【秀麗富嶽十二景】九鬼山~御前山~神楽山 日帰り登山

【秀麗富嶽十二景】九鬼山~御前山~神楽山 日帰り登山

九鬼山に登ってきました。・・・とは正直言いたくない。はっきり言って今回の主役は、その隣にそびえ立つ「御前山」でした。無名にしておくにはもったいない位の展望と迫力を秘めています。絶対にもっとフューチャーされていい山です。

でも御前山って言っても、おそらく誰もが奥多摩の御前山を思い浮かべるだろうし、きっと検索にもヒットされないんでしょうね。。かわいそうな奴です・・・

それに引き替え九鬼山って・・・(?‐?)。秀麗富嶽十二景No10のくせに、山頂から富士山なんて見えやしない。山頂も狭い。山の世界でも、背が高いほうがモテるんだね。(九鬼山970m、御前山730m…)

 

山梨の御前山のこと、時々でいいから思い出してください―――

 


【日程】

2012年3月25日

【コースタイム】

禾生駅(9:00)→登山道入り口分岐(9:25)→弥生峠(10:15)→富士見平(10:40)→九鬼山(10:45)→紺場休場(12:10)→→→昼休み→→→出発(12:50)→馬立山(13:50)→御前山(14:30)→神楽山(15:05)→登山口(15:40)→猿橋駅(16:00)

 

 

3月に入って北横岳三頭山石老山榛名山、と登ってきましたが、ふと思い返すと、いずれの山でも富士山を見なかったなぁ、と。

これまでの登山でもう散々見ているので、別にそこまで恋しいわけじゃないのですが、しばらく見ないとちょっと心配になってくる…。放っておけないヤツなんです。

何だかんだ月1くらいでは見ておきたいなぁというのが自分の中にあるので、、、行って参りました「秀麗富嶽十二景」!

毎度おなじみ、自分の中で今一番熱いエリアです!!ここのエリアの富士山見れる率は今のところ100%と抜群の安定感を誇っているので、富士山見たくなったらとりあえずここに来ればOK。今回は秀麗富嶽十二景のNo10「九鬼山」が相手です。

 

この山のスタート地点はいろいろあるのですが、今回は富士急行線の禾生(かせい)駅から登って猿橋駅へ降りてくるロングコースを選択。富士急行線は本数が少ないのですが、ちょうどいい時間にJR中央線・河口湖行きがあったのでそれに乗車。前寄り3両だけが河口湖へ行くのでご注意を。

 

5分ほど遅延してましたが、9時に禾生駅に到着。あまり人気のない山と聞いていたので、団体さんが2,3組いたのには驚き。駅前でみんな準備体操したりとかなり賑やかでした。

トイレや準備でゆっくりしているうちに団体さんはいつの間にか出発。自分たちも後を追います。

 

まずは国道139号線を大月方面へ歩いていきます。途中「古川渡」という信号を曲がってしまったのですが、その曲がり角にあった民家から「そっちじゃないよ!あっちあっち!」と声が。見たら洗濯物を干し中のおばさんが親切に声を上げてくれてました。(なんて親切なんだろう!…もしかしたら結構間違える人が多いのかもね)

 

しばらく歩くと、何とも風格のある橋が出現。ここまでくれば標識が出てくるのでもう大丈夫です。

 

風格漂う橋をくぐって登山口へ。

 

間近で見るとこれまたカッコいい!レンガ造りなところに、古き良き時代を感じます。この橋の面白いところがもう1つ。この橋の上、実はある秘密が・・・!?

 

今日のこの登山は自分の急な予定で決めたのですが、意外にも4人のメンバーが集まってくれました。ありがとうございます!

 

鮮やかなピンク色の紅梅。いよいよ花のシーズン到来~。

 

登山口に差し掛かるところで、いきなり分岐点です。左が急なコース、右が比較的緩やかなコース。時間もたっぷりあるので、自分たちは右の杉山新道を選択。

 

・・と、ここで先ほどの橋を振り返って見ると、なんと上に水が流れてます。水路橋だったんですね~

 

登山口入口にある「熊出没注意」の看板。どこにでもありますが、仲間の話だといよいよ熊も動き出しているとのこと。この時期は腹が特に減っているので危険ですね。。

 

最初に言ってしまうと、この杉山新道から山頂までは楽な道のりです。急坂は一切ありません。

 

途中には川と呼んでいいのかわからない水場もあります。

そういえば、「九鬼山」の名前の由来は桃太郎伝説から来ているそうで、同じく秀麗富嶽十二景の百蔵山から来た桃太郎が鬼退治をした場所なんだとか。桃太郎伝説って各地にありますが、ここの伝説では上野原市の犬目で「犬」を、猿橋で「猿」を、鳥沢で「キジ」を仲間にしたらしいです。これを聞くと確かに「なるほど」と思ってしまいますね。

 

 

少し行くと、駅にいた団体さんの1グループに追いつきました。そしてこのあたりから、徐々に倒木が目立ってきます。

 

倒木をまたいだり、くぐったり。まぁ、よくあることなので、この時点ではまだあまり気にしていなかったのですが。。

 

1時間弱歩いて弥生峠に到着。展望はそこまでないですが、開けていてベンチもあります。小休憩~

 

ここまで来たら山頂まではもう30分ほど。九鬼山単体であれば、高尾山並みに余裕なコースです。

 

途中にリニア見晴台があります。せっかくなので見ていきましょう。

 

見晴台と呼べるほど視界は良くないですが、確かに遠くにリニア実験線が見えます。有人で最速581km/hを出したらしい、リニアモーターカー。581km/hに乗るってどんな世界なんだ!?

 

リニアもいいけど、肝心の富士山が見たいところ。。そう思っていると、道の先に輝ける場所が・・

 

富士見平。その名の通り、富士山が見えるポイント。果たして・・・

 

7分咲きといったところ。まぁまぁの出来栄えです。というか、実はここに来る前からチラホラ後ろを振り返って富士山を見ようとしていたのですが、雲が多くてチラ見せしかしてもらえず。。これでも結構雲が取れて回復した感じなんです。

 

とりあえず写真。こんな感じで富士山の方面だけが開けています。

富士見平ではスタートで分岐になっていた急なコースと合流します。ちょうど団体さんが向こうから登ってくるところでした。

 

団体さんが来る前にと、先を急いで山頂へ。富士見平からすぐの場所です。本当にあっけないゴール。

 

九鬼山山頂からは北側方面の展望だけが開けているので、富士山は見えません。山頂もあまり広くなく、気になるとすれば赤いポストが置いてあるくらい(?)

 

11時前で昼ご飯を食べる時間でもないので、先に進んじゃいます。九鬼山は終わってしまいましたが、道はここから面白くなってきます。道幅狭くて、さらに岩肌も登場。スリルもあって楽しいですが、かなり急な下り坂なので焦りは禁物。焦っちゃダメ。

 

焦らないで景色を楽しみましょう。東側の展望からは先月登った倉岳山も見えます。

 

通称「まどわしの分岐点」(勝手に命名!w)

この分岐、素直に左の矢印に進むのが正解なのですが、地図には載っていない右への分岐路があったり、標識が「馬立山下山」になっていたりと、「本当に左で合ってるの?」って感じになります。自分たちが深く考えすぎただけなのかもしれないですが…

「これから向かうのは馬立山だし、下山するのは違うよね?」

「右は明らかに方向が違うし・・・」

「これまっすぐ行けば馬立山なんじゃない?」

「おっ、なるほど!確かに道っぽい!」

・・・ということで、標識をまたいでまっすぐ進んでみることにしました。

 

↓↓↓ ここからしばらくは、時間の帳尻合わせのために行ったオプションコースとなります ↓↓↓

 

実際にまっすぐ行ってみるとわかるのですが、道っぽくなっています。所々、印みたいな棒もあるし問題なさそう。それにしても道がフカフカ(すぎる)。「落ち葉の絨毯が気持ちいい!」と前向きに考えるか、「いや、踏み固められてなさすぎる・・・」と冷静に考えるか、は自由です。

 

どんどん下ります。ひたすら下ります。、一応印もあるし、それにこんな急坂を降りてるんです。「今更戻ったところで・・」ってのもあります。

な~んて笑いながら話していましたが、流石に間違いに気づき始める。。明らかに方向も違う。。。聞こえないはずの沢の音も聞こえてきた。。。

 

・・・ということで、

 

引き返します(ごめんなさい・・)

これまで下った分を登りなおすという、トレーニング以外の何物でもない時間をみんなで楽しみます♪

結構奥まで来てしまった感じがしましたが、意外にも戻りはすぐでした。

 

往復1時間の行って来い。先ほどの分岐に戻ってまいりました。地図を再確認します。

「馬立山下山」の「下山」という文字は無視して、素直に左の道へ。「馬立山」とだけ書いてくれれば迷うことはなかったのに。。と文句を言っても仕方ないですが、右の道は明らかに地図には載っていない道です。道幅も狭いので、行かない方がいいかもしれません。

 

先ほどとは打って変わって整備された登山道。標識に従う素直さって大事ですねw

 

時間帳尻合わせのトレーニングをしていたら、天気もどんどんよくなってきました。あの、山に映る雲の影が好きなんです。

 

12時過ぎ、まさにちょうどお昼にしようかっていう時間帯に「紺場休場」という休憩ポイントに到着。あの寄り道トレーニングがあったからこその、このベストタイミング。(な~んて都合のいいことを考えつつ)ここでお昼休憩にします。

 

先客も去って、広々とみんな思い思いにお昼ご飯。

 

前々日の夜に業務用スーパーで大量買いした鶏肉をすべて唐揚げに。1人じゃ食べきれないので、みんなに手伝ってもらうことに。見た目をもう少しいい感じにしたいので、まだまだ修行が入りそう。

みんなが持ち寄ったお菓子も食べつつまったり休憩しますが、まだ3月の山梨。日が陰ったり、風が吹いたりするとやっぱりまだまだ寒いです。

 

お昼ご飯の後は、馬立山へ。気持ちのいい尾根道の途中からは、、

 

富士見平で見た時よりも、立派な姿の富士山が。どうやら時間がたつにつれて、どんどん雲が取れていっているようです。

 

馬立山手前は若干急な坂道になります。そして、倒木がこのあたりからまた邪魔をし始める。

 

増える一方の倒木。流石にここまで邪魔されると、「いったい何があったんだ、お前ら」と突っ込みたくなります。

 

倒木を避けつつ、馬立山頂到着。取ってつけたように標高が書かれているあたり、やる気のなさを感じます。

 

実際に山頂はこんな感じ。山頂と呼べないほどの狭さ。この山を見ていて、高畑山・倉岳山の途中にある天神山を思い出しました。同じにおいを感じる。。

 

馬立山を軽く通過して、次の目指す山「御前山」へ。この時は知る由もなかったですが、本日の主役が実はこいつでした。御前山、またの名を厄王山。覚えて帰ってくださいw

 

相変わらずの倒木の多さ。。その答え(?)が御前山山頂手前にありました。

見渡す限りの植林。まぁ、これくらい植えなきゃ減る一方なんでしょうか。。本当に心配になるくらい木が倒れちゃってました。地盤がゆるいからなのか、途中から折れているわけではなく、根っこからごそっともぎ取られた感じで倒れてました。

 

あれくらい大きくなるまで倒れるなよ!

 

御前山に近づくにつれて、徐々に岩々しくなってきます。クライミングがしたくなるようないい感じの岩場も。(実際に登っちゃう人とかいるんでしょうね。。)

御前山までは急な登りはあまりありません。最後に少し登ればもう山頂。

 

そして、本日のクライマックスがそこにはあった・・・

 

岩殿山に匹敵するくらい断崖絶壁の岩場の山頂!スリルもあって、周りを遮るものが何もないので解放感溢れすぎです。

 

逆光で見えづらいですが、九鬼山山頂では見えなかった富士山もここではバッチリ!秀麗富嶽十二景のNo10はこっちにしたほうがいいんじゃないの?と思わせるほど、無名にしておくにはモッタイナイ山です。

 

明らかに九鬼山より長時間滞在して、遊んだり写真撮ったり。九鬼山って何だったんだろう・・・?

 

【動画:御前山山頂から】

 

彼の名前は「御前山」。たぶん検索しても奥多摩の御前山がヒットして、日を浴びることは少ないんだろうなぁ。哀れでかわいそうな奴ですが、自分は大好きです!

 

思わぬ絶景に出会えて一気にテンションが上がったメンバー。これはもしかして次の山「神楽山」も期待できるのでは!?

 

ということで、ちょっと寄り道して御前山から15分ほどの距離にある神楽山へ。光り輝く山頂に飛び込んでみると・・・!

 

orz。。。展望ゼロ、人工物が目立ち過ぎな場所です。。御前山とのあまりの落差に、笑うしかないね。

 

「大切にしましょう三角点」。。。先客も裏切られた気持ちだったのか、三角点にシール貼られてました。。

 

何はともあれ、御前山がすごかった!ということを胸に秘め、下山します。ここから下までは1時間もかからないですが、細い尾根道があったりするので油断は禁物。

 

終盤にも倒木しかかっている木発見。しかもこいつはミシミシ音を立てて、少し怖かったです。。

 

そして、けしからぬ標識。なぜ御前山の名前がない!!神楽山にさえ負けているというのか・・

 

御前山の扱いのひどさに、悲しみをこらえながら下山完了~。

 

朝は雲が若干多くて心配でしたが、終わってみたらこの快晴。暖かくてもう春の陽気ですな。

 

こちらでも梅が綺麗に咲いていました。

 

もはや秀麗富嶽十二景とセットで扱ってよい「ハッピードリンクショップ」。大月周辺に散らばるこの自販機コーナー、噂をしていたら本当にまたありました。何にしても安いのはありがたいことです。

 

こうして16時に猿橋駅に到着。途中、想定外のオプショントレーニング(=道迷い)を組み込みましたが、結果的には時間通りとなりました(笑)

本日の登山無事終了~~~

 

・・・と思ったら、、

 

秀麗富嶽十二景でハッピードリンクショップともう1つセットで考えなければならない奴がいました。。。「人身事故」・・・

これで何度目だ、巻き込まれるの。。。前回の笹子雁ヶ腹摺山、前々回の高畑山・倉岳山(ここに至っては去年も)も人身事故の遅延に巻き込まれたので、流石に笑えなくなってきました。。。いいかげん、次に巻き込まれたらお祓いに行こうb

 

 

・・と、まぁ、今回もいろいろありましたが、総括としては「御前山はすごかった!」の一言に尽きます。無名なのが不思議なくらいの絶景が待っています。それに比べて九鬼山はNo10でありながら、山頂から富士山が見えません。きっと、御前山の景色も我がものの一部と思っているに違いありません。ジャイアニズムな奴なんです。。

 

もしこのブログを読んでいる方で九鬼山に登ろうと考えている人は、ぜひ御前山まで足を運んでみてください!地図上は結構距離がありそうですが、実際に歩いてみるとそこまできつくはありません。高畑山・倉岳山の縦走の方が難易度的には上だと思います。

 

いつか”大月の”御前山が脚光を浴びることを夢見て、春も登山に励みたいと思います。

 

 

 

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