北アルプスの立山と大日三山を1泊2日のテント泊登山で歩いてきました。
1日目は室堂をスタートして立山三山~別山を縦走。立山へは過去に何度か登りに来ていますが、今回は富山駅行きの夜行バスと室堂直通バスを使って、初めて富山側から室堂に入ってみました。
室堂に到着して早々に広がる3000m級の立山連峰の峰々!いきなり2450m地点に降り立つので、ここの景色はスタート時から桁違いのスケール感があります。
観光地にもなっているので宿泊施設も多く、しかも温泉付きなのでテント泊でなくても存分に楽しめるのがこのフィールドの最大の魅力。夏の終わりかけの9月中旬でしたが、湿原一帯は草紅葉が始まり秋めいた景色が広がっていました。
2017年に入っていきなり南アルプスの仙丈ヶ岳に登り、その後も立て続けに八ヶ岳や中央アルプスに登りました。春には近場の丹沢を挟みつつ、海を越えて伊豆諸島・八丈島や九州にも行きました。関西や東北の山にだって登りに行ってます。
なのに、聞いてください。
今年いまだに足を踏み入れていなかった北アルプス……
夏山の王道とも呼べる登山エリアですが、今年は8月を終えても無縁の場所となっていました。
まぁ、去年までに有名どころは結構歩いているので、そこまで北アルプスの優先度が高くなかったというのもありますが、9月に入って朝晩の涼しさを感じていると、やはり雪が降る前に一度は足を運んでおきたいなと言うのがあって、、、
そんな思いで繰り出したのが今回の北アルプス登山。立山三山と大日三山を巡るダブル三山ルート。大日三山については、まだ奥大日岳以降の稜線を歩いたことがなかったので、一度はやってみたかったプランということで、満を持して北アルプスへと向かいました。
2017年9月9日~10日 立山~大日三山縦走登山(1日目)
公共交通利用で一度実行してみたかったのが、立山室堂に富山側から入ってみるというもの。夜行バスを使えば長野側からだろうが富山側からだろうが労力的には全然変わらないし、むしろ富山側からだと富山駅から室堂までの直行便があるので格段に楽。
そのうえ意外とコスパも悪くない。
そんなわけでお馴染みのバスタ新宿から富山・金沢行きの夜行バスに乗車。長野側からだと扇沢行きの夜行バスになるけど、登山専用バスはすぐに満席になってしまうのでなかなか融通が利かない。
反面、こういう一般の夜行高速バスだと割と直前まで空いていたりするのが利用しやすい所ですね。金曜夜のバスタ新宿は登山客がとにかく多いですが、ほとんどが上高地行きに流れて、このバスにザック背負って乗ったのは数人でした。
早朝5時半に富山駅に到着。室堂行きの直通バスは6時半出発なので、1時間ほど食料の買い出しとか朝食休憩とかして時間をつぶします。
夜行バスって到着の遅延ないと思われがちだけど、過去にお盆の時期に渋滞食らって大幅に遅れた経験があるので、これくらい時間に余裕ある方が精神的には優しいです。
東京からだけではなく関西方面からも続々と夜行バスが到着するので、6時を過ぎると駅前にも登山者が目立ってきます。
写真に写っているのは室堂行きより10分前に出発した折立行きのバス。富山駅と言えば3年前の裏銀座~雲ノ平縦走の下山後に訪れて以来なので、この折立のバスが少し懐かしくも感じます。
今回僕が乗るのは、こちらの富山~室堂直通バス。6時半発の室堂9時着なので、2時間半ほどの乗車時間にはなりますが、これを利用すれば無駄な乗り換えとかせずに室堂に入れます。
ただ、このバスは事前予約が必要なので要注意!このバスに乗れないと富山駅から立山駅まで電車移動して、そこからケーブルカーとバスに乗り継ぐという面倒なことになります。それをするなら長野側からとあまり変わらないので、このバス利用こそ強力なアドバンテージなのでぜひ利用すべし。
2時間半もバスに乗るので、途中1回休憩を挟みます。道の駅「立山あるぺん村」。ここは折立行きのバスでも停まるところです。
ちなみに東京~富山駅の夜行バスより富山駅~室堂の直行バスの方が格段に予約が取りづらいです。自分も半ばあきらめていましたが、この3日前に突然4席くらい一気に空きが出たので滑り込めました。
ただ、当日キャンセルする人も結構いるようで、実際乗ると空席があるのがもったいないんだよなぁ……
休憩後、マイカー乗り入れ禁止の立山有料道路に入ってくると、景色も一変してこの通り!
向かって左側の座席に座っていると、目の前に弥陀ヶ原の大湿原が広がり、その奥に立山連峰が見えてきます。
こちらはソーメン滝。地獄谷から流れ落ちる130mの落差を誇る滝です。
この滝は行きのバスの車窓からのみ見ることができて、運転手さんもここら辺は速度を落として解説までしてくれました。
この滝の下流には”日本一の落差”を誇る称名滝が流れていて、今回はそこに下山する予定。
ヘリの離着陸現場を見学。快晴の週末と言うことで、各山小屋に忙しそうに物資を運んでおりました。
ヘリが向かった先を見つめると、三角形の尖がった岩の名峰・剱岳の姿も。
この日は午後から雲が多くなってしまいましたが、午前中は快晴でバスの車窓からは絶景が続きます。
こちらは今回のメインである大日三山の稜線。2日目はここを縦走していきますが、何ともそそられる稜線じゃないか~!、と一人窓の外を見てニヤついておりました。
何せ富山側からのアプローチが初めてなもんで、目にする1つ1つの景色が本当に新鮮に映る。車内でカメラをパシャパシャ撮っているあたり、傍から見たら「こいつ、立山初めてなのか?」とか思われたかもしれないけど気にしない。
実際、この弥陀ヶ原あたりはいつも遠くから眺めるだけで終わってたしね。じっくり見るのは初めてです。
長野側からの黒部ダムとか洞窟を走るトロリーバスもいいけど、こちら側の景色も本当にすごかったわ。
2時間半なんてあっという間と言う感じで、室堂ターミナルが見えてきました。
予定通り9時、室堂に到着。ちょうど長野側からの始発便組も到着したようで、ターミナル駅には早くも人がたくさんおりました。
いつもは自分も長野側からの到着組なので、地上からバス一本で室堂入りするのは、やはり少し違和感あったなぁ…
登山届を提出して、久しぶりの立山室堂に降り立つ。
毎度のことながら、いきなりこの景色よ!標高はすでに2450mという高所で、目の前には3000m峰の立山連峰が広がっています。
この高さまで文明の利器で来れてしまうので、観光地としても人気の高い立山室堂。それゆえ近隣にはホテルや温泉宿も充実してます。
何度来ても、初っ端のこの絶景にはしてやられる。乗り物にずっと乗ってたのもあったので、余計に身体を動かしたくて疼くぜっ!
左に見えるのが立山の主峰・雄山、右手前が浄土山。どちらも絵になる姿してますな。
室堂に到着して何気なく探してみた、ホテル立山のライブカメラ。
山に行けない時とかに、「北アルプスの天気どうなっているんだろ」とか思って良くお世話になるライブ映像。毎日中継してくれることに感謝しつつ、とりあえずしっかり映っておきます。
2017年9月9日、9時12分あたりの映像を見れば自分が映っていたはず(笑)
遊歩道が敷かれた3000m級の楽園。
風もなくて適度に涼しく、登山をするにはこれ以上ないくらいの陽気です。
山に直進したい気持ちは抑えつつ、まずは重たいザックを手放すために本日泊まる雷鳥沢キャンプ場へ。
みくりが池方面に歩いていきます。
9月中旬ともなると、北アルプスではもう秋の気配。湿原は草紅葉が始まって、黄色く染まっていました。
こちらは弥陀ヶ原と大日三山方面。奥大日岳より先は歩いたことがないので、2日目のまだ見ぬ縦走路に思いを馳せます。
観光客も行き交う遊歩道をのんびり歩いていく。
360℃どの方向を見ても絶景なので、全然足が前に進まない。
みくりが池に到着。見切れているけど、池の周りにはまだ雪も残る。
”雪の大谷”でも有名な豪雪地帯、1年を通して完全に雪が溶けきることがない山域です。
みくりが池のほとりを歩いていく。
深い紺色の池の水が綺麗だけど、本当にきれいな景色は対岸に待っています。
こちら、みくりが池に写る立山連峰、逆さ雄山と逆さ浄土山。
水面に山なみを映し出すシンメトリーの景観。やや波が立っていて揺らいでいたけど、それでもくっきりと逆さに写る山の姿が出来上がってました。
無風であれば、よりはっきりと鏡のように反射する景色を堪能できると思います。
みくりが池のすぐそばにあるのが、みくりが池温泉。標高2410mにある”日本一高所”の天然温泉です。
日帰り入浴もできるので、テント泊でも利用可能になっています。モンベル登山用品の売店もあるので、多少のものならここで現地調達も可能。
みくりが池温泉の源泉とも言えるのが、この地獄谷。
穏やかな草紅葉とは反対に、強烈な硫黄臭が立ち込めるおどろおどろしい場所です。
火山ガスが噴出する絶賛活動中の危険エリアになっているため、数年前から立ち入り禁止になっている状態。
なのでこうして遠くから眺めるだけですが、かつて歩けていたと思われる遊歩道の片鱗も見て取れます。
先ほどから見えている山は同じはずなのに、思わず立ち止まって景色に見入ってしまう。
今日は先を急ぐ必要もないので、これまで以上にゆっくり室堂を散策するのも今回の登山テーマの1つ。
草紅葉に彩られた湿原。
気持ちは今年最後の夏山として登りに来たつもりだったけど、出迎えてくれた景色はすっかり秋めいていました。
奥に見える山小屋は雷鳥荘。ここら辺の山小屋に泊まれば、温泉は入り放題だし部屋の窓からは絶景が拝められるしで、最高のひと時を過ごせそう。
見た目は山小屋と言うよりはホテルのような立派な建物しています。
美しい白き稜線の立山連峰、その麓にようやくテント場が見えてきた。
今回の宿泊地、雷鳥沢キャンプ場。見ての通り、立山の懐という絶好のロケーションに恵まれた広大なテント場です。
あそこまではいったん高度を下げる。
雷鳥沢から室堂まで帰る場合は、逆にこの登り坂を歩かないといけないのでお忘れなく。地味にここの坂は疲れます。
傍目には真っ白な火山灰を積もらせた地獄谷の火口。
禍々しい噴煙を放ちつつも、純白の美しさを兼ね備えた摩訶不思議な景観。
室堂から雷鳥沢キャンプ場まで、時間にしたら1時間足らずの道だけど、その道中は飽きることのない絶景の連続です。
9時50分、雷鳥沢キャンプ場に到着。
まだ時間も朝方ということで、テント場も場所は選びたい放題。平らな砂地にベンチもあったり、目の前には3000m級の山なみという、文句なしのロケーションです。
こちらのキャンプ場管理棟で受付。これだけのテント場ながら、1泊500円という安さも魅力の1つ。
この管理棟にはトイレはありますが、売店の類はないので、必要なものがあれば近くの山小屋まで買い出しに行く必要があります。ただ、先ほども言ったように、山小屋に戻るには登り坂を上がって行かないといけないので、可能ならここに着くまでに必要なものは揃えておきましょう。
紅葉した草原がたなびく背後に3000m級の立山連峰、もう贅沢すぎます!
このテント場には水場はもちろんありますが、表向きにはそのまま飲めず煮沸して飲むように言われます。なので、それが心配な方は室堂ターミナルの水場で必要な水を持ってくるのが良いかと。
自分はめんどくさいなので、2日間ここの水を当てにして巡り歩きましたが、特にお腹が痛くなるようなこともなかったです。
まだ時刻は10時ながらも、テント場でゆっくりする人もいたり、素通りして剱岳方面へ向かう人もいたり。
それぞれが自分独自の登山スタイルでじっくりと山生活を楽しんでいます。前回の八ヶ岳登山もそうだったけど、時間に余裕があると精神的にもゆとりが出て、心底リフレッシュして山の雰囲気に浸れますな。
体力勝負先行でガシガシ攻める登山も嫌いじゃないけど、こういうゆったりとした山登りも捨てがたいもの。
流石にここで休むにはあまりにも身体を動かしていないので、予定通りこの日は立山三山~別山を縦走することに。
テントを置いて必要なものだけ持って身軽でアタックします。立山三山を縦走してさらに別山まで回るとなると、標準タイムで7時間近くになるので多少の装備品は持っていく必要がありますが、所々に休憩所も用意されているので、まぁ水は1Lもあれば十分と判断。
雷鳥沢キャンプ場のすぐ脇には、北アルプスの雪解け水が流れる綺麗な清流が癒しの音を立てています。
見事なまでに透明な水!上高地の梓川と良い勝負ですな。
称名川として富山側に流れていき、この川を辿っていくとやがて称名滝へとたどり着きます。
立山三山は雄山~大汝山~富士ノ折立という順に回るために、雷鳥沢キャンプ場からは一の越方面へ。
このルートは意外と歩く人が少ないですが、所々にマーカーも書かれているので、まぁ晴れて入れば迷うこともないかと思います。
う~む、先ほどから眺めてばかりの立山連峰だけど、やっぱり美しい。
先に言ってしまうと、あの稜線に立つ頃にはだいぶ雲も多くなってしまいますが、それでも下からこれだけの景色が見れたんだから、まぁ十分に満足ってなもんです。
黄色い花が咲くお花畑のようにも見えるけど、これは黄葉となった秋の湿原風景。
3000mに近い場所では9月を迎えれば、もう目にする景色は秋色が強いものになっていきます。
草紅葉を見せてくれつつも部分的にはまだ緑も残る、夏と秋が共存する景色。
夏の終わりを感じるあたりは少し寂しい気もするけど、これはこれでこの時期にしか見れない絶景です。
花もだいぶ終わっていて、足元には一面チングルマの穂の群生地が広がる。
この穂も見れなくなると、いよいよ北アルプスでは雪の季節に入っていきます。
ここら辺は誰も歩いていなかったので、景色を贅沢にも独り占め。
一の越までは緩やかな登り坂ですが、なんせ荷物が軽いのでもはやここら辺はハイキング気分。
見えている山は浄土山。立山の脇役という立ち位置なのかもしれないけど、あの山も標高で言ったら2830mという立派な高峰です。
浄土山の鞍部にあたるのが、今目指している一の越になります。
夏の終わりでも足元を良く見れば、まだまだ花が豊富。
タテヤマリンドウの青い花は良く目立ちます。
こちらはイワツメクサかな。
なかなかの群生が広がっていました。
立山連峰の主峰・雄山の懐に入る。
ここら辺から雲の調子が絶好調になってきて、青空をみるみる掌握していくことになりますが、まだこの時点では山頂を軽く覆う程度。
ガスは見なかったことにして先へと進む。
本当に雷鳥沢キャンプ場から一の越までのルートは人が少なかったです。途中、あまりに静かすぎるので熊鈴を取り出したくらい。(キャンプ場の人から、熊の目撃情報の話聞いてたしね)
それでも一の越が近づいてくると室堂からのルートとも合流して、また登山道は賑わってきました。
振り返ってみるこの景色がまた絶景!
緑豊かな草原と火山帯、そして岩の稜線という、高峰ならではの贅沢な景観。明日歩く大日岳の稜線が本当に楽しみになってきます。
11時半過ぎ、一の越山荘に到着。雄山と浄土山の鞍部に建てられた、なかなかのロケーションを誇る山小屋です。
こんな感じで雄山の山頂直下に建てられた場所。ここから山頂までは約1時間ほどで急な登りが続きますが、雄山までは特に難しい岩登りがあるわけでもないので、観光客姿の人もチラホラいます。
小屋の裏手には龍王岳の荒々しい岩群。
1つ1つ歩を進める度に違う景色を見えてくれます。
こちらは南側の景色。目の前に広がる雄大なカール地形。
そして視線の先には……
北アルプスの名峰・槍ヶ岳、さらに赤牛岳~水晶岳、野口五郎岳といった裏銀座の山々も。
天を突く槍ヶ岳はやはり遠くからでも良く目立ちます。
一の越山荘でも十分すぎるほどの絶景を拝んで、雄山山頂へと向かう。
ここから先はこんな感じのガレ場がひたすら続きます。
部分的には見上げるほどの急登箇所も。
特に登りに関しては体力勝負だけど、下山者がいると落石発生させることもあるのでそれは要注意。
中盤になるほど下山者とのすれ違いも多く、途中途中で渋滞も発生していました。
途中で振り返ってみると、先ほどまでの青空がどこへやら。
山の稜線もみるみるガスに覆われ始めました。
雄山山頂はまだ青空キープということで、ここら辺は駆け足で登り切る。
12時15分、立山主峰・雄山山頂に到着。見えている建物は山小屋ではなく山頂に立てられた売店。
ドリンクやらカップラーメンが売られています。
山頂に建てられた雄山神社。鳥居の向こう入るには参拝料500円支払う必要がありますが、参拝すれば御神酒が振舞われたり登頂記念証をもらえたりします。
稜線を飲み込まんとする勢いで押し寄せる雲。
怖いくらいにどんどん迫ってきました。ここは動画で撮っておいても良かったと思うほど、雲の波がすごかったです。
反対に長野側はまだまだ快晴。富山側とはえらい違いで、驚くほど平和な景色が広がっていました。
すぐ目の前は後立山連峰の山なみ。
右に見える尖がった山は針ノ木岳。
過去2回登った山だけど、あの山頂からの眺めも素晴らしいものがあります。個人的にはそのお隣の蓮華岳の方が好きですけどね。
さらに北には鹿島槍ヶ岳、そして五竜岳の姿も。
どちらの山も山頂でガスられたので、ぜひもう一度登りに行きたい山たち。
南側には槍ヶ岳がまだご健在でした。
本当に遠くからでも良くわかるシルエットしてますね。
先行く稜線はまだ晴れていたので、このまま立山三山縦走ルートへ。
縦走と言っても立山三山はそれぞれ距離が近いので、ここからなら30分程度で残り2つの峰も登れてしまいます。
すぐお隣の大汝山。標高3015m、立山連峰の最高地点がこの山になります。
思えば3000m超えの登山は今年最初に登った南アルプス・仙丈ヶ岳以来でした。
山頂直下には大汝山休憩所の建物。山小屋ではないので基本的に宿泊はできないですが、売店とトイレがあるので縦走の休憩ポイントとしては嬉しい存在。
人気の立山連峰というだけあって、稜線上もすごい人の数です。
早くも三山縦走のラスト、富士ノ折立。簡単な岩登りの先にピークがあります。
標高2999m、富士ノ折立に到着。忘れていたけど、この山は剱岳と同じ標高だったんですね。
奇しくもこの日は平成29年9月9日。29.9.9という日付けにして標高2999m。剱岳の日であると同時に富士ノ折立の日でもあったわけか。完全に後付けだけど、良いタイミングで登れました。
雄山から短い距離を横移動してきただけですが、富士ノ折立まで来ると眼下に黒部湖が良く見えるようになってきます。
北アルプスの山に囲まれたエメラルドグリーンの綺麗な湖。
良く見ると黒部ダムも。さすがに放水の状況までは見れなかったけど、ダムの分厚い壁がここからでも見えました。
いつもなら立山登山と言えば黒部ダムもセットだけど、今回は富山側から出入りすることになるので、あの黒部ダムは立ち寄らず、こうして上から眺めるだけになります。
だいぶ雲が多くなってきたけど、まだ何とか稜線は大丈夫。
富士ノ折立から真砂岳まではご覧のような美しい白い稜線。ここら辺の縦走路が一番気持ち良く歩けるポイントだと思います。
稜線の脇には内蔵助カールという雄大なカール地形も。
ここら辺にもまだまだ雪がたっぷり残っています。この時期でまだこれだけの残雪なので、全部溶けきる前に今年の冬がやってくるんでしょうね。
真砂岳までは快適な稜線ハイク。
風もそんなになくて、日が陰ってもまだそこまで寒くはない陽気でした。
標高2861m、真砂岳に到着。
真砂岳から変わりゆく空を見上げる。
気温もそうだけど、モクモクした雲を見ても夏のような空模様です。
真砂岳から見下ろす室堂。下のテント場まで一望できるダイナミックな景観です。
真砂岳から雷鳥沢キャンプ場まで降りるルートもあるので、時間がなければここでやめることもできます。
先に行こうか迷ったけど、天気が回復傾向だったので別山まで登りに行くことに。
引き続き白い稜線を歩いていきますが、真砂岳から別山までは一度高度を下げて100mほど登り返すことになります。
稜線上でも紅葉が始まっていて、葉が綺麗に色づいているところもありました。
ここら辺で雷鳥に出会えるかと思ったんだけど、人が多すぎたのか雷鳥の気配は全くしませんでした。2017年はまだ雷鳥に出会えていないのですよ(><)
岩と白砂が美しい立山・別山。あの山を越えた先に剱岳が控えていますが、果たしてその姿を見れるのだろうか……
先ほどまでいた真砂岳も雲の中。ガスから逃げるように稜線を進んでいきます。
ここに来て別山までの登り坂は結構疲れるポイントかもしれない。
重たいザック背負っている人は結構辛そうでした。アタックザックだけ背負ってのんびり登っている自分がやや申し訳なくも思うけど、翌日重たいザック背負って痛い目見ることになるので、そこはご安心ください。
14時30分、別山に到着。
この時間でもまだまだ人がたくさんいましたが、広々とした山頂なので休憩場所には困らないです。
別山の最高地点はあちらの北峰。小さい標識があるだけの場所ですが、片道5分もかからない距離なので、一応行っておきました。
別山山頂から歩いてきた稜線を見下ろす。自分は立山三山よりも後半の真砂岳~別山の縦走路の方がお気に入りです。
緩やかな稜線はもちろん、真横に広がる雄大なカールも美しくて素晴らしい景色です。
北側も見事なカール。
そしてそして……、雲に覆われた中で顔を出してくれたのが、あの岩峰。
日本屈指の岩の殿堂・剱岳(標高2999m)。
前衛の前剱を従えての雲を纏ったこの姿、ラスボス感半端ない圧倒的な迫力!ガスの演出も見事で、最高にカッコ良くて素晴らしい景色でした。
怖さありつつもどこか魅了される、それが剱岳。
無事に剱岳を見れたので言うことなしの縦走でした。天気も何だかんだ持ってくれて良かった。
あとは稜線をもう少し先まで歩いて、雷鳥沢キャンプ場へと戻ります。
剱御前小舎に到着したのは15時過ぎ。この時間になると稜線を歩いている人もだいぶ少なかったです。
あとは雷鳥坂を下って行くだけ。この小屋からさらに稜線を先へ進むと奥大日岳方面へ行きますが、その続きはまた明日。
16時に雷鳥沢キャンプ場に帰還。6時間ほどの立山三山~別山縦走登山でした。
このキャンプ場からは夕日に染まる立山連峰が綺麗なんだけど、この後17時を過ぎたあたりで雨が降ってきたので夕日を拝むことは叶わず、夕食済ませてさっさと寝ることにしました。
アタックザック1つで歩いたので体力的にはだいぶ楽でしたが、翌日膝が破壊されることになるとは夢にも思わず、この日は就寝Zzz……
とりあえず1日目の記録としてはここまで。
立山室堂に関しては、その場に訪れるだけで素晴らしい景色を見ることができます。もちろん、立山三山~別山を縦走すれば剱岳を始め、遠くの山なみまで見渡せる絶景が待っていますが、室堂散策だけでも十分に楽しめるのがこの場所の魅力。
久しぶりの3000m峰登山、少し早い紅葉も見れて楽しい1日でした。2日目は未知の領域である大日三山方面へと歩いてきます。
2日目に続く……
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【日程】
2017年9月9日 晴れのち曇り
【コースタイム】
9:00 室堂
9:50 雷鳥沢キャンプ場(~10:30)
11:40 一の越山荘
12:15 雄山
12:45 大汝山
13:10 富士ノ折立
13:50 真砂岳
14:30 別山
15:00 剣御前小舎
16:10 雷鳥沢キャンプ場
コメント
みやっちさん こんばんは。
羨ましい〜〜。しかも今の時期に!
いつか行きたかった大日三山。いやいや今年行きたかった大日三山なんです。
あの稜線歩いてみたいんですよ・・。
雷鳥沢からの紅葉はほんとに感動もので、雄大な眺めは素晴らしいですよね。
みやっちさんの写真はホントきれいで絵ハガキのようです。
以前行った時 別山までの登りが眠くて眠くてきつかったのを思い出しました。
ガスガスだった山頂からの景色、今更ながら あんなだったんだぁと思ってみたり 笑
2日目に続く〜〜。楽しみにしてます。
YUIさん、こんばんは。
大日三山の稜線、僕も今回初めて歩きましたが人が静かで海の展望もなかなかのもので良かったですよ!
ただ快晴とは言い難い天候だったので、YUIさんぜひ僕の分も含めてリベンジお願いしますm(__)m
雷鳥沢からの景色は本当に一級品ですね。過去に何度か訪れたことはありますが、毎回感動させられます。今回は初秋の草紅葉の時期でしたが、もう1週間ほど後であれば山肌も全体的に紅葉していたと思うので、ぜひ紅葉最盛期にも訪れてみたいところですね~
1日目ほどのインパクトのある写真は見せれないかもしれませんが、2日目も後ほど更新したいと思います。毎回読んでくださってありがとうございます!
こんにちは~。
私、実は今日、北アから帰ってきたんです。
それも、山小屋アルバイトから…。
ツルタテエリアの小屋で働いてきました。
ここらへんは、遠いのである意味とても贅沢な日々でしたね。
(かなりキツかったけど)
そのヘリはうちにも来たのかも。
しかし、みやっちさんのカメラで撮ったやつのほうが
なんか自分が見てきた景色よりキレイのような…。
そんなわけで、下山日にパパっと劔に登ってきましたよ。
大日はいいみたいですね~。
行ったことないのでレポ楽しみです。
ちなみに、私は秋のチングルマが大好きです。
satominさん、こんばんは。
山小屋で働いていたんですか!?アグレッシブですね~。しかも剱岳にパパッと登るあたりが流石です。
山好きでも小屋で働くともなればキツイことも多そうですね…。お疲れさまでしたm(__)m
秋のチングルマが好きなのであれば大日三山の稜線はきっと気に入ると思いますよ!チングルマの穂の群生が至る所にありましたから。
稜線自体は意外と短いのでそこまで歩き応えがあるわけでもないですが、静かなのがとにかく気に入りました。タテツル界隈で静かな稜線と言うのは貴重な存在だと思います。
みやっちさん、はじめまして。
素晴らしい景色に感嘆しながら、いつも楽しく読ませていただいています。
なんと…!あの日、みやっちさんも立山にいらっしゃったんですね~
私も同じ日に立山入りし、二泊三日で剱と立山三山に登って来ました。
日中は、本当に良い天気でしたね。
心ゆくまで、初めての立山を満喫できました。(三日目は、半ばガスと強風の中の三山縦走になりましたが…)
中でも、剱澤~別山への急斜面から見た剱岳が、印象的でしたね~
大日三山編も、楽しみにしています。
ルーティエさん、初めまして。
同じ日に立山入りしていたとは奇遇ですね!ブログ読んでコメントまでくださってありがとうございますm(__)m
到着時の天気は本当に雲1つない快晴で素晴らしかったですね~。3日目に立山三山ということは剱岳は2日目に登ったんですかね?奥大日岳の稜線から剱岳を眺めてましたよ。
今年はなかなか天気に恵まれない夏でしたが、この週末は比較的良好なお天気だったので、お互い良いタイミングで登山ができて良かったですね!大日三山縦走も色々あったので、また後程ブログに書きたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします!
みやっちさん、初秋の立山いいですねぇ。僕は夏に1度しか行ったことありませんが、その時は雷鳥荘に2泊して贅沢に満喫しました。また行きたいものです。
続きも楽しみにしております。
くまさん、こんばんは。
雷鳥荘に2泊とは贅沢な過ごし方ですね~。いつかやってみたいことの1つです。というのも、実はまだ室堂界隈の温泉には入ったことがないですよね……。
テント泊だとどうしても登ることメインで考えがちなので、観光気分を取り入れたゆるふわ登山も今後は増やしていきたいところです。
みやっちさん、こんばんは。
久々にお邪魔致します。
立山・別山縦走、楽しく読ませていただきました。
来週、同じルートで立山を歩く予定です。
大日三山の続きも楽しみにしております。
ジェームスさん、こんばんは。
お久しぶりのコメントありがとうございます!
来週と言うことであれば、僕が登った時以上に紅葉が綺麗でしょうね。大日三山に限らず、大日平~称名滝あたりも紅葉したら素晴らしい景色が見れるそうなので、ぜひ楽しんできてください!
みやっちさんこんばんは。
今回もお疲れ様でした、素敵な景色をありがとうございます^_^
私はまだ行ったことがありませんが、やはり素晴らしいところですね!
北陸新幹線が開通してから出張で富山方面行く機会が増え、天気の良い日は立山連峰が見えてくると、車内アナウンスで立山連峰が紹介されることがあり、その度に行きたいな〜なんて思ってました笑
後半はあいにくの天気だったようですが、長野方面の後立山連峰の写真は青空やら雲やら雪やらとカラフルで、特に絶景だと思いました!
もちろん草紅葉もきれいですねぇ。
後半戦楽しみにしてます^_^
someiさん、こんばんは。
立山はまだ行かれてなかったんですね。ぜひ機会があれば一度行ってみてください!できれば泊りで!登らずとも立山室堂に降り立つだけで感動できるはずです。
前回富山駅を利用した時はまだ北陸新幹線開通前だったのでアクセスもそこまで良くなかったですが、今は富山方面が格段に行きやすくなりました。今回初めて富山側から出入りしましたが、時間と労力を考えると大いにコスパに見合っているので、今後も積極的に利用していこうかと思っています。
後半も色々あって大変でしたが、近々アップしたいと思いますー
コメントして頂きありがとうございました!