塩見岳(南アルプス) 鳥倉ルート日帰り登山

塩見岳(南アルプス) 鳥倉ルート日帰り登山

前回の鳥海山から4日後、南アルプスの塩見岳に登ってきました。

標高3047mの塩見岳。南アルプスのちょうど中央に位置しているので、ある意味では赤石山脈の中枢を担っている存在。この山はもともと農鳥岳とセットで登るつもりでプランを練っていたけど、なんせアクセス難だし隣の農鳥岳まで縦走するにしてもそれなりに日数が必要だから、登るタイミングがなかなかつかめずにいた山。

そんな折に山仲間から有難き日帰り塩見岳のお誘いがかかったので、満を持して登りに行ってきました。

塩見岳は日帰りで登るにはコースタイムがかなり長めだけども、実際に登った感触としては平坦で緩やかな個所が多く、体力的にはそこまでしんどいということはなかったです。ただ、時間は相当かかるので早出は必須。

南アルプスの中心なだけに、山頂は絶好の展望台。南アルプス全域はもちろん、雲海の果てに聳える富士山、中央アルプス、北アルプスを一望!

近隣の山へ通じる稜線を眺めて、さらに歩きたいルートが増えた山旅となりました。

 

南アルプスの中枢、塩見岳―――

 


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久しぶりに南アルプスにやってまいりました。

今年の夏は尾瀬の田代山に始まり、東北の秋田駒ヶ岳早池峰山、北アルプスの針ノ木岳、そして北陸の白山。そのあとに前回の東北・鳥海山。いい感じで色々と回れてて、南アルプスにもそろそろ行きたくなっていた頃。

白山の登山中に一緒に登っていたあつしからお声がかかって、今回の日帰り塩見岳に挑戦することになりました。

 

塩見岳は日帰りで登るとなると標準タイムでも14時間を超えるので、通常であればテント泊or小屋泊で登るべき山。ただ、この山の場合、近隣の山を縦走しようとすると極端に距離が遠くなるのでさらに日数が必要だし、かと言って塩見岳単体で1泊2日は時間を持て余してしまう。アクセスも決して良くはないので、何ともプランニングの難しい山です。

さらに、自分の周りですでに塩見岳に登った人は全員日帰りでやってのけていたので、3泊以上の縦走をしない限りは塩見岳は日帰りが理想的だと思ってもいた。

 

休みも限られてなかなか山にばかり時間も費やせないので、半ば日帰り強行の塩見岳へ行ってきました。

 

~~ 2015年8月9日 塩見岳日帰り登山 ~~

今回は久しぶりにお仲間さんの車で行くこと。ソロはバス利用が断然安いと思っているけど、やっぱり仲間と行くならマイカーが格安ってのは否めない。塩見岳においてはそもそも公共交通のアクセスも良くはないし、、、

土曜の深夜に都内を出発して、スタート地点の鳥倉ルート登山口の越路駐車場に着いたのは深夜3時。

 

深夜3時とはいえ日曜日なので、前日の土曜に登りはじめていると思われる車がたくさん停まってました。何とか空いているスペースに駐車して早速登山の準備。今回は長丁場なので、スタートはできる限り早めたかった。

ここの駐車場にはトイレと水場があります。

 

まだ真っ暗な中、3時30分に登山開始。塩見岳を日帰りで登るのであれば、トレランしない限りはこれくらいの時刻に登っておいたほうがいいです。なんせ標準タイムで14時間超えなので、この時間にスタートしても巻かない限りは17時半下山予定。

最初は写真のような林道をひたすら歩いて行くけど、ここが結構長い。行きは真っ暗なので全然長く感じなかったけど、帰りにその長さを痛感した。。。この箇所だけ自転車を利用するハイカーも多いようです。

 

40分ほど歩いて、林道の終点「鳥倉登山口」に到着。 ご覧のようにここはバスも通っているけど、1日2本とかなり本数が少ない。1便目でも9時10分着なのでバス利用で塩見岳を登るのであれば日帰りは不可能。縦走するか山中に1泊するしかないです。

 

ここからがいよいよ登山道。4時10分にアタック開始。

今回のメンバーは男5人。塩見岳は女性受けしそうにない山だと思っていて、知り合いでも女性で塩見岳に登ったって人は聞いたことがない。

 

鳥倉登山口から三伏峠小屋まではこんな感じの標識が随所にあります。10分割されていてわかりやすいけど、こういうカウントダウン的な標識は、時によっては「まだ残りこんだけあんのか~……」とか精神的にやられる面もあるので要注意。

 

地図の等高線を見ればわかるけど、塩見岳は山頂までの距離は長いけど急登を強いられるかと言われたらそうでもなくて、割と平和な道が続きます。身体に優しく、徐々に標高を上げて行ってくる登山道。

 

4/10まで来たのが4:50頃。この時間になるとヘッデンも不要になって周りも明るくなってきます。

10分割された各区間の所要時間としてはだいたい15分が目安。

 

序盤はひたすら樹林帯の登りだったけど、この辺りになると徐々に視界も開けてきます。綺麗な雲海が敷かれている感じがわかる。

この日は昼過ぎから天気が崩れる予報だったので、そういう意味でも登りはできるだけコースタイムを巻いて進みたかった。

 

登山道はこんな感じの半崩壊した木のハシゴもあったり。

急登と呼べるようなところは少ないので、そこまで辛くはないです。

ただ、そうは言っても先は長いので、あまりゆっくりしてもいられない。。

 

鳥倉ルートの唯一の給水ポイント。細く流れている程度の水場ですが、コップも用意されていて南アルプスの天然水味わえます。

 

時折視界が開けたところから見えるのが中央アルプス。高速インター挟んで反対側なので位置的にもかなり近い。

木々の合間から見える景色は綺麗だけど、序盤の見どころと言えるのはせいぜいこれくらい。

 

だから逆に登ることに専念できる。南アルプスはやはり序盤の単調な登りが辛いところ。

こういうところはさっさと突破して、後半に貯金を作っておくに限る。

 

今年登る場合に注意しなければいけないのがこの案内。

来年の7月までは山頂直下の塩見小屋が建て替え工事中で利用できないので、余計に登りづらい状況になってます。実際、下山途中で会った登山者の中にこのことを知らずに登りに来て、引き返している人がいました。

 

南アルプスは5月の笊ヶ岳に続いて今年2度目。笊ヶ岳もそうだったけど、南アルプス(特に南部)はそう簡単には登らせてくれないな……。かなり上の方まで登らないと景色の変化もあまり期待できない。

 

三伏峠小屋まで残り200歩の標識まできた。

実際に数えてみたけど、ほぼ200歩でした。

 

6時、三伏峠小屋に到着。とりあえずここまではいいペース。

塩見岳界隈で営業している山小屋は現在はここだけなんだけど、ここから山頂まではまだ5時間近くかかる。荷物デポって行くには遠すぎる距離。

 

この三伏峠は「日本一高いと言われる峠」らしいです。”言われる”っていうのがやや気になるけど、これは知らなかった。

 

こちらがテント場。20張り近くあって、思っていたよりも盛況してました。

テント場からの展望は残念ながらなし。水場も小屋からやや離れているようです。

 

軽く休憩して先へ進む。

小屋からの展望はないんだけど、少し先へ行くと一気に展望の開けるポイントに出ます。

 

標高2600m、南アルプスではようやく森林限界を迎えるあたり。

やっと視界が開けたぜ!

 

見事な雲海。朝に比べると雲もやや上がってきたけど、雲海の果てに中央アルプスが浮かぶように見えました。

雲のジャンダルムらしきものも発見!

 

小屋から10分ほどで三伏山に到着。ここからの眺めが抜群で、360℃開けたピークになっています。

写真奥に写っているのが目指す塩見岳。まだだいぶ遠い……

 

こちらは南側の展望。赤石岳・聖岳方面。

3000m級の山は雲海が敷かれるとより一層大きく感じる。北アルプスは連山としての大きさがあるけど、南アルプスは1つ1つが単発ででかい。

手前に見えるのは小屋から水場までの道のようです。往復25分かかるらしい。

 

三伏山から先ほどの小屋が見えた。これだけ見ると雲の上に浮かんで、相当高い場所に建っているように見える。(まぁ、標高2580m地点だから高いと言えば高いが……)

小屋に泊まるなら、ここまで登って来ればさぞ綺麗な夕日が見れそう。

 

ここからようやく稜線。すぐにまた樹林帯に入ってしまうけど、ここに来るまで展望が全然なかったから、その反動でこの稜線が天国に思える。

塩見岳までは標高差で言えば残り400m程だけど、稜線伝いに左側から迂回していかなければならないので、距離としてはまだだいぶ遠い。

 

遠くに北アルプスも見えてきた。どれだけ遠くにいても、槍ヶ岳の尖がりだけははっきりわかる。

 

ここからしばらくは細かいアップダウンはあるけど、ほとんど平坦に近い稜線。長いだけで、思っていたほどは疲れてない。

 

再び樹林帯に入る。標高2600mなんて北アルプスで言えば完全な森林限界だけど、南アルプスではまだ樹が頑張っちゃう標高。一応ここも稜線です。

 

迂回して稜線が結ばれているので、なかなか塩見岳の方向に進めないもどかしさがある。三伏山以降、ずっと見えている塩見岳だけどなかなか近づかない。

 

本谷山の手前に、地図にも書いてあったマルバタケブキのお花畑がありました。

 

こちらがマルバダケブキ。たくさん咲いてた。

 

他にもタカネマツムシソウや、

 

ミネウスユキソウなども咲いてました。

 

7時20分、本谷山に到着。ここは三伏山より標高は高いけど、視界はそんなに開けてなかったです。

 

この本谷山から少し先へ行くと、ようやく塩見岳山頂までの直線路に入る。ここまでがかなり長く感じました。

 

塩見小屋までの直登。距離はそんなに長くないのと、久しぶりの登り坂なのであっさり通過。

これを登り切れば(建て替え中の)塩見小屋ももうすぐ。

 

再び森林限界へ。ここから振り返ると、迂回してきた縦走路がいかに平坦だったかがわかる。

 

こんな感じの稜線。ここが全部森林限界だったら最高の稜線ハイクになったんだろうけど、そううまくはいかないな……

 

こちらは南アルプス北部の名峰たち。仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、北岳、間ノ岳。

1つ1つが単独峰のようにどっしり構えて、その迫力が素晴らしい。特に右の間ノ岳の大きさが際立ってた。

 

ようやく間近に捉えた塩見岳山頂。ここから見ると綺麗に尖がった形をしています。

 

8時40分、山頂直下の塩見小屋に到着。登山道にあった張り紙の通り、現在は建て替え工事中。標高3000m近い場所で建て替え工事なんて相当大変そうだけど、みなさん黙々と作業してらっしゃいました。

 

臨時で売店だけ営業しています。あと、仮設のトイレもありました。水場はもともとないので買うしかない。

 

売店のメニューはこんな感じ。

ここで少し休憩していたら、塩見小屋の人から面白い話が聞けたのでご紹介。

南アルプスの山小屋は、昔からのしきたりで行政から個室を作ることが禁止されているらしい。「北アルプスではあんなに作っているのに、うちらはダメって言われるんだよな……」という感じでぼやいていました。なので、今建て替え中の塩見小屋にも完全な個室は作れなくて、半個室のようなもので我慢しているらしい。

山小屋にも色々なしがらみがあるようですな。。。

 

8時50分、やっと山頂までの最後の登り坂。スタートしてここまですでに5時間経過。遅くても11時までには山頂に着きたかったけど、この分なら余裕で間に合いそう。

まずは山頂手前にある天狗岩を登ります。

 

小屋を過ぎてひときわ鮮明に見えるのが、北側の白根三山。日本第2位の高峰北岳を筆頭に間ノ岳農鳥岳と3000m級の山が連なる。

農鳥岳は山以上に小屋の評判についての噂をよく聞くから、そこらへんを半ば期待して来年あたりに登ってみたい(笑)

頑固爺さんがいるとかいないとか……

 

ここから先、山頂まではひたすら岩場。急登が続くけど、ここまでが緩い道だっただけに、楽しさ先行で登ることができる。

 

地図には危険マークがついているけど、滑落というよりは上から下りてくる人の落石に注意する程度で、足場もしっかりしてました。マーカーも親切についているので、迷うこともほとんどないはず。

 

南アルプスと言えば、その魅力の1つが富士山の展望にあるけれど、ここ塩見岳の場合は西側から登ることになるので山頂に行くまでほとんど富士の姿を見ることができない。(途中、チラッとは見えるけど)

それだけに、この岩場を乗り越えた先に待っている富士山にいつも以上に期待が高まる。この夏は東北や北陸、北アルプスメインで富士山を最近見てなかったから余計に。

 

岩場にも花が咲く。イワツメクサの小さい花が綺麗でした。8月中旬になると高山帯では早くも花が枯れてきて、夏の終わりさえ感じさせます。

 

チシマギキョウ

 

適度な高度感ある岩場。岩場苦手の自分でも楽しんで登れる程度のものだったので、そこまで危険ではないかと思います。

 

北側の急峻な岩場は塩見バットレス。北岳バットレスは有名だけど、ここにもあったバットレス。

バットレスって響き、なんかカッコいい。クライミングなんてしない自分には無縁の場所ではあるが、、、

 

天狗岩を登り終えたところ。こちらが間近に見る塩見岳。目の前に見えているのは西峰。塩見岳も一応双耳峰になっていて、あの奥に東峰もあります。

 

下から見上げるとなかなかの急斜面。一時期、残雪時期に塩見岳に登ろうかって話もあったんだけど、この岩場の残雪期は流石に無理だったわ。。

なめててすいません、塩見岳。

 

南アルプス南部のいいところはとにかく空いていること。アクセス難がネックだけども、山に入ってしまえばこういう一人しか通れない岩場でも渋滞することがない。

南アルプスの静けさと北アルプスの華やかさ、どちらもそれぞれに良さがあるから山ってのは面白い。中央アルプスについてはまだ単発でしか登ったことがないから、来年あたりは縦走してみたいところ。

 

いや~、この岩場は本当に楽しかったわ。 序盤のコースタイムが長いから疲れ切った状態でこの岩場に取り付くのも覚悟してたけど、全然楽なもんでした。赤石岳や笊ヶ岳に登る方がよほど辛い。

 

心配していた雲も、低い位置で留まってくれている。途中トレランの人に抜かされたりもしたけど、こうして平坦な稜線を眺めていると、確かにあの辺はダッシュして突き抜けてしまうのがいいのかもしれない。

 

上から見下ろす天狗岩。急斜面なだけに、少し登って振り返るだけでなかなかの高度感感じられる。

北アルプスの岩場に比べて安心感があるのは、たぶん緑が多いからだとこの時思った。穂高岳みたいに岩場だらけのところは、それだけで鋭利に突き刺さってくる感じがするもんな。

 

北側には相変わらずの南アルプスの名峰たち。南アルプスは山脈と言っても、個々のピークが半ば独立して立っている感じだから、山座同定がしやすい。

 

ひたすら岩場を登っていく。浮石とかのトラップもほとんどないあたりが塩見岳の優しさ。

岩登りの難易度で言ったらこれくらいが個人的にはちょうどいい。岩も滑るような感じではなかったので、下りも楽でした。

 

色あせつつあるイワベンケイ。

 

タカネシオガマ。この子はまだ絶好調に咲いてました。

 

花も楽しみつつ、岩場を乗り越えた先がようやく山頂。

 

10時ちょうど。無事に塩見岳西峰に到着。登りの所要時間は6時間半でした。2時間ほど巻けたからまあ上出来。

 

山頂でようやくはっきりと見ることのできた富士山。 湧いてくる雲をものともせず顔を出して待ってくれていました。

雲海も綺麗。

 

いつか歩こうと思っている塩見岳~農鳥岳間の稜線もバッチリ見えた。しばらくは心地よい稜線が続くけど、農鳥岳まで相当な登り返しを迫られそうに感じた。

農鳥岳までの所要時間は7時間。途中にエスケープルートもないから、ここを縦走するとなるとなかなかの覚悟がいりそう。

 

こちらは南アルプス南部の山々。昨年秋に登った赤石岳・悪沢岳が見事に見えます。 あちらに行くにも相当な登り返しでかなり時間がかかる。。。

南アルプスは塩見岳を隔てて何て縦走しづらい道なんだか……

 

南北へ伸びる稜線の過酷さを感じつつも、猛烈に歩きたくなったのがこの蝙蝠岳に至る稜線。

見た限りほぼ平坦でアップダウンの少ない快適な稜線が続いてます。

これこそが自分の夢見る稜線天国!ここは絶対にいつか歩きたいと思った。塩見岳単体を1泊2日で登るのであれば、蝙蝠岳までピストンで散歩するのが良いかもしません。日帰りだと時間的に少し厳しい…

 

西峰のすぐ隣にあった東峰。標高で言えばあちらの方が5mほど高いので行ってみる。

 

こちらが塩見岳東峰。西峰に比べると山頂は狭いけど、こちらには絶好の撮影スポットが用意されています。

 

この岩場。断崖絶壁だけど、南アルプス北部を眺めるには打ってつけのロケーション。そこに立つだけで絵になる光景。

 

南アルプス南部の眺めも素晴らしい。目の前の稜線を歩いて行きたくなるけど、これはすぐ先で行き止まり。

赤石岳方面に行こうと思ったら、先ほどの三伏峠小屋まで戻らないといけない。ここから稜線が伸びていれば塩見岳以南の縦走もしやすいんだけどね。。。

塩見岳は南アルプスの中でも一匹狼みたく孤立しているな。

 

心配していた天気もどうにか持ってくれて山頂に到着できたから言うことなし!

東峰は休憩するには狭いので、西峰まで戻ってお昼ご飯にする。

 

意外と時間に余裕があったので、ゆっくり山頂で休憩できた。

思っていたよりも平坦な道が続いたので、みんな体力的には余裕ある状態でした。

 

眺めれば眺めるほど、ここ塩見岳が南アルプスの中心だと思えてくる。個人的には北アルプスの中心が水晶岳、南アルプスの中心がここ塩見岳という印象。

南北どちらも見渡せるけど、どちらに行くにせよその遠さははっきりと認識した。いつかは縦走してみたいところ。

 

蝙蝠岳と富士山。今回の旅での一番の収穫は、この蝙蝠岳に至る稜線。この平坦さはさぞ歩いていて気持ちよさそう。テント泊装備だろうがスキップできそうなほどのフラットな稜線でした。

それを見守る富士の姿も素晴らしい!ここは本当に気に入った。蝙蝠岳もいつか登りに行きたいと思う。

 

休憩していると雲も上がってきて、いつの間にか富士山も見えなくなってた。

どうやらギリギリセーフだったようで、、、3時半という早朝というよりは深夜に登りはじめておいて正解でした。

 

予報通り午後から天候が崩れるようなので、11時少し前に下山開始。長い登りだったけど、いい景色見させてもらいました。

 

下山は一層慎重に。落石を引き起こさないことだけに専念。

 

上からは天狗岩と塩見小屋が良く見える。こうしてみると塩見小屋もなかなかすごい所に建っている。あそこに重機搬入して住み込みで建て替え工事してるんだからすごいよな。

 

 

天狗岩まで下りて来ればもう余裕。

この天狗岩、こちら側から見ると山の名前がついてもおかしくないほど立派な形をしてました。烏帽子岳にやや似ているか。

 

天狗岩から眺める塩見岳。この山自体を他から眺めたことがあまりなかったので、山の形をイメージしづらかったけど、山頂らしい尖がり具合でカッコいいシルエットでした。

そう簡単に来れる山ではないけれど、忘れたころにもう一度来てみたいとは思います。その時は蝙蝠岳とセットで。

 

塩見小屋に至る稜線。短い道だったけど、稜線フリーカーとしてはこういうところが何よりも好き。

 

塩見小屋を過ぎると、雲もだいぶ上がってきて日差しも遮られてきました。

登りと同じルートを帰るので道中は省略。

 

13時40分、三伏峠小屋まで戻ってきた。テント場にはまだ登ってきたときと同じくらいテントが残っていました。

 

登ってきたときには真っ暗だった道を歩く。序盤はこんな生い茂った道だったのかと帰りに初めて知った。

 

15時半、鳥倉登山口に無事に戻ってきた。日没までに戻ってこれるかやや心配だったけど、結果的には余裕でした。

下山途中は一時的に雨に降られたりもしたけど、登山口に着くときにはやんでくれたのでよかった。

 

あとは林道をひたすら歩く。

最初にも書いたけど、この林道がとにかく時間かかった。。。登りで歩いているはずなのに、全く別の道か!ってくらい駐車場まで遠かったです。デポってある自転車をお借りしたいくらいだったわ…

ただ行きが真っ暗だった分、林道わきの岩壁が想像以上の迫力で驚いたのと、ガードレールの下を覗けば滝もあったし、あと、写真ではうまく撮れなかったけど、イタチの親子にも会えました。

 

16時すぎ、駐車場に帰還。皆さま、お疲れ様でした!

無事に踏破できた達成感はなかなかのもんでしたよ。

 

下山後の温泉はインター近くまで行って、「信州まつかわ温泉 清流苑」というところにしました。

浴槽豊富だし、お食事処もあるのでいい入浴施設でした。

 

夕食はその清流苑で済ませました。ご当地丼の「ごぼとん丼」というのが推してあったので食べてみたけど、トロトロの肉が旨かった。

ここの食事はボリューム満点で、他のメニューもかなり美味しそうでした。他のテーブルの人が頼んでいた定番ながらの唐揚げ定食も相当おいしそうに見えた。

清流苑、お食事処としてもおすすめです!

 

こんな感じで南アルプス塩見岳の日帰り登山が終了。

長丁場の持久戦ではあったけども、平坦な道も多くて体力的には南アルプス南部の山としては比較的楽な印象でした。もちろん個人差もあるけど、僕としては赤石岳や笊ヶ岳の方が疲れました。

塩見岳に限らずですが、南アルプスは序盤の樹林帯が勝負だと思います。展望もそこまで開けないので、精神的に嫌にならないかが我慢のしどころ。

 

序盤は辛いかもしれないですが、登っているのは標高3000mを越える高山。終盤になれば、南アルプスを見渡せる絶景が出迎えてくれます。

特に山頂に至るまでの岩場では左手に南アルプス北部、右手に南アルプス南部の名峰が見渡せるので、眺めは一級品です。

 

個人的に魅了されてしまったのがこの蝙蝠岳への稜線。見るからにフラットな稜線は、重いザック放り投げて駆け回りたいくらい!

蝙蝠岳の先は破線ルートになっているので、通常ルートを歩くなら戻ってくる必要があるけれど、いつかは歩いてみたいと思った稜線でした。

こういうノーマークだった縦走路を知れただけでも、今回の登山は大いに価値ある旅でした。

 

塩見岳日帰りは相当な時間がかかるので安易には勧められないけど、山頂からは富士山、南アルプス全域を眺められる絶好の展望台になっているので、南アルプスの雰囲気にどっぷり浸かりたいならおすすめです。もちろん日数が取れるなら長期縦走で通過してしまうのもあり。

北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳に比べると格段にアクセスの悪い塩見岳ですが、その分静かなトレイルが楽しめると思います。

ぜひ機会があれば登ってみてください。

 

塩見岳日帰り登山(完)―――

 

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【日程】

2015年8月9日 晴れのち曇り

【コースタイム】

越路駐車場(3:30) — 鳥倉登山口(4:10) — 三伏峠小屋(6:00) — 塩見小屋(8:40) — 塩見岳(10:00~10:50) — 三伏峠小屋(13:40) — 鳥倉登山口(15:30) — 越路駐車場(16:10)

 

 

 

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