高尾の木下沢梅林(こげさわばいりん)と八王子城山へ日帰り登山に行ってきました。
3月上旬から中旬にかけて、高尾では梅が満開となる季節。梅まつりが開催されて、高尾駅から徒歩で色々な梅の名所を巡ることができます。
中でも有名なのが木下沢梅林。この時期だけ一般開放され、約1400本もの紅梅・白梅の木が満開となる光景は圧巻です!
北高尾や景信山、高尾山など、ハイキングコースも豊富で登山と合わせて楽しむことができます。
東京都内から最も身近な登山エリア、高尾。
山を始める前は高尾山くらいしかその存在を知りませんでしたが、毎年のように訪れているうちに色々な山があることを知り、今では歩いたコースもだいぶ増えてきました。
それでもまだ行っていない場所は結構あって、今回の木下沢梅林や北高尾山稜も初めて。
高尾の持つポテンシャルをまた1つ発見しました。
2023年3月11日 木下沢梅林~八王子城山登山
スタートはいつも通り高尾駅。
今回の目的は木下沢梅林で、その後のルートをどう組むか迷いましたが、せっかくなのでいまだに歩いたことがない北高尾山稜の八王子城山とつなげることにしました。
朝9時過ぎの高尾駅。
木下沢梅林の開放時間が午前10時からだったので、かなりゆっくり目のスタートです。
この日は絶賛梅まつり開催中。梅の花を求めて、いつも以上に高尾駅が賑わっていた気がします。
駅周辺には高尾梅林という梅の名所がいくつも点在していて、半日ハイキングには打ってつけ。それらを巡るスタンプラリーイベントも開かれていました。
駅からバスに乗って木下沢梅林へ直行することもできますが、道すがらにもたくさんの梅林を見て回れるので、ここは歩いて行くのをお勧めします。
「梅まつり」らしく出店などもあったり、街全体がお祭りムード。
祭りを心ゆくまで堪能したいなら、登山を先に済ませて下山後にゆっくり梅林を回るというコース取りもありかもしれません。
最初に唸る梅の景色を見せてくれたのが天神梅林。
高尾駅から徒歩30分ほどでした。
背丈をちょうど覆うくらいの樹々が見事に咲き誇り、梅のアーチを作っていました。
ここだけでもすごいけど、これくらいの梅林がこの後いくつも出てきます。
高尾梅の里まちの広場。
公園のようになっていて、ここにも出店がありました。
トイレもあり。
こんな感じで道路脇もビッシリと梅の花が咲いています。
木下沢梅林はまだまだ先。
その後もいくつかの梅林エリアがありつつ、特に凄かったのがするさし梅林。
真っ白な梅がどれも満開で、青空の下で輝く様に咲いていました。
傍から見れば霧氷のようにも見えなくはない。
満開の梅の花
桃源郷のような花の広場がたくさんあります。
思えば、梅の季節に高尾に来たのが今回初めてでしたが、これを見ずに偉そうに高尾の何たるかを語っていたのがちょっと恥ずかしくなる。
高尾のハイシーズンはもしかしたら梅の時期かもしれません。街を上げてプロモーションしているのも納得です。
途中に行列ができる店がありました。するさしの豆腐屋さん。
おからドーナツというのが気になったので、食べられた方は食レポお願いします。
不思議なモニュメント、というか残骸……?
石膏の美術品のような何かが乱雑に置かれていました。
夜見たら怖そう……。
こうして駅から歩くこと1時間半。お目当ての木下沢梅林(こげさわばいりん)に到着。
途中寄り道したので少し時間かかりましたが、直線距離では駅から1時間程で歩いて来れると思います。
協力金を500円を支払って入場。
そして飛び込む梅の世界。
見上げるところほぼすべてが梅の花。
ちょうど見頃を迎えていて、満開でございます。
山の斜面に沿って梅の木が植えられていて、遊歩道を登るように園内を見て回れます。
梅のトンネルがどこまでも続く。
上まで登ってくると、芝生が敷かれた庭園に梅という梅の花が咲き乱れていました。
ベンチもあって休憩できるようになっているので、お花見するには打ってつけの場所。
凄まじい咲きっぷり!
ここまでいくつもの梅林を巡ってきましたが、高尾でも一番人気の梅林とあって梅の数は桁違い。
まさに圧倒される景色。ここまで梅に包まれる光景というのは、ちょっと記憶にない。
真っ白く輝く様が、本当に霧氷のようにも見える。
春爛漫の美しい景色です。
桜にも見えるけど桜じゃないよ、梅だよ。
脚をいったん休めて、木下沢梅林をしばし満喫。
この木下沢梅林のすぐ横には中央道が走っているのですが、シーズン中であれば高速道路からもこの木下沢梅林の群生っぷりを見ることができます。
昨年の蓼科山の登山帰り、中央道の上り線から満開の梅の花が見えていたのですが、なるほどそれがこの木下沢梅林だったのかと、一人納得してました。
凄まじい規模の梅の花が咲く、高尾の木下沢梅林でした。
ここは紛れもなく梅の名所なので、ぜひ訪れてみてください。
園内の外からは紅、白織り交ざって咲いている風景を見れるので、これまた綺麗。
高尾駅から始まった梅のお花見ハイキングも、これでいったん一区切りです。
入口脇のこの道を進んで行くと登山道へ入っていけるので、そちらへ進んで行きます。
木下沢梅林を離れると一気に静かに。
しばらく平坦な道を歩いて行き、気を引き締めての登山編。
20分くらい歩くと小下沢の分岐に到着。
高尾の森作業小屋という大きめの小屋がありました。山小屋や売店の類ではないですが、かつてキャンプ場だった場所らしいので、かなり広々とした空間が広がっていました。
森の中のちょっとしたオアシスという感じ。雰囲気は悪くないです。
ここからが分岐点。
左に行けば景信山、右に行けば狐塚峠を経ての八王子城山。
初めてゆく北高尾山陵を目指して、右へ進路を切ります。
本日最初の登り坂。そして、本日一番しんどいところ。
狐塚峠までの約20分、ひたすら急登が続きます。
先ほどまで堪能していた梅の甘い香りなど、一瞬で頭から消え去りました。
15分間の登りで狐塚峠に到着。
体感的には30分以上登らされたような、先の見えない登り坂……。息も絶え絶え、汗びっしょり。
「所詮、高尾(笑)」と舐めた態度が山神の逆鱗に触れたようなので、ここからは真面目に行きます。
ここから東に進路を取って、富士見台~八王子城山方面へ。
稜線に出てしまえば、あとは高尾界隈らしい歩きやすい道になります。
初めて歩く北高尾山稜コース。
人もそれほど多くなくて静かな雰囲気。平坦な箇所がありつつもアップダウンもそれなりにあります。
しばらく登ると山頂らしき場所に到着。
何にもないなと思って歩みを進めると……
「うん?」
足元に山頂の標識がありました。標高562mの板当山。
お手製ともいえる、そこら辺の石っころに書かれた小さな標識。三角点にちょこんと乗っているのがなんとも可愛らしい。
これまで見た標識の中では一番足元にあるものだったので、どうかお見逃しなきよう。そして誤って蹴とばさぬよう、ご注意ください。
さらに進む。
追い抜いて行くのは大半がトレラン勢。高尾界隈は走っている人がやっぱり多いですね。
これまたあった山頂らしき場所。
そしてその中央には、既視感ある置物がっ!
例によって石っころでできた標識。高ドッケと書かれていました。
標高は書くスペースがなかった模様。
非常に簡素ですが天然由来成分の山を傷つけない標識ですね。これもある意味SDGs。
さらに進んで、いくつめかのピーク。
三角点の上に石っころが……ないっ!
思わずあたりの石っころに山の名前が書かれていないか探してしまいました。
下ったり登ったり。
結構歩き応えある北高尾山稜コース。八王子城山が距離以上に遠くに感じました。
そんな中で本ルートの展望スポット、富士見台に到着。
その名の通り、富士山方面の視界が開けている場所です。
こちらが富士見台からの眺め。
富士山が見えてるような見えてないような……。
午後になって空気が霞み始めてしまい、その姿ははっきりとは見えませんでした。
八王子城山までもう少し。
倒木のアーチをくぐり抜け、先を目指す。
こうして目に飛び込んできたのが、ひときは大きな社。
八王子神社の覆殿。数年前の台風被害を受けて、去年修復が完了したばかりのピカピカの社です。
この裏手に八王子城山の最高点がありますが、ここが山頂と言ってしまっても良い場所。
覆殿の周りにはベンチや展望台などが用意されています。
そしてここからの眺めが、本日一番でした。
都心方面を一望。
肉眼では高層ビル群もはっきりと見えました。
冬場の空気が澄んだ時期であれば、東京タワーやスカイツリーも余裕で見えるはずです。
八王子城山まで歩き通し、麓へと下山。
ここら辺は登山道よりも、花粉症がヤバいことになっていた記憶しかない(笑)
目がしょぼしょぼ、鼻がズルズルの状態でした。。。
下山したところが八王子城跡。
ここも初めて来たところ。せっかくなのでお城の跡を見学しておきます。
こちらが曳橋(ひきはし)。御主殿へ渡るための立派な橋が架けられていました。
山に登っていると城跡というのに稀に出くわすことがあるのですが、ここはこれまで見た中でもかなり城の面影を残していました。
すごく城っぽい。自分が想像する城はこんなイメージ。
階段を登った先に広がっていたこちらが御社殿跡。
点在する岩が、かつての殿さまがいらっしゃった部屋の名残でしょうか。
花粉症に苛まれながらも、城の雰囲気はしっかりと感じることができました。
こうして八王子城跡の観光も終えて本日の登山が終了。
週末限定でこの八王子城跡から高尾駅までバスが出ています。ちょうど良いタイミングでバスが来ていたのですが、もともと駅まで歩くつもりだったので歩いて帰りました。
途中でバスに乗らなかったのを後悔しかけましたが、40分ほど歩いて高尾駅に無事に到着。
本日の登山がこれにて終了。
北高尾山稜の縦走登山が結構な歩き応えだったので序盤の梅林ハイキングを忘れそうになりましたが、本日のメインはあくまで梅。
高尾・木下沢梅林。
空を覆うほどの見事な梅の乱舞!満開の梅の花が所狭しと咲き乱れる光景はまさに圧巻でした。
お花見ハイキングだけ楽しんでもいいし、高尾山界隈との登山と合わせて楽しんでもいいし、コース取りは豊富でいくらでもルートを組めます。
ぜひ歩いてみてください。
【日程】
2023年3月11日
【コースタイム】
9:10 高尾駅
9:45 天神梅林
10:00 するさし梅林
10:30 木下沢梅林(~11:10)
11:45 狐塚峠
12:00 板当山
12:15 高ドッケ
12:30 富士見台
13:10 八王子城山
13:50 八王子城跡
14:40 高尾駅
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