燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ヶ岳 GWに北アルプス表銀座縦走

燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ヶ岳 GWに北アルプス表銀座縦走

GW後半は北アルプスの表銀座を縦走してきました。

冬山&テント泊装備を担いでの2泊3日の北アルプス縦走。75Lザックを背負っての雪山登山はあまり経験がないので、1つの挑戦ではあったのだけども、、、

結果的にはかなり過酷だった……。表銀座の核心部で吹雪かれた時には、「あぁ、、やばいな…。これは死ぬかも……」と。

こうして無事に縦走を終えていられるのは運も少なからずあったと思う。そういう意味では少し反省かもしれないけど、そんな過酷な状況下で見た北アルプスの美しい山脈は、痛いくらい目に焼き付いた。

雪山であるが故の難しさと楽しさ、いろいろな思いと体験ができた山旅(アドベンチャー)でした。

 

白銀の北アルプス、表銀座縦走―――

 


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まず、今回の予定ルートはこんな感じ↓

「中房温泉 — 燕岳 — 大天井岳 — 常念岳 — 蝶ヶ岳 — 上高地」

北アルプスの人気コース”表銀座縦走路”を歩いて常念・蝶を経て上高地へ降りるという、北から南へ縦へ進む、文字通りの縦走。

燕岳(2763m)、大天井岳(2922m)、常念岳(2857m)、蝶ヶ岳(2677m)の4つのピークを踏むロングコースで、あくまで順調に行けば、ということで2泊3日の行程で組んでました。

実際は天気との兼ね合いもあって、山は1泊2日で回ることになったんだけどもさ、、、

一番の核心部ともいえる大天井岳の直登時に大変な目にあって、一時はどうなることかわかったもんじゃなかった。

 

極限の疲れと達成感に満ちた山旅の記録なり。

 

~~2014年GWの締め、残雪北アルプス表銀座縦走~~

【1日目】

5月2日の夜、世間ではまさにGW4連休を迎えようとしている花金に、とある岳人と竹橋駅で合流。

登山で竹橋駅と言えば、、、もうお分かりの毎日アルペン号。今年もいよいよ便利な登山バスの運行が始まったんだぜ!

 

22時過ぎの竹橋駅、毎日新聞社ロビー。上の写真で今回の同行者がわかった方は、、、結構多いはず(笑)

GWなので、それはもうかなりの台数バスが出てた。立山室堂や上高地も開通され、北アルプスもいよいよシーズンイン。自分たちが乗るのは燕岳の登山口、中房温泉行のバス。

この毎日アルペンさ、何回か乗っていて気づいたんだけど、後ろの席のほうが若干スペースが広くて快適だよね。バスのタイプによるのかもしれんけど、今回も後ろの席になってラッキーでした。

 

GWの渋滞は深夜から始まっていて、談合坂SAに着くまでにすでに3時間経過。。時刻も2時すぎ。

こんなんじゃ定刻通りに中房温泉には着かないだろうと思って、早くも予定が狂う……

 

と思ってたら、普通に時刻通りの5時半に中房温泉に着いてた。自分が寝ている間に、運ちゃんかっ飛ばしてくれたようで。

 

ここで登山計画書提出。書いた行程としては

1日目:中房温泉~燕岳~大天井岳~大天荘避難小屋

2日目:大天荘避難小屋~常念岳~蝶ヶ岳~蝶ヶ岳ヒュッテ(幕営)

3日目:蝶ヶ岳ヒュッテ~徳沢~上高地

計画は1日目に大天井岳の避難小屋までのルートを書いたけど、表銀座に入ると途中でエスケープできなくなるので、燕岳到着時に判断ってことにした。

なんせテント装備担いで登るのが今シーズン初だし、どれだけ動けるかわからんかったからね。

 

まずは燕岳を目指して6時スタート。登るのは北アルプス三大急登の1つとして有名な”合戦尾根”。

合戦尾根に登るのはもう3度目だけど、この尾根、言うほど急登かね???っていつも思う。たぶん皆そう思ってるんだろうけども。

写真は第一ベンチ。この先も第二、第三と続いていきます。

 

第一ベンチを少し過ぎたあたりから雪。先行者多くてステップしっかりしてたので、序盤はアイゼンつけずにいきました。

 

第二ベンチ。各ベンチの区間はだいたい目安として30分くらい。

燕岳については、日帰りで登った記録があるので、そちらを参考にしてください。先が長いので今回はちょっと端折りぎみで。

アイゼンは富士見ベンチで着けました。

 

登るにつれて左手に見えてくるのが、これから歩く予定の表銀座縦走路。中央の一番高い山が今日のゴールの大天井岳。真っ白い表銀座を見るのはこれが初めてかな。

都内の街中では、もう半袖でも過ごせる陽気になってきたけど、北アルプスはまだまだ雪の世界。

 

9時少し前に合戦小屋に到着。ここは夏来ればスイカが売ってます。GW中は飲み物販売だけ(だった気がする)。

 

先週の会津駒ヶ岳で忘れた日焼け止め、今日はしっかり塗って山頂アタック。もう顔がボロボロにはなりたくないよ、、、ホント。ここ1週間マスクしながらの出勤だったし、、、(ブツブツ…)

無雪期は蛇行しながら登っていく道も、雪があるときは直登できるから手っ取り早い。

 

表銀座の奥に見えてきたのが、北アルプスのマッターホルン”槍ヶ岳”。北アルプスの景色を見て、まず探すのがこの山でしょ!富士山に次いで日本のシンボル的な山だと思う。

久しぶりに見れて感激しとります。早く槍ヶ岳~穂高連峰を横目に北アルプスの偉大さに浸りながら歩きたい!

そう思ったからこそ、選んだ今回のルート。

 

直登を終えると、右奥に今回の1つ目のピーク、燕岳が見える。標高的にはあと150mってとこ。

 

今日のルートを考えればまだ序盤なんだけど、テント泊装備が今シーズン初なもんで、すでに結構疲れてる。。(汗

全然ペース上がらなかったわ。

 

燕山荘の最後の登りも結構キツかった。。通常は右の尾根を目指して進んでいくけど、雪が残るこの時期は左から迂回して小屋へ登っていきます。

 

10時、燕山荘に到着。あんまりペースあげれず、ほぼ標準タイム通り。最初なんでこんなもんか。

 

小屋の前の名物石像。この子はいったい何者なんだ??

 

んでもって、燕岳がこちら!

燕岳と言えばやっぱりこのアングル。雪がなくても花崗岩と白砂で白い山肌のこの山は、「北アルプスの女王」なんて呼ばれてる。北アルプスの入門の山としてよく紹介されてるし、何となく女性に人気のイメージがある。

 

本当なら燕山荘から槍ヶ岳や裏銀座の山々が見えるはずなんだけど、この時はあいにく雲の中。晴れた日の写真はこちらを見てくだされ。

 

まずは荷物をデポって燕岳山頂へ。荷物デポれるって幸せ!

燕岳はこれで3回目だけど、花崗岩がやっぱり綺麗だわ、この山。

 

こちらも有名なイルカ岩。誰が見てもイルカに見える可愛い岩だけど、あまりに見惚れてたのか、ここで同行者のまさきがカメラ破損。

序盤でカメラ失うのはキツイかったな。。。不吉な予感がしないでもなかった。

 

山頂までは燕山荘から30分程度。アイゼン使わずに行けました。

 

10時半過ぎ、燕岳山頂に到着。今回の行程の1つ目のピーク!まずは、お疲れ様。

GWだからもっと混んでるかと思ったけど、山頂は先客3名だけでした。

 

燕岳山頂から、これから歩く予定の表銀座を見下ろす。

燕岳は過去2回来たことがあるけど、いずれも日帰りで表銀座を歩くのはこれが初。右奥の真っ白い山が今日の目的地でもある大天井岳。結構、距離あるね。

 

燕山荘に戻ってちょいとまさきと相談、、、というか意識合わせ。

この日、午後荒れる予報になっていたのは知ってたので、あまりに荒天なら燕山荘に泊まるのも考えてたけども、まだ昼前で時間的にも余裕あったので先へ進むことに。

これが良かったのか悪かったのか、、、微妙なところだけど、今思えば行って良かったと思ってる。

 

ここからいよいよ表銀座縦走路へ。常念小屋まで逃げ道のない1本の尾根道。

 

北アルプス屈指の人気ルート、表銀座。稜線伝いに展望の良い道が大天井岳まで続いてます。

 

燕山荘はかなり賑わってたけど、こっちに来る人は誰もいなかった。。たまにすれ違う人がいるくらいで静かな縦走路。

この時期はまだ大天井岳の大天荘は営業してないので、燕山荘に泊まって翌日大天井岳まで行く人がほとんどみたい。

 

歩き始めて30分くらいで見えてくる、岩の門。

 

これが蛙岩(げいろいわ)。

無雪期であれば右に迂回して登って行けばいいんだけども、冬ルートは危険なのでまっすぐ突っ切って進む!

 

こんな感じで、岩の隙間をくぐっていく。

ザックを担いだままでは通れないので、とりあえず自分が先に行ってザックを引き上げる。2人以上いれば全然問題ないけど、ソロだと通過するのが少しだけ厄介かもしれません。

 

もはや登山ってより探検。アドベンチャーだよ、アドベンチャー!

 

毎年、どこぞの岳人が2時間近くかけてこの蛙岩通過のための穴を掘ってくれるらしい。ホントすごいよな。

先人の偉業に感謝しつつ先へ進みましょう。

 

大下りの頭まで一気に下る。合戦尾根から眺めていたけど、見た目以上にアップダウンあった。

ここら辺から西風が若干強まってきた。

 

下ったら登り返し。雪のない箇所が結構あったのでアイゼンはなるべくつけないで進んだけども、こういう雪溜まりは踏み抜きもあって思ったよりも時間がかかる。

 

この先も、雪と岩場が半分半分。

 

雪庇脇を通過したり、、

 

でかい岩場をよじ登ったり、、、

序盤の蛙岩の穴くぐりと言い、意外とスリルがある表銀座。入門縦走コースって割にはなかなか歩き応えあるよ。

 

時間がたつにつれて徐々にガスってきた。西風も強まって向かって右の方向に顔が向けられない。

 

写真ではわからないけど、横から雹みたいな氷の塊が飛んできて顔痛かった。。ここらへんから余裕がなくなってくる。。

 

風もどんどん強くなってきた。急いだ方がよさそう。

 

そうして、たどり着いた大天井岳の直登取り付き地点、喜作レリーフ。時刻は15時。

 

この登りのハシゴが大天井岳の直登開始地点。

そして、これ以降、写真が途絶える……。。

 

取りついたタイミングが悪すぎた。

 

直登に取り付いて少し登った途端に、横から暴風。

 

もう写真撮ってる暇なんてなかった。

 

アイゼンの前爪とピッケル駆使しての登攀。もう落ちないことだけ考えてひたすら登った。

 

遠目で見た写真だけど、赤い線の部分を登ってる。この大天井岳までの直登は覚悟した方がいい。

予想以上に急で、下なんか向けたもんじゃない。とにかくゆっくり耐風姿勢取りながら少しずつ進んでいく。

 

唐松岳を思い出させる暴風。

手袋が厳冬期用のじゃなかったのが痛かった。防寒も若干甘かった気がする。

 

ガスっていて山頂まであとどれくらいなのかも全然わからなかった。登っても登っても全然つかないし、体温が急速に低下して本当にヤバいと思った。体力的というよりもメンタルがやられた。

 

終盤はまさきに先導してもらって、視界悪い中でどうにか進んでいく。

 

結果的には1時間程度の登りだったんだけど、もう時間の感覚なんてなかったし無我夢中だったわ。

 

吹雪の中、この標識を目にしたときはどれだけ安心したことか。。。

2年ぶりの大天井岳。でもそんな感慨に浸る余裕もなく、とにかく温まりたかったので、急いで避難小屋へ。

 

16時半、どうにか無事に目的地の避難小屋に到着。すでに満室でどうにか入り口付近にスペースがあったので、そこで寝ることに。この暴風の中、テント張って寝れる自信なんてなかったし。

この避難小屋に入れたのが今回一番の幸運だった。もしここが一杯で泊まれなかったらどうなってたことやら。。。

身体の震えが止まらなかったんで、すぐに着替えて温まる。大天井岳の取りつきで防寒が甘かった。途中でザックおろせるポイントなんてなかったから、もっとしっかり整えておくべきだったわ。

 

それでもどうにか落ち着いてきた。気づいたら小屋の外も朝を迎えたように明るい。

 

外へ出てみると、、、

 

風は相変わらず強いけど、さっきまでの吹雪が嘘のような青空!

 

過酷な状況の後だったからか、余計にこの穏やかな景色が天国に見えた。

大げさかもしれんけど、この時ばかりは生きてる!って実感できたよ。

 

ずっと見えなかった槍ヶ岳もしっかりと顔を出してくれた。もう泣きそうになるくらい綺麗な景色だった。

 

穂高連峰も見えてきて、二人してテンション上がったなー

最後の最後でいいもの見させてもらいました。

 

とりあえず、半ば強行ながらも予定通りの行程を終えた初日。夜は星空も綺麗だったけど、写真撮る気力もなく、就寝。。。

 

2日目へ。

 

【2日目】

4時半、避難小屋の扉の開閉の音で目が覚める。

昨晩まで強かった風の音もそんなにしない。

 

 

外へ出ると、東の空が綺麗に染まってた。人のシルエットがカッコよかった。

同じ避難小屋に泊まってた方々。

 

せっかくなので、前日はまるで展望がなかった大天井岳の山頂へもう一度。標高2922m、今回踏むピークの中では最高峰。

雲1つない快晴で、槍ヶ岳のモルゲンロートが綺麗でした。

 

大天井岳から見るご来光。また一日の始まり。

今日の行程も長いし、どうな冒険になるのやら。期待と不安が入り交じる。

 

大天井岳の山頂より。右の尾根が歩いてきた表銀座。北の急斜面は見たくない(笑)

左奥が立山・剱岳、中央奥が鹿島槍などの後立山連峰。

 

パノラマで穂高連峰~槍ヶ岳。鷲羽や水晶の名峰もすぐ近く。

北アルプスのほぼ全域を見渡せた。

 

そして、こちらがこれから歩く常念岳方面。中央右の白い山が常念岳、その右奥が蝶ヶ岳。今日は蝶ヶ岳まで歩く予定。

 

一晩使った冬季小屋で出発の準備。この小屋に入れなかったら本当にどうなってたんだろう。

小屋の定員はだいたい20人くらいでした。

 

6時半ごろ小屋を出発。風が少し強い程度で、気温もそんなに低くない。

前日の吹雪でびしょ濡れになった装備も歩いているとすぐ乾いた。

 

この日はずっと槍ヶ岳を横目に歩ける。これがしたかったんよ!前日の降雪もあって、山がまぶしいくらい輝いてた。

 

大天井岳ともお別れ。南側から見ると穏やかな山に見えるけど、北側は結構エグい斜面だから、積雪時に登る際はどうかお気をつけて。

 

この日はアイゼンは最初から履いてスタート。岩と雪のミックスが続くけど、危険なところはほとんどなし。

避難小屋に泊まった方のほとんどが先に出発してくれたので、トレースもバッチリ。

 

槍ヶ岳に向かって―――

カッコいい後姿だな、まさきさんよ。

 

燕岳とは全然違って、静かすぎる稜線。途中の東天井岳は、雪の状況次第ではピークを踏んでいかなきゃいけないみたいだけど、この時期は雪も剥げて、問題なくトラバースできました。

 

近づくにつれて迫力を増す常念岳。右奥には御嶽山も見えてきた。

 

さらに前穂高岳の奥には乗鞍岳も見えてきた。間に焼岳も見えるけど、この山たちの中じゃすごいちっこく見える。

 

う~ん、、前日があまり展望見れなかったから、どうしてもいろいろ見てしまうね。

立山連峰、後立山連峰もカッコいいわ~

 

 

先人が作ってくれた立派な階段。

 

トラバース。傾斜も大してないから、ここも特に問題なし。

このカールは下から見るとかなり綺麗。

 

こんな感じ。雰囲気が少しだけ天狗岳(八ヶ岳)に似てる気がした。

 

横通岳。ここもピーク踏まずに巻いて行けた。

さっきから写真が霞んでいるのは、カメラのレンズが曇っているのに気付かなかったから。雪山だと良くあることだから、許してね。

 

横通岳を過ぎると、ようやく常念小屋が見えてくる。

 

小屋までは急な下り坂。眼下に見えるのが常念小屋。

大天井岳ではテントは3張くらいだったけど、ここは上から見ると10張以上とたくさんだった。

 

そして、下りの倍くらいの登り返しで待ち構えてるのが常念岳。

あんな高低差あったっけか……?

 

あの登りはかなり疲れそうだったんで、常念小屋でとりあえず休憩。ここに来ると人も一気に増えた。

 

小屋で水を補充。1L200円でした。

雪洞の向こうに小屋の入口。そこで見た張り紙が衝撃で、、、

 

中房線が前夜から通行止めになってたのを知った…。これがなかなかの落石だったらしくて、後日写真見て規模の大きさを知った。巻き添え食らった人はいなかったみたいなので、それは幸いだったけども、燕岳に入っていた人はこの日は帰れなかっただろうに。。

逆に燕岳に登りに来ようとしてた人は、他に行くしかなかっただろうね。その一部がこの常念岳に流れて、かなり混んでた様子。(自分たちが乗ってきた中房温泉行きの毎日アルペンバス、この日はどうしたんだろうか…??)

 

ここで電波が入ったので、天気予報をチェック。すると、今日の午後から曇りで翌日は大荒れの天気とのこと。。。

昨日の教訓もあるし、大荒れはもう勘弁したい。

 

ということで、今日のうちに頑張って降りちゃおうってことで、蝶ヶ岳から一気に徳沢まで下ることを目標に。3時間増しのコースに変更。体力が持つかはわからんけどね。

 

先を急ぐってことで、9時半に常念岳アタック開始。この急な登りを1時間登れば着くんだけど、、、

全然足が上がらん!!!

 

この登りは2年前に一度歩いてるけどさ、、ここ、こんなに辛かったっけ??

 

そう思って、過去の記事読み返してみたら、、、そういえば小屋にザックデポって登ったんだったわ(笑)

 

ゼンマイ式でスーパースロー&ノンストップで地道に登っていく。まさきはチョロQ式とのこと。少し休んで一気に登る、を繰り返すタイプ。

後ろを振り返ると、いつの間にか雲が出てた。まだ10時だけど、思ったよりも早く崩れるかもしれん。。。急がんと!

 

そう思っても、全然ペース上がんない。。。山頂見えてるのに、遠いよ…

 

ゼェゼェ言いながらも、どうにか山頂手前に到着。

ここですぐに山頂に行くのではなく、軽く息を整えて平然とした顔で他のハイカーの前に出るのがポイント。

「こ、、こいつ。。息ひとつ乱れてねぇ!!」って思われたら勝ちよ。見栄ですよ、見栄。

 

1時間ちょっとでどうにか山頂到着。前回は見れなかった槍ヶ岳も今回はバッチリ見れた!

 

次に目指す蝶ヶ岳。ここから先は歩いたことがないけど、、これまたなかなかの登り返しだな、おい……。

 

歩いてきた道。結構な距離歩いてきたけど、まだまだ先は長い。距離的にはまだ半分も来てないし。

 

残る最後のピーク、蝶ヶ岳を目指して先へ。いきなり急坂を下っていくんだけども、、、

 

この手のガレ場の下りは本当に厄介。一度膝を壊してからは、こういう道はとにかく苦手で怖くなってる。ここもペースダウン。。

 

ようやく下りが終わって登り返し。こういうガレ場なら登ってるほうがいくらかマシ。

 

道もいつの間にか雪上へ。ここら辺は先行者もたくさんいて、ステップしっかりできてたのでノーアイゼンで行きました。

ここだけ見ると、恵那山の尾根道そのまんま。

 

ここまで来ると、横に並ぶのが穂高三銃士。左から前穂、奥穂、北穂。いずれも標高3000m超えで奥穂高は日本第三位の高峰。

有名どころの割には、いまだにどれも登ったことがないっていうね…

今年はどこか1つくらいは登ってみたい。

 

ヘリコプター何機か飛んでたけども、GWに遭難事故は付き物だね。。。残念だけども、この翌日に奥穂高で遭難者10人以上出たらしい。

 

蝶ヶ岳の1つ手前の蝶槍。この登りもなかなかエグい。。。

 

常念岳をバックに雪の尾根を上り詰める。

 

キツイけど、これが今回の行程では最後の登り坂なので、ゼンマイ式でとにかく頑張る!

 

14時ちょうど、蝶槍山頂に到着。 ここからの穂高・槍の眺めもかなりいいので、ぜひ見てみてください。

長くなってきたので、写真は省略。

 

あとは緩やかな稜線を歩いて行けば最後のピーク、蝶ヶ岳に着く。時間的には4~50分ってとこ。

 

ただ、ここらで疲労もピークだったなぁ、、、。個人的には大好きな緩やかな稜線ハイクのはずなのに、この程度の登りが堪えるぜ…

いい道だっただけに、もう少し楽しめたら良かったんだが、そんな余裕はなかったな。

 

15時、蝶ヶ岳ヒュッテに到着。本当疲れたわ……

山頂はこの裏手だけど、流石に休憩。年配の方に「本当に下まで降りるの??」って言われたけど、翌日の天気考えたらやっぱり降りちゃいたい。

 

下山できるだけの体力を蓄えて、15時15分、蝶ヶ岳山頂に到着。

今回の縦走コースのラストピーク。前日に登った燕岳からここまで、時間以上に長く感じていろんなことがあったよ。

 

今日のスタート地点、大天井岳もかなり遠くに見えた。天気は曇ってるけど、風はそんなに強くなくて、前日に比べたら穏やかな陽気。

いろいろ振り返りたいけど、まだこれから徳沢まで下りなきゃいけないから、早々に出発。

 

下山は長塀尾根で徳沢へ。距離的には蝶槍方面に戻って横尾に降りたほうが早いけど、戻るの面倒だったし、遠くから見てたらこの長塀尾根から登ってくる人も結構いたからね。トレースはあるだろうってことで、一気に徳沢まで。

 

こっちに来てよかったと思えたのが、山頂から下って5分くらいのこの広場。

 

今日、何度目かの穂高~槍の展望。そして、ここが最後のビューポイント。誰もいないし、見納めにはちょうどいい場所。

どれだけ疲れていようがはしゃぎたくなる、贅沢な展望台でした。

 

降りるのが名残惜しい気もするけど、もう十分に目に焼き付けたので今回はこれでおしまい。

名だたる名峰とお別れして、麓へ足を向ける。

 

長塀尾根、初めて歩くのでどんなものかわからなかったけど、目印のテープが親切なくらいあったしトレースもしっかりあったので迷うこともなかった。

序盤は北八ヶ岳を思わせる樹林帯で良かったんだけどもね、、、

 

展望がきかなくなってからの道はとにかく退屈だった。。。しかも結構な急坂だし。グリセードも足の踏ん張り効かなくて何度転んだか…。

あまりにつまらなくて写真も撮らなかったので、最後に見た乗鞍岳の写真でも代わりに載せときます。

長塀尾根を利用するのはあまりおススメできない。展望が最後のほうまでないし、せっかくの北アルプスでこの道に時間使うのは勿体ないと思う。

 

単調な下り坂に二人して不満ぶつけながら、どうにか日が暮れる前に徳沢キャンプ場に到着。3時間かかるところを意外と巻けて、2時間半くらいで降りてこれました。小屋の脇に登山道入り口があったとは知らなかった。

 

もう動けねぇ!!!

倒れこんだ場所にテント張ってようやく終わりを実感。

 

やってて良かった徳沢の売店。19時まで営業という心強い味方。ソフトクリームの1つでも食べなきゃやってられんわ。

この後は祝杯のビールと残った食材全部使っての夕食。徳沢まで下りてこれたっていう安心感と翌日はもう帰るだけっていう気楽さ、最高だったわ!

距離的には1日目以上に歩いた2日目。12時間行程になってそりゃ~疲れたけども、充実した気分で終われました。

 

 

【3日目】

最終日は帰るだけなのでサクッと終わりね。

 

朝6時に起床。ちょうど小雨がパラついてきたので、すぐにテント撤収して上高地へ向かう。

 

昨日、あれだけ見えていた穂高も今日は雲の中。山の上は雪だったみたい。こんな天気でも横尾方面へ向かう人がいて、大丈夫なんだろうかと、ちょっと心配になった。

 

上高地までは約2時間の平坦な道のり。野生のサルがたくさんいた。

 

小梨平付近で電波入ったので、まさきがニュースを見てみると、、、

 

マジか…!?都内で震度5弱。前日の中房線の落石と言い、下界もいろいろ大変だったみたいだな…。特に大きな被害はなかったみたいだから良かったけど、震度5ってなかなか大きいよね。

 

上高地の観光名所、河童橋。まだ早朝ってのもあるけど、この悪天でGWなのに閑散としてた。

せっかくの書き入れ時なのに、商売あがったりだな。

 

8時、上高地バスターミナルに到着。今回の旅のゴール地点。

いや~、無事につけて本当に良かったわ。長すぎたよ。

 

9時半発の松本までの乗車券を買っておいて、アルペンホテルへ。ここは日帰り入浴が7時からやっているのがうれしい!ちゃんとこちらの需要をわかっていらっしゃる。

(※外来入浴の時間については7:00~10:30、12:00~14:30と変則的になっているのでご注意を。2014年5月現在)

露天はないけど、誰もいない貸切の朝風呂は最高でした。

 

上高地からバスで新島々へ。そこから電車に乗り継いで松本へ行く。まだ午前中なのに、電車は登山客でいっぱいで座れなかった。こんな天気だし、みんな早く切り上げて来たんだろう。

松本からは高速バスか特急あずさで帰れるけど、高速バスが空いてたのでそれを予約。片道3500円なので、まぁ安いと思う。

 

帰りのバスまでの空き時間で、松本駅周辺で昼飯。3日ぶりの街で食べるごはん。風呂に入った時には体重が2kgほど減ってたけど、だいたい下山後の飲み食いで元に戻るのがいつものパターン。

 

12時過ぎ、松本からバスに乗って長野県を発つ。3日前に竹橋を出発したのが遠い昔のように感じるほど、濃い旅でした。

帰りはGWの渋滞に巻き込まれたので、5時間以上かかって東京へ。

 

そして、JR新宿駅で解散。来年は北穂高あたりに行けたら行こうって話した。

本当に行けるかはわからないけど、今回の経験は今後の雪山登山の1つの基準になる気がした。レベルアップしたとかそんな気はなくて、自分が行けそうな山、無理な山の判断がつきやすくなった。簡単に終わってばっかりじゃ、どの程度の山まで自分が登っていいのかも見えないしね。

今シーズン最初のテン泊装備での登山としては、少々無茶した感じはあった。でも、久しぶりにどっぷり疲れたし、挑戦という意味では残雪の表銀座縦走は今の自分にはちょうどいいコースだったのかもしれない。

 

久しぶりに山で怖い思いをしたけど、それでもやっぱり雪山は素晴らしいと思う。特に2日目の朝、大天井岳から見た景色は感動ものだった。北アルプスの名峰に囲まれ、すぐ目の前にそびえる穂高と槍の迫力は圧巻。あのキツイ登りの後だったから余計に感動したのかもしれない。

大天井岳、もともと好きな山だったけど、さらに思い入れが強い山になったのは間違いない。何年後かに、この旅を思い出しながらまた登れたらいいなぁ~と思う。

 

去年のGWは屋久島立山、今年は会津駒ヶ岳と表銀座。

 

来年はどこに行ってることやら……

 

 

 

2014年ゴールデンウィークの北アルプス表銀座縦走登山 (完)

 

 

【日程】

2014年5月3日~5日

【コースタイム】

・1日目

中房温泉(6:00) — 合戦小屋(8:50) — 燕山荘(10:00) — 燕岳(10:50) — 燕山荘(11:30) — 蛙岩(12:20) — 喜作レリーフ(15:05) — 大天井岳(16:05) — 大天荘冬季避難小屋(16:30)

・2日目

冬季避難小屋(6:20) — 常念小屋(9:00) — 常念岳(10:30) — 蝶槍(14:00) — 蝶ヶ岳(15:15) — 徳沢キャンプ場(17:40)

・3日目

徳沢キャンプ場(6:30) — 上高地バスターミナル(8:00)

 

 

 

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