朝日岳~雪倉岳(北アルプス) 蓮華温泉周回ルート テント泊紅葉登山

朝日岳~雪倉岳(北アルプス) 蓮華温泉周回ルート テント泊紅葉登山

2015年9月のシルバーウィークは北アルプスの朝日岳~雪倉岳を1泊2日でテント泊縦走してきました。

蓮華温泉を基点に五輪尾根~朝日岳~雪倉岳~白馬大池と巡る周回ルート。両山とも後立山連峰に属しており、朝日岳は三百名山、雪倉岳は二百名山とブランド力を持ち合わせていながらも、近くの白馬岳に人気が集中しているためか、比較的静かに山歩きが楽しめる山域。実際、シルバーウィークでありながらも、登山道はそこまで人もいなくてテント場も快適でした。

今年は例年よりも紅葉時期が早く、朝日岳と雪倉岳でも9月中旬にして紅葉登山を楽しむことができました。木道と湿原、穏やかな稜線、そこに広がる紅葉風景が予想以上に綺麗で、特に圧巻だったのが雪倉岳方面から見た白馬岳・旭岳の紅葉。大好きな白馬岳の裏の顔を見れた気がしました。

高山植物豊富な山域として有名ですが、紅葉時期もおすすめしたい山です。

 

紅葉の北アルプス、朝日岳・雪倉岳―――

 


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2015年の紅葉登山はシルバーウィークから始動。

1発目は北アルプスへ行ってきました。

、、、と言っても、もともとは北アルプスへ行くつもりなんか全くなくて、予定していたのは南アルプスの聖岳・光岳縦走。昨年、紅葉時期の連休に赤石岳~荒川三山を縦走して、静かで快適な山旅が楽しめたので、その時から決めていた山行でした。

出発は9/19土曜日。9/20~9/22の2泊3日で日曜日から登る予定だったので、駐車場がすでに満車になっていないか……、心配していたのはそれくらいだった。

久しぶりのテント泊で体力にやや不安もあったけど、一応前週の前穂高岳で負った筋肉痛も完治したし、ウィダー・アミノバイタル系ゼリー飲料も豊富に取りそろえたし、準備万端で後は出発するだけ。

 

そう思ってた矢先。事件が起こる……

 

出発間際に何気なくTwitterを見ていたら、飛び込んできた山岳ニュース。

 

南アルプス林道崩壊の道路情報。紛れもなく、数時間後に自分たちが通過する予定だった林道……。

右の写真は後日飯田市のHPにアップされたもので、この時はこれほど悲惨な崩壊になっているとは思ってなかったけど、割とひどい状況って言うのは入ってきた情報で何となくわかった。

 

残念ではあったけど、それよりもまず第一に思ったのが「危なかった……」というホッとした気持ち。崩壊に巻き込まれなかったのはもちろん、知らずに現地に行って足止め食らわずに済んだし、現地入りした後に崩壊が起こっていたら帰れなくなってただろうし、、、

直前で知れたのは助かった。

※すでに登山口まで入ってしまってる人たちはどうしたんだろ?って思ったけど、下山だけ何とか通行できるようにしたみたいです

 

そんなわけで、聖岳・光岳縦走が中止となり、急いでプランを練り直す。自分と同行者がこれまで行ってないところで行きたいところ、かつある程度予備知識があって急な変更でも対応できるところ……

そこで白羽の矢が立ったのが、今回の北アルプス朝日岳・雪倉岳だったってわけです。

 

こういう事情があって、南アルプスから北アルプスに変更してのシルバーウィーク登山となりました。

 

~~ 2015年9月20~21日 北アルプス朝日岳・雪倉岳 テント泊登山 ~~

出発がドタバタしつつも、聖岳・光岳縦走に比べると難易度も落ちるし、1泊2日で回れるルートにしたので、気持ちとしてはやや気楽にはなった。荷物もやや減らせたしね。

ただ、南アルプス以上に人気のある北アルプス。さぞ、混んでいるんだろうな……と思って現地入り。

 

案の定、登山口までの林道には路駐の列。。。

これは引き返して下から登りはじめないとダメかと思ったけど、運よく駐車場わきに1ヶ所空きがあったのでそこに停めることができました。土曜日帰りの人の空きスペースかな?休みを1日ずらした日曜入りが功を奏したのかもしれない。

 

朝日岳・雪倉岳の登山口の基点となるのが、ここ蓮華温泉。北アルプスでは珍しい新潟県からのスタートになります。

駐車場は70台ほど停めらえるスペースがありますが、こんな感じでビッシリ車が入ってました。恐るべき、シルバーウィーク……。

旅行会社の売り上げや渋滞予想なんか聞いても、ゴールデンウィークより混雑するのがシルバーウィークらしい。

 

蓮華温泉ロッジ。ここは露天風呂が開放的で秘湯感あふれおり、下山後に入らせてもらったので最後の方に軽く写真載せておきます。

スタートは少し遅めの7時半。1日目の行程は8時間程度なのでこの時間のスタートでも十分間に合う。

ただ、テント場も混雑が予想されるので、なるべく早く着きたいところ。

 

そんなわけで、蓮華温泉よりスタート。五輪尾根を登って朝日岳へと向かいます。

今回の同行者は、久しぶりのこの男。一緒に登るのはゴールデンウィーク以来か。

 

スタートして少しして開ける場所が兵馬ノ平の湿原。急遽変更になったプランなので紅葉状況とか調べてなかったけど、ここの草紅葉と山の上の方の色づき具合を見て、にわかに紅葉登山になることへの期待が高まった。

登山道については、蓮華温泉からスタートする場合はしばらくは下り坂になります。それも少しとかではなく、不安になるくらい結構下ります。逆ルートで歩く場合は最後に登り返しが待ってるってことなのでご注意を。

 

とげとげのない栗発見。

 

しばらく歩いて白高地沢の橋に到着。こんな感じの立派な橋が架けられた場所で、ここまでが基本的に下り。蓮華温泉から200mは下ったはず。

この先はひたすら登りになります。

 

キャンプできるほど広い河原。石のテーブルも用意されていたので、急登前に休憩するにはちょうどいい場所。

 

登り開始。まずはカモシカ坂と呼ばれる急坂を登る。

今年の夏は残暑がなかったとはいえ、9月中旬のこの時期はまだ日中は蒸し暑い。日差しがないのがやや助かっているけど、テント泊装備での登山が2ヶ月前の白山~別山縦走以来なもんで、身体が重いよ……。

 

ここら辺は樹林帯の中をひたすら登っているので省略。晴れ予報のはずが青空も消え、やや気持ちが沈んでいた時間帯。

 

そんな気持ちは紅葉に少しだけ救われた。登っていると面白いように葉が色づき始めてくる。

中盤でこれだけの紅葉が見られるとは良い意味で想定外。山頂付近がどうなっているのか期待せずにはいられなかった。

 

花園三角点を越えたところの湿原。道は急坂も終わって展望いい五輪高原に入っていく。

登り終わってひと段落したところで、この草紅葉。ちょうど雲の中に入ってしまったのは残念すぎるけど、心地よい景色でした。

ただ、青空がほしい!

 

青ザクと呼ばれるポイントも通過。ここら辺は展望がほとんどなかったので休憩なしで進む。

ここまで来ると道もさらに緩くなって余裕が出てきます。

 

ピンクの猫じゃらし、カライトソウの群生。季節は紅葉時期に入っているけど、遅咲きの花がまだ多く咲いてました。

 

アヤメ

 

トリカブト

 

ミヤマアケボノソウ。数はそこまで多くはなかったけど、この黒い花がインパクトあって目を惹かれた。

紅葉時期でこれだけの種類の花が咲いているので、初夏の時期はもの凄い花の宝庫になっていそうな五輪高原。もともと夏に来る予定だった場所でもあるので、早くも再訪決定の予感…!

 

そんな感じで花を愛でながら進んでいると、ようやくガスが切れてきて薄ら青空が見えてきた。

ちょうど五輪の森を抜けたあたり。五輪尾根、五輪高原、五輪の森、五輪山……、ここら辺の地名は五輪ずくしだけど、オリンピックとはおそらく何の関係もないはず。オリンピックイヤーにゲン担ぎに登りに来るのはありだな( ̄▽ ̄)

 

このガスの中から飛び出る瞬間というのは、最高に気持ちが昂る!

この後に待っている風景は当然決まっていて、、、

 

何度見ても感動を約束してくれる雲海!雲の上に出るのはそれだけで気分がいい。

蓮華温泉からここまで結構省略しているけど、すでに6時間ほど登ってきてます。なかなか展望が得られなかった分、この爽快な青空が気持ちよかった。さっきまでしつこく邪魔していた雲を見下すのも痛快!

 

どんな景色も青空の下では一層映える。紅葉が先ほどまでとは比べ物にならないほど華やかに見えました。

 

穏やかな景色に木道敷かれた散策路。一転して天国のような風景!これは堪らなかった。

特にここら辺がちょうど紅葉も見ごろを迎えていて、タイミング良かった。赤、黄、緑とバランスよく彩られているがまた風情あります。

 

小さい沢も流れて、ここもまた山の上の楽園。ガスの中からこの景色に飛び込んできたので余計に感動できたんだと思う。本当にのどかな雰囲気広がってました。

草原のような緑豊かな眺めは、良い意味で北アルプスらしくない。山域としては北アルプスに属しているけど、雰囲気はどちらかというと上信越に近い印象でした。

 

広い穏やかな風景。蓮華温泉からすでに10km歩いてきているけど、疲れを忘れさせてくれる。

夏はお花畑が一面に広がっているのが、容易に想像できる高原でした。

 

ミヤマリンドウもまだ咲き残ってました。

 

秋の代表的な花の1つ、チングルマの穂。今年は初夏の時期からチングルマにはお世話になりましたm(__)m

花はとっくに終わってるけど、風になびく穂も十分に見ごたえあります。

 

雄大な湿原から山頂へ通じる木道路。1日目のハイライトシーンは間違いなくここ。

ガスが取れて徐々に朝日岳が現れるシーンは、演出されているかのような移り変わり。木道っていうのも北アルプスじゃ割と珍しいと思う。

 

振り返って見る紅葉がまた素晴らしい。朝日岳は標高2500mもないので、北アルプスの中ではかなり低いほう。ただ、低いかわりに山頂付近まで草木が豊富なので、こうして葉が色づくとひときわ綺麗。特にこの時期は色のバランスがちょうどいい。

北アルプスの中でも紅葉の名所の1つと言えるはず!

 

13時40分、吹上のコルに到着。山頂まで残り1時間の地点。

でも個人的には、山頂よりも興味を引かれる道があって……

 

ここは栂海新道との合流場所。

栂海新道(つがみしんどう)、この道は北アルプスで唯一日本海へと通じるルート。海抜0メートルまで下るのは相当大変で時間もかかるけど、最後に海にダイブできるってのは素敵じゃないか。

8月に猿倉あたりから入って、白馬岳~雪倉岳~朝日岳~栂海新道~日本海(親不知)へ抜ける大縦走は計画はしてたんだけど、長期の体調不良でとても歩けるとは思えず、結局夢見るだけに終わったプラン。

少し残念だったけど、この夏やり残したことと言えばこれくらい。来年以降の楽しみに取っておくってことで、今回は雪倉~朝日のルートをみっちり下見しておく。

 

こちらは朝日池。 道がないのでこれ以上近づくことはできないけれど、ここの周りも紅葉が綺麗でした。

 

山頂へ最後の登り。先ほどまでの木道とは一変して、火山のような出で立ち。

 

雲の上の稜線。秋らしい色づきは夏とはまた違う魅力がある。

 

雲の上で紅葉を楽しめるってのも、なかなかないと思う。

朝日岳へ登る途中の五輪山あたりの紅葉は本当に綺麗でした。

 

序盤の五輪尾根に比べたらはるかに楽な道。山頂までは展望楽しみながら、優雅な稜線ハイク楽しめます。

まさきと話していて思ったんだけど、さっきの吹上のコルから山頂へ向かう道、どことなく北海道の大雪山を思わせる感じがありました。火山系の砂地もありながら、植生もあるところが似ていたんだと思う。

 

14時15分、朝日岳山頂に到着。

標高2418m。北アルプスの中では大して高くない山なのに、7時間の長丁場。えらく長く感じた……。

アップダウンも多少はあったけど、そこまで登り返しがあったわけでもないので、おそらく距離が長かったんだろうね。(もしくは体力が衰えただけか……)

地図に書いてある通り、標高差の割には時間かかりました。

 

ダイナミックな雲の動き。

山頂の周囲が雲に囲まれて、邪魔な存在ではあったけど、これはこれで迫力ある眺めでもありました。

 

雲に囲まれながらも、首を伸ばすように顔をのぞかせてくれたのが白馬岳。

周囲の山で見えたのはこれくらいで、他は雲に隠れて見えませんでした。だからこそ、みんなしっかりと白馬の姿を眺めてたな。

 

こちらは歩いてきた稜線。緑の中に色づいた樹がとにかく綺麗で、ここは本当に紅葉の隠れた名所だと思った。

それを雲の上で見れるというのがまたいい。

 

山頂がガスに覆われることはなかったけど、周囲を取り巻く雲がどきそうになかったので朝日小屋へ向かうことに。

シルバーウィークでテント場の混み具合も心配だったしね。早めに場所を確保したかった。

 

朝日小屋への下山路。40分ほどで小屋へ着く道のりだったけど、ここも湿原のような静かな場所で紅葉も綺麗でした。

 

尾根伝いに敷かれた木道。その先に、本日泊まる朝日小屋が見えてきた。

 

15時15分、朝日小屋に到着。しつこいように感じた雲も、徐々に消えていってくれて、小屋にも日差しが照り付けてました。

風もなくて暖かいので、ベンチでみんなビール飲んでた。

 

こちらがテント場。16時近くになってもまだそこそこ空きがある感じでした。

ここのテント場はフラットで快適。シルバーウィークでさえそこまで窮屈な感じはせずに、場所も余裕で確保できた。

ただ、それでも少しキャパオーバーだったのか、テント場の水道は陽が暮れる頃には切れて出なくなってました。

 

テント張って場所を無事に確保した後は、とりあえず乾杯!ソロで登っているときは飲む気もしないビールだけど、人と一緒に登るとやはり飲みたくなる。

 

テント場から見る、朝日岳の紅葉。まだピークではなかったけども、この色づき具合が夏山の終わり、そして紅葉登山のスタートを感じさせてくれた。

 

この2日前が自分の誕生日だったので、まさき特製のステーキ、御馳走になりました!

ありがとさん!山で食う肉は格別や~。白いご飯を持ってこなかったことを激しく後悔した…

 

17時を過ぎると、陽も徐々に傾き始めて夕暮れの時刻。陽が暮れるのもだいぶ早くなったなー

雲も下にどいてくれて、綺麗な夕焼け見ることができました。

 

朝日岳のアーベントロート

紅葉も合わさって、山肌がオレンジ色に染まる。

 

ずっと見えなかった白馬岳の稜線も見事に見えました。

白馬岳大好きと言っておきながら、3年ぶりの白馬岳。今回はあの頂に踏むことはなかったけど、やっぱり見ているだけでそそられる稜線と山肌。雪倉岳は初登頂になるので、それも楽しみ。

 

こちらは日本海側。雲海の下に本当の海が広がっています。

 

17時45分、日没を迎える。この日は夜になるにつれて天気も回復。陽が暮れてからの星空も綺麗でした。

 

テント場からの星空。天の川も綺麗に見えてる。

撮影者は自分じゃなくてまさき。これを明記しておかないと後で怒られるんでね…( ̄▽ ̄;)

一眼レフじゃなくてもこれくらい綺麗に撮れるもんなんだな。この翌週はソロテント泊の予定だから、その時に星空撮影も頑張ってみる。

 

夜は風もなくてそれほど寒くもなく、特別着こんだりせずに寝ることができました。

 

迎えた翌朝。5時すぎになると空が淡く紫色に染まってきた。

今日の行程はここから雪倉岳を登って白馬大池、蓮華温泉へと下山するルート。10時間は超える道のりなので5時半に出発。

 

 

雪倉岳へは水平道を行きます。

しばらくは山の西側を歩いて行くので、陰になって太陽は見れない。テント場も同じで、朝日岳に登らないとご来光は見れません。

 

この日もやや雲の多い1日。それでも明け方は剱岳や立山を見ることができました。

 

水平道の紅葉も綺麗。奥には白馬岳。

 

地図にも書いてあるけど、水平道と行っておきながら道は細かいアップダウンの連続。全然水平なんかじゃない(笑)

やや道が狭い所もあって、そこそこ疲れます。

 

木道が出てきたら、しばらくは快適な散策路。目の前に雪倉岳と白馬岳が見えるいい道です。

 

ようやく見れた朝日!

陽の光に輝く空と池塘。ここもまたいい景色。

 

下から見上げる朝日岳。山頂付近の紅葉が綺麗でした。

朝日岳を見れたのはこの瞬間だけで、この後はすぐに雲に覆われて見えなくなってしまいました。標高が低いから、簡単に雲に飲み込まれてしまうのか…

 

朝日岳直登コースとの分岐も過ぎて雪倉岳へと向かう。

テント場からしばらく山の陰を歩いてきたので道も暗かったけど、日差しも浴びれて身体も目が覚めてくる。陽が当たればまだ半袖で歩ける気温。

 

夏はお花畑になる湿原。草紅葉がいい感じに色づいてます。

朝日岳~雪倉岳は木道が多くて歩きやすい。

 

真横に突然現れた巨大な岩、燕岩

この岩を過ぎると、いよいよ雪倉岳への本格的な登りが始まります。

 

テーブルマウンテンに見える山は雪倉岳ではなく、山頂はそのさらに奥。ここからだと見えない。

なかなかの標高差ありそうだけど、ここから稜線に出れるので展望が一気に開けるところ。

 

稜線に出ると風がなかなか強くて斜面も急になってきたけど、景色は良好。

 

この稜線なんかは、いかにも上信越のトレイルといった感じ。 単に岩が少ないからだろうけど、良い意味で北アルプスっぽさがなかった。

 

北アルプスの中でも限りなく北に位置する朝日岳・雪倉岳。北アルプス山域よりも、妙高・火打エリアの山の方が近くて良く見えました。

 

おそらく名前もついてない雪倉岳の優美なカール。

9月中旬でも残っている雪。全て融けることなく、今年の雪がもう間もなく降り始める季節。

 

迫りくる雲との追いかけっこ。雲が湧き上がるスピードが物凄く速い。

この日も雲の上の稜線ハイクとなりました。

 

 

雪倉岳の稜線も雲の通り道。さわやかミストで、突っ切るときはひんやりする。

 

風が強いので、雲が切れるのも早い。

燕岩からずっと登りが続いたけど、山頂ももうすぐ。

 

ハート型の雪倉池。近寄ることはできないけど、この池の周りも紅葉が素晴らしく綺麗でした。

朝日岳に朝日池、雪倉岳に雪倉池、白馬岳に白馬大池。ここら辺は水がすこぶる豊富なようで、山と池がセットになってるな。

 

山頂まで天気が持つか微妙なところ…。写真では見切れているけど、右側から大量の雲が押し寄せてきてました。

 

8時50分、雪倉岳山頂に到着。

だいぶ雲が押し寄せてきてたけど、取れそうな気配もあったので少しだけ粘ってみることにした。

 

雲に包まれながらも、瞬間的に晴れて白馬岳を見ることもできた。

写真を撮るタイミングが難しくて、本当に一瞬。

もう無理だろ、と思って下山しようとしたらいきなり晴れたので急いで戻ったりと、、、雪倉岳におちょくられている感じだったな(笑)

 

まだ先が長いので30分ほど粘って下山。この時間になると雪倉岳もすっかり雲に覆われてしまいました。

予報では午前中は天気良いと思ってたんだけど、崩れるのが早かったな。。。この後も天気の回復は見込めないと思ってたので、このまま終わるのもやや不完全燃焼だから、白馬岳あたりでもう1泊しようかなんて話してた。この時は…。

 

雪倉岳避難小屋は完全にガスの中。

小屋の中を覗いてみたけど、結構広くて綺麗でした。「非常時のみ利用のこと」と書かれているけど、立地条件が良いからここに泊まる人多そう。

ここにテント場があれば!なんて思ってる人も多いはず。

 

晴れていればここも素晴らしい道なんだろうけど、あいにく視界がゼロなので、チングルマの群生を見て楽しむ。

道も平坦で広々しているので、おそらく自分が大好きになれそうな道。天気が惜しすぎるので、初夏の時期にでも再訪したいところかな。

 

白馬岳に近づくにつれて、登山道の紅葉も再び綺麗に見えてきた。

 

さらに、予報に反して天気が回復してきた。

不完全燃焼だからもう1泊と考えていたけど、次の瞬間にそれが覆った。

 

突然現れた2つの山。白馬岳と旭岳の絶景ポイント。

 

特に目を奪われたのがこの旭岳(あさひだけ)。尖がった山のシルエットがとてもカッコよかった。白馬岳の脇にひっそりと立っているのであまり意識されないけど、こちら側から見ると白馬岳以上に存在感のある山。

白い山肌と紅葉の色づきも最高に綺麗でした。

 

白馬岳も紅葉が見ごろを迎えていた。北アルプスの紅葉はもう1,2週間後だと思っていたから、紅葉登山になったのは良い意味で誤算。

本当なら南アルプスに行きたかったけど、紅葉が見れたという点では北アルプスに変更して正解だったと思う。

 

白馬岳に近づくにつれて、稜線も白砂になってくる。北アルプス感がようやく出てきた感じ。

 

後には鉢ヶ岳。あの山に登る道はなく、右の斜面をトラバースするルートになっています。

 

この旅のハイライトは間違いなくこのシーン。

白馬岳の裏の顔。雪倉岳方面から歩いてこないと見れない景色がこれほど素晴らしいものだとは思わなかった。

最後に起死回生の絶景を見せてくれた白馬岳。憧れの山への想いは余計に強くなったぞ!

 

次に白馬岳に登ったら、この旭岳もしっかり見ようと思う。今回は完全にこの山が主役でした。

読みが同じ1日目の朝日岳も、残念ながらこちらの旭岳に持っていかれてしまった感じがする。

欲を言えばもう少し青空がほしかったけど、これだけでも大満足。雲の演出が神々しさを感じられたし。

 

ここにもあった池。長池と呼ばれる池で、道はないはずだけど登山道らしき道が伸びてました。

地図に書かれている池の形って、意外と実物に忠実なんだと思った。地図の通り、盾のような面白い形してました。

 

白馬岳に向かうまでの稜線は基本的に登りになるけど、人が少なくてのんびり歩けたのが良かった。久しぶりの重装備でかなりバテてたんでね……

 

何度も振り返ってしまう旭岳。最後にいいもの見せてくれてありがとうございました。

三国境の分岐から30分くらい歩けば見れる景色なので、雪倉岳に登らなくても時間があればぜひ立ち寄ってほしいところ。

 

もう1泊する予定だったけど、起死回生の絶景を見れたのでもう思い残すこともなし!

白馬岳のピークは踏んでも良かったけど、山頂はガスって登っても大した意味はないので行きませんでした。

そういうわけで、白馬大池方面へ歩を進める。

 

白馬岳の稜線に合流。3年ぶりの場所。

テント泊も始めたてで、北アルプスも焼岳、燕岳くらいしか登ったことのなかった初々しきあの頃の記憶がよみがえる。

 

【2012年7月27日~28日 夏の白馬岳テント泊登山】

(記録) http://bluesky.rash.jp/blog/hiking/shiroumadake1.html

初めての雪渓、初めての稜線、初めての雷鳥。北アルプスでのテント泊もこの時が初めてで、目にする全ての景色に感動したのを覚えてる。雪が残ったこの稜線も最高に綺麗で、3年経った今でも色あせない思い出。

この感動もあって、今でも白馬岳が北アルプスの中で一番好きな山になってる。一番好きと言っておきながら、ピーク自体はまだ1回しか踏んだことがないけどね!(笑)

 

さすが人気の白馬岳。昼を過ぎてあいにくの空模様だけど、どんどん人が登ってくる。

青空の下でいつかまたこの稜線は歩きたいねぇ…。それと可能なら3月、4月あたりの雪が積もった時期にもここは歩いてみたい。冬山をそこまで深くはするつもりはないけど、この白馬岳の稜線を歩くことはささやかな夢。

 

ガスった時に現れる天使と言えば、この子。初めて見た雷鳥がこの白馬岳だったから、今回もきっと出てきてくれるだろうと思ってたけど、登山道のど真ん中に太々しくおりました。

冬の白毛が生えてきてた。この子の姿の変わり具合からも季節の流れを感じられる。

 

白馬大池。これまで見た池とは比べ物にならないほど大きい池。

ここも3年ぶり。前に来たときは池の周りにチングルマが咲き誇っていたのを覚えている。今回は草紅葉が広がっていました。

 

14時前に白馬大池山荘に到着。途中、1泊するつもりでゆっくり歩いたから、明るいうちに下りれるかやや心配だったけど、全然余裕でした。

ここのテント場も池のほとりという最高のロケーションだから、一度は泊まってみたいところ。

 

白馬大池から蓮華温泉方面へ下山。栂池からの道がメインルートだから、こっちから登ってくる人はほとんどいなかったけど、道は登山口までしっかりと整備されてます。

 

チングルマの群生。花の楽園白馬岳は秋に来ても十分に見どころあふれる山でした。

 

この下山路は天狗の庭近辺の紅葉が綺麗でした。そこから下は単調な道だったので省略。

白馬大池からそれほど長くは感じない道でした。

 

蓮華温泉まで残りわずかというところで露天風呂発見(笑)

黄金湯」。登山道のすぐ脇にありました。

 

せっかく山の奥の温泉まで来たので、自分たちも入って帰ることに。(※日帰り入浴は16時まで。露天風呂のみなら500円)

蓮華温泉ロッジには内湯しかなくて、露天風呂はこんな感じで外に点在しているので歩いて登らないといけません。先ほど下山中に見た黄金湯もその1つ。

 

とりあえず一番上の火山噴気帯近くまで行ってみる。

 

仙気ノ湯。これぞ開放感抜群の究極の露天風呂!脱衣所や洗い場なんて一切なし。本当の秘湯。(もちろん混浴)

下ノ廊下を歩いた時に入った阿曽原温泉も野天風呂で開放感あったけど、ここはさらにその上を行ってました。

少し上の薬師湯は混んでたようなのでここにずっと入ってたけど、広さと湯温はここが一番ちょうどいいみたいです。少ししたらここも混んできたけど、いい湯でした。

女性は入るなら水着持ってきた方が良さそう。

 

こうして最後に風呂も楽しんで、今回の旅は終了。突然変更になったプランだったけど、何だかんだうまく行って良かった。

駐車場は相変わらず満車で、林道の路駐はさらに下まで続いていました。

 

帰りに立ち寄ったお食事処がコスパ最強だったのでご紹介。

白馬駅近くの「絵夢」という定食屋さん。

 

チキンカツ定食。なぜか半ラーメンがつく上に、「半」とは言えないほどの量です。

これで確か850円。ボリューム満点でこの安さ。登山後にガッツリ行きたい時におすすめしておきます。

 

 

こんな感じで北アルプス朝日岳~雪倉岳を周ってきました。

冒頭にも書いたけども、本来なら南アルプスの聖岳・光岳を縦走しているはずだったシルバーウィーク。出だしから命拾いして予定変更を迫られるというヒヤヒヤのスタートになったけども、代替案としては大成功だったのではないかなと。

全く期待してなかった紅葉もすでに見ごろを迎えていたし、朝日岳~雪倉岳にかけての稜線と木道、湿原は上信越の山の雰囲気に近いものがあって、これまでの北アルプスとは一味違う楽しさがありました。

心配していたテント場の混雑もなく、登山道も空いていて普段と変わらぬ山歩きができたのも良かった。

 

色々と印象的な風景はあったけど、今回の旅のベストシーンを選ぶとしたらやっぱり雪倉岳から白馬岳に向かう途中で見たこの景色。

この白馬岳と旭岳が造り出す世界観はなかなか言葉では伝えられないけど、 紅葉も合わさって心に残る景色でした。ガスから一転してこの景色が広がったので、余計にインパクトが大きかったのもあると思うけど、旭岳の秀麗な姿にはとにかく感動しました。

白馬岳の裏の顔を見れた気がして嬉しかったです。これだけでも今回のルートを歩いた価値は大いにありました。

 

朝日岳と雪倉岳、北アルプスの北端にある山なので、アクセス面でもなかなか行きづらい山域ではあるけれど、湿原とお花畑、木道と稜線が特徴的な山です。自分みたいに岩場が苦手なタイプはかなり好きになれると思うので、ぜひそんな方は行ってみてください。

 

2015年秋の紅葉登山第1弾。北アルプスの朝日岳~雪倉岳でした。

 

シルバーウィークはもう1ヶ所山登りしてきたので、それも追々書いて行こうと思います。

 

 

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【日程】

2015年9月20日~21日

【コースタイム】

・1日目

蓮華温泉(7:30) — 花園三角点(11:00) — 吹上のコル(13:40) — 朝日岳(14:15~14:40) — 朝日小屋泊(15:15)

・2日目

朝日小屋(5:30) — 燕岩(7:00) — 雪倉岳(8:50~9:20) — 小蓮華山(12:30) — 白馬大池(13:40) — 蓮華温泉(15:30)

 

 

 

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