大佐渡縦走登山(アオネバ~ドンデン山荘~金北山~白雲台)

大佐渡縦走登山(アオネバ~ドンデン山荘~金北山~白雲台)

佐渡ヶ島の旅、後半はいよいよ山に入って大佐渡山地縦走登山。

コースはアオネバ登山口から登ってドンデン山荘に宿泊、2日目に佐渡ヶ島最高峰の金北山まで登って白雲台へと下山するという、1泊2日の人気縦走ルート。時間的に余裕もあったので、ドンデン高原を歩いて尻立山・論天山・芝尻山も登ることができました。

アオネバルートはとにかく花が豊富で、登山道わきには様々な種類の花が無数に咲き誇っていました。中でも圧巻だったのが、稜線に出てからのカタクリの大群生!本土ではあまり見ることのできない規模のお花畑が広がってました。

ドンデン高原は一面雄大な草原が広がり、縦走路の稜線には荒涼としたザレ場もあって3000m級の山に匹敵する景観。終始海の展望も抜群で、1泊2日ながらも佐渡島の自然の魅力を最大限に感じられた山旅でした。

 

花と稜線と草原・大佐渡縦走トレッキング―――

 


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観光編からの続きで、いよいよ今回はメインの登山。

佐渡ヶ島へ訪れた最大の目的が今回の大佐渡山地縦走トレッキングだったので、期待に胸膨らませて挑んできましたよ!

ルートはアオネバ~ドンデン山荘(泊)~金北山~白雲台という、大佐渡山地縦走トレッキングとしては定番のルート。日帰りでも一応歩けるコースですが、せっかくだったので1泊2日でゆっくり時間をかけて見て回りました。

 

5月の佐渡島は、山では花が最盛期を迎える頃。序盤からいきなり花の楽園を見せつけられ、稜線に出てからは3000m級の山を思わせるほどのザレ場と草原の世界。移り変わる景色の変化を大いに楽しめた2日間でした。

 

2日間の内容を一気に書くので、かなり長くなると思いますが、良ければご覧ください。

 

~~ 2016年5月4~5日 大佐渡縦走登山 ~~

1日目に宿泊した両津港近くの金沢屋旅館から旅を再開。

2日目は朝まで雨の予報だったので、7時ごろにのんびり起きて少し遅めの9時に出発。明け方は予報通りの雨でしたが、宿を発つときには無事に青空が広がってくれてました。

 

こちらが1日お世話になった金沢屋旅館。趣のある建物で、これぞ昔ながらの旅館といった佇まい。両津港からも徒歩10分ほどで、近くにコンビニもあるのでアクセスも良好。何より宿泊料金が安いので登山メインの自分たちにはピッタリのお宿でした。

ここを数日前に予約できたのも、GWということを考えたら相当運が良かったと思う。

 

コンビニで買い出しをして、登山準備。加茂湖からは佐渡ヶ島最高峰の金北山を早くも捉える。

GWの佐渡ヶ島は、例年であればもっと山が白いはずなんだけど、今年は異常なほど雪が少なかったようですね。見たところ、残雪は金北山山頂付近にわずか程度でした。

金北山を登るだけなら数時間で登れてしまうけど、今回はじっくり山を楽しむので、あの最高峰へ立つのは翌日。遠回りして大佐渡を大いに楽しんでやるさ~

 

登山口へ向かうために両津港のタクシー乗り場へ。アオネバ登山口へはシーズン中はドンデンライナーというバスもありますが、乗るには事前予約必須なのでお気を付けください。

自分たちはバスの時間に縛られたくなかったのと、3人で割り勘すればバス料金と変わらないのでタクシー使いました。

ついでにもう1つ重要なことがあって、今回のルートを歩く場合、事前に航空自衛隊佐渡分屯基地への届け出が必要になります。金北山~白雲台の林道が防衛省管轄になっているためで、ここを歩く際はご注意ください。

 

佐渡のトレッキングに関しては、旅の前に佐渡トレッキング協議会から資料請求しておくといいです。詳細なトレッキングマップはもちろん、観光ガイドブックや登山届までもらえる大変ありがたいもの。これだけ送ってくれて、なんと無料!無料ですよ!!

佐渡トレッキング協議会さんの太っ腹には頭が上がりません。

観光マップもあるので、登山しない人でも貰っておいて損はないです。これがあれば市販のガイドブックいらない。

 

タクシーに乗って9時45分にアオネバ登山口に到着。街からそれほど遠くなく、標高はまだ296m。登山口にはトイレもありました。

ルートが色々あるのでスタート地点をどこにするか悩みましたが、時間的に余裕があって花も豊富ということでここにしました。結果的には大正解だったと思います。

ちなみに、ここまで送ってきてくれたタクシーの運転手さんとは、下山後にも会うことになりました。

 

10時ごろに登山開始。この時間にスタートしても問題ないのが山小屋泊の魅力。

新緑が美しい登山道に入って早々、いきなり佐渡登山の真骨頂を見せつけられる。

 

オオイワカガミ

この花をトップバッターに続々と花が登場。

 

ニリンソウ

序盤の主役はこのニリンソウでした。凄まじいほどの群生!

 

最初から花の乱舞で、足が全然進まない(笑)

 

登山道わきに広がるお花畑。

佐渡ヶ島には熊はもちろん、鹿、猿、猪、狐もいないので、動物によって山を踏み荒らされることがない。それゆえ、本土では見られないほどのお花畑が広がっているようです。

 

アオネバルートには何回か渡渉ポイントもあり。渡渉と呼べるほどの規模でもないけど、大雨の後などはやや通りづらくなってることもあるようです。

ただ、この日も雨上がりの登山。それでこの程度なので、余程の台風レベルの大雨でなければそれほど心配しなくて良さそうです。

 

美味しそうな赤い実。

動物がいないから果実も豊富なんでしょうかね?

 

こちらはシャガ

同じく5月に登った丹沢・大野山でこのシャガの群生を見て以来、好きになった花。名前の響きがいかついわりに、見た目が可憐。

 

エンレイソウ

白い花が多い中での黒いエンレイソウは、その存在がひときわ目立つ。上品なブラックがカッコよかったです。

 

ニリンソウのお花畑が続く登山道。アオネバ登山道はひたすら花の楽園。

花が咲いてない箇所を探す方が難しい。

 

キケマン、という花だそうです。

 

30分ほど歩いて落合という場所に到着。小さい沢のせせらぎが聞こえる気持ちのいい休憩ポイント。

トレッキングマップに書かれているコースタイムはここまで40分となっていますが、全体的に多く見積もられている感じでした。花をゆっくり愛でながら歩いてちょうどいい時間だと思います。

 

スミレサイシン

中盤になってくると紫の花が多くなってくる。

 

中でも圧巻だったのはこのシラネアオイの大群生!

ただでさえ、大きな花びらで存在感があるのに、それが群生となって咲いているので見ごたえ十分でした。

稜線に出るまでの主役は間違いなく、このシラネアオイ。

 

何度目かの沢渡り。ドンデン山荘が標高890mなので600mほどの高低差はあるはずですが、花に気を取られてあまり登ってる気がしない。

 

小さくひっそりと咲く花もたくさんありましたが、全部載せているとキリがないので省略。

登山道わきにこれほどの群生がひたすら続くコースってのは、たぶん本土ではないじゃないかな。それくらい花が豊富。

動物がいないとこうも花が生き生きと咲くのか、とただただ驚くばかり。人間が立ち入らなければもっと咲くんでしょうけどね……

 

そして、終盤になってようやく登場してくれたのがカタクリ

佐渡ヶ島の花トレッキングの代表ともいえるのが、このカタクリ。枯れているのも結構あって、稜線までの登山道でまともに咲いていたのは数輪ほど。

時期が少し遅かったのかな、、、と意気消沈したけど、そんな心配は無用だった。カタクリのピークは稜線に上がってからにありました。

 

1時間半ほど登った11時40分、アオネバ十字路に到着。十字路という割にT字路な気もするけど、そこはあまり触れないでおく。

左へ行けば金北山へ行くけど、今日はドンデン山荘に泊まるので右へ。明日はここまで戻ってきて金北山を目指すことになります。

 

稜線に出てから風が強くなってきた。

この日と翌日は全国的に暴風警報が出ていて、標高1000m程度の佐渡ヶ島の山でもなかなかの風が吹き荒れました。

天気は相変わらずいいけど、結局ここから先は下山するまで強風との戦いになっちゃったな、、、

 

そんな強風をすっ飛ばしてくれるほど感動したのが、このカタクリの大群生。稜線に出てからの群生っぷりは本当に見事!瑞々しい透き通った紫の姿を見るあたり、ちょうどピークを迎えているようでした。

このカタクリの群生は大佐渡縦走路稜線のいたるところで見ることができます。

 

後ろを振り返れば、明日登る金北山の姿も確認。

なかなかの距離がありますが、あそこに至るまでにも見どころがたくさんあったので後程……

 

登山道からいったん林道に出て、12時30分にドンデン山荘に到着。左の看板には登山道で見ることのできる代表的な花が載っています。

駐車場が見えることからもわかるように、ここまでは車で来ることも可能。最初に書いたドンデンライナーというバスを使えば一気にこの山荘まで来ることもできます。ただ、それが損なことは登山道で見た花の群生からも分かる通り。

あのお花畑天国を歩かないのはもったいなさすぎます。

 

ドンデン山荘には展望最高なテラスもあり。

ただ強風吹き荒れているので、流石にこの日は誰もいませんでした。

 

ドンデン山荘からの眺望。晴れていれば本州の山も見渡すことができるそうです。

東北の鳥海山や飯豊山、北アルプスの白馬岳や剱岳まで見れるとはなんとも贅沢。

 

どれどれ・・・、と見てみましたが、あいにく春霞で本土までは見えませんでした。翌朝は薄っすらと本土まで見えていたので、5月の霞が強い時期は、明け方を狙うのがいいのかもしれません。

ただ、眼前に広がる両津港と街並みの眺めは素晴らしいの一言!

ドンデン山荘からは両津市の夜景も素晴らしいと聞くので、夜を楽しみに待ちます。

 

ドンデン山荘がまたすごい綺麗。山荘と名がついてますが、山小屋というよりホテルと言っていいと思います。

お風呂ももちろんあり。ドンデン山荘HPから空室状況の確認や予約手続きも可能です。

 

部屋はこんな感じで二段ベッドの洋室でした。他に大人数で泊まれる和室もあるようです。

山小屋のような雑魚寝スタイルではないので、ここの山荘は宿泊人数が限定されています。なので泊まるのであれば予約は必須。特に5月は混むらしいので、早めに予約しておいた方がいいです。

 

というのも実は……

自分たちはもともとテント泊の予定だったので、このドンデン山荘は予約してませんでした。それがテント泊予定日に暴風警報なんて出るもんだから、3日くらい前にドンデン山荘に慌てて電話したものの……。当然ながらGWなのでとっくに満室で予約できず…orz

とりあえずキャンセル待ちにして一縷の望みをかけて佐渡ヶ島入りを果たしました。つまり、佐渡ヶ島に入った時点ではまだ登山行程が明確には決まってなかったんです。

そして、その待ちに待ったキャンセルが出たという朗報が届いたのが、1日目の観光で二ッ亀に向かっている途中の車内。観光編で書いた「嬉しい情報」というのがこれです。

おそらく暴風予報でのキャンセルなんでしょうね。希望を捨てなくて本当に良かったと思いつつ、暴風にも少なからず感謝した瞬間でした。

 

昼ごはんとして頂いたドンデン山荘の山菜うどん。強風で結構寒かったから、あったかいうどんが身に染みて美味しかったです。

本当に登山って天気に左右されるから当日まで気が抜けんな~、、、とか食べながら色々と考えてた。

今回は本当に運が良かったと思います。もしドンデン山荘に泊まれなければ、一応保険として街の宿は確保してたけど今回のルートは歩けなかったので、何かしら楽しみは減ってたと思う。

ドンデン山荘の予約はお早めに!

 

お昼ごはんを済ませて、時間もまだたっぷりあったので山荘の裏手を散策。こちら側は明日の縦走路とは逆側になるので、ぜひ1日目に散策しておきたかった場所。

 

景色が一変して、一面の草原~!

ここら辺一帯がドンデン高原という山の上の牧草地帯。お花畑とはまた違う佐渡の雄大な自然に触れられる場所です。

 

エゾエンゴサク

樹林帯に入れば再び花の楽園。

 

ここもすごかったカタクリの群生。この後もカタクリの群生地が出てきますが、1つ1つの密集度が凄まじい。

昨年登ったカタクリの里がある三毳山の群生もすごい壮観な眺めでしたが、群生地を足し合わせたらおそらく佐渡島のほうが規模が上だと思う。稜線のいたるところにカタクリのお花畑が広がってました。

また、本土のカタクリと違って葉っぱに斑点の柄がないのが特徴らしいです。さらに運が良ければ白いカタクリも咲くことがあるそうなので、ぜひ探してみてください。自分は必死に探しましたが、この旅では見つけられませんでした。

 

山荘から20分ほどで尻立山に到着。標高940m程度の低山だけど、ここからの眺めがまたすごい!

 

目の前にあるのは、雄大な草原広がるドンデン高原。それを一望できるのが尻立山。

一目見て、ここは金北山縦走では絶対に外せない場所だと思った。

 

いざドンデン高原へ。時間の許す限り、稜線を北へと遡っていくことにしました。

左に見える赤い屋根がドンデン避難小屋。

 

気になったのでまずはドンデン避難小屋へ来てみた。中に入ったけど驚くほどきれいで、畳に毛布まで用意されてました。

結果論になってしまうけど、ドンデン山荘に宿泊できなくても、この避難小屋で泊まることは十分にできたなぁ~、とは思った。ドンデン山荘のテント場利用が困難な場合に利用するといいと思います。

 

これ書いてて思い出したけど、ドンデン山荘に電話した時に「テント場の空きはまだありますよ」って言っていたので、もしかしたらドンデン山荘のテント場も予約が必要なのかもしれません。テント場の予約は仲間に任せていたので確かなことはわからないけど、テント泊の場合も電話しておいた方が無難だと思います。

 

避難小屋の目の前にあるのがドンデン池。吹き荒れる暴風を抜きにすれば、なんとも長閑な環境です。

可能ならここでキャンプしたいくらい。

 

ドンデン高原をハイキング。

夏前になるとこのドンデン高原には牛も放牧されます。GWではまだ牛が放たれる前なので、牛と出会いたいならもう少し後がおすすめ。

 

誰もいない草原をゆく。

GWにこれほど閑散とした山歩きを楽しめるというのは島旅ならではなのかもしれない。標高1000m程度とは思えない雄大な自然が広がってました。

 

草原にも花は咲く。

エチゴキジムシロ。黄色い花が草原に点在して彩を添えてました。

 

雄大な草原ハイクを楽しんだ後にたどり着いたのが論天山

ここからの眺めもまた絶景!

 

眼前には両津港と日本海!夕暮れ時が近づいてきたからなのか、先ほどの山荘で見た時よりは視界がクリアに見える。

 

こちらは歩いてきた方面。はるか右奥に見える山が金北山。

こうして遠くまで山脈が連なっているのを見るあたり、佐渡ヶ島にもアルプスと呼べるだけの山脈が潜んでいるのがわかります。

 

まだ時間に余裕があるので、もう少し先へ。雄大な稜線はまだまだ続く。

高原というだけあって、開放感に満ちた草原が豊富に点在する縦走路。

ひとたび樹林帯に入っても楽しみに満ちている。

 

もう何度目かわからない、カタクリの群生。これだけの贅沢な花の景観を見慣れてきている自分に驚く(笑)

日差しもたっぷりと浴びているので、これでもかというくらい、花びらを広げています。

 

カタクリに気圧され気味だったけども、スミレサイシンも綺麗に咲いていました。

 

今回のドンデン高原散策の終点、芝尻山に到着。

1つ1つのピークが本当に展望良くて、1000mに満たない山とは思えない景色を堪能できます。

 

こちらはさらに北へと続く縦走路、雪畑山・金剛山の展望。

あちらから縦走してきてドンデン山荘に泊まるのもありだと思います。

 

自由なひととき。

夕暮れも近づいてきたので今日はここまで。時間を気にせずのんびり山歩きするスタイルも大事にしていきたいなと思った。

 

雄大な牧草地広がるドンデン高原。金北山に登る際はぜひ訪れてほしいところ。夏が近づいて来れば緑も増して、牛も放牧されるので、また違った景観を見せてくれるはずです。

 

ドンデン高原から尻立山、ドンデン山荘へ。

ゴールデンウィークとは思えない人っ気のなさでした。

 

明日はこちら側には来ないので、最後に見納めしておく。

お花畑からの雄大な草原の世界。素晴らしい景色の移り変わりでした。

 

こちらがドンデン山荘のテント場。さすがに風が強かったので1張もありませんでした。標高1000m程度だけど風速20mは出てたと思う。張れないことはなかったけど、山荘に泊まれて本当に良かった。

風さえなければ海を見渡せる場所なので、なかなかのロケーションだと思います。

 

風呂に入って、山荘の夕食。旅館で出る食事と変わらぬ美味しさでした。

翌日は早朝出発なので、朝食はいつものようにお弁当にしてもらいました。

 

夕食後、ちょうど陽が沈むところだったので、再びドンデン高原へ。

空が淡く染まる綺麗な夕焼けを見ることができました。

 

佐渡限定ラベルのビールが売られていたので買ってみた。

「佐渡を世界遺産に」というフレーズは佐渡に渡ってから何度も見た。佐渡の世界遺産登録への情熱は凄まじいものを感じます。

 

ドンデン山荘からの夜景も有名で、両津の街の明かりが綺麗でした。

外は風が強かったのでちゃっかり部屋から撮影。

 

ビール片手に夜景を楽しんで、この日は早々に就寝。

 

佐渡ヶ島の旅、最終日となる3日目へ。

 

翌日は6時に出発。薄曇りだけど、まずまずの天気。目指す金北山もしっかりと見えてました。

ただし、風は依然強いまま。。

 

昨日のアオネバ十字路まで戻って、金北山縦走路へ。ここから先は細かいアップダウンが続くのでしっかりとした山歩きとなりますが、景色の移り変わりが素晴らしい稜線天国が待っているので、大いに期待してよし!

 

樹林帯では相変わらず花が登山道を彩ってました。

このシラネアオイの群生も本土ではなかなか見ることのできない規模だったと思います。

 

昨日、見つけられなかったザゼンソウ発見。

 

シャレ杉

自然がありのままの姿でいるあたり、佐渡ヶ島には手つかずの自然が残っている感じがする。

 

最初のピーク、マトネに到着。ここが稜線天国の入口。

 

目指す金北山はまだ遥か先。

ただ、大佐渡縦走のハイライトともいえる場所は、あのピークではなく稜線の途中にあった。

 

ここからは稜線フリークにはたまらない至福の時間。

視界を遮る樹林が少ないので、開放感に満ちています。

 

昨日までは見れなかったザレ場も出始める。

 

ショウジョウバカマ

 

カタクリの群生再び。

カタクリは日差しを浴びると花が開くので、明け方や雨の日などは花が閉じた状態になります。眠っているカタクリも可愛げがある。

 

進むにつれて景色が一変する。ザレ場も多くなって、高山帯に近い雰囲気が出てきます。

 

この写真を見るとわかりやすいけど、稜線の右側が剥げていて、左側に樹が生えています。

これは大佐渡山地の特徴の1つらしく、冬に北西の冷たい風を強く受けるために、西側(右側)だけ樹林が育ちにくいんだとか。

全体的に稜線上に樹が少ないことからも、寒暖の差が大きい厳しい環境というのが窺い知れる。

実際、強風をこれでもかと体感しております(笑)

 

ブイガ沢のコル

大佐渡縦走路で個人的に一番感動したのがこの場所。

 

目の前に突然現れた荒涼とした風景。火山を彷彿させるような迫力さえありました。

標高1000m程度の場所で本土3000m級に匹敵する景色が見られるのも、季節風の影響を強く受ける環境のなせる業。

このシーンを見れただけで、今回の大佐渡トレッキングは大成功だと思った。それくらい感動した場所でした。

 

素晴らしき稜線!この手のだだっ広い稜線は、フリークにはたまらんぞ~

本当ならスキップでもしたいところですが、実際はこの時猛烈な風が吹いてて、真っすぐ歩けないほど。。。前日を上回る突風で、身体すっ飛ばされないように前進するのに精一杯でした。

写真では平和に見えるけど、実際は修羅場だったな(笑)

 

真砂の芝生

稜線上には広くてフカフカの芝生も用意されてる。穏やかな日なら絶好の昼寝ポイントだと思います。

 

真砂の峰

大佐渡のピークは1つ1つが本当に展望いい。ほぼ360℃のパノラマが拝めます。

 

雲の合間から海に向けて後光が射していた。

 

曇り空だけど視界はクリアなので気分は悪くない。

何より緩やかな稜線が続くのが稜線好きにはたまらない道。それだけに、暴風が邪魔で仕方なかったな……。風に耐えながら前に進んでおります。

実際、カメラを構えるのもかなりきつくて、写真を撮るために立ち止まる瞬間が一番怖かった。

でも撮らずにはいられないこの風景~

 

樹が少なくて展望がいい反面、風を遮る場所がないのが、この時ばかりはややつらかったか。

本当に突風が吹いた時は少ない樹林帯に慌てて逃げ込んだりしてね。。。これが雪山だったらどうなっていたことか。

低山で本当に良かったわ。

 

ミネザクラ

樹林帯に入ると風もやんで華やかな花を見せてくれる。大佐渡の稜線、緩急つけるのがうまいぜ(笑)

 

天狗の休場

稜線上には適度に休憩ポイントもあるので、かなり歩きやすいです。風が強いので立ち止まることはなかったけども……

 

う~ん、何度見ても素晴らしい稜線。アップダウンもそれほど苦にならない高低差。

景色が素晴らしいので疲れ知らずで歩けるってのが何よりも気楽です。

 

役の行者までの夏道と残雪ルートの分岐点。雪が大してなさそうだったけど、標識に残雪ルートを行くように書かれていたのでそちらに行きました。

 

ようやく金北山の直下までやってきた。

 

あやめ池

例年ならGWはまだ雪で埋まっているはずの池ですが、すっかり溶けて池が見えてました。

 

山頂までの登りでようやく雪の上を歩くようになった。

このロープが張られている雪壁が唯一の核心部ともいえる場所で、大した距離じゃないけど滑りやすいので少し注意が必要。軽アイゼンは一応持っていったけど、使うことはありませんでした。

 

山頂手前は雪で一部道が不明瞭なところがありました。

ロストしないように要注意。

そして久しぶりにガスった(笑)

 

10時少し前、金北山山頂に到着。

遠目でも見えてたけど、山頂には色々と建物が建っていました。

 

山頂には金北山神社の社もあり。

霧が立ち込めて、これはこれで神聖な感じがしました。

 

稜線ではほとんど人に会わなかったけど、山頂に着いたら違うルートから登ってきた人もいて、それなりに賑わってました。

社の隣には神社に似つかわしくない物騒な建物が見えるけど、これはかつて利用されていた自衛隊のレーダーサイトの残骸で、今は廃墟と化しています。

現在のレーダーサイトは、この金北山の隣の妙見山に移っているので、良ければ見てみてください。

 

雲が取れそうで取れない山頂。

展望は稜線上でひとしきり楽しんだので、まぁ満足。30分ほど居座って下山することにしました。山頂入り口にいた狛犬に見送られながら……

 

ここから先は予定通り白雲台へと続く林道へ。ここは前述したとおり防衛省管轄の道なので、事前に自衛隊への届け出が必要になります。通過するだいたいの時間も伝える必要があるので、電話する前にスケジュールはしっかり組んでおきましょう。

自衛隊車両が通る道らしくて、普通の道路がひたすら続きます。

 

林道わきのブナの森が美しかった。霧が立ち込めて、これはこれで幻想的な風景となってました。

ここの林道わきにさえ、カタクリの群生があったりもするので、大佐渡は本当に花の楽園なんだなぁ~と改めて思い知らされた。

 

林道わきにひっそりと建てられた雄魂碑。自衛隊管轄の地にいることを実感。

 

防衛省管轄の道路と聞くと、こういう建物に何が入っているのか見てみたくなる。

単純なんで、「戦車とかあんのかなぁ~」とか(笑)

結局、戦車どころか自衛隊員にも車両にも会うことはなかったです。

 

11時20分、白雲台に下山完了。山頂から1時間ほどでした。

ここからは、事前に配車頼んでおいたタクシーに乗車。5月中旬以降だと金北山ライナーという白雲台~両津港のバスもあるので、それを利用することもできます。ただし1日1便と本数が少ないのと、事前予約制なので、バスはやや利用しづらいかもしれない。

 

街まで降りてくると、すっかり青空広がってました。どうやら山にだけ雲がかかっていたようです。

島の空は本土のそれとはまた違って見えるから不思議。

 

両津港へ帰る前に温泉へ。途中の新穂潟上温泉へ立ち寄ってもらいました。

白雲台から両津港までにある日帰り温泉としては、ここかグリーンホテルきらくの「朱鷺の舞湯」が良いかと思います。

温泉後に佐渡牛乳を飲んで、1泊2日の山旅を締め。

 

再びタクシーを頼んで両津港フェリー乗り場へ。この時のタクシーの運転手さんが、偶然にも行きのアオネバ登山口まで連れ行ってくれた方でした。

色々と面白い話を聞かせてくれてありがとうございました。タクシー利用はお金かかるけど、運転手さんこそ地元民ならではの貴重なお話持っていたりもするので、旅先ではあえて利用してみるのもありかもしれない。

 

両津港前では何やら神輿担いでお祭りムードでした。

後々調べてみたら湊まつりという地元のお祭りだったようです。

 

強風でフェリーが出港しないんじゃないか、という一抹の不安もありましたが、どうにか動いていてくれました。

街中もそれなりに風が強くて、波の高さは運休になるギリギリだったようで、、、。最初から最後まで、今回の旅は運に助けられたな。

 

港から大佐渡山地にお別れ。ダイナミックな雲が山を覆ってました。

素晴らしい景色を見せてくれたことにただただ感謝。

 

こうして両津港を後にして東京へ。GW前半の大杉渓谷~大台ヶ原・大峰山の旅と合わせて、この佐渡ヶ島で2016年のGWは終わりとなりました。

 

佐渡ヶ島の旅の総括としては言わずもがな、大成功の一言に尽きる。前々から行きたいと思っていたけど、花の最盛期を狙いたかったので5月のGWまでずっと温めていた旅プラン。

無事に完遂できて本当に良かったです。

 

2日間の登山を通して、色々な景色に出会えました。お花畑に始まり、雄大な草原、海の展望に果てしない稜線、荒涼とした砂地などなど、佐渡ヶ島の大自然に存分に浸れたなんとも贅沢な縦走コースでした。

 

風に耐えながら突き進む仲間たち(笑)

強風で思いのほか大変なシーンもあったけど、今となっては良い思い出。佐渡ヶ島については観光名所もまだ行きたいところがいくつか残っているので、登山と合わせていつの日か再訪しようと思います。

そして、今回の旅で改めて「島って良いな~」と思った。島旅も今後積極的に取り入れていきたいところです。

 

大佐渡山地縦走トレッキング、本土とはまた違った雄大な自然に触れられるので、ぜひ機会があれば歩いてみてください。

一緒に歩いてくれた、たくみ・あつし、ありがとさん!

 

ゴールデンウィークの佐渡ヶ島の旅(完)

 

 

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【日程】

2016年5月4日~5日

 

【コースタイム】

・1日目

アオネバ登山口(10:00) — 落合(10:30) — ドンデン山荘(12:30~13:30) — 尻立山(13:50) — 論天山(14:30) — 芝尻山(14:50) — ドンデン山荘(15:45)

・2日目

ドンデン山荘(6:00) — マトネ(7:00) — 真砂の峰(8:05) — 天狗の休場(8:45) — 金北山(9:50~10:20) — 白雲台(11:20)

 

 

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