2020年の登山総集編。
今年は新型コロナの影響で、本当に色々なことがあった年でした。登山に行くのもままならない時期もありましたが、改めて振り返って見るとそれなりに四季折々、雪山から夏山、紅葉登山まで行けたかなと思ってます。
来年はどうなっていることやら……。不安もありますが、とりあえず今年1年お疲れ様でした。
今年もこの時期がやってきた、1年の登山を振り返る回。
そしてこれが2020年のラスト記事。
ちょうど1年前の自分には想像もできなかった世界の変化。自分の生活スタイルも劇的に変わり、まさに激動の1年でした。
日本でも新型コロナによる生活への影響が出始めたのが3~4月頃。そこから自粛期間もあって、例年に比べたら山に行く回数も結構減りました。テント泊を全くしなかったのも、テントを購入して以来初めてな気がします。
まだまだ収まる気配はないですが、一応振り返れるくらいは山に行けたので、今年も1年の総括をしておきます。
当ブログを読んでくださった方々、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
【 1月】陣馬山~高尾山 雪山登山
2020/1/19【東京】陣馬山~高尾山 霧氷の絶景雪山登山
2020年、最初の衝撃ともいえる登山がこちら。陣馬山~高尾山の裏高尾縦走登山。
なんてことはない、最も身近な高尾エリアですが、この日は前日に寒波到来で、街で降った冷たい雨が山の上には雪をもたらしていました。
そして目にしたのが、この美しい霧氷の絶景!これが東京で見れるなんて思ってもみなかった光景です。
陣馬山山頂も御覧のような雪景色。積雪は10cm以上は軽くありました。
陣馬山でこれくらい積もっているわけなので、当然周辺の山々も真っ白。
冬の澄んだ空気の下で見る雪景色と、さらに都心の街並みが見渡せるというアンバランスな景観が少し不思議でもありました。
霧氷越しに眺める富士山。
稀に見る降雪のおかげで、遠出しなくても雪山が楽しめた1日となりました。
なかなか都内近郊で雪山にありつけるというのは限られてはいますが、今後もチャンスがあれば遊びに行きたいです。
【2月】根子岳 雪山登山
2020/2/7【長野】根子岳 樹氷・スノーモンスター雪山登山
今年も何とか会いに行けた樹氷・スノーモンスター。場所は四阿山の隣にある根子岳。
2020年は例年にないくらいの少雪シーズンで、各地の樹氷の育ちもイマイチという状況でしたが、根子岳では何とかモンスターと言えるレベルまで育っていてくれました。
山頂部に乱立する雪のモニュメントはなかなか凄かったです。
スノーモンスターって東北でしか見れないイメージがありましたが、長野でも探せばあるんですね。それほど期待していなかっただけに、余計に迫力ある風景に映りました。
人間と比べてもこのサイズ!
根子岳はスキー場のリフトを使って登ってくることもできるので、文明の利器で高低差は結構稼げます。
稜線が広いので道迷いは少し気を付けたほうがいいですが、全体的に傾斜も緩やかなのでスノーシューハイクするには打ってつけ。
長野界隈で迫力ある樹氷風景を見たい方にお勧めです。
【2月】松田山~高松山 桜祭り登山
2月後半は雪山続きの息抜きに丹沢の松田山~高松山へ。松田山では2月中旬から『桜祭り』が開催されて、一足先に春爛漫の風景を楽しむことができます。
ここで見れるのはソメイヨシノよりも一足先に花開く河津桜。例年だと、2月下旬~3月初旬に満開を迎えます。
新松田駅からも近くて、園内には河津桜と競い合うように菜の花も満開でした。
ピンクと黄色の共演は本当に見事。
この頃はまだ日本でも新型コロナの影響は出ておらず、朝から賑わう園内を気にもせず歩けたのは、今考えたら幸せだったんだなと。
人気の観光スポットにもなっているので、来年以降はもしかしたら入場制限がかかるかもしれないですね。
雪山登山の合間の良い息抜きができた1日でした。
ちなみに松田山から高松山まで縦走するとなると、それなりにしっかりとした歩き応えになります。
日帰り登山としては十分充実した内容になるし、山北駅に下りれば帰りに温泉も楽しんで帰ることができます。
【3月】上州武尊山 雪山登山
3月前半は上州武尊山。5年ぶり2度目の冬の上州武尊山でしたが、やっぱり雪をかぶった剣ヶ峰の姿は最高にカッコいい!そのシルエットだけで言ったら、雪山の中でも屈指の人気を誇るのではなかろうか。
特にこの剣ヶ峰は標高が2020mなだけに、2020年の今シーズンに登りに行った人も多かったと思います。
時期も3月ということで前回に比べたら雪は少なかったですが、終日快晴で山頂に至るまでの稜線歩きも楽しいひと時でした。
ここら辺は降雪直後に来れば美しい樹氷風景も見れるので、天候次第で見れる風景や難易度も格段に変わってきます。
登り自体は川場スキー場のリフトを使えるのである程度の標高は稼げますが、往復でもそれなりに距離があるので、最終リフトに間に合うようなコースタイム取りが必要です。
遠くから見ても絵になる剣ヶ峰の角。
この時は「JRスキーツアーパック」を利用していきましたが、往復の新幹線代+リフト代込みで1万円弱で済んだのでかなりお得です。駅からのバス送迎もあってコスパ良すぎなので、このプランはまたいつか実行しようと思います。
【3月】北アルプス・遠見尾根 雪山登山
そして新型コロナ自粛前の最後の登山になったのがこちら、北アルプスの遠見尾根。今年のことのはずなのに、これ以降色々なことがありすぎて、もうだいぶ昔のように感じます。
ここはピークハントが目的ではなく、雪が積もった遠見尾根の稜線歩き。正面に五竜岳の武田菱を望みながらのスノーハイクは、もう最高の一言でした。
ここもエイブル白馬五竜スキー場のゴンドラとリフトを利用できるので、高低差はかなり稼げます。ゲレンデトップから1時間ほど登った小遠見山から見た景色が上の写真。
目の前に北アルプスの名峰群を眺められる絶好の展望スポット。ここをゴールにしてもいいくらいの場所です。
体力と時間に余裕があれば、この1つ先の中遠見山あたりまで行くのも良いかと。より間近に五竜岳を見ることができます。
展望としては左手に見える鹿島槍ヶ岳も素晴らしい景色。
山頂直下に見えている雪渓は「カクネ里雪渓」というのですが、数年前に氷河に認定された地質的にも価値ある場所です。これもぜひ見てほしいポイント。
八方尾根の次はぜひ遠見尾根へどうぞ。
この北アルプスの遠見尾根で登山活動もいったん休止となりました。
ちなみにこの遠見尾根へは往復高速バスを利用したのですが、2020年において高速バスにお世話になったのもこれが最後でした。(バスタ新宿とか、もうすっかり懐かしい場所だわ)
【6月】一切経山(吾妻連峰) コロナ自粛明け登山
2020/6/21【東北】一切経山 魔女の瞳とワタスゲの群生登山
4月、5月は新型コロナの影響による外出規制によりただただ引きこもり。どこにも行かなかったゴールデンウィークなんて何年ぶりだったか……
そして、自粛明けの6月下旬。向かったのは東北・福島の一切経山。上の写真はこの山のシンボルである五色沼、通称「魔女の瞳」でございます。
詳細は当時のブログ記事に書いてありますが、この魔女の瞳に行き着くまでがずっとガスっていたので、こうして無事に晴れてくれて心の底から喜んだのを覚えています。
なんたってこれが自粛明け1発目の登山。山に行きたくてウズウズしてたもんだから、景色にも飢えておりました。
この日は前日入りして浄土平で車中泊したのですが、そこで見た星空も凄かったです。
一切経山の登山口ともなる浄土平、標高1600mに位置するだけあって街明かりもなく、星が本当に綺麗に見れます。
この日は土曜日だったのですが、星空メインで訪れている人も多かったです。一切経山だけでももちろん楽しめますが、時間があれば早入りして、浄土平からの星空も楽しんでみてください。
それと、もう1つ印象に残っているのがワタスゲの大群生。というか、これがメインで行ったようなところがあります。
初夏の季節に咲くワタスゲ。2020年は当たり年だったようなので、自分もどこか行こうと考えてやってきたのが一切経山でした。
この群生は駐車場わきの浄土平湿原で見れるので、山に登らずともワタスゲ風景に出会うことができます。
火山風景とは一転してのメルヘンな世界観、群生の規模も想像以上で本当に感動しました。
浄土平からは吾妻小富士という手軽に登れる山もあるので、観光客にも大人気の場所です。
眼下に見える車の列をご覧くだされ。この日は6月としては異例の混み具合だったようです。目の前に広がる荒涼とした火山帯と合わせて、この道路も絵になる風景で好きだったな。
日本とは思えないような、壮大なスケールで出迎えてくれる一切経山。この山はお気に入りの1つなので、今後も遊びに行きたいと思います。
【6月】八ヶ岳・編笠山~権現岳 日帰り登山
自粛明け2発目の登山はこちら、八ヶ岳の編笠山~権現岳。
この区間は8年前、自分が初めてテントを背負って歩いた縦走路の一部なので、その時の記憶を呼び起こす意味でも感慨深い登山でした。
ハイライトと言えるのは、やはり権現岳からの八ヶ岳主峰・赤岳の展望。阿弥陀岳~中岳~赤岳と並んだ八ヶ岳の中核を成す三兄弟は、やはり見応えありました。
もう1つ良かったのが高山植物。
権現岳って岩の山なので花がそれほどないかと思っていたのですが、全くの間違いでした。
紫のミヤマシオガマが綺麗に咲いたかと思えば、その後に待っていたのはハクサンイチゲの大群生!
6月の八ヶ岳は花も大いに楽しめるのでお勧めです。
この日は天気が急転して、昼前から雲が沸きあがってきたのですが、それが逆に功を奏したのか、雲に包まれつつある権現岳のピークが圧倒的な存在感を解き放っていました。
権現岳を眺めるなら、三ッ頭からのアングルがお勧めかもしれません。雲を纏う尖がった岩山がセクシーでしたよ。
【8月】北アルプス・薬師岳~黒部五郎岳 1泊2日登山
2020/8/1-2【北アルプス】薬師岳~黒部五郎岳 山小屋泊登山(1日目)
夏のアルプス登山は6年ぶりの薬師岳~黒部五郎岳へ。1泊2日のやや強行スケジュールで歩いてきました。
1日目は折立をスタートして薬師岳へ登りましたが、花のシーズン真っただ中ということで道中には色々な高山植物が咲き乱れていました。
そして湿原から眺める白き薬師岳!なんとも美しい姿です。
この日は日中は雲が多い1日だったのですが、夕方頃に山頂に着いたことで天気も回復し、起死回生の展望を得られたのも良かったです。
誰もいない山頂というのも北アルプスでは珍しかった気がします。夕暮れ時まで遊び歩いてました。
薬師岳と言えば、この雄大なカールがシンボルともいえる山。国の天然記念物にも指定されている巨大な谷です。
奥には水晶岳や鷲羽岳など、北アルプスの中枢を一望できる展望。2度目の登頂でしたが、薬師岳はやっぱり素敵です。
2020/8/1-2【北アルプス】薬師岳~黒部五郎岳 山小屋泊登山(2日目)
2日目はお隣の黒部五郎岳へ。今回の縦走路で一番気に入ったのが、太郎平から黒部五郎岳にかけての稜線区間。
ここも6年前に一度歩いた場所ではあったのですが、唯一ガスってしまった区間だったので、展望は何も見れずほとんど記憶になかったところ。
今回は無事に晴れ渡ってくれた穏やかな稜線を、心ゆくまで堪能できました。(往復だったのですんごい疲れたけど……)
こちらも高山植物が凄かった。特にハクサンイチゲの規模は群を抜いていて、稜線トレイルの両脇にお花畑がずっと続くというメルヘンロードでした。
北ノ俣岳付近が特にすごい群生地なので、ぜひ見てほしいところです。
黒部五郎岳山頂からの展望も壮大。
こちらにもカールがあって、その奥には日本最後の秘境と言われる雲ノ平、水晶岳、さらには槍ヶ岳や笠ヶ岳なども見渡せます。
快晴の日曜日とあって、色々な方面から登山者が登ってきてました。
結局、2020年で泊りの登山と言うのはこれだけになってしまいましたが、山小屋は蜜回避のために宿泊者数を制限していたのでかなり快適に過ごせました。来年以降の山小屋の在り方というのも変わってくるのかもしれませんが、この快適さを知ってしまうと、テントを担いで登るのが億劫に感じてきそうな……(汗
また、今年は南アルプスには全く行けなかったので、来年は南アルプスにも足を運びたいです。
【10月】東北・月山 紅葉登山
今年の紅葉登山1発目となったのは、東北・山形の月山。夏場に何度も登りに来ている好きな山ですが、秋に登ったのはこれが初めてでした。
稜線を彩る真っ赤な紅葉が、もう本当に凄かったです。
東北特有ともいえる真っ赤に燃える紅葉。
稜線にはまだ緑も残っていてカラフルな景色でした。午前中はずっとガスっていて、山頂で3時間くらい粘ったのは今考えたらよく耐えたなと、我ながら思いました。
雄大な湿原と稜線を持つ山なので、月山はもともと好きな山だったのですが、紅葉シーズンに訪れてみて、また新たな魅力に惹かれた感じです。
黄金色に染まる草紅葉も見事なもんでした。
毎年、紅葉シーズンになると一度は東北の山へ行っているので、来年以降も秋の東北の旅は続けていきたいところです。
【10月】軽井沢・小浅間山 紅葉登山
2020年の登山の中で、良い意味で最も裏切られたのが小浅間山。その名の通り、浅間山のミニチュア版のような山です。
登山行程としては1時間程度で登れる楽な山なのですが、景色がとにかく凄まじかったです。目の前にどっしりと構える浅間山の火山風景。そしてその山肌を染めていたカラマツの紅葉。
こんな密度の濃い落葉松の紅葉は初めて見ました。
目の前が一面黄金色に染まって、もう何という景色なんだと。登山口から30分足らずでこの景色にありつけるんだから、小浅間山はお得な山です。
一目で気に入ってしまいました。
もう登山を始めて10年以上経つわけですが、最近は初めての山よりも過去に登った山に再訪することが多くなってきて、新しい山に出会う頻度というのは減ってきています。
2020年もお初の山というのは数回ほどしか登ってませんが、その中でもダントツで良かった小浅間山。ここなら冬の景色も凄いものが見れそうなので、景色を変えてぜひとも再訪したいです。
ちなみに、この小浅間山に登る前に軽井沢の紅葉名所である雲場池に立ち寄ったのですが、ここの紅葉もなかなか良かったです。
軽井沢駅から徒歩10分ほどで来れるので、近隣の登山と合わせてぜひお越しください。
【11月】中央アルプス・将棊頭山 雪山登山
そして季節は巡って、再び雪山へ。
これはまだ記事にしていないですが、今シーズンの雪山登山と言うのはもう始まっていて、11月下旬に登ったのが中央アルプスの将棊頭山。
もともとこの日は雪山に登る気なんて全然なかったのですが、登ってみたら山頂付近は白銀の世界になっていました。
予期せぬ形でスタートとなった雪山登山。
雪に覆われた稜線、そこから眺める木曽駒ヶ岳や宝剣岳の展望がもう最高の一言。山頂寸前までガスっていたので、そこからの起死回生の展開もあって、一気にテンションが上がったところでした。
ほとばしる雲海や霧氷など、期待以上の景色を見せてくれた将棊頭山。
この登山もかなりの衝撃があったので、年明けには記事に書きたいと思います。
他にも色々とありましたが、特に印象的だったものをピックアップして振り返ってみました。
どれも思い出深い山登りで、怪我もなく1年を終えられて良かったです。
何だかんだで今年も続けられたこの登山ブログ。
来年もたぶん続くと思うので、気が向いたときにでも読みに来ていただけたら幸いです。
色々大変な状況ではありますが、今年1年お疲れさまでした。
来年もどうぞよろしくお願いします。
良いお年を!
コメント
みやっちさん
こんばんは。
素晴らしい写真ばかりで、見惚れました(*^_^*)
今年は思うように山に行けない、特別な年でしたね。
私は自粛中3か月間山に行かず、ずいぶん体力を落としました。
それでいきなり夏に奥穂に行ってひざを痛めてしまいました。
ひざ痛が思った以上に治らず、奥穂以降もしばらく山に行けず、でもみやっちさんの山ブログで楽しませてもらい、ありがとうございました。
来年は普通になんの気兼ねなく山を楽しめる年となると良いですね、ブログ記事も楽しみにしております。
良いお年をお迎え下さい。
ゆかぽんさん、こんばんは。
膝の具合は大丈夫でしょうか……。自粛明けで色々と登りたくなる気持ちは私も同じでした。夏に関しては天気とのタイミングがなかなか合わずに、結局あまり登れませんでしたが…
今年は本当に激動の1年になりましたね。こんな世の中になるとは思ってもみませんでした。
依然収まる気配はありませんが、どうにか来年は普通に過ごしたいところです。
ゆかぽんさんもどうかお身体に気を付けて良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いします!