冬の四阿山へ日帰りで雪山登山に行ってきました。
ルートはあずまや高原ホテルからの往復。日の出前からスタートし、牧場の雪原で迎えた朝焼けと浅間山の展望が最初の絶景ポイントでした。
残雪期のような少雪と暖かさでしたが、山頂直下には樹氷も残っていて、真っ白な北アルプスの山並みも素晴らしかったです。
実に7年ぶり2度目の四阿山へ。
当時の記事(文章が稚拙すぎる……)を読み返せば、ある程度の山行の行程は振り返れますが、やはり7年も月日が経つと忘れている部分も多々あり。
四阿山は「今年の行きたい雪山リスト」に名を連ねておりました。
そんな中でお誘いがあって向かった今回の登山。暖冬少雪の2020年、しかも3月に入って春の兆しも感じられる陽気の中、前回に比べると雪は格段に少なかったですが、それでも目にした景色は素晴らしいものがありました。
コンディションとしてはほぼ残雪期、今シーズンの雪山登山もあと数回で終了かな……
2020年3月7日 四阿山 日帰り雪山登山
長野県と群馬県にまたがる日本百名山の1つ「四阿山」。あずまやさん、って読みます。登山を趣味に持つことがなければ、おそらく読めなかったであろう山名の1つです。
標高は2354m。ルートはいくつかありますが、最短で登れて一番人気となっているのがあずまや高原ホテル(あずまや温泉)からのルート。7年前と同じく、今回もこのコースで行きました。
まだ星空が綺麗な早朝5時前にあずまや高原ホテルの登山者用駐車場に到着。
ここで現地在住のお仲間さんとも合流し、スタートしたのは5時40分。まだ空が白み始めて間もない時刻で薄暗かったです。
ということで、これは下山後に撮った写真。
まずは林道を道なりに進んで行きます。右に見える建物があずまや高原ホテル。日帰り入浴も受け付けていますが、1000円と少し割高。自分たちは市街地まで下りて別の温泉に入りました。
7年前と比べて歴然と違ったのが、まずこのスタート時。アスファルトが見えてるなんてことはなく、前回はいきなり降り積もった雪道からのスタートでした。
しばらく進んで、このゲートのような脇を通過。小さいですが標識もあります。
ここら辺でようやく雪が出てきてくれました。
ここから実際の時系列の写真。
6時頃になってようやく登山道も明るくなってきました。今回は朝焼けを見る目的でこうしてスタートを早めましたが、すでに先行しているグループが2,3組いた模様。
真新しいトレースができていました。
夜と朝が共存するこの時間帯の空はグラデーション模様になって本当に綺麗。
秒単位で空の色が変わっていくから、写真を撮っていても面白い。
歩き始めて20分ほどで牧草地に到着。
冬時期なので牛の姿はないですが、景色が突然開けてあたり一面が雪原風景へと変わります。
標高はすでに1600mほどの地点。視界が開けるということはそこには絶景が待っていて、後ろを振り返れば朝焼けに染まる綺麗な山並み。
山域の規模的には八ヶ岳にも見えますが、こちらは浅間山。一番左奥が浅間山で、右側は湯ノ丸山とか。
この四阿山登山では浅間山の展望も見所の1つになっています。
正面奥にぼんやりと浮かぶ平らな台地は美ヶ原。
冬場は絶好のスノーシューフィールドとなる美ヶ原ですが、今年の冬は十分には積もらなかったのか、黒々としてました。
1本の樹が妙に絵になっている雪原、そこを突っ切るトレース。夏ルートは牧草脇を迂回するように進んで行くルートですが、冬場はみんな思い思いに雪原を歩き回るようですね。
方向としては左奥に進んで行く感じです。
もう間もなくご来光という時刻。
山の向こうから今にも昇ってきそうな太陽の光が神々しかった。
広大な雪原脇を登っていく。
傾斜はまだまだ緩く、足慣らしにはちょうどいい感じ。この雪原も一部では草が見えてしまっているあたり、今年の少雪具合がうかがえます。
雪原のウェーブ
風雪にさらされて造られる雪の造形っていうのも良く見ると面白い。
牧場脇の登山道に入って、しばらくは一直線に登っていく。
雪が少ないおかげで牧場の仕切りも見えて登山道が明確でした。確か7年前はここら辺からすでにルートを手探りで進んで行く感じだった気がする。
西側を見れば真っ白な北アルプスの山脈を一望!
横にずらーっと並んだ名峰群、雪を纏って白く輝く姿っていうのはやはり壮観です。あちらにも朝日が届いて、肉眼ではモルゲンロートのように少し赤く染まっているようにも見えました。
登山道には所々にこんな標識があるので順路の目印にしてください。
ピンクテープも割とあったと思います。
雪原から樹林帯に入って、ようやく太陽とご対面。
照りつける朝日がまぶしく、暖かかったです。
登山道が一層明るくなった四阿山の森を進んで行く。
ここら辺は冷え込んだ厳冬期であれば、霧氷が綺麗に広がりそう。
進むにつれて、北アルプスのさらに北に北信五岳の面々も見えてきました。
右の尖がった山は高妻山。
そしてさらに見えてきたのが対面の尾根、そのすぐ奥に見える白い山。
あちらが1ヶ月前に登った根子岳。四阿山のすぐ隣にある山で、やろうと思えば積雪時期でも根子岳~四阿山を日帰りで周回できます。
8合目の岩に到着。
この岩もおそらく前回は雪の下に埋まっていたはず。そもそも〇合目とカウントする山だというのを、今回初めて知りました。
登りの時には気づかなかったですが、この手前には7合目の標識もちゃんとありました。
ある程度登ると樹林帯も抜けて開放感ある展望。
ここら辺のガレ場なんかも、前回登った時は全く踏んだ記憶がないから、やっぱり雪は格段に少ないんですね。
朝日に照らされる浅間山。
活火山の独立峰としての印象が強いので、どうしてもこう山が連なっていると八ヶ岳のように見えて浅間山っぽく見えない。
写真右奥に小さく見える山々が本物の八ヶ岳です。
南北に長く壁のように連なる北アルプス。
天気予報通り、西から少しずつ薄い雲が出てきました。
菅平牧場コースとの分岐点に到着。
周りの樹々も消えてさらし状態になりますが、風が弱くて何より暖かい。この日は11時ごろには下山してしまうのですが、午後になると霞も強くなってきて、着実に春が近づいているのを感じました。
雪原を登り、その先に見えてきたのが四阿山のピーク。
右奥の尖った峰が山頂です。
そして、ここら辺まで登ってきてようやく表れたのが樹氷。
冬の四阿山の名物と言えばやっぱり樹氷ですな。先月の根子岳に比べたら雪の付き具合は全然だけど、雪原に点在するクリスマスツリーは綺麗でした。
緩やかな斜面をのんびり登っていく。
あずまや高原ホテルからのルートの場合、ひたすら登りが続きますが、急登と呼べる箇所が全くないのが四阿山。この山にピッケルは不要です。
降雪直後であればラッセル必至なので、スノーシューやワカンを持ってきましょう。モフモフワールドを楽しめます。
こんな感じで雪が多いところはバフバフ踏み荒らして行けます。
7年前の自分も買い立てのスノーシューつけて必死にラッセルしたのを覚えてます。今回はトレースがあったので、スノーシューどころかアイゼンも何もつけずに登れてしまいましたが。
モフモフ~
スノーシューつけて登っている人、多かったです。というか、すれ違う人大半がスノーシューだった気がします。
稜線に到着し、ようやく見えた四阿山。
こんな感じで尖がっているので、すごくわかりやすい山頂。これぞ「ピーク」って感じでいいですな。
山頂へと続くビクトリーロード。
この部分だけは良く覚えてる!7年前は確かここら辺まで登ってきてようやく晴れてきたんだっけか。さらにラッセル続きだったので、ピークが迫ってきたときは嬉しかった記憶があります。
気持ちが昂った瞬間っていうのは、やっぱりよく覚えているもんですね。
西側を見れば、真横には北信五岳の山々。妙高山や火打山も見えてきました。
手前に見える少し低い山が、1ヶ月前に登った根子岳。まさか今シーズンに根子岳と四阿山を2回に分けて登ることになるとは思わなかった。
どちらも共通しているのは、山容が穏やかでアイゼンよりもスノーシューが本領発揮する雪山登山ができること。あとは樹氷が綺麗なことか。
根子岳に登った時に見上げていた四阿山の山頂、そこを目指して最後のビクトリーロードを登る。
ここら辺も積雪は十分にありました。
横幅が狭く細い四阿山の山頂。
標高2354m、四阿山の山頂に到着。7年ぶりの登頂フィニッシュ。
時刻はまだ朝の8時40分、普段の休みであれば間違いなく寝ている時間帯。登山口駐車場からちょうど3時間でした。
山頂に立って初めて目にすることのできる北側の景色。
志賀高原、草津など新潟方面の展望。見渡す限り、こちら側には山しかない。
右奥に小さく見える尖った山は何じゃろか……(新潟方面の山座同定よくわからん)
→Twitterから親切な方が教えてくれて岩菅山のようでした。ありがとうございましたmm
こちらは浅間山。
山頂まで来てようやく浅間山らしい火山の形をした姿を見ることができました。そして火山の頭頂部が真っ白。肉眼では噴煙と思われる白い煙もうっすらと見えました。
まだ朝の早い時間帯だったので、到着時は自分たちしかいない静かな山頂でした。
四阿山の山頂は縦長で横幅が狭いので注意。両側は結構切れ落ちてますぜ。
四阿山から望む根子岳とその背後に見える北信五岳&北アルプス。
根子岳、標高こそ四阿山より低いですが、スノーシュー登山するにはかなりおすすめ。スキー場のリフトを使えるので、四阿山よりも楽に登れるし、北アルプスをより間近で見ることができます。
四阿山から根子岳の稜線。グッとえぐれて登り返すことになるので、根子岳~四阿山の周回はやや時間かかりそう。
雪のないグリーンシーズンに歩いてみたいと思います。
山頂で休んでいると、次々と登山者が登ってきました。
到着時は4、5台しか停まっていなかった登山口の駐車場も、下りてみたら路駐が長く発生するほどに混んでました。
四阿山、比較的登りやすい雪山とあって人気ですね。
ところで、こちらは同行者たち(2人)のカメラ&レンズ一式。おかしい、人間の数より明らかにカメラの数の方が多い……
カメラとレンズだけで、自分の登山装備重量超えてたわ。取材か!っていうくらいのラインナップですが、あくまで趣味。こんな重たい荷物を抱えて登るとは、かなり鍛えられそう。
周りの登山者もこれ見て笑ってたわ(笑)
そんな自慢のカメラで撮影に勤しむ赤さん。
風もなく穏やかなコンディションとあって、山頂で長居するのもちょうど良かったです。
薄い雲が広がる空では太陽の周りに虹ができる暈(ハロ現象)も見れました。
暈って雨の前兆だっけ?
この日の天気は予報に反して午後も天気が良く、各地で登山日和だったようです。この暈の写真もたくさんアップされていました。
9時を過ぎて登ってくる人の数も増えてきたので、頃合いを見計らって下山開始。飲んだくれた日の翌日なんかは、おそらくまだ寝ている時間帯。登山をする休日は健康的な生活になれますね。
ビクトリーロードを下っていきます。
気温もどんどん上昇して樹氷の雪もみるみる溶けてました。
氷柱を見て、「そういえば今年は雲竜渓谷の話題が全くなかったな」と思った。
曇り空の下で見る樹氷も、それはそれで味わい深い。
空模様が少し変わるだけで、景色も違って見えますね。
四阿山の樹氷と浅間山
帰りは来た道をそのまま戻ります。
雪室も柔らかく凍結箇所もほとんどなかったので、下山時も結局アイゼンは使わずに済みました。
下山はあっという間。1時間ほどで牧場まで下りてきました。
陽が陰って心配だった北アルプスも、再び天気回復傾向。
白馬あたりに日が当たって、煌々と白く輝いていました。今シーズンの冬山は、やたら北アルプスを見た気がします。
太陽のハロの輪っかを頭上に従え、牧場も下っていく。
写真にはあまり映っていないですが、この日は本当に登山者が多くて、30人以上とはすれ違ったんじゃないかってくらい。
牧場から四阿山を振り返る。
山も黒々、雪原もはげかかってきているあたり、もうそろそろ雪山も終了ですかね。
最後は道なりに駐車場まで歩いて行ってこの日の登山も終了。
まだ時刻は11時、半日登山でございました。
帰ってきてみて駐車場の盛況っぷりに驚く。ここに停められず路駐している車もたくさんありました。
下山後の温泉はあずまや高原ホテルを利用しようかと思ったのすが、日帰り入浴1000円らしいのでやめました。下山後の温泉、できれば3桁で収めたいんだ。(外来入浴は11時~16時となってました)
麓の町まで移動して、真田温泉・ふれあいさなだ館に入りました。
日帰り入浴500円、露天風呂あり。浴場も広めで綺麗だったのでおすすめです。
風呂上がりに同行者お勧めのつけ麺屋「ふじもりやめんめん」でつけ麺を食して、今回の登山も完パケでございます。
お疲れさまでした。
冬終わり間近の四阿山。雪山登山としてはやや雪が少なめだったかもしれませんが、それなりにモフモフ楽しめたし樹氷も見れたので、これはこれで楽しかったです。
個人的には朝早くから登ったおかげで見れた、雪原からの朝焼けが一番でした。
傾斜も比較的緩やかな山なので、スノーシュー登山にはかなりお勧めです。展望もいいし日帰りで登れるので、四阿山へはまた遊びに来ようと思います。
【日程】
2020年3月7日
【コースタイム】
5:40 あずまや高原ホテル
7:40 八合目
8:40 四阿山
11:05 あずまや高原ホテル
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