4月のGWに群馬・栃木の県境にある袈裟丸山(けさまるやま)へ日帰り登山に行ってきました。
コースは折場登山口からの往復。お目当てのアカヤシオは見頃を迎えていて、群生地がいたるところにありました。
展望もかなり良くて、草原の稜線や山頂からは日光や谷川方面の山を一望!全体を通して気持ちよく歩けました。
2023年のゴールデンウィーク登山は花と雪。
前半の花編は群馬・栃木の県境にある袈裟丸山(けさまるやま)。標高1961m、日本三百名山にも選定されている山です。
この山が雑誌なんかで紹介されるときは、だいたいツツジのシーズン。特にアカヤシオの名所として有名で、開花は例年4月下旬から5月にかけて。登山者もこの時期にほとんど集中するそうです。
そんな人気絶頂期の山に行ってきました。
2023年4月29日 袈裟丸山 アカヤシオ登山
ゴールデンウィーク初日の4月29日。
連休中の天気予報はまずます。前半は割と恵まれた年だったんじゃないかなと思います。
スタート地点は折場登山口。袈裟丸山の登山口はいくつかありますが、おそらくここから登る人が一番多いと思います。
登山口の駐車場は朝の7時過ぎですでに満車。路駐も発生している状況でしたが、運よく駐車場わきのスペースが空いていたので停められました。
これほど混雑するのもアカヤシオのシーズンくらいだそうです。みんな狙ってるんですね。
屋根付きの休憩ベンチの奥にトイレありました。
折場登山口からスタート。
袈裟丸山に登るのは今回が初めてなので、この先の行く道は全然わからない。初見の山って、それだけでワクワクします。
このコース、最初に言ってしまうとかなり展望に恵まれた道が続きます。
最初こそ樹林帯の中を歩きますが、4月下旬の時期はまだ枯れ木も多く、日差しが降り注いで明るい。
紫色のミツバツツジもチラホラ咲いていました。
そして歩き始めて割とすぐに展望が開けます。
ここが最初の絶景スポット。
笹の草原風景、その先に見えているのが袈裟丸山の目指す山頂。
見ての通り緩やかな尾根が連なる山容。実際、登山道も急登と呼べる箇所が少なく、全体的に気持ち良く歩けます。
ここは群馬県沼田市と栃木県日光市の境目にある山。
この笹の稜線風景なんかは日光の山にありそうな感じ。社山あたりと近しい雰囲気感じます。
展望の良い笹の坂道を登り終えると、道はしばらく平坦になります。
平原のように広い尾根道。
ここからが本日のメインどころです。
登り始めて1時間もしないうちに、早くもアカヤシオがポツポツと咲き始めました。
2023年はツツジの当たり年だったようで、前週の関八州見晴台のヤマツツジに続いて、違う品種のツツジを楽しめました。
クライマックスはこの翌月に見たシロヤシオの群生。それはまた後ほど。
この平坦な道はしばらく続きます。
横に広くて開放感もあるので、歩いていて非常に気持ち良い。日中の気温も暑くもなく寒くもなく、不快指数ゼロです。
途中にあった岩が点在したポイント。ここが賽の河原。
ここの周りにもアカヤシオが咲いています。
道中、こんな感じの開けたポイントがたくさんあるので、休憩場所には困らないです。
進むにつれてアカヤシオの数もどんどん増えていく。
枯れ木が立ち並ぶから、そこに咲くアカヤシオのピンクが余計際立ってます。
アカヤシオの群生ゾーンに突入。
開花状況としては見頃を迎えていて、部分的に満開の樹もありました。これだけ広範囲にアカヤシオが咲く山ってあまり見たことがないです。
平坦な尾根道が終わってこの坂を一登りすると、本日1つ目のピークに到着します。
小丸山に到着。標高は1676m。
ここからの眺めがまた素晴らしかったです。
前方に見えているのが目指す袈裟丸山。袈裟丸山というのは複数の峰の総称で、一般的に目指すのは一番左の前袈裟丸山。そこから右に、中袈裟丸山、後袈裟丸山、奥袈裟丸山(最高峰)と続いて行くのですが、前袈裟丸山以降は登山道の崩落が激しく、一般ルートはないようなものです。
なので、前袈裟丸山に登れば「袈裟丸山に登ってやったぜ!」と言っていいはず。
日光方面の山も一望。
正面奥に見えている雪をかぶった山は日光白根山。仲間内では最初は日光白根山に行くつもりだったのですが、今回の旅の案内人であるお初のけーすけの提案で袈裟丸山に変更。
いやいや、この山は旬なのに完全に盲点だった。良き山をチョイスしてくれて感謝。
小丸山の山頂も広くて、休憩するにはもってこいの場所です。
このルートは本当に休憩場所には困らない。
ここからいったん道は下り。
この坂が帰りは若干ツライところかもしれません。
下ったところにあったのが小さい避難小屋とトイレ。
テント場と言ってもいいくらいの、キャンプができそうな開放的な空間が広がっていました。
ここから先が登り返し。
本日唯一の急登ポイントがここです。太ももパンパンになるかもしれませんが、この先に大展望が待っていると思って頑張りましょう。
ある程度登ると森林限界に近しい雰囲気になって、周りを遮る樹々も一気に減ります。
こういった笹原と枯れ木の風景は、いかにも足尾山地という感じ。この界隈特有の風景かもしれません。
そして稜線からの展望が素晴らしい!
見渡す南側は雲海。何か名峰が見えるってわけじゃないですが、ここがいかに山深い場所かというのが如実に感じ取れる景色です。
街なんかは一切見えない。アクセス面もそこまで良いわけではないので、ひとたび山に入ってしまえば、これでもかと山の風景を楽しめます。
こうして午前10時過ぎ、袈裟丸山(前袈裟丸山)に到着。
登山口からだいたい3時間でした。
山頂からの展望も良いですが、尾瀬方面を眺めたいならここから少し先へ行ったところに展望台があります。
そこに向かうまでの注意看板。
前袈裟丸山から後袈裟丸山までは風化が激しく通れませんよ、と。
展望台はこの看板のすぐ先なので大丈夫です。
絶好の展望地がこちらの突き出た岩場。
稜線伝いに後袈裟丸山、奥袈裟丸山が見え、さらにその奥には足尾山地の盟主・皇海山と続いて行きます。
皇海山、なんか久しぶりに見た気がする。
それ以上に目が行くのは西側の展望。
群馬県の谷川岳方面の山々。ここ袈裟丸山には雪が全くないですが、あちらはまだまだ真っ白。
そこまで距離は離れてないのに、こうも雪の降り方が違うもんかね。
山頂でしばし休憩。
ここの山頂も広く、傍らには芝生も用意されているので休憩するには最高です。
袈裟丸山、無事に初登頂。
けさまるやま……。この山に登るのを「ケサる」と言ったり言わなかったり。皆さんも興味があればケサってみてください。
昼頃から天気が崩れる予報だったのですが、結局この日は夕方まで天気が持ってくれました。
雨の心配もなくなり、ゆっくり笹の尾根道を下山します。
序盤のアカヤシオゾーンまで戻ってきました。
ちょっと意外だったのが、アカヤシオの開花状況。
「なんか、登ってきた時より咲いてないか?」と仲間内で話すほど、行きよりもアカヤシオの花が格段に増えているように見えました。
写真で見返しても、確かに増えている気がする。
暖かい日差しのもと、この数時間で一気に開花したのだろうか。
「ここ、こんなに咲いてたっけ?」というポイントが多数。アカヤシオは登ってきた時よりも下山時の方が格段に楽しめました。
これぞケサ・マジック。
パワーアップしたアカヤシオを楽しみつつ、中盤の平坦な道はやっぱり歩きやすい。
YamapのGPS記録を見ると全行程で高低差1000mあったようですが、とてもそんなに登ったとは思えないほど緩やかに感じられました。
下山時のアカヤシオの咲きっぷりが凄まじかった。
ここは確かにアカヤシオの名所でした。ここまで広範囲に咲いている山も早々ないだろうし、この時期に登山者が集中するのもよくわかりました。
登り終えて見つめる袈裟丸山。
この序盤の展望地も好きな場所でした。映っているのは全員他の登山者ですが、黄昏てる後姿がカッコいいぜ。
どっかり腰を落として眺めたくなる気持ち、わかるわ。
こうして13時に折場登山口に下山完了。
帰りがけにはるか下まで路駐が続いていたのを見て、この山のツツジシーズンの人気っぷりを改めて知りました。
下山後の温泉は少し車を走らせて、足尾の天然温泉「国民宿舎かじか荘」へ。
ここは何を隠そう、あの皇海山の登山口でもある温泉。だいぶ昔に一度来たことがありますが、もうすっかり忘れてしまっていた場所でした。
温泉、気持ち良かったです。
袈裟丸山のアカヤシオ。
さすが名所なだけあって、シーズン中に訪れればかなりの群生に出会うことができます。
登山道も全体的によく整備されて非常に歩きやすかったです。展望も申し分なし!
満開のタイミングを狙って、ぜひともケサってみてください。
【日程】
2023年4月29日
【コースタイム】
7:20 折場登山口
8:20 賽の河原
9:20 小丸山
10:20 袈裟丸山(前袈裟丸山)
11:20 小丸山
13:00 折場登山口
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