白山~別山~三ノ峰 バスで行くテント泊縦走登山

白山~別山~三ノ峰 バスで行くテント泊縦走登山

2015年夏のテント泊縦走登山、1発目は念願だった白山へ。

北陸地方の1つのシンボルにもなっている、標高2702mの白山。富士山、立山と並んで日本三霊山の1つに数えられている名峰で、2,3年前からずっと登りたいと思っていた山です。

登山口となる別当出合は石川県。都内からだとかなり距離がありますが、公共交通利用だと夜行バスと路線バスを乗り継ぐだけで行けます。ただ、それでも天気との相性がこれまで悪くて、なかなか行くことができずに毎年持越し……。花の名峰というのもあって時期を7月に限定していたのもあるけど、今年ようやく最終週に天気と休みが合致して行くことができました。

遥々遠くまで行くので、今回はテント背負って白山~別山~三ノ峰までを縦走するルートを選択。白山の御池めぐりとお花畑、別山までの稜線歩き、三ノ峰からの灼熱尾根下山……。

辛い中でも色々な景色に出会い、今回もまた色濃く記憶に残る山旅ができました。

 

霊峰の御池、白山―――

 


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今年の夏にどうしても行きたい山が2つあって、それが北陸の”白山”と東北の”鳥海山”。どちらもずいぶん前から行きたい山リストに入っていたんだけど、どうしても天気や休みのタイミングが合わずに行くに叶わず。。。

遠いので絶対に快晴予報じゃなきゃ行く気も起きなかったので、そりゃ簡単に行けるわけはないけど、例年の天気を見ると梅雨明け直後の7月最終週が狙い目だったので、まずは白山をターゲットに絞ってかなり前から夜行バスを予約。

プランはもともと練ってあったので、あとは無事に晴れてくれるのを願っていたけど、今年に関しては雨が少なすぎるんじゃないかってくらい晴れに恵まれて、天気の心配もそこまですることなく当日を迎えられました。

 

今回、ルートが少し変則的で、

別当出合登山口~白山~南竜山荘(テント泊)~別山~三ノ峰~上小池登山口

というもの。石川県から入って文字通り縦に両白山地を縦走、福井県に下りるという、登山口と下山口が全然違う公共交通利用ならではのルート。マイカーで白山・別山を縦走する場合は市ノ瀬を基点に周回することになるので、このルートで歩いている人はあんまりいないと思います。

三ノ峰方面は人も少なかったですが、別山平の広大な湿原もあってなかなか歩き応えあるものでした。電車・バス利用登山の方の参考に少しでもなればと、やや長くなりますが詳細書いておきます。

 

~~ 2015年7月25日~26日 白山・別山テント泊縦走 ~~

今回も高速夜行バスを利用。白山に行く場合、金沢駅から白山登山口までの登山バスがシーズン中運行しているので、金沢駅まで行けばいい。東京~金沢の便利な夜行バスがあるので、それを利用します。

公共交通利用なのに、今回は奇跡的に山仲間3人一緒に来てくれました。

 

JR新宿駅の高速バスターミナル。新宿は自宅からのアクセスがいいので、ここから乗れるのは助かる。

金沢行きのバスは毎年すぐに埋まるのでかなり前から予約してたけど、この日に限ってはなぜか当日になっても空席が結構あって、バス車内も割と空いてました。最近は当たり前になってきている3列シートだったので、すぐに眠りにつき、途中起きることもなく目が覚めたら金沢駅。

最近、高速バスでの寝つきの速さは伝統芸になりつつある……(^^;

 

朝6時、JR金沢駅に到着。目の前にあったのは駅のシンボル、「鼓門」と「もてなしドーム」。門でけぇ、、、!

石川県に降り立ったのはこれが人生初。観光名所を特に巡ることもなく、そのまま白山へ入ります。

 

白山行きのバスは1番乗り場。バス出発まで時間があったので、近くのコンビニで朝ごはん食べたりして時間つぶす。金沢駅は北陸の拠点でもあるので、名古屋や関西など色々な方面から夜行バスが到着して、各地のハイカーが集結!バス乗り場も結構な列ができていました。

夏のシーズン中は朝に3本バスが出ていて、自分たちは第2便の6:45のバスに乗車。始発の5:30のバスは東京からの夜行バスでは間に合わない…。

 

乗車時間は2時間以上あるので座れるか心配だったけど、こんな感じの高速バス仕様だったので余裕で座れました。

人数に合わせて増便してくれるようなので、ここは特に心配しなくて良さそう。

この2時間のバスでも伝統芸を披露して熟睡。バス利用の登山は十分すぎるほど睡眠時間を確保できるのがいいところ!

 

9時に登山口の別当出合に到着。市ノ瀬から別当出合まではマイカー規制がかかっているので、 マイカー組も途中でバスに乗り換えなきゃいけないんだけど、市ノ瀬駐車場がすごいことになってた…。700台停められる駐車場は満杯で、臨時で設けられたような駐車場まで一杯でした。

白山大人気ですな。

 

別当出合にはトイレも水場もあるので、ここで体制整えて出発。2つルートがあるけど、砂防新道を行きます。

このつり橋が登山道への入口。これが思った以上に揺れた(笑)

下に敷いてあるのは外来種を除去するためのマット。高山植物の宝庫である白山ならではの環境保護活動で、登山道の至るところに設置されています。

 

スタートしていきなり渋滞にはまる。あの駐車場の混雑っぷりを見れば、まぁ予想はしていたけど、、、

登山道はしっかり整備されて、山頂手前にもビジターセンターがあるので、標高2702mの高山でありながら大衆向けで登りやすい白山。ジャージやデイバックで登っている人もいて、テント泊の重装備は逆に目立つ感じでした。

 

少し登って中飯場に到着。ここにも水場とトイレがあります。

別山の方へ行くと水場がほとんどないけど、白山は水場豊富で、いい感じで給水ポイントがあるので水はそれほど担がないで大丈夫。

標識の「石川県」の文字を見て、遠くまで来たんだ~と少し実感。バスの車内ではずっと寝ているので、移動時間の長さがあまりつかめていないんだよね……(^^;

 

別当覗というポイントも過ぎて、まずは南竜山荘のテント場を目指す。早く重い荷物を置きたいぜ……

渋滞していた登山道も最初だけで、中飯場を過ぎると適当にばらけて快適に歩けました。

 

日本を代表する花の名峰、白山。その神髄は序盤から見せつけてきます。

 

センジュガンピ。序盤の登山道でたくさん咲いていた花。

 

こちらはキヌガサソウ。日本原産の固有種で石川県ではレッドリストに指定されている希少価値高い花。

 

甚之助避難小屋手前あたりから視界も開けてきて、展望も良くなってきます。

登るにつれて花も増えてくるから面白い。

 

これはハクサンチドリ?

ハクサンチドリに似た花って、調べてみると意外とたくさんあるから見分けに自信がない…。

(※コメント頂いた谺拓山から、「ノビネチドリでは?」と教えていただきました。照らし合わせると確かに似ています。毎度ありがとうございますm(__)m)

 

これはミヤマキンポウゲで合ってるのかな?シナノキンバイにも似ているし、こちらも自信ない(笑)

 

11時半に甚之助避難小屋に到着。自分のイメージしていた避難小屋とは全然違って、山小屋並に大きくて綺麗でした。

トイレも水場ももちろんあり。

 

この後も歩きやすい道が続く。写真は載せていないけど、登山道わきには所々ベンチもあって休めるようになってます。

700台の駐車場、その登山客を受け入れるだけのインフラが整っているわけだな。大衆向けな登山道という印象でした。

 

途中、山頂へ通じるエコーラインへは入らずに、いったん南竜山荘方面へ。ここら辺のお花畑がまたすごい綺麗でした。

 

シモツケソウって言うらしい。このピンクの花は別山までの稜線上にもたくさん咲いていて印象的でした。

 

そして見えてきた、南竜山荘とその前に広がる広大な湿原。

この雄大なロケーションを目にした瞬間、一気にテンションあがったなー!ここにテントを張れるって考えただけで幸せだったわ。テント泊にして正解だと瞬時に思った。

 

南竜山荘のすぐそばには川も流れていて、なんとも長閑な風景。白山は本当に水が豊富で、高山植物が活き活きと咲いているのも納得。

 

山小屋まで続く木道。絵に書いたような楽園が広がっていました。

 

12時半、南竜山荘に到着。テント場は小屋から少し離れているので、先にここでテントの受付を済ませる。 1人300円の安さがうれしい。

 

飲み物のメニューとか。各種スナック菓子も売っていて、売店の充実具合も素晴らしかった。右上に書いてあるけど、テント場でもビール販売をしてくれています。

この南竜山荘のロケーションがかなり気に入ったので、登山バッチもここで購入。南竜山荘オリジナルでした。

 

小屋から少し歩いてテント場に到着。

 

雰囲気最高のテント場。すでにかなりのテントが張られていましたが、奥の方までスペースがあるのでそれなりの広さがあります。

ここのテント場のすごいところが、炊事場の充実度とバンガローがあったところか。奥に見える小屋はトイレではなくてバンガロー。1部屋12400円なので、定員の5人で泊まればかなりお得。

 

そしてこちらが炊事場。どこぞのキャンプ場並に水道も用意されています。

 

テント場の周りもお花畑。これまで泊まったテント場の中でも一番のロケーションなんじゃないかってくらい気に入りました。

白山だけなら日帰りでも十分に登れるけど、あえてゆっくり時間を使ってテント泊するのも大いにありだと思います。

 

テント場からの眺め。日帰りの人はこの南竜山荘には寄らないかもしれないけど、時間があればぜひ立ち寄ってみてほしい場所。小屋の周りの湿原が何とも雄大でいい眺めです。

 

荷物を軽くして山頂アタック。この小屋の前を流れる川とか、本当に雰囲気良かったな~!

南竜山荘付近だけで、写真を何枚撮ったかわからない。ここだけで1つの記事書けるほど見どころ豊富でした。

 

エコーラインに入って山頂を目指す。山頂まではまだ3kmほどの距離があるので、2時間はかかります。

南竜山荘から山頂へ行く場合、エコーライン、トンビ岩コース、アルプス展望歩道の3つがあるけど、トンビ岩コースが残雪で通行止めでした。なので、エコーラインで登ってアルプス展望歩道で下りてくることに。

 

エコーラインに入ると花の種類も一気に増える。

まずはお花畑の定番、チングルマの群生。

 

コバイケイソウ。白山はいたるところにコバイケイソウの群生があって、室堂へ向かう道脇にもたくさん咲いていました。

 

ニッコウキスゲ。開花時期が同じだからか、どこに行ってもコバイケイソウとセットで見れる花という印象。

 

エコーラインからようやく見えてきた白山山頂。エコーライン以降はずっと展望の良い道が続くので、歩いていても全然飽きない。

 

こちらは南竜山荘方面。山の合間に広がる高原。

いつか行こうと思っている立山の五色ヶ原もこんな場所なのかな…?

 

弥陀ヶ原。室堂手前に広がる高層湿原。ここも木道敷かれた白山の観光名所の1つ。

 

イワカガミ

 

イワイチョウ

 

ハクサンコザクラ。弥陀ヶ原にたくさん咲いていました。

 

近づくにつれて山容の迫力が増していく白山。ずっしりと構える緑と白の山肌が綺麗だったけど、あの裏側にはまるで違う景観が広がっている。

 

途中、自衛隊(?)の登山隊とすれ違った( ̄^ ̄)ゞ

 

室堂手前の五葉坂。やや急登だけど、距離はそんなに長くない。

何より後ろを振り返れば眺めが最高!

 

弥陀ヶ原を上から。標高2400mに広がる山の上の台地は爽快な眺め。

左奥に見えるのが翌日歩く予定の別山。

 

14時半に室堂ビジターセンターに到着。

山小屋というよりはホテルに近い、立派な宿泊施設。750人収容で、完全予約制。周辺には室堂平というお花畑も広がっていて、ロケーションは抜群です。

 

白山奥宮の鳥居。社は絶賛建設中でした。

 

山頂まで残り30分。室堂平のお花畑を見ながら登っていく。

 

珍しかったのがクロユリの群生。 高山植物の中でも個人的にはかなりレアだと思っているクロユリ。それがこんなにたくさん咲いているとは……、白山が高山植物の宝庫というのをまざまざと見せつけられた感じ。

 

クルマユリの群生。クルマユリって一匹狼みたいなところがあって単独で咲いているイメージがあるけど、そんなことを仲間と話していたら、群れて登場しました(笑)

 

ハクサンフウロ。「ハクサン○○」と名のつく花ってたくさんあるけど、白山が原産なのかな?

本場のここではハクサンシリーズの花を20種類も見ることができるらしい。

 

斜め上を見上げるイワギキョウ。

 

山頂までの登りの間に、室堂ビジターセンターの案内放送が普通に聞こえてくるのが、山の雰囲気を掻き消していて面白かったな(笑)

完全な観光地と化しているあたりは、同じく日本三霊山の富士山、立山と共通している。

 

山頂の白山神社に御参り。日本を代表する霊峰、心を込めて祈願しておきました。

 

15時半に山頂到着。白山のピークはいくつかあるけど、最高峰はここ御前峰。

時間が少し遅いというのもあって、日帰り組は下山していたので山頂は空いていました。

 

山頂から見る室堂、その奥に広がる弥陀ヶ原。白山山頂直下には、弥陀ヶ原と室堂平、2つの高層湿原が広がっている。

左奥が別山。こうして見ると結構遠い。。

 

そして、圧巻だったのが北側のこの風景!

 

雲の上に広がる白山の御池。まだ雪が残っていて、その残雪の影響で池が綺麗なエメラルドグリーンに発色していました。

雪が融ける前ならではの絶景!

本来なら山頂から北アルプスも見えるはずだったんだけど、北アルプスとの間に雲が浮遊していたので、良く見えませんでした。

 

この山頂のお池は登山道が通っているので周回できます。1つ1つの池にちゃんと名前も付けられている。

お池めぐりのコースにはこんな感じで標識がいくつかあるのでお見逃し無いよう。白山にまつわるお話が書かれています。白山が日本最西端の高山というのも初めて知った。

屋久島(宮之浦岳)も高山帯を持っている山だと思ってたけど違うんだな。

 

早速お池めぐりへ。それまでの木道敷かれた穏やかな雰囲気とは変わって、山頂付近は巨岩がたくさん転がっています。

標識に書かれてもいるけど、白山は火山。山頂近辺には火口がたくさんあって、今は静穏を保っていても将来的に活動再開もありえなくはない。

 

こちらは白山のピークの1つ、剣ヶ峰。登山道はないので登るのは原則禁止。

 

お池の中心部に下りてきた。周辺を白山の主峰群が取り囲み、その合間に池が点在しています。

左に見える山は大汝峰。あちらへは登るルートがあるので時間があれば登ってみてください。

 

こちらは油ヶ池。7月下旬でもまだこれほどの雪が残っている。雪が完全に融けるのは8月のお盆あたりだと思う。

 

紺屋ヶ池。水面下に雪が残っているので、綺麗なエメラルドグリーンに染まってました。

 

御池から白山の主峰、御前峰。室堂から見えていた姿とはまるで違う、火山特有の岩の山。

 

こちらが翠ヶ池。御池の中では一番大きい池。この池の水がまた綺麗で、鏡のように空を映していました。この池が造り出す風景は今回の山旅の中でも特に印象に残ったもの。このワンシーンだけでも東京から遥々登りに来た甲斐が十分にあった。

晴れていればこの池越しに北アルプスも見えます。

 

先ほどまでの木道歩きとはまるで別世界。1つの山で色々な風景を楽しめる白山はやっぱり偉大な山。

ここに来るまで3年かかったからなぁ~。。。長かったわ。

 

こちらは地図でも気になっていた”血の池”。名前からして赤く見えるのかと思ったら全然そんなことなくて、他の池よりも緑豊かな池でした。

そして、この池でも1つの絶景を見れました。

 

血の池からの「逆さ白山」。雪解け直後というものあるのか、水の透明度が本当に素晴らしく、鏡になってました。

いいもん見れたわ…。

絶景続きの白山の御池めぐり、序盤のお花畑が霞むほどインパクトありました。

 

お池めぐりを終えて室堂へ下山。陽がだいぶ傾いた時刻だったので、この時間の山頂は本当に空いていて、お池めぐりに至っては周りにほとんど人もいなかったです。

 

室堂に戻ってきたのは17時。7月は陽が長いので、1年を通して一番歩き回る時期。ここから1時間半かけてテント場まで戻らなきゃいけないけど、19時が日の入りなのでまぁ大丈夫でしょ。

 

室堂にこんな案内ありました。白山にも雷鳥がいるみたいです。これを読む限りじゃ、かなりレアな雷鳥なので、ガスったら割り切って雷鳥探しに徹するのもありかもしれないな( ̄▽ ̄)

 

帰りはアルプス展望歩道で帰ることに。こちらにもお花畑が広がっていて良い雰囲気でした。

 

コバイケイソウの大群生が特に印象的。エコーラインや翌日の別山へ稜線にもコバイケイソウの群生はあったけど、規模で言ったらこの室堂平が一番でした。

 

途中標識があったにも関わらず道を間違え、長野側の登山道(大倉尾根)へ下山しかける…(^^;

ここはまだ間違えに気付いていないところ。北アルプスは相変わらず雲が邪魔で見えなかったけど、左に見える三方崩山が「すごいなぁ~、崩れてるなぁ~」とか言ってた頃。アルプス展望台という名前に惑わされて、北アルプス方面に引き寄せられすぎたぜ(笑)

このあと15分ほど下ったところで間違いに気づいて登り返す。

 

正しい道に戻ってテント場へ下山。分岐の所に絶対に見落とさないだろってくらい立派な標識が立てられているので、普通ならまず間違わない。

なんで道を間違えたのか、いまだにわからない……。

 

こちらが地図上にあるアルプス展望台。狭いピークです。

南竜山荘に泊まる場合、ご来光を見るならここがオススメ。

……というか、ここまで登ってこないとたぶん見れない。もしくは別山方面の油坂の頭まで登るか。いずれも小屋から1時間くらいかかるけど、北アルプスから太陽が昇るので、見れたらさぞ絶景なんだと思います。

(ご来光がやや見づらいのが南竜山荘で唯一気になったところか…)

 

途中、道を間違えたりもしたので、結局テント場に戻ってきたのは18時45分頃。少し遅くなってしまったけど、それでもまだこの明るさ。

テントの数も結構増えてました。

 

ちょうど日没を迎える頃だったので、綺麗な夕日見れました。

久しぶりに見れた山からの夕日。この風景も本当に綺麗で、1日の旅の終わりを最高の形で締めくくってくれた。

これで十分満足!翌朝のご来光はパスして朝はゆっくりすることにしました(笑)

 

陽が沈んだ後の空が淡く染まる瞬間も好きな風景の1つ。

風もなくて涼しく、快適なテント泊でした。

 

おまけで、夜のテント場からの星空。サッコさんが深夜0時ごろに撮影してくれたようで、写真を拝借させてもらいました( ̄▽ ̄)

天の川が写ってる!!こういう写真を撮れるようになりたいもんだぜ。。。

 

1日目はこうして終了。これでも結構端折ったけど、色々と見どころ多かったので少々長くなってしまいました…。

でも、まだまだ続く白山縦走の旅。

このまま2日目の別山編を書いてやるさ!

 

~~ 2日目 ~~

 

翌朝、5時に起床。この時期は日の出は4時すぎなので、テントの外はすでに明るく、すっかり青空になってました。

この日も快晴。よっしゃ!って思ったけど、この快晴が後々地獄を見ることになるわけなんだな……

 

こちらがテント場のバンガロー。キャンプ場並に充実したテント場でした。

このテント場にはぜひまた泊まりにきたいし、このバンガローも人数揃えば泊まってみたい。

 

6時過ぎに出発。女性陣とはここでお別れして、あつしと2人で別山方面へ。

ここから先は下山するまでまともな水場がないので、水は十分に持って行ったほうがいいです。

 

テント場を出発して早々に油坂の登り返し。 油坂の頭でご来光を見ようと思ったら、この登り返しの時間も考慮に入れておく必要があります。

 

別山方面へ歩く人はあまりいなくて、昨日とは打って変わって静かな道でした。

 

油坂の頭から見る白山。ずっしりと堂々たる風格!

昨日登ったエコーラインや室堂もよく見えました。

 

そしてこちらは昨日見れなかった北アルプス。普段とは反対の西側から眺めているので、並び順が逆なのが少し違和感。立山から槍・穂高まで一望できました。

 

槍と穂高。えぐられた大キレットが遠くからでもよくわかりました。

 

御嶽山。右奥に見えるのは中央アルプス、左奥に見えるのは南アルプスかな。

 

こちらは霞んでいてわかりづらいけど日本海。海もすぐ近く。

下山して金沢に戻ったら海鮮食べるって決めてるんだ!

 

ここから先は別山まで稜線ハイク。奥に見えている山が別山だと思っていたけど、その手前の御舎利山でした。

 

稜線上のあった天池。天の飛行機雲を映し出していました。

 

稜線は所々道幅が狭かったりするけど、全体的に歩きやすい道です。地図上にはガレ場の危険マークが2ヶ所ほど載っていたけど、それがどこのことだったのかわからないくらい。

 

稜線上は花も豊富で、お花畑がずっと続いていました。

こちらはタカネマツムシソウ。日本の固有種。Made In Japan!

 

タテヤマウツボグサ

 

湿地帯に広がっていたハクサンコザクラの群生。白山に見劣りしないほど、こちらの稜線も高山植物の宝庫。

 

途中、数人とすれ違う程度の静かな稜線。すれ違った人ではトレランの割合が意外と多くて、1日で別山から白山まで駆け抜けるようです。

 

コバイケイソウの群生はここにもありました。

 

小ピークをいくつか越えて別山へ。多少のアップダウンはあるけど、まだ歩き始めなので全然余裕。

稜線好きにはたまらない道だと思います。

 

こちらが別山手前の御舎利山。山頂にちょうど団体さんがいて、遠くからでも良く分かりました。

山頂までは左側から巻いて登っていく感じになります。

 

9時に御舎利山に到着。360℃の展望で、白山の堂々たる風格を存分に見ることができます。

日本海から北アルプスまで見渡せる展望台。ここから市ノ瀬へ直接降りるルートもあるので、マイカー組にも便利。

ここで大半の人は市ノ瀬へ下山するので、この先三ノ峰方面は一層人が減ります。

 

すぐ隣にあるあちらが別山。片道10分程度です。

 

別山も霊峰白山の1角。山頂には別山神社がありました。

 

別山山頂到着。ひたすら稜線を歩いてやってきました。

ここまで来ると白山もだいぶ遠くに感じる。

 

別山からのアルプスの展望も抜群!山頂貸切で最高の眺め頂きました。

 

まだまだ続く稜線。ここからは徐々に高度を下げて、三ノ峰を目指します。

下山口の上小池までは9.7km。まだ先は長い。

 

結局雷鳥は見れなかったけど、良く分からない鳥は撮れました。 花以上に鳥の知識がなく、鳥については調べようにも調べられない…。「白山 白い鳥 鳴き声 ギエーギエー!」なんて検索してもわからんし。。

 

別山の先に1つの見どころポイント。

それが稜線に突然現れたこの広大な平原、別山平

 

自分好みの広い開放的な稜線!ここも気に入ったポイントの1つ。市ノ瀬を基点に周回するルートだと来れない場所だけど、ここもお花畑が広がっているので強くお勧めしたいところ。

 

振り返れば別山と白山をセットで見ることができます。

別山平ではニッコウキスゲが最盛期を迎えていました。

 

どこまでも続く稜線。油坂の頭以降、稜線が続いているけど、この稜線は県境にもなっていて、右側が石川県、左側が岐阜県。

さらに目指す三ノ峰の奥は福井県。何気ない存在に思える三ノ峰が、実は石川、岐阜、福井の3県の境になっている重要なポイント。

 

標高を落としていくと見れる花も変わってくる。黄色いこの花はマルバダケブキって言うらしい。

 

時刻は11時近く。徐々に暑さがピークを迎える時間帯で、この登り返しが結構つらかった。。途中に水場がないのも痛いところで、給水ポイントがたくさんあった白山がいかに恵まれていたかがよくわかった。

でも、この過酷さも縦走ならでは。

 

10時50分、三ノ峰に到着。三ノ峰という名前からしてただの小ピークに思えたけど、この山が立派な風格を持ち合わせていたのをすぐ後に知ることになる。

二ノ峰、一ノ峰もこの先にあるけどそこまで歩かず、今回はここが最後のピークです。

この山頂はドコモは電波入りました。事前に下山後のタクシーは予約してあったけどちょっと時間変更。

「暑さで思ったよりペースが上がらないので13時下山は無理ですわ。。。やっぱ14時にしてください(キリッ!)」

 

三ノ峰からの別山の眺め。標高差は200mほどだけど、登り返しがあるのでここから別山までは2時間ほどかかります。

 

すぐ近くに三ノ峰避難小屋があるので、そこで休憩することに。

この避難小屋も見て分かる通り、なかなかいい場所に建っております。

 

こちらが三ノ峰避難小屋。トイレもあって立派な避難小屋。

水場があれば言うことなしだったんだけど、残念ながらそううまくはいかない……。

 

ここから先もまだまだ展望の良い道が続く尾根道。左下に延びていく道が登山道で、今度は右側が石川県、左側が福井県の県境になる。

はるか下まで見晴らしの良さそうな道が続くので、この時はテンション上がったけど、これがかなり辛いことを思い知る。。。

 

ここから先は一気に標高を落とす。時刻は12時過ぎと最も暑い時間帯、加えてこの日は猛暑日で標高も2000mを下回るので、暑さとの戦いだった…。

熱中症になっちゃうんじゃないかってくらい日差しが強烈で、そうなってくると見晴らしのいい尾根道が酷に思えてくる。。。一刻も早く樹林帯の日陰に入りたかった。

写真を撮っている余裕もあんまりなかったけど、振り返って見た三ノ峰が印象的でした。「○○山」とか「○○岳」という名前がついてもおかしくないくらい立派な風格を持っていて、山頂直下はかなりの急登なので、登るのは結構つらいと思う。さらにその奥の別山までってなると、なかなかハードなコースだなぁ……

 

かなり省略しているけど、フラフラになりながらもどうにか六本檜に到着。ここが尾根の終点で、ようやく樹林帯に入れます。

 

久しぶりの樹林帯。水場もないのに、日差しを避けられたここがオアシスにさえ思えた。

日差しは晴れてくれてるんだから恨めないけど、無風なのが辛かった。真夏の登山はある程度風があったほうが快適に歩ける。

 

こちらは何という花でしょうか?

フラフラになりながらも花を撮る意識だけは残ってた(笑)

(※コメントくれたゆかぽんさんから、「キバナノヤマオダマキでは」と教えていただきました。写真で確認したところ確かに似ているのでキバナノヤマオダマキのようです。ゆかぽんさん、ありがとうございます!)

 

14時、登山口に下山。地図上にはその手前の山腰屋敷跡に水場マークがあったんだけど見当たりませんでした。

 

登山口のすぐ近くを流れていた川。川に飛び込みたい衝動に駆られるけど、ここでは自重しておく。

この数時間後に川に飛び込むことになるんで……

 

林道に出てから上小池駐車場までの地味な登りがいやらしかった。再び登山道には行ったときは「マジか……」て思ったけど、ようやく水場があったので少しだけ体力回復。

駐車場手前に大栗ノ木という、縄文杉を彷彿させるような大木もありました。

 

14時すぎ、やっとの思いで上小池駐車場に到着。 三ノ峰以降は灼熱登山でしたよ……

標識に書かれている刈込池というのは有名な紅葉スポットになっています。今回はスルーしたけど秋に登った時には立ち寄ってみるといいかも。

 

ここで頼んでおいたタクシーに乗車して次のステージに行くんだけど、かなり長くなってしまったので今回はここまで。

 

過去最長かもしれないほど長い記事になってしまったけど、読んでくださった方ありがとうございましたm(__)m

白山だけであれば日帰りで十分に登れる山だけど、時間があればぜひ山で1泊して、別山までの縦走をオススメします。別山までの稜線が展望も良くてお花畑も広がっているので、快適なハイクになること間違いなし!

さらに三ノ峰まで歩けば別山平の楽園なども味わえるけど、こちらまで来るとマイカーではほぼ不可能なので、公共交通利用ならではのルートだと思います。電車・バスで白山にお越しの際はぜひ三ノ峰までの縦走をしてみてください。白山の山域を十分すぎるほど味わえるので。

 

最後の方はやや駆け足になったけど、夏の白山~別山テント泊縦走の記録でした。

この続きはまた次回の記事で。

 

別山から望む白山より―――

 

続きの荒島岳編へ……

 

 

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【日程】

2015年7月25日~26日 2日とも快晴

 

【コースタイム】

・1日目

JR金沢駅(6:45) — 別当出合(9:00) — 甚之助避難小屋(11:30) — 南竜山荘(12:30) — 室堂ビジターセンター(14:45) — 白山・御前峰山頂(15:30) — 御池めぐり(15:30~16:30) — 室堂ビジターセンター(17:00) — 南竜山荘テント場(18:45)

 

・2日目

南竜山荘テント場(6:00) — 油坂の頭(6:50) — 御舎利山(9:00) — 別山(9:20) — 三ノ峰(10:50) — 六本檜(12:40) — 上小池駐車場(14:00)

 

 

 

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