大峰山日帰り縦走登山(大普賢岳~行者還岳~弥山~八経ヶ岳)

大峰山日帰り縦走登山(大普賢岳~行者還岳~弥山~八経ヶ岳)

大台ヶ原に続いて、お隣の日本百名山・大峰山へ登ってきました。

大峰山というのは山脈一帯の総称で、その最高峰は標高1915mの八経ヶ岳。近畿地方の最高峰でもあります。今回は日帰りとしては少し長めのルートですが、和佐又山ヒュッテから大普賢岳、七曜岳、行者還岳、弥山を経て八経ヶ岳を目指しました。

この大峰山の縦走ルートは「大峯奥駈道」と呼ばれ、かつて修験道が勤しんで歩いた修行の道。世界遺産にもなっているあの有名な熊野古道の一部でもあり、その中でも最も険しいルートと言われている道です。

そんな歴史ある道を少しでも肌で感じられたらと、今回は日帰りとしては長めの縦走路を歩いてきましたが、、、いやいや、とにかく大変でした……

 

歴史の道、熊野古道・大峯奥駈道を歩く―――

 


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前回の大杉渓谷・大台ヶ原からの続きになります。

大杉渓谷から大台ヶ原と2日間をかけて山歩きを楽しんだ後、そのまま大峰山登山口の1つである和佐又山ヒュッテへ移動。

大台ヶ原からアクセスする場合は、大和上市駅行のバスに乗って途中の和佐又山登山口で下車。これだとバスでの移動を最小限に抑えて、大台ヶ原から大峰山へ入ることができます。

 

ただバス停から思った以上に遠かった和佐又山ヒュッテ。意外と登ることになるのでご注意ください。

車がたくさん停まってますが、ほとんどはキャンプ場利用の方でした。山小屋に泊まってたのは10人ほどで、のびのびと過ごせたのは良かった。お風呂もありました。

 

夕食が素晴らしく美味しかったので、もう1回載せておきます。山小屋でこのレベルの食事が堪能できるとは思わなかった。ここに泊まったら夕食はかなり期待してよいと思います。

 

何だかんだ結構長い間歩いた2日目。天気が良かったので星空でも撮ろうかと思っていたけど、疲れていたので夕食食べたらすぐに寝てしまいました。

こうして2日目が終了。

 

そして3日目、いよいよ大峰山脈へ足を踏み入れます。

 

~~ 2016年5月1日 大峰山縦走登山 ~~

和佐又山ヒュッテからの日帰り登山であれば、通常は大普賢岳の周回コースになると思います。今回は欲張って八経ヶ岳まで歩くつもりだったので、コースタイムは軽く12時間超え。

早朝出発は必須ということ、例によって朝食は抜いてお弁当だけ用意してもらいました。

 

このルートを歩く際の注意点としては、下山口である行者還トンネル西口に事前にタクシーを手配しておく必要があります。一度山に入ってしまうと、これ以降電波の入るところがないので、タクシーを呼びたくても呼べません。

自分は一応事前に電話で「14時に迎えに来てください」と伝えていたのですが、正直なところコースタイムが長いので下山時刻が正確にわからず、弥山山頂あたりで時間変更すればいいや、なんて軽く考えてました。弥山も八経ヶ岳も行者還トンネル西口も圏外なのを知らずに……

これが後々、自分の首を絞めることになる、、、

 

空がやや白み始めてきた朝4時30分にスタート。すでにこの時点で約束の14時まで10時間を切っている……。コースタイム12時間を超えるので、普通に歩いていたら到底間に合わないんだけど、時間変更する気満々なので変に余裕たっぷりでした(笑)

まだ外は暗かったのでヘッドライトつけて、大普賢岳登山口より登り始めます。この標識に従って登っていったらすぐに道路に出てしまったので「あれ?」ってなりましたが、そのまま道路沿いに歩いていけば登山道に入れます。

 

和佐又山を横目に分岐点に到着。ここまで来ればあとは標識が随所に建てられているので、迷うことはないです。

これから先の長い登山が始まる。目指す八経ヶ岳まではまだだいぶ遠いので、標識で八経ヶ岳の文字を確認できるようになるのはしばらく先へ進んでから。

 

登山道途中からご来光を迎える。

木々の合間から見える朝日ってのも雰囲気あっていいな~!

 

大峰山脈と言えば、歴史ある修行の山。前日の大杉渓谷~大台ヶ原とはまた違う雰囲気が漂ってます。

岩場も早々に現れてきて、修行の場という感じが出てくる。

 

指弾ノ窟。この先、こういった自然の岩の穴が連続します。

 

前日までの疲れがあるのか、大普賢岳までの登りが結構つらい。序盤から階段もたくさん出てくる。

岩場が多いので、こういう階段や鎖場やハシゴが随所に設置されて標高をどんどん上げていきます。修行の道というだけあって、穏やかさがない登山道。

 

朝日窟

 

笙ノ窟。他に鷹ノ窟なんてのもありましたが写真は省略。

古びた祠を目の当たりにするたびに、歴史の道というのを体感させられる。

 

ゴロゴロとした岩の合間を登っていく。修行の道と聞いてイメージする登山道そのまんま。華やかさはないけど、山深い静かな中で山と向き合える、居心地の良い雰囲気。

こういう山も決して嫌いではない。

 

日本岳の分岐点到着。ここから先、展望も徐々に良くなっていきます。

 

前日までとは打って変わって静かな登山道。ここまではまだ誰にも会わず、人の気配をまるで感じない道でした。

 

岩に張り付けられたハシゴ。最初に言ってしまうと、大峰山=修行の山、というのを一番感じられたのは、この和佐又山から大普賢岳までの道でした。

危険というわけではなくて、変に整備されすぎてもいない、ハシゴやロープで登れるところを無理やり開拓して登っている感じが、山での修行って昔はこんな感じだったのかな、とか思いながら登れた。

 

石ノ鼻に到着。ここの巨岩が絶好の展望台になってます。

 

石ノ鼻から見る朝の山景色。特に大きな山が見えるわけでもないけど、街の1つも見えない、見渡す限り山に囲まれた風景。

 

最初に目指す大普賢岳山頂もようやく見えてきた。

 

この先もハシゴや階段の連続。普通なら迂回して登山道を作りそうなところも、無理やりハシゴを置いて直登するので、標高の上がるスピードは速い。

 

岩に沿うように取り付けられた空中歩道。下は崖です。

 

登り始めて2時間ほどで稜線に出る。ここが大峯奥駈道との合流地点。

いわゆる熊野古道の1ルート。ここから先はその歴史ある道を歩いていきます。

 

稜線に出てしまえば、大普賢岳はすぐそこ。

 

6時30分、本日1つ目のピークである大普賢岳に到着。

山頂には先客がおひとり。この方が今日初めて会った登山者でした。

 

山頂の標識。標高1780mとされていますが、標識には正確に1779.9mと書いてあります。

また、小さくてわかりづらいですが、大峯奥駈道・第六十三行所という文字も。第六十三というのはこの大峯奥駈道にある75の靡(修行する場所)に振られた番号で、第一が本宮大社。今回は本宮大社方面に南へ向かうので、番号を遡っていくことになります。

目指す八経ヶ岳は第五十一行所。その間にいくつもの行所が待っています。

 

大普賢岳山頂から目指す八経ヶ岳が見えた。大峰山脈の最高峰なだけあって、遠くからでも良くわかります。

ここから先、ずっと稜線歩きが続きますが、あそこまではまだまだ遠い。。

 

こちらは北側の山上ヶ岳方面の展望。大峰山というのはこの山脈一帯を指しますが、単体で大峰山という場合は八経ヶ岳ではなく山上ヶ岳を指すそうです。

ちなみに山上ヶ岳は現在でも女人禁制が維持されているそうなので、登る際は少し注意が必要。

 

まだまだ先も長いので、早々に山頂を後にします。大普賢岳については紅葉も綺麗とのことなので、秋に登るのもいいかもしれません。

 

ここから先は待ちに待った稜線ハイク。

……とのんびり行きたいところだけど、修行の道はそうは甘くない。

 

ハシゴや鎖場は続く。次の七曜岳まではアップダウンもあって、なかなか休ませてくれない道が続きます。

快適に歩けるようになるのは七曜岳から先の稜線。そこまではしばし我慢。

 

いったん下りきったところが稚子泊・第六十行所。飛ばした62番は、実は登ってくる途中にあった笙ノ窟。単純に稜線だけを歩いているだけでは全部の行所は踏めないようで、稜線からそれて寄り道しないとコンプリートはできないみたい。

修行なだけあって厳しいっすな(笑)

61番の弥勒岳は稜線上にありますが、標識は見つけられませんでした。

 

途中の開けた場所から振り返ってみる。

綺麗な尖がった山が左に3つ見えますが、左から大普賢岳小普賢岳日本岳。右下に見えるこんもりした山が和佐又山

一般的に山の名前には「○○山」と「○○岳」があるけど、自分の中で「岳」のほうが「山」に比べて険しく尖がったイメージ。

それをわかりやすく形にしてくれた感じでした。

 

ここから再び登り返す。鎖場やハシゴなんかはここら辺まで来れば、もう見慣れたものになってきます。

 

空中回廊。片側が崖になっているので、すれ違いが発生すると結構怖いかもしれない。

それにしても、こういう木道が敷かれる前はいったいどうやって登っていたんでしょうかね…?

 

大普賢岳から1時間ほどで七曜岳に到着。大普賢岳よりも標高を200m近く落としてますが、登り返しがあるのでなかなか疲れました。体感的には300m下って100m登る感じ。

この七曜岳は岩のピークで大普賢岳以上に狭いので、例によって休憩なしで先へ進む。ここにもお一人先客がいました。

 

大峯奥駈道をゆく。

写真では当然伝えられないけども、歴史ある道というのは歩いているだけで、一昔前の世界に浸ることができる。

古びて読めない標識や祠を目の当たりにすると、当時と変わらぬ姿がそこにはあるし、「昔の人はこんな道を歩いていたのか~」とか色々と考えたりもする。

一昔前なんて今みたいな充実した登山用品なんてないし登山道も親切に整備されているわけでもないから、それこそ山に入ることが修行そのものだったんでしょうね。

 

アルプスのような華やかさなんて微塵もないけど、こういう気分に浸りたくてこの大峯奥駈道を歩いてみたかったというのがある。単に大峰山の最高峰の八経ヶ岳だけを目指すならもっと楽なルートはあるけど、あえてこのルートを選んでみたのはそういう思いから。

 

実際はぜぇぜぇ言いながら登っているけど、充実感は持って歩けてるから気分は悪くない。

陽もだいぶ高くなってきたので、登山道にも少しずつ人の気配がしてきます。すれ違う人は、おそらくこの先の行者還避難小屋に泊まっていた方たちだと思うけど、後々振り返ってみて気づいたのが、すれ違った人、全員ソロで登ってたな~と。

修行の道というだけあって、それぞれが何か思いがあって一人山と向き合って歩いてたんでしょうかね。荷物もかなり大きなザック背負っている人ばかりでした。

 

七曜岳から先は割と道が緩やかになってきたけども、エンストを起こしたかのように全然足が動かなくなったので、途中で休憩。和佐又山ヒュッテで頂いた弁当を食べる。

良くないと頭ではわかっているんだけど、自分はどうしても朝ごはんが食べれない体質で、この日も何も食べずにスタート。貧血なのかフラフラしたので、多少無理やりでも何か食っておかないとダメですな。。。

ご飯食べて少し休んでたらすぐに体調良くなって、ここから先はかなり快調に歩けました。

 

弁当休憩を終えてすぐに目にしたのがみなきケルン。これは単なる目印ではなく慰霊碑となっており、右の案内文にその詳細が記されています。興味ある方は読んでみてください。

大阪工業大学のワンダーフォーゲル部の学生が悪天候によって弥山に行く途中で亡くなったということが書かれています。昭和40年のこと。

 

行者還岳を過ぎたあたりで、この登山道で唯一の水場・行者零水がありました。

どれほどの水場かあまり期待してなかったけど、十分すぎるほどの水が出てました。暑くて水分の消費量が多かったので、この水場には本当に助けられた。

 

8時40分、行者還避難小屋に到着。大峯奥駈道には避難小屋がいくつもあって、端から端まで縦走する場合はその避難小屋の利用が必須となりますが、その中でもこの行者還避難小屋は広くてきれいなので泊まる人が多いみたいです。

 

避難小屋内には水道もありました。(※水が出るかは確認してないです)

 

避難小屋室内。毛布もありました。2階でも寝れるようなので、それなりの人数は泊まれそう。

トイレもあるので環境はかなり整っていて、無人の山小屋という感じでした。

 

まだまだ続く稜線ハイク。枯木が目立つので、日差しが差し込んで登山道はかなり明るい。

展望もいいので歩いていてかなり気持ち良い。序盤の修行の道とは雰囲気をがらりと変えて、長閑な登山道が続きます。

 

だいぶ余裕が出てきたので、ここら辺は心身共に快適に歩けました。

写真で見るとただの登山道にしか見えないけど、実際に歩いてみると展望も良くてフラットな箇所が多いので稜線フリークとしては唸らされるものがある。

 

途中にあったのがバイケイソウの群生地。

なかなかの規模で、花を咲かせるとかなり綺麗なお花畑になりそう。ただ、花が咲く時期にこの大峯奥駈道の縦走は暑さとの戦いになること間違いなしなので、あまりやりたいとも思わない。

標高は決して高くはないので、歩くなら春の新緑時期か秋の紅葉時期がいいかと思います。

 

登山道から常に見えているのが、前日に登った大台ヶ原。台地というに相応しい平べったい山容をしています。

 

変り映えしない写真が続きますが、なかなか楽しい稜線ハイクが続く。

大普賢岳~七曜岳までが一つの核心部で、それ以降は鎖場もハシゴもなくて、修行というよりはハイキングに近い山歩きが楽しめます。

 

八経ヶ岳も稜線からたまに見えるけど、近いようで意外と遠い。。

ペースは決して悪くはないけど、このままだと下山後に手配していた14時のタクシーに間に合わないので、山頂に着いたあたりで電話しようと思っていた。この時は……(電波が入らないとは知らずに)

 

スキップでもしたくなるような草原の稜線。地味と言えば地味だけど、森林限界を迎えないところでこれだけ展望の良い稜線が長く続くっていうのもあまりないと思う。

大普賢岳~弥山までの縦走路については写真でその面白さを伝えるのは難しいので、ぜひ歩いてみてほしいです。歩いた人にしかわからない面白さってのがわかってもらえると思う。

 

9時30分、一ノ多和に到着。ここも修行場の1つで、57番が割り振られています。

 

草原の稜線は続く。七曜岳からさらに標高を下げて1500m付近をずっと歩いています。

最高峰の八経ヶ岳が標高1915mなので、この先に400m以上の登りが待っているけど、それはあまり考えない方がいいかも(^^;

実際、弥山までの登りがものすごいしんどくて泣きそうになったけど、この時はまだ笑顔で歩けてました。

 

10時前に奥駈道出合に到着。ここが行者還トンネル西口登山道との合流地点になります。

大半の人はこの行者還トンネル西口から登ってくるので、ここから一気に登山客が増えます。和佐又山ヒュッテからすでにかなりの距離を歩いてきたので、もうヘトヘト。。。3日分の登山装備なので荷物が重いのも鬱陶しかったです。

自分が疲れているのがわかったんでしょうね。。。ここに着いたときに、群馬県から登りに来たご夫婦の方が親切に話しかけてくれて、「どこから縦走してきたんですか?すごいですね~!」と激励してくださったのが救いでした。

 

ここから先もしばらくは緩やかな道が続きますが、これは嵐の前の静けさと思っておいた方がいい。

特に自分みたいに縦走してきてる人は疲れもピークに達し始める頃合いなので、この先の急登が相当地獄に感じるはず。

周りには身軽な装備で登る人が多いので、羨望のまなざしで見つめてました。「荷物軽いって良いな~」と……。

そういうのもあって、たまに重装備背負って辛そうに歩いている人を見ると、変に仲間意識感じました(笑)

 

標高1600m、弁天の森。登る人が増えるコースだからなのか、先ほどまでの縦走路とは変わって標識も豊富になってきます。

 

森というには葉があまりにもない枯木が立ち並ぶ場所でした。広々としているので、休憩場所には困らないです。

 

弁天の森を抜けて現れたのが、理源大師像。この大師像が急登の始まりを告げるポイントです。

ここから先、弥山までひたすら登りが続く。

 

階段が続く登山道。整備されて歩きやすいんだけど、疲れているほうからすると、歩幅が合わない階段は余計に疲れるんじゃないかってぶつぶつ言いたくなる。

これが本当にしんどかったです。。。トンネル西口から登ってきたであろう、ちびっ子に余裕で抜かれて行きました。

 

とにかく辛抱して登るしかない。たまにこういう展望のいい場所があるので休憩ポイントは用意されているけど、一度立ち止まると心が折れそうだと思ったので、ノンストップで登ることにしました。

それくらい追い詰められてた。。弥山までの最後の登りは侮れない。

 

蛇行して登っていくので、高低差以上に距離があるように感じる。無心になって登ってました。

おそらく、かつての修行僧の気持ちに一番近づけたのはここだと思う。最短ルートで登れば大したことのない登り坂でも、縦走路の終盤として待ち構えていた自分にとってはまさに関門。楽しさなんてない、ただの修行でしたよ。。。

ちびっ子たちが楽しそうに追い抜いていく中で、奇しくも一人修験者となることができた瞬間でした。

 

11時30分、急登を登り終えてどうにか弥山小屋に到着。今回の登山道で唯一の有人の山小屋です。建物もかなりしっかりした造りになってました。

長く感じた急登も、こうしてブログにまとめてみると、実際は奥駈道出合からたったの1時間30分だったことが判明。過去最高に疲れ切った90分だったと思います。

 

弥山小屋にはテント場もあり。そこまで広くはないけど、フラットで芝生のキャンプ場だったので居心地は良さそうです。

 

立派な看板があったので記念撮影。この弥山が大峰山の主峰と思わせるほどの、立派な看板でした。

上にちょこんと乗っているフクロウが終始気になった…。

吉野熊野国立公園・弥山。熊野という文字を見て、熊野古道を歩いてきたんだな~と改めて実感させられます。

 

弥山から最高峰の八経ヶ岳まではすぐ近く。往復1時間あれば登れる距離です。

手前に立ち並ぶ枯木は大台ヶ原でも見たけど、この大峰山の特徴でもある景色。冬場は樹氷となって、幻想的な雪景色となるようです。

 

弥山山頂に神社があったのでお参り。皇太子殿下登頂の記念碑もありました。

(皇太子さまってかなり山に登ってる気がするけど、日本百名山で言うといくつくらい制覇しているんだろうか……)

 

弥山山頂にある天河奥宮。これまで歩いてきたピークとは打って変わって広い山頂でした。

そして、ここで携帯を開いてようやく圏外という事実を知った。。。山小屋もあるし電波届くだろうなんて安易に考えてたけど、全然甘かったぜ……。

 

さて、どうするか……

 

タクシーに時間変更が伝えられないので、とりあえず荷物だけデポって急いで八経ヶ岳を目指す。12時近くになっていたので約束の14時まであと2時間。標準タイムならここから八経ヶ岳まで往復してトンネル西口まで約3時間。

1時間巻く必要がある。。

 

八経ヶ岳までの地味なアップダウンがまたいやらしい。稜線伝いに登ればそんなに高低差はないのに、、、ってぶつぶつ言いながら歩いてました。

途中、オオヤマレンゲ保護の看板を発見。オオヤマレンゲは国の天然記念物もされており絶滅危惧種にもなっている貴重な花。ここ八経ヶ岳山頂付近ではそのオオヤマレンゲが自生する場所で、シカの被害から守るために防護ネットで保護されていました。

花が咲くのは6月なので、少し時期は早かったようでまだ蕾でした。

 

オオヤマレンゲもいつか見たいなと思いつつ、大峰山の最高峰・八経ヶ岳に到着。岩場の山頂ですが、最高峰なだけあって360℃の展望が開けていて景色は抜群です。

 

こちらは八経ヶ岳よりさらに先へと続く大峯奥駈道の稜線。今回はここまでで大峯奥駈道は終わりですが、いつかこの先も歩いてみたいとは思っている。

この先にもまだ日本二百名山の釈迦ヶ岳という魅力的な山は控えているし、熊野古道の最終目的地でもある熊野本宮大社へもいつか行ってみたい。

まだまだ先は長くて大変そうだけど、そんな思いに駆られた景色でした。

 

八経ヶ岳山頂からの景色と言って、良く目にするのがこの枯木が立ち並ぶ西側の展望。これも鹿の被害によるものなのかわからないけど、葉がないおかげで視界は開けて気持ち良かったです。

 

こちらは八経ヶ岳山頂から見た弥山と、右奥に見える山がこの日最初に登った大普賢岳。大普賢岳山頂にいたのはほんの6時間ほど前のことだけど、中身の濃い登山をしていただけに遠い昔のように感じてしまう。

直線距離としてはそこまで遠くはないけども、実際に歩くとなると大きく迂回することになるので大普賢岳から八経ヶ岳まではなかなか時間がかかります。日帰りで登る際は下山時刻にお気を付けくだされm(__)m

 

山頂での展望を数分楽しんだのちに、急いで弥山小屋まで戻ってきた。某ウ○ダーinゼリーでこれから下山までの最終エネルギーをチャージする。

ハシゴを伝ってしか行けない二階建ての小屋が気になりました。あの小屋に登ればもしかしたら電波をキャッチできるんじゃ……、とか変なことまで考え出す。。

 

休憩もそこそこに来た道を戻る。ここからは時間との勝負。

 

登ってきた階段を今度は一気に下る!

幸いだったのが登ってくる人がほとんどいなかったこと。すでに昼過ぎだったのでこの時間帯で登りに来る人はあまりいなくて、すれ違いを気にせず飛ばせました。同じく下山中の人を何人か追い抜く程度で、登りに比べたらだいぶ静かな登山道でした。

 

途中はだいぶ省略して、奥駈道出合まで戻ってきたのが、13時20分。到着時は写真に写っている青い服着た男性と同じような恰好してたと思う(笑)

なかなか疲れたけど、苦手な下山も割と快調なペースでした。ここからトンネル西口までは標準タイムでも40分。14時まで残りちょうど40分。ここでようやく標準タイムとの差がプラマイゼロになったので一息つけた瞬間でした。

 

人間って追い詰められると力発揮できるもんですね。下山苦手なのに、自分でも驚くほどテンポよくスタッと降りれこれた。

トンネル西口までの登山道も単調な登り坂だったけど、ミツバツツジに目をやる余裕もありました。

今回の旅ではあまり花をみることができなかったけど、花についてはGW後半の山行で大いに語ってやろうと思います。これでもかっていうくらい花を見ることができた山旅となりました。

 

急坂を下りきって吊り橋を渡る。トンネル西口から登る場合は、この吊り橋が急登の始まりを告げるポイントになるってわけですな。

なかなかきつい斜面が続いてたので、トンネル西口からスタートしても結構つらい登山になりそうでした。

 

13時50分、なんとか14時までに間に合わせることに成功。

行者還トンネル西口に降りてきました。12時間を超えるコースタイムを9時間ほどで歩けたのは、個人的にはかなり衝撃的な結果。全盛期とは程遠い体調の中でこのコースタイムは結構自信につながりました。

……というか、「14時で」と軽く告げた自分を殴りたかったな(笑)。14時ってどう計算したらその時間になるんだか、、、

 

登山口に書いてあった、世界遺産・大峯奥駈道の文字。今回は大峯奥駈道のほんの少しの区間でしかないけども、歴史ある道を歩けたのは大いに意味のあること。

下山した時の達成感といったらここ最近味わったことのないものでした。ゴールデンウィークということでこの登山口も下の方までかなり路駐が続いてたけど、ここから登山した人よりは少しは大峰山の歴史を体感できたんじゃないかなって思ってる。大変だけど、和佐又山ヒュッテからの日帰り登山も全然不可能じゃないので、ぜひお勧めしておきます。体力ある人ならタクシー使わずに、バス停の天川川合まで直接降りることも可能だと思うので、ぜひやってみてください。

 

すでに手配していたタクシーは来ていたのでそれに乗車。

大峰山縦走の旅は無事に終了。

 

最後にタクシー運転手の方から思わぬプレゼントいただきました。地元名産、吉野杉の割りばし5本セット。ありがとうございました!

色々とお話し聞かせてもらったけど、やっぱり電波通じないことを知らないで登ってしまう人が多いらしい。そのせいで登山口で待たされることも多いんだとか……

あとは、麓のみたらい渓谷の紅葉は素晴らしいとおっしゃってました。紅葉の名所にもなっているようで、一番タクシーが忙しくなる時期だそうです。

大杉渓谷で渓谷トレッキングの面白さは十分に体感したので、これからの山旅では渓谷も外せないテーマ。なので、もしかしたらここへは再び来ることがあるかもしれない。

いずれ熊野古道を本宮大社まで歩くことがあるだろうし、その時にでも立ち寄りたいと思います。

 

下山後の温泉は、天川川合から下市口駅までの途中にある下市温泉秋津荘・明水館ごんたの湯へ。奈良県のマスコットキャラクター・せんとくんがお出迎え。

広々として綺麗だったのでかなりくつろげました。露天風呂もあります。

 

こうしてバスに乗って下市口駅に到着。

 

駅前はこんな感じ。見た感じ何もなさそうですが、線路を挟んで反対側にローソンがあったので、登山の際は利用できそうです。

 

この下市口駅っていうのが、どこに位置しているのか全然わからなかったけど、路線図に奈良や京都という文字を見て、改めて西日本に来たんだなぁ~と実感した。

こういう全く来たことない場所に電車に乗って帰るっていうのは、それだけで旅の感覚があって楽しいもの。

 

だいぶ長くなってしまったので下市口駅のプラットホームで今回の旅の記録はおしまい。

この後、京都まで出てそこから東京へと帰りました。

 

そして、帰った翌日、すぐさまGWの後半戦に突入。お次は島旅へと繰り出したわけですが、そちらも素晴らしい内容で終えることができたので近いうちにアップしようと思います。

良ければまた見に来てください。

 

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【日程】

2016年5月1日 快晴

【コースタイム】

和佐又山ヒュッテ(4:30) —- 大普賢岳(6:30) — 七曜岳(7:30) — 行者還避難小屋(8:40) — 奥駈道出合(10:00) — 弥山(11:30) — 八経ヶ岳(12:00) — 行者還トンネル西口(13:50)

 

 

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