間半ほどでした。

そこまで広くはないけど、北側の展望が開けていて、ベンチも置かれています。

 

展望台からの眺め。方角的に伊豆ヶ岳や武甲山方面の山が見えてるはずですが、どれがどの山なのかはいまいちわからなかった。

秀麗富嶽はもとより、奥多摩や丹沢もたいていは富士山が見えるので、展望に関しては奥武蔵の山はやや劣る気がする。地味な印象が拭えないのもそのあたりかもしれない。

そういうのもあって、ここら辺の山はやっぱり花とセットで登っておきたい。

 

この展望台に蕨山の標識もあります。最高地点をしり目に、一般的にはここが山頂とされているようで……

標高の下二桁がごにょごにょしているのは、正しい最高地点ではないという後ろめたさがあるからかな( ̄▽ ̄)

 

山頂にもアカヤシオは咲いてます。蕾もまだ残っていたけど、8分咲きくらいで数日後には満開を迎えるという感じでした。

 

どんどん人が登ってきたので、軽く休憩してさわらびの湯方面へ下山開始。

この分だと昼過ぎには降りれそう。

 

今回のルートで一番快適に歩けたのが、ここから先の金比羅尾根。さわらびの湯まで距離6km以上あるけども、道が緩やかでかなり歩きやすい。

 

こちら側もツツジラッシュが続く。ミツバツツジについては、登ってきた方よりこちら側のほうがたくさん咲いていて綺麗でした。

 

ある程度人を追い越すと、一気に静かになって前後に人もいなくなりました。

やっぱり山は静かな方がいい。

 

藤棚山に到着。標識がなかったら間違いなくスルーしてしまうような、山頂という感じがしない場所でした。

 

まだまだ続く尾根道。傾斜としては陣馬山~高尾山くらいの平坦さなので、トレランの人は疼くに違いない道。

最後のほうでどこから現れたのか、自転車に乗った人に追い抜かれました。

 

尽きることのないツツジロード

 

アカヤシオについてはすでに枯れ落ちている樹も目立っていて、全体が揃って最盛期を迎えるということはなさそうでした。

暖冬という気温の変動で、花も開花のタイミングに困っているんでしょうかね…。

 

こちらの白い花はなんでしょうか?陽の光に照らされて白く輝いて綺麗でした。

(※コメント頂いた方からモミジイチゴの花だと教えていただきました。あきやまさんありがとうございます!)

 

この尾根道は展望も悪くない。名峰が眺められるわけではないけども、低山のポテンシャルとしてはなかなか高いものを持ってます。樹林帯に囲まれて黙々と歩くようなシーンは少なくて、退屈を感じることはなかったです。

一人カッコよく岩場に立っておられた方がいたので、モデルにさせてもらいました。

 

大ヨケの頭

 

突然現れた遊歩道のように整備された道。ミツバツツジについてはこのあたりが群生となっていて一番たくさん咲いてた箇所でした。

 

今回の山旅は本当にツツジしか見ていない気がする(笑)

アカヤシオはもちろん、ミツバツツジも同時に堪能できたのは予想外の収穫。

 

都内近郊でこれほどたくさんアカヤシオが咲いている山もそう多くはないはず。

蕨山はもっとアカヤシオ押しでプロモーションした方がいいと思う。

 

いったん林道を渡って再び登山道へ。この先に小ヨケの頭もあるはずだったのですが、見つけられませんでした。

 

終盤に差し掛かると、麓の名栗湖が見えてきます。一部しか見えなかったけど、なかなか大きい湖。

手前に咲いているのはわかりづらいけど桜。ツツジの写真しか載せなかったけど、遠目にはちらほら桜も咲いてました。

 

下山路で目についた名栗湖ネイチャートレイルのこの標識。番号が振ってあって、自然に関する小ネタが載せられてます。何だかんだ1つ1つ丁寧に読んでしまった(笑)

 

こちらが金比羅神社の社跡。本殿はもう少し下に行ったところにあります。

山の中にある神社はそれだけで厳かな雰囲気がする。

 

 

もうこれで今日の山旅も終わりかと思ったけど、神社を過ぎたあたりから思いがけず、足元に花がたくさん咲き始めました。特にこのタチツボスミレは群生となって咲いてて綺麗でした。

 

フモトスミレ

 

ヤマブキ

 

これからの花を楽しんでいる間に、突然自転車に追い越された……

 

なんだか言葉には表せないけど、この下山路は本当に気持ちよく歩けた。久しぶりに雪山じゃないというものあって、下手な緊張感もなかったし、心底リラックスできた気がする。

 

12時40分、墓地脇に下山。道路を渡った目の前がさわらびの湯です。

全体を通して4時間に満たない短いハイキングでしたが、こういうのもたまにはやりたい。休憩をほとんどしなかったので、普通に歩けばもう少し時間はかかるけども、それでも5時間程度で、誰にでも歩けるコースです。

もう少し長く歩きたいなら川苔山までの縦走も可能。もしくは大回りして棒ノ折山まで周遊するとか。ルート選択も豊富な山です。

 

さわらびの湯でも桜がまだ咲いてました。桜で始り桜で終わった山旅。春爛漫の充実したお花見登山でした。

 

12時45分のバスがちょうど来たので、それに乗って帰りました。この時間帯のバスはさすがに乗客も少なかったので、無事に座って帰ることができました。

ちなみにさわらびの湯は、過去2回ほど入ったことがあるけど、週末はかなり混雑します。本当にハイカーでごった返すので、入浴するのであればできる限り早めに降りてきた方がいいです。

 

まだアカヤシオもミツバツツジも見頃が始まった感じだったので、あと1週間ほどは問題なく楽しめると思います。今週末の天気もあまり良くなさそうですが、多少天気が悪くても、展望と違って花はそこに咲いていてくれるので、それなりに楽しめると思います。

良ければ見に行ってみてください。

 

アカヤシオを求めて、春の山旅

 

おしまい

 

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【日程】

2016年4月16日 晴れ

【コースタイム】

飯能駅(8:00) — 名郷バス停(9:00) — 蕨山(10:30) — 大ヨケの頭(11:30) — さわらびの湯(12:45) — 飯能駅(13:45)

 

 

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