立山(北アルプス) テント泊縦走登山 (浄土山~雄山~大汝山~富士ノ折立~別山)

立山(北アルプス) テント泊縦走登山 (浄土山~雄山~大汝山~富士ノ折立~別山)

夏山の締めとして、念願だった立山~剱岳にテント担いで登ってきました。

計画としては1日目に室堂から立山三山を回って剱沢キャンプ場に幕営、2日目に剱岳へ登るというもの。メインの剱岳はうわさ通りなかなかの山でしたが、今回はまずは1日目の立山三山縦走の記録になります。

立山といえば雄山(標高3003m)、大汝山(3015m)、富士ノ折立(2999m)から成る山の総称で、白い山肌に穏やかな稜線が連なっている非常に雄大な山。標高は高いですが、立山黒部アルペンルートという山岳観光ルートが通っているので、比較的簡単に登ることができます。今回はその三山に加えて、浄土山と別山も合わせて歩いてきました。雄山山頂では成り行きからご祈祷にも参加し、お祓いしてもらいつつ今年の登山の安全を祈願。

剱岳の前哨戦、なかなか面白かったです!

 

夏の終わりに立山連峰、縦走の旅―――

 


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北海道大雪山では早くも初冠雪を観測して冬の便りが届く中、関東近隣の山も徐々に紅葉が近づいてきたこの頃。今年はあまり登れなかった夏山ですが、その締めとして選んだのが今回の立山~剱岳。

この2つの山は今年の夏にどうしても行きたくて、計画を立ててたは妄想を繰り返した日々。。。実際、立山については今年の5月にバックカントリーで行ったのですが、そのときの記事の最後にも「夏にまた来る!」なんて書いてたっけか……。

なかなか時間が取れず半ばあきらめていたのですが、この度ようやく時間が取れたので満を持して挑んできました。

テント泊については2ヶ月前の笠ヶ岳以来。不安と期待が入り混じる中、まずは1日目の立山三山縦走スタート!!

 

~~1日目 立山三山 縦走登山~~

 

9月19日(木)の深夜、さわやか信州号に乗って扇沢駅へ。今回も本当に直前で決めたのですが、3連休から1日ずれていたからなのかバスもギリギリ予約できました。仕事が終わってバスに直行!疲れていたのか、例によってバスの中での記憶なし。途中でSAに停まったことすら気づかなかった、、、

 

朝5時に扇沢駅に降ろされる。到着時はまだ真っ暗で、始発のトロリーバスが7時半なので2時間半ほどここで足止め。多少寒かったけど、ベンチあるし自販機もあるので、ウトウト寝たり地図見てプラン練ったりしてまったり時間つぶしました。

朝日に照らされて知った、”黒部ダム完成50周年”。世界的な大事業、おめでとうございます!

 

7時半に改札が始まり、立山黒部アルペンルートでいざ室堂を目指す!まずはトロリーバスに乗って黒部ダムへ。このトロリーバスに乗るのも3回目。ただ、夏場は初。

過去2回は、昨年の紅葉の黒部峡谷(下ノ廊下)と今年5月の立山バックカントリー。順番がちぐはぐですが、3回目にしてようやく普通の登山として立山に入ることになりました。

 

トロリーバスに15分ほど乗って黒部湖に到着。流石に平日の朝一は空いてました。扇沢駅で室堂、大観峰、黒部ダムの気温が表示されているのですが、日が当たらない分、この黒部ダムが一番寒いです。8時の時点で9℃くらいだったかな?

 

定番の黒部ダム観光放水。相変わらずの迫力、素晴らしいですな!朝一で寒いにも関わらず、この黒部ダムを見にきてる観光客もチラホラいました。

 

お次はケーブルカーに乗って黒部平へ。写真は黒部平展望台からの立山。白い山肌、相変わらず綺麗な山ですな。

平日の場合、乗り物が空いてる分、臨時便が出ないので要所要所で15~20分くらい足止めになります。展望デッキに出たり地酒試飲したりして時間つぶしましょう(笑)

 

さらにロープウェイに乗って標高をどんどん上げていく。昔はここを歩いたんだよ!っていうアナウンスが流れてたりしたけど、昔の人はすごいよね、、。室堂に行くのに2日もかけたとは。。それが今じゃ1時間半ほどです。文明の力にひたすら感謝!

写真はロープウェイからは見えた後立山連峰の風景。左奥のでかい山が鹿島槍ヶ岳です。昨年の苦い思い出の1つ。。。

 

その後も、またトロリーバスに乗り継いで、午前9時20分―――

 

ようやく室堂に到着!いや、やっぱり時間かかったね。扇沢から2時間近くかかりました。

それでも、いきなり目の前に広がるこの景色!!お金と時間をかけてきた苦労が一気に報われる瞬間。

 

正面に広がる立山連峰。5月に来た時は雪景色で全く違う雰囲気だったから、感覚としては初めて来た場所に感じる。目の前に広がる大自然、とにかく素晴らしい!

ちなみに、この時点ですでに標高2450mあります。

 

今日の予定は立山三山を回って、剱沢キャンプ場に宿泊。距離的にはそんなに長くはないので、ゆっくりスタート。

写真左が立山の主峰・雄山。時間もあるので、一気に雄山へは向かわず右の浄土山から登ることにしました。

 

途中を右に折れて浄土山方面へ。立山三山を縦走するだけなら直進して一ノ越方面へ進めばいいですが、浄土山からの眺めがなかなか良かったので、時間があれば寄ってみることをおススメします。

ちなみに真ん中の標識、3連休だけあって山小屋はどこもいっぱい。。予約者以外は宿泊できないとのこと。3連休恐るべし。。。

 

浄土山へは写真の標柱を左に折れてガレ場を一気に登ります。遊歩道を直進すれば五色ヶ原方面へ。

 

登りながら後ろを振り返ってみると、室堂を一望。赤い建物がホテル立山、バスターミナルです。奥に見える山が奥大日岳。あの山へいたる稜線も素晴らしかったので、後ほど書きます。

 

浄土山までの登り、、、実はかなりバテちゃって大変でした。日差し強くて暑すぎたのもあるけど、重い荷物が久しぶりだったからか。。。なんせ、テント泊はあの7月の忘れもしない双六~笠ヶ岳以来なんでね、、、

 

思った以上に時間かかってしまいつつ、何とかピークに到着。体感的には今年一番ってくらいの暑さでした。

写真は山頂に建てられていた軍人霊碑。室堂のにぎやかさが嘘のように誰もいない山頂でした。

 

この山からの立山連峰がまた見事!

これから歩く立山三山と、左奥に見えるのが今回の一番の目的である剱岳。どれも山肌綺麗でかっこえぇ!

ただ、浄土山から見てほしい展望はこっちではなくて、むしろ南西側の展望。

 

それがこちら。断崖絶壁のように切れ落ちた右の部分は立山カルデラ。その上に広がる高原が五色ヶ原。さらに正面奥に見える高い山が薬師岳。

立山連峰よりは地味に感じるかもしれないけど、山の陰影がとても綺麗でこれはこれで絶景!

 

さらに南には槍ヶ岳(写真左)と笠ヶ岳(写真右)。以前は北アルプスの南部は槍ヶ岳くらいしか気にしてなかったけど、笠ヶ岳を登ってからはやたら笠ヶ岳を探すようになった。そして、独特な形をしているので意外と見つけやすい(笑)

一度登った山ってのは、やっぱり思い入れもできて印象が変わるもんです。

 

次はいよいよ立山の主峰・雄山へ。いったん一ノ越まで下って、そこから登り返しになります。地味にこのアップダウンもきつかったな。。

この下り坂、浮石が結構あったのでお気をつけてくだされ。

 

一ノ越山荘到着。雄山山頂が見えているので近く感じるけど、あそこまで登るのに1時間近くかかります。自分はバテてたので、もう少しかかった気がする。。

 

登山道はゴロゴロした岩だらけ。傍から見るより斜面も急。

ホテルに泊まってた観光客の方も雄山までは皆さん登るらしく、なかなか混雑してました。テント泊装備は逆に少なかったな。

 

すれ違いで立ち止まっては室堂をボーっと眺めて休憩。ここは富山県。山の向こう側はもう日本海です。

 

近いようで遠い山頂、、、何より日差しが暑い。。観光客の身軽な姿が羨ましく感じたぜ、、

 

12時過ぎ、どうにか雄山山頂に到着。水分の消費量が尋常じゃなかった。。。体感的には日中の気温はまだまだ真夏と変わらなかった。

山頂には雄山神社があって、この小屋は御守りなどが売ってる売店になります。立派な三角点もあり。

 

こちらが雄山神社。富士山、白山と合わせて日本三霊山に数えられる立山。先週登った御嶽山も三霊山に含めて紹介されることもあるそうです。

参拝には500円かかるのですが、せっかくなので山頂まで行ってみることに。

で、特に何も考えずに受付でお金を払うと、、、、

 

「ちょうど始まりました、お急ぎください」

 

おっ!?なんだなんだ??

 

と思いつつ、山頂に行ってみると、、、

 

ちょうど神主さんによるご祈祷が始まるところでした。何か偶然だったけど、ラッキー!w

仲間に入れてもらい、祝詞を受け二礼二拍手の神式に参加。お祓いもしてもらいました。今年一年、どうか無事に山登れますように、、、。

そうそう、なんたってこの立山が28歳最初の登山なんでね。幸先良いスタートが切れそうな予感がしたな。

 

神主さんによる談話。正直、長居するつもりはあまりなかったんだけど、結構面白い話が聞けました。

例えば雄山の本当の山頂、それは、、、

 

ピンクシャツの方の右ひざあたりにある大きな石、これが本当の山頂と言われているそうな。

他の丸っこい石はよく見ると名前が彫ってあって、これは山の麓に住む人たちが祈願をこめて置いたんだとか。もともと山頂にはなかった石らしいです。

 

最後に清めの盃を一杯いただく。実は、登山中のお酒は控えているんだけど、ここでは軽く頂きました。(グビッ!っとね)

 

予想以上に足止めになっちゃいましたが、タイミングよくご祈祷に立ち会えて貴重な体験できました。景気づけにもなったってことで、気分を新たに先へ進む。

ここからしばらくは、穏やかな稜線の縦走路になります。

 

右の手前2つが残りの大汝山と富士ノ折立。目と鼻の先なんで、ここはすぐ。

 

まず大汝山。標高3015m、立山三山の中では最高峰になります。山頂は狭い岩場。

 

山頂から黒部湖を一望、正面には針ノ木岳。さらに手前の雪は、2012年に認定された氷河の一部です。

 

すぐそばにあった大汝休憩所。原則宿泊はできない山小屋。休憩時のみの利用で、水場はないけど飲み物は売ってました。

 

お次は富士ノ折立。見た目は鋭そうに見えますが、簡単に登れます。

 

こちらも狭い岩場の山頂。標高は2999m。剱岳と同じ標高です。

 

時刻は13時過ぎ、ちょっと遅れ気味なので休まず先へ。ここから先は別山まで真っ白な稜線を歩いて行きます。

 

途中、真砂岳を越えて行くのですが、間違って内蔵助山荘の方面へ行かないようにだけ注意。

あとは緩やかな稜線がしばらく続く。ここは歩いていて気持ちよかったなぁ~

 

稜線を登りきったところが別山。本日最後の登り坂、頑張りませぅ!

 

天気はこれ以上ないくらいの快晴。その分、ものすごい日差しなのでとにかく暑かった。。。

今回自分が歩いたルートで注意しなきゃいけないのが、途中に水場が1つもないんだよね。山荘はあるから飲み物買うか、初めにしっかり持っておくか。。2.0Lでも足りないくらい水分奪われたぜ。。

 

周りの山を見ると、上のほうから徐々に紅葉が始まってました。この日に発表があったけど、涸沢の紅葉は10月の第1週目がピークらしいですな。

 

坂を登りきって、15時ごろにようやく別山に到着。

そして、ここにきてようやくその全貌を現したのが、、、

 

岩の殿堂、剱岳!!うわさ通りの岩の山。どこから登るのか、ここから見ただけじゃよくわかんない。。

 

室堂の方を見ると、空に綺麗な一筋の線が。。。薄い雲の層(?)ができて不思議な光景でした。

 

こちらはずっと歩いてきた稜線。距離はそこまで長くないはずなのに、地味なアップダウンでそこそこ疲れました。遠くの方に富士山のような山が見えるけど、、、もう言わなくてもわかるよね?笑

 

さらに後立山連峰。大好きな白馬岳の姿もはっきり見えました。

この日はピークをたくさん踏んだけど、展望で言えばこの別山が断トツに素晴らしかったです。

 

ようやく見えた剱沢キャンプ場。見ての通り、だいぶ陽が西に傾いてしまいましたが、まだ思ったよりも空いてました。

 

浮石に注意しつつ、斜面を下ってテント場へ。初夏の時期であれば、テント場手前には御花畑が広がっています。チングルマがひっそりと咲いて秋を感じさせた……

 

16時ごろ、目的地の剱沢キャンプ場に到着。なかなか広いキャンプ場。そして目の前に剱岳という、とてつもないロケーションのテント場。

早速受け付けを済ませてテント設営。このテント場の中央にある水道は要煮沸なので、そのまま飲まないように注意してくだされ。

あと、受付はあくまで管理事務所なので売店とかはなし。飲み物買うなら、5分くらい下った剱澤小屋へ行かなければならないので、これが少し面倒。。

 

剱澤小屋の前にある有名な標識。コーラを買ったついでにパシャリ。

岩と雪の殿堂「剱岳」。距離的にはそこまで遠くなさそうだけど、あの山頂までは結構時間がかかる。。

 

ちょっと拡大してみる。夕日に照らされてカッコいいっすな。

写真左のピークが前剱。そこを越えてから、本丸へ登って行くことになります。

 

渋滞をなるべく避けたいので、一応翌朝は4時半ごろ出発予定。順調にいけば往復5時間半。

ほんのちょっと不安もあるけど、テントを置いて軽身で行けるしまぁ大丈夫でしょ!膝も特に違和感ないし、、、

さっさと夕食を食べて、18時ごろには寝てたかな。なかなか疲れてたので一瞬で落ちましたとさ。

 

 

こんな感じで1日目終了。とりあえず、今回の記事はここまで。

1日目の立山三山縦走、雲もほとんどない今年の夏一番の快晴で、素晴らしい立山の山脈を堪能できました。個人的には別山が一押しだったね。そこにいたる稜線と山頂からの360℃の展望、言うことなしでした!

無事に楽しく終われた1日目。雄山神社で安全祈願もしたし、まぁそんなに構えなくても大丈夫でしょ剱岳。(なんて思ってたりもしたっけか、この時は……)

 

ということで、次回は2日目の剱岳編へ~

 

待ってろよ、剱岳!!

※コカ・コーラの提供でお送りしました

 

2日目の剱岳編に続く、、、)

 

【 参考コースタイム】

2013年9月20日 晴れ

室堂(9:20) — 浄土山(10:40) — 雄山(12:15) — 大汝山(12:55) — 富士ノ折立(13:15) — 別山(14:55) — 剱沢キャンプ場(15:55)

 

 

 

 

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