10月下旬に谷川岳の一ノ倉沢~マチガ沢へ紅葉ハイキングに行ってきました。
魔の山と恐れられる谷川岳、その迫力ある大岩壁を目の当たりにできる一ノ倉沢は秋の紅葉スポットとして有名です。
実際、目の当たりにしてみて感動したのですが、それ以上に素晴らしかったのがマチガ沢の紅葉。谷川岳の登山道の1つ「厳剛新道」の第一見晴展望台からの眺めが圧巻でした。
ぜひともお勧めしたい場所です。
2019年秋の紅葉登山は続く。
今回は谷川岳。日本百名山の1つにして世界一の遭難者数としてギネスブックにも登録されている「魔の山」です。
秋の谷川岳と言えば、一度は行ってみたかったのが今回の一ノ倉沢。
ここは登山ではなく、1時間ほどの林道歩きでたどり着ける観光地。軽いハイキングというレベルですが、そこから眺める景色は噂に聞いていた通り素晴らしいものがありました。
そして、それ以上に素晴らしかったのがマチガ沢。
山登りに親しみがある方へはこっちのほうを強くお勧めしたいです。岩峰と紅葉の絶景が待っていますぜ。
2019年10月23日 谷川岳・一ノ倉沢~マチガ沢の紅葉
谷川岳については夏の花のシーズン、秋の紅葉、冬の雪山と、過去にもう何度も登りに行っている山ですが、今回の目的地に赴くのは初めて。
新鮮な気持ちで向かっております。
いつも通り東京から電車を乗り継ぎ、始発の路線バスに乗って谷川岳ロープウェイに到着。
バスは上毛高原駅か水上駅から乗ることができます。平日にもかかわらず、バスは満車でした。
そして御覧の通り、団体ツアー向けの観光バスもたくさん停まっていました。秋の谷川岳の人気は知っていましたが、平日でもこれだけ混雑するんですね。
ロープウェイ乗り場では行列ができていましたが、今回歩くルートはロープウェイには乗りません。
道路に沿って道なりに登っていきます。看板にも書いてある通り、一ノ倉沢まではマイカー規制がかかっているので、一ノ倉沢へ行くなら谷川ロープウェイから徒歩、もしくは1時間に1本の観光客向け電気バスに乗る必要があります。
このバスについては後ほど。
林道を歩いてすぐに見えてくるのが西黒尾根登山口。日本三大急登の1つでもある西黒尾根。
自分も4年前に谷川主脈を日帰り縦走した時に一度登ったことがあります。正直なところを言えば、確かに急登ではありましたが「これで三大急登?」という感じでもありました。南アルプスあたりの3000m峰を登られている方なら、体力的には問題なく登れると思います。
一ノ倉沢はさらに先。西黒尾根登山口はスルーして道なりに進んでいきます。
林道周辺はまだ緑が多いながらも、早くも色づいてきた紅葉が綺麗です。
20分ほど歩いてマチガ沢に到着。
あいにく空はガスっていますが、晴れていればここから素晴らしい谷川岳の姿を見ることができます。数時間後に再び訪れることになるので、これも後ほど。
このすぐ脇に今回の登山ルートである厳剛新道の登山口もあります。
厳剛新道の前に一ノ倉沢に立ち寄るため、さらに林道を先へ。
ひたすら平坦な道ですが、徐々に紅葉も綺麗になっている気がする。
単調な林道歩きなので、登山靴でなくても問題なく歩けます。実際、写真にはあまり映っていないですが、普段着姿の観光客のほうが多かったです。
谷川ロープウェイから歩くこと約40分。
林道が突然開けて、目の前に絶景が飛び込んでくる!こちらが、かの有名な『谷川岳・一ノ倉沢』でございます。
谷川岳山頂付近は雲のベールに覆われているものの、チラ見させる岩壁とその懐を覆う紅葉が絶景!
谷川岳・一の倉沢。
標識もしっかりと用意されています。
谷川ロープウェイからここまで、ゆっくりペースであれば1時間近くかかりますが、そんなに歩けないという方には、こちらの電気バスがお勧め。写真に映っているオレンジ色のバスです。(注目すべきは、キャタピラーのような可愛いタイヤね)
片道500円で乗れますが、本数が1時間に1本の上に乗車定員が8人という狭き門なこと。先着順で、8人オーバーしても増便はしないので1時間待つことになるのでご注意を。歩ける方なら紅葉の林道歩きも悪くないのでハイキングと思って歩いてみてください。
奥の建物はトイレです。
ガスに覆われた感じも、何となく神秘的な雰囲気あっていいではないか。
初めて訪れた一ノ倉沢。紅葉も満喫してここで見納めするつもりでしたが、この数時間後に(急遽予定変更して)再び来ることになります。
一ノ倉沢から来た道を引き返して再び林道歩き。
ここまでは登山ではなく散歩に近いハイキング。
再びマチガ沢まで戻ってきて、ここから厳剛新道へと入っていきます。
こちらが目印の登山口の看板。一見茂みに覆われているように見えますが、少し先へ進めばちゃんとした登山道になります。
ただ、ちょっと厄介だった厳剛新道。
前日の大雨の影響なのか、登山道が部分的に川のようになっていて、渡渉に近い感じで進んでいくことになりました。
石も滑りやすいので要注意。
ある程度進むと、ごく普通の登山道になります。
谷川岳にいくつかある登山ルートの中では、そこまで歩かれていない厳剛新道コースなのかもしれませんが、道は明瞭です。藪漕ぎや道迷いになりそうなポイントはありませんでした。
登るにつれて紅葉もどんどん綺麗に。
全山紅葉に近い色づきになってきました。
そして登山口から1時間ほど登ったところで、第一見晴に到着。
足元に小さい標識が立っているだけの場所ですが、今回の記事で猛烈にお勧めしたいのがここ!
左右が開けて絶好の展望台になっています。
こちらが第一見晴から眺めるマチガ沢の紅葉!
先ほどの一ノ倉沢よりも高度を500mほど上げたので、一層色づきも綺麗。この時はまだガスに覆われた谷川岳でしたが、この後徐々に晴れてきてくれました。
第一見晴でしばらく休憩してから先へ。谷川岳山頂を目指すのであれば、ここからまだまだ登ります。
先に白状すると、この時はまだ谷川岳山頂を目指していて、登頂後に天神尾根で下る予定だったのですが、天気の回復が思っていたよりも遅かったので、あと1時間ほど登ったところで引き返すことにしました。
木の間から見える紅葉風景が素晴らしく綺麗。
日差しも徐々に差してきた。
厳剛新道は今回初めて歩きましたが、登山道の紅葉もかなり綺麗です。
何より誰とも会わない静けさが最高に良い。平日というのもありますが、このルートであれば、週末であってもそこまで混雑なく歩けるかと思います。
西黒尾根との分岐に近づいてくると鎖場も出てきます。
岩が滑りやすいので下り注意。
何度か鎖場を超えたあたりで尾根も見えてきたのですが、谷川岳方面のガスがなかなか取れん……
登るモチベーションが全然上がらず、谷川岳にはもう何度も登頂していると自分に言い訳して、ここらで引き返すことにしました。
結果的にはもう一度マチガ沢と一ノ倉沢に立ち寄ることができたので、まぁ悪くはなかったと思っています。
この日は標高1300m~1500mあたりが紅葉のピーク。
ちょうど引き返す地点あたりが最盛期で、見事な全山紅葉が見れました。
下るにつれて徐々に谷川岳の岩峰も見えてきた。
尖がった岩がカッコ良し!
青空も広がってきて、正面に見えてきたのが白毛門。
あちらも山頂から中腹にかけてが真っ赤に色づいているのがよくわかりました。
そして再び第一見晴に戻ってきて、この展望よ!
先ほどから2時間ほどが経過。ガスも徐々に晴れてきて、谷川岳の岩稜帯が良く見えるようになってきました。
凄い…… !
凄すぎる…っ!
目の前の尖がった峰が最高にカッコいい。思わず一人で唸り声を上げてしまいました。
やはり、岩峰と紅葉のコラボは最強じゃよ。
しばらく滞在していると青空もどんどん広がってきた。
曇っているため、雲の合間から光が差し込んでそれがスポットライトのように部分的に紅葉を照らすのがまた美しい。
あまりに感動した景色なので、同じような写真を何枚も載せておく。(ご査収ください)
紅葉の迫力もすごくて、北アルプスの涸沢に通じる景色にさえ思えます。
合間を流れる沢がマチガ沢。
あの沢を登って岩壁をクライミングする場合は、この第一見晴から沢の方に下りて行って取り付くようです。
沢に下る道が薄っすらとありました。
登山口から約1時間でたどり着ける第一見晴。
ここの展望台は最高なのでぜひ一ノ倉沢と合わせて訪れてみてください。強くお勧めしたい場所になりました。
もう一度言いますが、第一見晴からの紅葉風景は最高です!
登山口に向かって下山。
この時間になると白毛門方面は青空がだいぶ広がってきて、凄まじい規模で紅葉しているのがわかるようになりました。
第一見晴からはこの白毛門方面の展望も見事なもんです。
登山口近くになると再び渡渉のような状況に。狭い足の置き場を的確に選択する判断力と体幹が求められるので頑張ってください。(ちなみに自分は右足をボチャンさせました)
ここさえ気を付ければ厳剛新道はごく普通の登山ルートでした。普段着でも行ける一ノ倉沢と違って、ここを歩くのであれば登山装備は必要になります。
水が豊富な厳剛新道、苔むす森も美しい
往復3時間ほどの登山を終えて、13時過ぎに登山口に帰還。
まだだいぶ時間があるので、ここからもう一度一ノ倉沢へ行ってみることにしました。
マチガ沢から眺める紅葉風景。
これでも十分綺麗ですが、谷川岳との距離を考えると、やはりぜひとも第一見晴からの展望を堪能してほしいところ。
林道を20分ほど歩いて、再び来ちゃった一ノ倉沢。
まだ昼過ぎ、観光客も大勢訪れています。
朝に訪れた時よりもだいぶガスが取れて、目の前には大迫力の谷川岳の岩壁が!
これこそ一ノ倉沢で見るべき景色。紅葉はピークにはやや少し早い感じでしたが、それでも見頃を迎えつつある感じでした。
背後には白毛門
一ノ倉沢からはさらに林道が続いていて、この先には幽ノ沢という展望ポイントもあります。
道はほとんど平坦なので、時間や体力に合わせて自分なりに行くポイントを決めれます。だいたいの人はこの一ノ倉沢が目当てでしたが、幽ノ沢方面へ歩いていく人も割といました。
一ノ倉沢の紅葉と谷川岳の岩壁。
ベンチもあるし、展望ポイントはかなり広いので、混雑シーズンでもそれなりに窮屈せずに紅葉を楽しめると思います。
一ノ倉沢の展望も見納め。
マチガ沢・第一見晴の展望と合わせてかなりに気に入った紅葉スポットになったので、快晴の時にぜひとも再訪しようと思います。
正直、少し舐めている自分がいたので深く反省。一ノ倉沢とマチガ沢、本当に素晴らしいところでした。
再び林道を1時間ほど歩いて谷川ロープウェイ方面へ。
14時を過ぎるとすっかり晴れてきました。
10月下旬ですが、日中はまだまだ気温高め。この環境で谷川岳に登っていたら相当暑かったと思います。
今日は途中で引き返したので、結果的にゆるふわハイキングとなりました。
14時30分過ぎ、谷川岳ロープウェイに戻ってきてこの日の登山は終了。
15時過ぎにバスに乗って帰りましたが、帰りのバスも満車でした。平日でこれなんだから、やはり秋の谷川岳は相当人気なんですね。恐れ入りました。
世間的な知名度としては一ノ倉沢が有名かもしれませんが、山登りをする人にとってお勧めしたいのは間違いなくマチガ沢のほう。
この紅葉風景は本当に感動しました。
目の前に立ちはだかる岩峰と山を覆う紅葉、北アルプスの涸沢に匹敵する景観だと個人的には思ったので、ぜひともお勧め。
厳剛新道登山口から1時間ほど登ったところにある第一見晴というポイントです。
ここならロープウェイの混雑も気にせず歩くことができるので、興味があれば歩いてみてください。公共交通のアクセスも良いので、都内からでも電車とバスを乗り継いで日帰りで行くことができます。
【日程】
2019年10月23日
【コースタイム】
9:00 谷川岳ロープウェイ
9:20 マチガ沢
9:40 一ノ倉沢
10:10 マチガ沢(厳剛新道登山口)
10:45 第一見晴
11:30 西黒尾根分岐手前で引き返し
12:15 第一見晴
13:00 マチガ沢(厳剛新道登山口)
13:20 一ノ倉沢
14:30 谷川岳ロープウェイ
コメント
非常にお久しぶりです。
同日付近(10/24-25)ですが、私は下の廊下をひたすら歩いておりました。今年は少しばかり紅葉が全体的に遅いのですが、黒部ダム寄りは見応えのある紅葉で楽しめました。下の廊下はこれで通算3回目。
http://azohara.niikawa.com/news/2019/10/n20191025a.html
上記、阿曽原温泉小屋のブログなんですが、記事の「三回目の単独男性」って儂の事です<笑
今年の下の廊下は悲しいことが多く発生しており(数日間の内に5人死亡)、自分自身は安全に下山出来たとは言え改めて考えさせられます。
谷川岳は2回行ってますか…一回目は秋口(稜線付近が紅葉し始めた頃)と、雪崩の巣窟となる直前の2月下旬に冬山に攻略しております。どちらも天候が良くは無かったので、いずれは晴れた日にまた攻略出来たらなと思う次第です。
一ノ倉沢側の遊歩道は以前に尾瀬周遊含めて酷暑な夏場だったので避暑目的で訪れています。行った時期は未だ一ノ倉沢の奥は残雪が残っていて、非常に涼しかった記憶があります(ちなみに、水上のど真ん中辺りでバンジージャンプが出来る場所がったので、飛び降りてきました)。上信越、北信方面の山は未だ未踏峰が多ので来年はこの辺りを攻略しようと画策中。
みやっちさんも山を始められたのが2009年の富士山と書かれておりましたが、奇しくも私も2009年なんですよね。初が奥穂高岳という違いはありますが(ジーパンで登るという素人丸出しの愚行を犯しました)。
今年は東北方面を中心とした山行がメインで、朝日連峰、飯豊連峰(共に縦走)、月山、早池峰山などなど巡ってきました(去年は会津駒、磐梯、鳥海、岩木山も攻略)。年明け以降に蔵王・吾妻へ樹氷ハントしに行こうかとおもってます!
・・・今年は下の廊下が最後になりそう<11月以降は仕事がw
広瀬若葉さん、こんばんは。
下ノ廊下に行かれてたんですね。今年の度重なる事故はニュースでもやっていて、色々と考えさせられるものがありました。年々人も増えていると聞きますし、週末はなかなか足を運ぶ気になれないので、できれば平日に行きたいところです。
今回の谷川岳も平日に訪れたのですが、一ノ倉沢は観光地なだけあって団体客もたくさんいてかなり賑わっていました。そういうのもあって、厳剛新道に入ってからの静けさと第一見晴の絶景はとても感動して気に入りました。
ここはぜひともまた訪れたいところです。
いよいよアルプスでも雪が降り始めて冬山シーズンが近づいてきましたね。ここ数年、暖冬の少雪で樹氷が満足に育たない年もあるので、今年はどうかたくさん降ってほしいです。
第一見晴台からの眺め、素晴らしいですね!
西黒尾根とはまた違った展望が楽しめるんですね。
西黒尾根が展望最高と思っていましたが、厳剛新道も良さそう!
今度は厳剛新道で、紅葉の時期に登ってみたいです。
今年10月初めに谷川岳に行きました。
山頂は紅葉見頃という事でしたが、色の鮮やかさがイマイチでした。
今年の谷川岳の紅葉だめだと思っていたら…
10月下旬でこんなに素晴らしい紅葉とは!驚きました。
私は同じ日に雨飾山に行きましたよ。雨飾山も紅葉素晴らしかったです。
ゆかぽんさん、こんばんは。
自分が登る少し前に谷川岳に訪れたいたんですね!西黒尾根よりも谷川岳の岩壁に近い位置にあるので、紅葉時期は特におすすめかもしれません。標高1300~1500mあたりなので、山頂が終わりかけの頃に訪れるとちょうどよさそうです。
雨飾山の紅葉もいいですねー。同じ日であれば紅葉もまさにピークだったのではないでしょうか。雨飾山ももう数年前に登ったきりなので、またいつか再訪したいです。
いつもブログ楽しく拝見&参考にさせて頂いております。厳剛新道行って来ましたー。紅葉は麓まで降りて来てましたがなんとか間に合いました。快晴予報でしたので混雑が予想されましたが厳剛新道、静かな山歩きが楽しめました。マチガ沢、強くオススメなだけあり最高!!でした。そして白毛門の紅葉がずっと目に入り、いつもは単調になりがちな樹林帯も楽しくあっという間でした。ただ快晴でしたが、北側の斜面で沢近くの登山道なだけあり、しっとりと苔のむしており始終ソールのグリップは信用出来ない感じでしたけど(-.-;) 西黒尾根に合流してからも乾いているのにツルツル滑る岩のオンパレード。岩場は苦手ですので、迷う事なく天神尾根&ロープウェイで下山して来ました。
今年の紅葉は天気に泣かされてましたがようやく回収できました。みやっちさんのブログさまさまです。ありがとうございました。お互い安全第一でお山を楽しんでいきましょうね。
いちさん、こんにちは。
厳剛新道登ってくださってありがとうございます!マチガ沢の紅葉はぜひともお勧めしたい場所だったのでうれしいです。
谷川岳も紅葉は終盤と聞きましたが、まだ残っていたようですね。厳剛新道は確かに背後の白毛門の紅葉風景が素晴らしく、私も何度も振り返っては足を止めていました。
西黒尾根に合流して天神尾根で下山は本来私もやりたかったルートなので、来年あたりにでもまた行こうかなと思っています。
日帰り登山お疲れさまでした。今後とも素敵な山ライフを!