一切経山~東吾妻山~吾妻小富士 日帰り登山

一切経山~東吾妻山~吾妻小富士 日帰り登山

福島と山形の県境にそびえる吾妻連邦。この山域については、昨年の冬にスノーモンスターを見に西吾妻山に行ったけど、今回は東側に位置する”一切経山”・”東吾妻山”・”吾妻小富士”の3つの山へ行ってきました。

メインは一切経山。ここは山頂からコバルトブルーに染まる五色沼を見ることができて、その深い色と真円の形から「魔女の瞳」なんて呼ばれていたり……

今回はこの魔女の瞳を拝めるのが最大の目的。一度でいいから見てみたかったんだよね。

梅雨時期で天気が心配な中での山旅だったけど、天気もメンバーにも恵まれて色々と良いもの見させてもらいました。

かなり気に入ってしまったよ、一切経山!

 

魔女の瞳と火山と湿原、東北遠征登山―――

 


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北アルプスの女王・燕岳(5月3日)

女性のプンプン顔・般若山(5月11日)

日光のお母さん・女峰山(5月25日)

何かと女性にちなんだ山が続いてる最近の登山。別に下心とかは全然ないんだけども、今回も偶然の女性シリーズ。

お相手は魔女!!

 

冒頭にも書いたけど、福島県の一切経山という山はずっと登りたい願望があって、その理由が山頂から見下ろすことのできる五色沼。引き込まれるほどの深いブルーの色彩から「魔女の瞳」と呼ばれるようになった火口湖。これが見たい!

もともと鳥海山に登るつもりで集めたメンバーさん達だけど、時期が微妙だったので一切経山に変えてもらった経緯もあり、、、これは何としても魔女の瞳を見せてあげねばなと!

ただただ天気にお祈りをささげて当日を迎えました。

 

~~ 2014年6月15日 一切経山・東吾妻山・吾妻小富士~~

2014年ブラジルW杯の日本初戦を翌朝に控えた6月14日の深夜。都内にひっそりと集合して1台の車で6人福島を目指す。

サッカーよりも山でゴメンナサイ。。。

 

梅雨入りしてから微妙な天気が続いてたけど、この週末は割と良い予報が出てくれたので助かった…。1ヶ月以上前から計画してたんで、雨で泣かされるのだけは勘弁だったんでね。

東北に遠征するのは今年これが4度目で、2月の蔵王山、3月の安達太良山、4月の会津駒ヶ岳、そして今回の一切経山となるんだけども……、そういや安達太良山の記事、まだ書いてなかったわ。(時間があったら書くかの~)

 

一切経山の登山口の起点となるのが浄土平。標高1600mに位置する国立公園で、福島西ICからは磐梯吾妻スカイラインをひとっ走り。空に向かってどんどん標高を上げていく。4時を過ぎると空もだいぶ明るくなってきた。

この磐梯吾妻スカイライン、少し前までは有料道路でしたが、今は無料開放されています。

 

スカイラインの途中からご来光。雲の合間から差し込む太陽がまた幻想的。

 

徐々に見えてきた東吾妻の火山帯。この車道からの風景は、どことなく草津白根山に似てる気がした。

 

4:45、磐梯朝日国立公園「浄土平」に到着。この時点ですでに標高1600m。

 

火山に囲まれた観光地。目の前の火山からは噴煙と硫黄臭の香りが出迎えてくれます。

ここはトイレはもちろん、ビジターセンターやレストラン、お土産屋、などが完備されてます。駐車場もかなり広くて6月末までは無料。

青空見えてるけど、実際は風がかなり強いのなんのって、、、。雲の流れが速すぎるし。

 

準備しつつ1時間ほど待機。陽もだいぶ登ってきて、気温もいい感じで上がってきた。

6月中旬でも到着時は結構寒かったから、防寒具はしっかり持って行ったほうがいいです。

 

風が収まったわけじゃないけど、天気が崩れないうちに登っちゃおうってことで、5時50分に出発。

そんなにガッツリ登る行程ではないので、装備は日帰りハイキング並で十分。

 

この浄土平、一切経山、東吾妻山、吾妻小富士の3つの山に囲まれてるので、どれから登ってもOK。3つとも大した標高差ではないので、全部回ってみるのを勧めるけど、東吾妻山に関しては登山道が結構荒れてます。しっかりとした登山の格好で行かないとかなり痛い目見るのでご注意を。

吾妻小富士はお鉢を巡りができる山で浄土平の目と鼻の先。周遊1時間程度で観光客も手軽に歩ける山です。

自分たちはもちろん、メインの一切経山から。

 

まだ車も全然停まっていない閑散とした駐車場。その奥に見えているのが東吾妻山(雲かぶってるけど…)

一応、順番としては一切経山、東吾妻山、吾妻小富士の順番に登る予定。天気崩れたり時間ない場合は東吾妻山と吾妻小富士は切り捨てるつもりだった。

一切経山に登れさえずればっ!

 

この早朝の誰もいない静かな高原が素晴らしく良かった。基本的に観光地で賑やかな場所なので、静かに散策したいなら6時前には来るべし!

 

木道敷かれた歩道。小さな川が流れた湿地帯。

朝の長閑な風景は心地よすぎて、寝不足に追い打ちをかけてくる。Zzz…

 

花の時期には少し早いけども、5月から花を咲かせるイワカガミなんかは綺麗に咲いてました。

 

一切経山へ至る登山道。ピークは目の前の山ではなく、その奥に控えています。

時折強風に流されて、火山噴気の強烈な硫黄臭が降りかかってくる。

 

こちらの穏やかな山は蓬莱山。残雪時期は登れるみたいだけど、雪がとけたこの時期はルートがないのでたぶん登れない。

 

後ろを振り返ると、存在感抜群の吾妻小富士。綺麗な円錐台の形をしているかと思ったけど、結構斜めに傾いてるんだね。

 

残雪は残っていてもこの程度。6月中旬であればアイゼンは必要ないかと思います。

 

少し登ると、再び木道敷かれた散策路。尾根に出たかと思ったけど、目の前には湿地帯が広がってました。

 

ここまでずっと展望が良い道が続く上に、登りも緩やかなので気分的にもかなり楽。

最高ですな!

 

酸ヶ平に出て、目の前に見えるのが前大巓。山スキーをする場合はあの斜面が恰好のゲレンデになるみたい。

 

途中の分岐を右に折れて一切経山方面へ。ちなみにこの写真の右奥に小屋が見えてると思うけど、この木道が途切れたところから小屋までがかなりぬかるんでて靴とズボンが悲惨なことになっちった。。持ってるならゲイター装備しておいた方がいいです。

泥沼だよ、泥沼。

 

酸ヶ平避難小屋。トイレあります。

ここにきて、酸ヶ平を”すがだいら”って読むと知った。

 

まだ1時間も登ってないけど、もうラスト30分(笑)。一切経山のトップ目指して緩いガレ場を登っていく。

 

ある程度登ると、真後ろに東吾妻山、眼下には鎌沼が見えてくる。

標高1700mの世界。雲がやたら近い。

 

鎌沼の周辺は散策路になっていて、尾瀬のように木道が敷かれています。東吾妻山に登るにはあの池を回り込んで行くので、後で歩く予定。

あそこも楽しそうな観光スポット。

 

雄大な大自然を感じれる風景、それを横目に眺めながら登っていける贅沢な登山道。

残雪がまたイイ感じなのさ!山の姿が一番きれいに見える時期って、もしかしたら新緑と雪が合わさったこの時期なのかもしれない。

 

 

登るにつれてどんどん壮大になっていく景色!

ただ、それと同時に風がどんどん強くなってきて、ここらあたりから風に押し流されるようになってきたっけか。。

 

風に飛ばされそうになりながらも、撮るところはしっかり撮っておく。

ある程度登ると見えてくるのが吾妻小富士のお釜。綺麗な形しとるでしょ。

 

拡大。7時前のこの時間だとまだ誰も歩いてなさそうだね。

周回はだいたい1時間。最高地点は左奥の部分か。どっち周りでもいいけど、何となく反時計回りのほうが楽そうに見えた。

 

なだらかな稜線登って山頂へ。写真じゃわからないけど、かなりの暴風。最大風速は20m近くあったんじゃないかな…

とりあえず風がどれだけ吹こうが、晴れてくれさえすればよかったんで、個人的にはニンマリでっせ。

 

7:15、まずは1つ目のピーク、一切経山に到着。広くてなだらかな山頂でした。

 

そして、肝心のお目当てはピークから少し先へ行ったとこの……

 

ほぃ、ここ!!!こちらが五色沼。通称「魔女の瞳」。

これが見たかったんよ~。ここにきてガスってたらどうしようか思ったけど、青空の下で見れたのでもう言うことなし!

 

魔女の瞳に見つめられてるぜぃ。浮かれっぱなしだけど、引き込まれるようなこいブルー!綺麗だよなー。

例によって、魔女にもお祈り&お悩み相談しておくm(_ _ )m

 

とりあえず無事にお仲間さん達にも見せられてよかった!一切経山は自分が言い出したことだし、「魔女の瞳ってのがあってさ…」なんて偉そうなこと言っちまったし、、、ここまできてガスってたらどうしようかと思ったよ。

贅沢言えば、もう少し落ち着いた状況で見れたら良かったかな。みんな平然と魅入ってるように見えるけど、実は強風に吹き飛ばされないように必死だったりする…(笑)

 

あまりに風が強いので、魔女の瞳を拝めたら早々に撤収。酸ヶ平の分岐まで引き返す。次に目指すのが鎌沼を挟んで反対側にある東吾妻山。

 

う~ん、、、写真だとやっぱり風の強さは伝わらないから、動画でも取り入れてみっかな。

実際、今回のメンバーのクロちゃんが動画撮ってくれてて、かなり臨場感(というか風の轟音)があったからね。

 

木道まで戻ったら鎌沼方面へ。

 

一切経山は火山のイメージが先行していて、こういう尾瀬のような木道と湿地帯があるとは思ってなかった。

広い湿地帯で、ここら辺はもう1ヶ月くらいすればワタスゲなどが咲いてかなり綺麗なお花畑になるはず。

 

鎌沼。ここの周回コースも全部木道が敷かれているので、観光客でも歩くことが可能。

水もかなり綺麗でした。

 

 

平原に敷かれた木道。標高1700mに広がるこの風景は山上の楽園とも言われているそうな。

 

チングルマもちょうど見ごろ。

 

鎌沼をグルッと周回して東吾妻山へ。広い丘みたいな山。見た感じ標高差もそんなにないし、楽に登れると思ったんだけどさ、、、

 

登山道が水浸しで、結構ひどいありさま。。これだけなら良かったんだけど、

 

道も狭くてなかなかの荒れ様。残雪も残ってて踏み抜いたり、標高差そんなにないはずなのにかなり時間かかっちった。。。

風も通らず暑苦しいのでジャングルの中を進んでいる感じだったな…。

 

40~50分樹林帯の中を登る。ラストはこんな感じで展望良くなります。

ここに出るまでは展望もないので我慢して登るしかない。

 

雲が若干出てきたけど、なかなかの展望!ジャングルを突破した人へのご褒美って感じか。

 

9:30、2つ目のピーク、東吾妻山に到着。標高1975m。

時間が早いからなのか、相変わらず空いてる山頂。風もそれほど強くないので、ここで軽く休憩。

 

今度は東吾妻山からの一切経山を眺めてみる。やっぱり一切経山は緑がなくて見るからに火山っぽい。

樹林豊富な東吾妻山とは姿がまるで正反対な山。

 

10時に下山。再び来た道を戻る。

一切経山に比べると東吾妻山に登る人は少ないみたいだけど、下山中は団体さんなんかとすれ違ったりと、徐々に登山道も賑やかになってきてた。

 

再び木道に出て浄土平方面へ。

少し話がそれるけど、この日は2014年W杯の日本のグループリーグ初戦日。10時に試合開始で、ちょうど東吾妻山を降りてきた頃に前半戦が終了。途中経過見て1-0で勝ってるっていうから喜んでたんだけどね~、、、

 

まぁ、仕方ない。。

 

ムラサキヤシオツツジ。

 

最後に登る吾妻小富士。時間的にも十分回れそう。

 

11:30、浄土平に戻る。朝は全く停まっていなかった駐車場にも、かなりの車が入ってた。

バイクや自転車の人も多かったな。

 

ビジターセンターに寄ったり、レストランハウスでアイス食べたりしてしばらく休憩。

そして、W杯初戦の日本の逆転負けを知る。。。orz

 

気を取り直して、吾妻小富士へ。ここはお鉢めぐりの周遊1時間だけなので、ザックは置いて身軽で登ります。

 

この山は観光客も登ってる山。歩きやすい恰好であれば問題なし。

 

階段を登りきると、火口部が目の前に。お鉢の内側はこんな感じでした。

 

お鉢めぐり開始。遠目から何となく楽そうに見えた反時計回りをチョイス。

 

吾妻小富士から浄土平を見下ろす。周囲を山で囲まれてるあたりは室堂に似てなくもないか。

 

数時間前に登った東吾妻山。こうしてみると距離はそこそこあったんだな。

一切経山、東吾妻山に続いて3つ目の山とはいえ、今回の山はどれも高低差は大したことないので疲れはほとんどなし。少し眠いだけ。

 

しばし空中散歩。もっとたくさん観光客がいるのかと思ったけど、実際は全然空いてました。

ほぼ歩いてるのは自分たちだけ。

 

 

ポカポカ陽気。寝たくもなるよね(笑)

 

最高地点あたり。特に標識とかは何もなかったです。

 

こちら側に来ると、磐梯吾妻スカイラインを一望できる。山を縫うように進む道路もまた絶景の1つ。

 

福島市も一望。天気も予想以上に持ってくれてよかったわ~。

2014年ブラジルW杯が始まったってことで、リオのキリスト像をイメージしてみた。

(コレ↓↓)

(`・ω・´)

 

絶景を目の前に、お鉢めぐりも終盤。

楽しかった時間ももうすぐ終わっちまうよ。。。

 

ここからの眺め、かなり気に入った!

浮かれずにはいられない!

 

よしゆきカメラマンも浮かれてるようで( ̄▽ ̄)

 

楽しい時間をありがとう、山友さん達!

 

周遊を楽しんで浄土平へ。雨にも降られることなく、予定通り3つのピークを回れて言うことなし!

13時半すぎに浄土平を後に。

 

山を離れるのが悲しいほど、今回の山は思い入れの強いものになった。一切経山、東吾妻山、吾妻小富士、それぞれ特徴があって、違う楽しさがあって、本当に充実した1日でした。

 

帰りの温泉は途中にある高湯温泉、花月ハイランドへ。日帰り入浴700円。ホテルの温泉なのでかなり綺麗だけど、大浴場と露天風呂が直接つながってないのでどちらか選ばないといけない。まぁ露天風呂選んどけば間違いないかと…。

いい湯でした。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

以上が初夏の東北遠征の旅。福島までの日帰り弾丸ツアーになっちゃったけど、それに見合う十分な景色は堪能できたと思ってる。

お目当ての魔女の瞳は噂通り深いブルーに染まって惹きつけられるものがあった。鎌池周辺の木道は尾瀬のような湿地帯でハイキング気分で楽しめたし、東吾妻山までの登りは……、まぁ荒れ果てて少し大変だったけど(笑)

吾妻小富士から見た東吾妻山系の火山の展望も素晴らしかった!久しぶりのメンバーさんもいて、色々とお話しもできたし最高の旅でした。

今回のルートについては本当に気に入ってしまいまして、もう少し花が咲いた夏の時期にも行ってみたいし、紅葉シーズンも気になるところ。

近いうちに絶対にまた足を運んでみたいと思います!また1つ、人に強く勧められる山ができました。

これから湿原植物の最盛期を迎えるので、お時間があればぜひ行ってみてください。いずれの山も浄土平を基点に回れば高低差もそんなにないので、ハイキングレベルで楽しめます。

ホント、楽しい山だからさ!!行ってみてね。

 

一切経山・東吾妻山・吾妻小富士 日帰りツアー(完)

 

おしまい

 

 

【日程】

2014年6月15日 晴れ時々曇り

【コースタイム】

浄土平(5:50) — 一切経山(7:15) — 鎌沼(8:20) — 東吾妻山(9:30) — 浄土平(12:00) — 吾妻小富士・周回 — 浄土平(13:00)

 

 

 

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