烏帽子岳~野口五郎岳~水晶岳~雲ノ平~鷲羽岳~三俣蓮華岳~黒部五郎岳~薬師岳 北アルプス縦走登山 【後編】

烏帽子岳~野口五郎岳~水晶岳~雲ノ平~鷲羽岳~三俣蓮華岳~黒部五郎岳~薬師岳 北アルプス縦走登山 【後編】

前半の続き)

裏銀座~雲ノ平の北アルプス縦走登山、後半戦は三俣蓮華岳、黒部五郎岳、薬師岳の3座。

今回登るピークは三俣蓮華岳以外初めてだったのでどれも楽しみにしてはいたけど、中でも黒部五郎岳と薬師岳は自分の中でも別格な扱いだった。黒部五郎岳のカールと薬師岳の白い山容、どちらも写真でしか見たことはなかったけど、その迫力と美しさに感動しちまい強い憧れを持った山。雲ノ平に行くとしたら、この2座は絶対に合わせて登りたいと思ってた。

旅は3日目、4日目へと続くけど、疲れ気にせず楽しさ先行で旅の後半も存分に楽しませてもらいました!

実際目の当たりにしたけど、この界隈の山、本当に贅沢すぎる。黒部五郎岳と薬師岳、かなり気に入ってしまったわ。

 

後半戦、三俣蓮華岳から黒部五郎岳、薬師岳―――

 


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前半の2日を終えて、残すのは三俣蓮華岳、黒部五郎岳、薬師岳。

事前の計画では、この時点であまり調子が良くなければ黒部五郎岳と薬師岳は来年のお楽しみに取っておいて、三俣蓮華岳から双六岳を経由して新穂高温泉へ降りる予定だったけど、体調も全然問題ないのでこのまま進むことに。

正直なところ、富山側へ抜けると帰りのアクセスが少し面倒になるのであまりしたくはなく、どうにか黒部五郎岳と薬師岳を回りつつ新穂高方面へ下りようとは考えたんだけど、いろいろ設計してみてもどうも時間に追われそうなのでやめた。

折立へ降りることで、帰りは少しお金がかかるが、、、その反面、3日目と4日目の行程がかなり楽になるので、2日目が終わった時点ではもうかなり気が楽でした。期待していた黒部五郎岳と薬師岳を時間に追われることなく登れるしね。

 

そんなわけで、ここからは裏銀座ルートともおさらばして、岐阜県を経由して富山県へ抜けていきます。

 

~~後半戦 三俣蓮華岳・黒部五郎岳・薬師岳~~

【3日目】

9/13:三俣キャンプ場~三俣蓮華岳~黒部五郎岳~北ノ股岳~太郎山~薬師峠キャンプ場

 

ただいま三俣キャンプ場。3時半に起床して軽くコーヒー飲んでテント撤収。

どうにもテント泊の時は朝ごはんが食べれない…。

 

まだ時刻は4時ごろだったけど、真っ暗な中、大半のテントには明かりがついてました。

キャンプ場を4時半に出発。鷲羽岳山頂を目指す人が大半で、三俣蓮華岳方面へ向かう人は誰もいなかったな。

 

本日1つ目のピーク、三俣蓮華岳。今回のルートで、唯一登ったことがある山。でも前回は双六岳の稜線から山頂に行ったからあんまり登ったイメージなかったけど、三俣キャンプ場からだとこんな感じで見えるんだな。

 

30分くらい歩いて三俣峠。双六岳への分岐点。

ここら辺で時刻は5時ごろになったのでヘッデンも不要になりました。

…というか、空がだいぶ明るくなってきて、、、

 

もう間もなくご来光というところ。槍ヶ岳のシルエットが今日もはっきり見えました。

ただ、1日くらいは山頂からご来光を見てみたかったので、ここから一気に三俣蓮華岳まで登る!

 

5時半過ぎ、誰もいない早朝の三俣蓮華岳に到着。1年ぶりの場所。

 

少しタイムオーバーではあったけど、三俣蓮華岳からご来光を拝む。1日目の夕方に見た天気予報ではこの日は曇りのち雪なんてなってたけど、予想に反して全然快晴。良かったわぃ。

 

三俣という名前の通り、この山頂は長野、岐阜、富山の3県の県境に位置する場所。それぞれの方向のそれぞれの名峰あり。

まず長野側。ここはやっぱり槍ヶ岳・穂高連峰か。ここから先は槍ヶ岳からどんどん離れていくことになるので、見納めの意味でもしっかり見ておく。

 

こちらは富山の名峰・薬師岳。その手前に広がる台地が雲ノ平。

昨年、この三俣蓮華岳に来た時は薬師岳ははっきりは見えなかったけど、雲ノ平はバッチリ見えた。その頃から憧れていた場所。無事にあの秘境を歩いて、こうして眺められるのが幸せだよ。

 

そしてこちらが岐阜側。本日のメイン、黒部五郎岳。事前の天気予報を見た限りじゃ、黒部五郎岳は展望期待できないじゃないかって思ったけど、この天気見て行ける気がした。がぜんやる気出た!

 

早く進みたいけど、この三俣蓮華岳からの展望はやっぱり好きなので少し長居する。

前日に歩いた水晶岳、鷲羽岳もバッチリ。奥には立山連峰、剱岳も。この山は本当に北アルプスの展望台だと思う。

 

ついでに逆側が双六岳と笠ヶ岳方面。昨年はこちらから歩いてきた。そして、ここに来て一番思い出すのがこの景色、苦い思い出

楽しい旅ではあったんだけど、かなりピンチに追い込まれた旅でもあったり、、、良い意味でも悪い意味でも印象に残ってる山です。

あと、ブログでは記事にできてないけど、実は今年の6月、残雪時期に双六岳を訪れてるんです。それも楽しい仲間たちとの山行だったので、時間あれば書きたいなぁ~。

 

誰もいない山頂で展望独占し、お次は今回の旅2つ目の五郎ちゃんへ。一度の山行で野口五郎と黒部五郎のダブル五郎を制してやろうって旅でもある。

登って気づいたけど、野口五郎岳のほうが標高高いんだね。(野口五郎岳:2924m、黒部五郎岳:2839m)

 

ここから裏銀座ルートを離れて、黒部五郎岳へ続く稜線を歩いていく。基本的に三俣蓮華岳からだと黒部五郎小舎までは緩やかな下りなんで、朝の散歩にはちょうどいい。展望も最高!

 

この稜線上が、笠ヶ岳を一番間近で見れる。北アルプスの中でも結構つらい山だと思うけど、見る分には遠くからでもよくわかる、綺麗なおにぎり型。

 

稜線の鞍部にある赤い屋根の黒部五郎小舎。黒部五郎岳までは、ざっとこれくらいの登り返しになります。

 

7時、スタートして2時間半で黒部五郎小舎に到着。みんな出払ったあとみたいで、静まり返ってた。

 

この小屋から黒部五郎岳へ向かうルートは2つあって、稜線コースとカールコース。ただ、ここは迷うことなくカールコースでしょ!

いくら稜線好きでも初めて来たならカールコースを歩くべき。このカールが黒部五郎の最大の魅力でもあるから。

 

そんなわけで稜線はすっぱり捨てて、カールへ向かう。ここの登りは緩やかでかなり歩きやすかったです。

 

登るにつれて巨大な岩が点在し始める。雰囲気が一気に変わる。

 

徐々に黒部五郎岳の荒々しいカールが見えてくる。周りに点在する岩がでかくて、余計に迫力ある光景。

相変わらず、登山道には人気がない…。ここまで振り返っても、本当に静かな山行が続いてくれてる。

 

後ろには雲ノ平がほぼ同じ目線に。その奥に水晶岳と鷲羽岳。

 

横を見ても前を見ても黒部五郎のカールに囲まれてる。こんな感じでその懐を突っ切っていくのがこのコース。カールに囲まれた中に点在する巨岩が異世界。

 

途中で天然の水場もあり。キンキンに冷えてて目が覚めたっ!

 

この時期でもわずかに残っている雪。ガスって見えないことも考えてたけど、天気も持ってくれて一番見たいアングルからの黒部五郎が見れた。

初の来訪なんで、これだけでも十分満足。

 

山頂に行くためにカールをジグザグに登っていく。ここら辺が濃霧になると迷うポイントらしい。

 

横から黒部五郎山頂直下の絶壁。今回の旅の中では一番荒々しい迫力を感じた山だったな。

 

この壁を乗り越えるとまた1つの雄大な景色に出会える。

 

それがこの北ノ股岳へつ続く稜線。この手の稜線には滅法弱いけど、今回唯一残念だったのがここだったな。

先に言ってしまうと、あと数分でガスに包まれる、この稜線……。

 

北側に薬師岳。背後の立山あたりは雲がかかり始めてた。

西の岐阜・富山側から雲が立つのが早くなってきたので、ここもあと少しでガスられそう。。

 

ってことで、急いで山頂へ。黒部五郎岳の肩、ここにみんなザックデポって山頂行ってました。

 

まだ青空広がる時間帯。どうにか間に合いそう…。

 

あんな感じのカールの斜面を登ってきたんだよ。上から改めてみると黒部五郎岳の規模の大きさが良く分かる。

 

9時過ぎ、黒部五郎岳山頂に到着。

 

2つ目の五郎ちゃん。昨日歩いた山々を一望~!この山からの展望も話に聞いてた通り、素晴らしかった。

 

登ってくるときに巨岩が点在していたカールの中心部。あの場所は歩いていて楽しかった。また次に来た時も歩かせてもらうことにする。

 

今日歩いてきた三俣蓮華岳からの稜線。全体的に緩やかな道でかなり楽に歩けました。逆ルートだと登りが続いて少しつらく感じるかも。

 

北ノ股岳へ至る稜線と薬師岳。ガスられることも覚悟してたから、これだけの展望が見れただけで満足。

何だかんだ1日目から各ピークでは晴れてくれてる。

 

水晶岳、雲ノ平、鷲羽岳。昨日歩いたルートがこんな間近で見れることを考えると、実は今回の移動距離はそこまで長くもないのか…。

この日に関しては、もう後は稜線歩いて薬師峠キャンプ場へ行くだけなので、かなり余裕。

 

ガスに包まれつつある笠ヶ岳。あの笠ヶ岳から左に伸びてる稜線は歯を食いしばって歩いた道。山頂はどうでもよくて、小屋の水を求めてひたすら歩いた記憶あり(笑)

 

お菓子頬張ってる間にふと見てみたら、稜線に雲がかかり始めた。ここでタイムオーバーか…。

 

まぁ、一番の目的である黒部五郎岳を天気いい時に登れたから満足。山頂で有り余ってる行動食を食べまくって、のんびりザック回収。

今回、初の3泊4日ってことで行動食を多めに持って行ったんだけど、実際は全然食べなかった。高低差があまりないルートだったからなのか、2日目以降は水も大して飲まず、1L担いでいれば問題なかった。

 

この雲がかかるスピード、すんごい早かった。あっという間に稜線飲み込む。

この日が3連休の初日、折立から登ってくる人にとっては少し残念だったかもね。長野寄りの鷲羽・水晶岳は昼くらいまでは快晴だったみたい。

 

仕方ないが、この旅初めてのガスの中へ突入。

 

薄い雲だからか、光は差し込んで意外と明るい。あと風が通らなくなって、暑くなった記憶あり。

 

すっかり忘れてたけど、ガスると登場するアルプスのアイドル……

 

雷鳥さん。ウポウポ言いながらしばらく自分の前を先行してくれた。

 

この子は近寄っても全然逃げる気配がなくて、人馴れしてたな。

雷鳥のことなんかすっかり忘れてたけど、この旅初の雷鳥。そしてこの旅通して唯一出会った雷鳥さんでした。

 

周りの景色がアレだけど、広い稜線ってのはよくわかった。それと、今年は紅葉が早かったみたいで、ちょうど色づいた草紅葉を見れたのは良かったな。

黒部五郎岳と薬師岳はまた別の時期に別ルートで歩きたい計画があるから、その時にでももう1回歩いてみようと思います。全く違う景色が見れそう。

 

のんびり歩いてたらいつの間にか赤木岳。このあたりまで来ると、すれ違う人も増えてきてにぎやかになってきた。

唯一心配だったのが薬師峠キャンプ場のテント場。折立から登ってくる人が最初のキャンプ地にすることが多くて、時間的に自分のほうが後に到着するだろうから、テント場空いてるか若干不安。3連休だし……。

 

でも、焦るのももったいないからゆっくり進む。たまに薄ら晴れて視界が鮮明になると、この稜線の広さがよくわかる。

 

12時過ぎ、北ノ股岳に到着。展望がなかったもんで、あんまり記憶に残らなかった山。スルーして先へ。

 

秋が深まる太郎平への道。すっかり秋の風景だったな~

木道が見えてきたら太郎平小屋も近いです。

 

13時半、太郎平小屋へ到着。予定よりだいぶ早いので、テント場も大丈夫そうだと思い、このまま直進して薬師峠キャンプ場へ……(行ってしまった…)

 

小屋から20分くらい歩いて薬師峠キャンプ場。テント場まだ結構余裕ありで、ホッとした。

 

このテント場、平坦なところが少なくて多少斜めに張ることになるけど、まぁ仕方ないか。

そして、テントを張ろうとした瞬間思い出した……

「太郎平小屋で受付し忘れたっ!!」

 

そんなわけで来た道を戻る。事前に調べておいたはずなのに、すっかり忘れてた。

面倒だと思ったけど、いいタイミングで晴れてきやがったよ。

 

おぉ!!一気に青空復活!

 

これが太郎兵衛平。太郎平小屋とキャンプ場をつなぐ道は、こんな感じの木道。ここもまた、1つの絶景ポイント。

まぁ、、何というか、、、あれだな。受付も忘れてみるもんだな!

 

池塘と青空。一変して長閑な雰囲気に変貌したな。

 

さっきまでガスに包まれてた稜線。雲の位置がだいぶ高くなったようで、稜線に被ってた雲はなくなりました。

 

黒部五郎岳は逆に分厚い雲の中。朝早くに登り終えて正解だったな。

 

改めて太郎平小屋。ここで薬師峠キャンプ場の受付を済ませる必要があるので、忘れないように。時期によっては薬師峠キャンプ場にスタッフが来てくれることもあるらしい。

 

さっきまで隠れていた薬師岳もバッチリ。早めにテント場ついちゃったし、小一時間の楽しい散策でした。

 

15時にはテントに戻ってのんびりコーヒータイム&夕飯。この日が一番のんびり時間作れたかな。

心配していたテント場の混雑も、実際は大したことなくてスペース十分空いてました。

 

18時ごろには就寝したけど、この日はテント生活では初めてかもしれない、、、なかなか寝付けなかった夜。

全然疲れてないってのもあるけど、3日間絶景に恵まれて気分が高揚してたのやら、明日で終わってしまうのか~とか色々考えてしまって、無駄なところで頭冴え渡ってた。

そういえば、この度でまだ一度も星空撮ってなかったってことで、テントから顔出してパシャリ。時刻は確か23時くらいだったけど、結構起きてる人多くてビックリした。

 

月明かりが若干明るかったけど、山のガスも次第に取れて上空は素晴らしい星空。

4日間の天気予報では最終日が一番良い予報だったので、翌日の天気は何ら心配なし。最後の1座、薬師岳山頂を目指して0時くらいに寝ましたとさ。

 

こうして3日目も終わり。旅はいよいよ最終日へ突入。

 

【4日目】

9/14:薬師峠キャンプ場~薬師岳山荘~薬師岳~薬師峠キャンプ場~太郎平小屋~折立

 

旅もあっという間に最終日の4日目。この日は残る最後の名峰、薬師岳のみ。

この日は帰りのバスの時間もあるんで、寝坊したらアウトだったけど、、、

 

前日寝付くの遅かったけど、予定通り3時半に起床。薬師岳まではテント撤収せずにアタックザックで登りに行けるので、かなり準備が楽でした。

目覚ましコーヒー飲んで、4時ごろに出発。テント場の明かりはチラホラ点いてたけど同時刻にスタートする人がいなくて、真っ暗な中樹林帯を一人進む。

夜明けまでまだ1時間はあるから、少しだけ怖かったよ…。

 

しばらく登って、開けた木道の場所に出る。ここが薬師平。

ここからの星空が物凄い綺麗で、思わず立ち止まって撮ってしまった。前方の火の玉は、この写真を撮っている間に追い抜いて行った登山客のヘッデン。突然後ろからライト当てられて、ビビったぜ……。

 

登るにつれて見えてくる薬師岳の白い山容。夜と朝の境目の時間帯、空は明るくなりつつも最後まで星空が綺麗でした。

 

暗いので登山道がどんな感じかは帰りに写真載せるけど、薬師平以降は展望の良い道が続きました。周りを見渡せば雲海。

 

5時すぎ、薬師岳山荘に到着。思ってたより高い位置に建ってた山小屋。作りも綺麗で、立派な小屋でした。

 

登り始めてすでに1時間以上経過してるけど、ようやくこれからご来光を迎えるという時間帯。

結局、4日間の中では2日目の朝が一番冷え込み厳しくて、それ以降は明け方もそこまで防寒しなくても大丈夫でした。特にこの日は時間帯の割には寒さ感じなかったな~

 

空がいい感じのグラデーション色に染まっていく。これもまた暗いうちから登り始めたご褒美か…。

 

北側を見れば、もうそこは海。富山市と富山湾。

これまで山ばかりの展望だったし、ラストに海を眺めて終わるってのもいいね。特に日本海側を見ると、遠くまで来たなぁ~って感じがする。

 

薬師岳山頂へと向かう道。目の前にあるのはニセピーク。

時間もかなり余裕があるので、展望じっくり眺めながら進む。

 

南側、まとめて4つの百名山。中央が黒部五郎岳。左から笠ヶ岳乗鞍岳。右奥が御嶽山

位置的には焼岳もいるんだけど、標高が少し低くて笠ヶ岳の後ろに隠れてます。

 

こちら槍ヶ岳と穂高連峰。今回の山行を終えたら、北アルプスの中で歩いてない山域としてはあの穂高岳くらいか。登ってみたいとは思うものの一番苦手な分野なもんでね……。冬場に西穂高独標まで行ったくらい。

 

ケルンが立つ山頂手前のニセピークに到着。

 

ここでご来光を迎える。太陽の力ってやっぱりすごいよ。朝日浴びてるだけで活力もらえる。

 

シルエットしか見えなかった山も、朝日に照らされるとまた違って見える。この日は水晶岳や鷲羽岳あたりにお仲間さんも登っていたそうで、もしかしたら同じ時間に向こうからこっちを眺めていたのかもね。

昨日の朝、三俣蓮華岳からあれだけ近くに見えた槍ヶ岳がもうだいぶ遠く感じた。

 

あちらが薬師岳山頂。ニセピークにがっかりするほどもない、近いところにありました。

 

太陽の光の筋が綺麗に見えるこちらは後立山連峰。今回の旅ではここに来てようやく間近で見ることのできる山域。

冬に登った唐松岳が懐かしいよ。

 

ニセピークから山頂までは10分くらい。ご来光を山頂で見た方々が続々と降りてきてました。

 

この薬師岳にもカールがあって、黒部五郎とは真逆の優しい穏やかなカーブ。

写真は中央カールで、このほかにも薬師岳にはいくつかカールがあって、”薬師岳の圏谷群”として国の特別天然記念物にも指定されてます。

 

今回の旅の最後の1座、薬師岳山頂。

 

5時50分、無事に到着。山頂には社があって、中には薬師如来が安置されてので拝んでください。

 

どうにか登山計画通りにここまでやってこれたよ。3泊4日の旅は初めてだったからさ…

夢にまで見た薬師岳のピーク。山頂からの展望は言うことなしに絶景!

 

雲海の果てに白山。今回の旅でより一層登りたい願望が強くなった山。

 

北薬師岳へと続く尾根道。この道を行くと五色ヶ原、立山へと続いていく。山友のサッコさんがここを梅雨明け超快晴の時に歩いていて、羨ましくて羨ましくて、、、。。自分も歩いてみたいと思ったルート。

奥には登ってる途中にずっと見えていた日本海も。海を間近で見れるピークとしては、今回の旅では薬師岳のみ。だからこそ他の山とは違った感動が得られるってもんよ。

 

立山と剱岳もこの度で一番間近に見れた。あの2つの名峰は、ちょうど1年前に登った山。立山三山は楽に登れるだろうと思って、最初の浄土山でやたらバテた記憶あり。逆に剱岳は予想よりも道が整備されていて、歩きやすかった。

 

槍の尖がり具合を何度となく確認した旅でもあったな。日本のマッターホルンと言われてるだけあって、やっぱりどこにいても目立つよ。

 

山頂の粋な一言。若干寝不足でもあるから、確かに昼寝したくなる(笑)

風が強いことが多い薬師岳みたいだけど、この日は微風。気持ちのいい朝でした。

 

しばらくボーっと休憩して、寝そうになる前にニセピークまで戻る。

 

登ってくるときには暗くて見えなかった、太郎平へ続く稜線。あそこを晴れているときに歩くのが次の目標だな。

 

黒部五郎岳のカールには衝撃を受けたけど、優しい感じの薬師岳のカールも良かったです。

 

記念に薬師岳から槍方面へパシャリ。薬師岳から槍ヶ岳まで、見事に遮るものがない。今度槍ヶ岳に登ったら、逆に薬師岳見てみよう。

 

左奥の黒部五郎岳も薬師岳から見ると結構小さく見える。

薬師岳が今回登ったピークの中では一番展望良かったかな。水晶岳からの展望も眼下に雲ノ平広がってたりして最高だったけど、やっぱり海が見えるピークってそんなにないからね。薬師岳最高でした!

 

とりあえず薬師岳山荘まで下山。登ってきたときには暗かったから、降りるときはまた違った感覚。

 

だから振り返って、登ってきた道はどんなもんだったのか見てみる。

山頂まではこんな感じ。手前がニセピーク、左奥が山頂。

 

標高2700m地点に建つ薬師岳山荘。ここと水晶小屋はロケーションも良かったし、泊まりに来てもいいかなと思った。

少しだけテント張れそうだけど、テント場がないのが残念。。

 

もう9月も中旬、今年は寒くなるのが早い気がする。家にいてもクーラーつけた日あんまりないし。

登山入りした日から霜が降りて、テントも朝起きたら凍結してた日々だったけど、寒くて寝られないなんてことは全然なかった。ダウンパンツ最強!

 

広い登山道を下っていく。この薬師岳へ登る道も開放感抜群で良かったな。

 

ガレ場を下って薬師平へ。左奥の黒部五郎岳にばかり目が行ってたけど、右の北ノ股岳もなかなかの存在感。

 

登るときはこんな感じの道だったんだな~と、下山時に知る。ここら辺は熊が出やすいのか、熊よけの一斗缶も置いてありました。バシバシ叩けってことか。

 

薬師岳と稜線。ここから山頂は稜線の裏側になるから見えないけど、その白い山肌はやっぱり綺麗。

右に伸びるのは薬師岳東南稜。あの東南稜は、登山史上最大ともいえる遭難事故が起こったことで有名らしく、地図にもそれが記されてる。(愛知大学山岳部遭難事故)

 

薬師平。登りで星空が物凄い綺麗だった場所。初夏の時期に来ればここも高山植物の宝庫なんだろうけど、今はすっかり秋の草原。

 

ここもまた雲の上の楽園。のんびり景色を見ながら歩けるけど、この時期はもう木道が一部凍結していたりするんで、足元注意しないとツルッと行きまっせ。

 

薬師平へ出るまではこんな感じの樹林帯でした。真っ暗の中、一人でトボトボ歩いたところ。

 

7時半過ぎ、キャンプ場に帰還。往復3時間半ってとこでした。予定よりもだいぶ早く帰ってこれた。

 

時間に余裕があるので、装備品干してゆっくり朝食。

この写真見て、バーナーが吹きこぼれそうになってるのに気付いた方。……正解!

この数秒後、軽く悲惨なことになったのは言うまでもない。。。

 

黒部五郎を眺めながらの朝食。帰りのバスが14時なので、休憩がてら時間調整。この時期はバスの本数も1日1本に減ってしまうのでね。。早く降りてもすることがない。

 

テント撤収してキャンプ場を発ったのが9時過ぎ。昨日も歩いたけど、この太郎平へ向かう道がまた気持ちいい。

 

 

 

 

 

前を向いても後ろを向いても絶景。昨日と同じく、湧き上がる雲が下に控えてるけど、しばし空中散歩楽しませてもらいました。

 

太郎平小屋。折立から入った場合は、この小屋に来て目の前に雲ノ平の世界が広がるから、さぞ感動するポイントだろうね。

自分はここから折立へ降りるので、その絶景とはここでお別れ。

 

本当に最後になるんで、しっかり見納めしておく。北アルプスの名峰で構成される中部山岳国立公園、その中枢とも言える場所に今いる。

数時間前に登った薬師岳。展望最高の山でした。

 

雲ノ平方面。2日前にあの雲ノ平からこっちを見下ろしてたけど、あっという間だったな。水晶岳、鷲羽岳も最後までバッチリ見えました。

 

黒部五郎岳。薬師岳と並んで今回特に楽しみにしてた山の1つだけど、噂通りの迫力あるカールでした。時期を変えてまた来ます。

 

いや~、後ろ髪引かれる思いだったけど、帰らんとね。初めて3泊4日してみたけど、体力的にも気持ち的にも全然残ることはできたのは良い収穫。この山域だからってのもあるかもしれないけど、来年もまた3,4泊して長期縦走してみたい。

 

折立へ向けて下山。登ってくる人はこの木道を最後に登ってくるわけか~

雲ノ平を彷彿させる道でした。

 

この4日間で秋もだいぶ深まった気がする。2日前よりも景色が黄色い。一足先に秋を感じられて意味でも、良い旅でした。

 

小一時間はこの整備された平坦な道。はるか先まで続いてる。

 

予想に反して、この道もいいじゃない。雲とちょうど同じくらいの位置を歩いてる。

 

少しずつ標高を下げる。ここら辺は、一見すると整備されてる道に見えるけど、結構岩が乱雑してて正直歩きにくかった。

 

眼下に見えるのが有峰湖。北アルプスに来て富山側に抜けるのはこれが初めて。こっちの地理は全然わからないから、見るもの全てにキョロキョロしちまうよ…。

 

標高2000m弱に広がる草原。折立への道はこんな感じでたまにベンチが置かれて休憩ポイントが用意されてました。

さすがに登る人が多いからか、しっかり整備されてるなぁ~って思った。

登ってきたブナ立尾根はベンチなんてなかったよ……(ボソッ)

 

標高1900mくらいからひたすら下り坂。登ってくる人たちは急登らしく、結構辛そうでした。

自分は時間に余裕がありすぎるので、超スローペースで下山。

 

12時15分、折立登山口に到着。 登山口の入口に置かれていた石碑。ここから折立の登りが始まるわけか。

樹林帯に入ってからは特に見どころもなかったので、折立スタートなら登り始め2時間くらいはひたすら我慢するしかないな。

 

初めて来た折立。有名なコカ・コーラの自販機も発見。下山場所に自販機が置いてあるなんて、わかってらっしゃる!!

標高がまだ1300m以上あるので、そんなに長い下山ではなかったです。帰りのバスまで時間があるので、靴とか装備品洗って干して、周辺を探検。(靴洗い用の水道があるのは有難かった)

 

こちらが折立駐車場の目の前にあるキャンプ場。折立までの道路が深夜帯は通行止めなので、前夜に入ってここでキャンプ、夜明けとともに出発っていうスタイルもできそう。

 

3連休の中日なので、駐車場は満車。路肩駐車もかなり下の方まで伸びてて、すごい状況でした。

 

14時、富山駅行きのバスに乗車。この時期はこれ1本のみ。

このバス、事前予約が必要なんだけど、帰りにこの富山駅行きのバスを利用する人は少ないようで、思ったより空いてた。事前予約せずにその場でお金払って乗車している人もいました。

 

富山駅までは2時間かかるので、途中立山アルペン村でトイレ休憩。ここはセブンイレブンもあって、富山駅から折立へ向かう場合でもここに寄るみたい。なので、ここで買い出しも可能。

 

16時、富山駅に到着。ようやく下界に下りてきた感じがした。

富山駅前は絶賛改装中でした。

 

前は富山駅近くに銭湯があったんだけど、数年前につぶれてしまいまして、そうなると駅から一番近い温泉はおそらくここになると思う。「アパホテル SPA・X」。Webのクーポン券があると600円に安くなるので、ぜひあれば使ってください。

(※ここは歩いても行けなくはない距離だけど、下界での歩きは山以上に疲れるんでタクシー使わせてもらいました)

 

帰りの電車まで時間があったので、夕食。このブログによくコメントして頂いてるゆみたさんに教えてもらった、白エビ亭。駅構内にある店なので帰りに寄るにはちょうどいい。

 

プリプリの白エビ、旨かった!何より久しぶりのお米は最高よ。

富山の”きときと”の海鮮、次きたときはもっと堪能したいな~!(ゆみたさん、情報ありがとうございました!)

 

こうして18時ごろに富山を発ち東京へ戻りましたとさ。

富山から東京へは新幹線を使う場合、いったん越後湯沢に出てから東京へ。長野から入って、富山に下りて新潟経由で帰宅とは、なかなかの旅でした(笑)

安く済ませたい場合は、富山から東京までの高速バスを利用するのが一番かと。あと、平湯温泉行のバスも見っけたので、新穂高スタートで車回収する場合もバス利用が意外と使えそうよ。

 

まぁ、そんな難しいことも、来年になれば少し解消!この北陸新幹線が開業されるんでね。

富山側へ降りることは少ないけど、選択肢が増える分には悪くないな。楽しみや~

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ざっとこんな感じで、4日間の山旅をまとめてみました。

あんまりこのルートと同じ歩き方をする人は少ないと思う。少なくとも自分で調べた限りでは見つけられなかった。マイカーなら素直に折立基点に雲ノ平を周回するのがいいと思います。で、裏銀座は別の機会に歩くとか。

アクセス面では少し大変だったけど、今回の最大のメリットは3泊4日でこれだけの名峰を回れる!ってそこに尽きると思う。

最初のブナ立尾根も北アルプス三大急登に選ばれてるんで、どんなものか登ってみたのも悪くないし、ここさえ登り切ってしまえばあとは稜線天国がずっと続くので楽なもん。体力的には2泊3日の飯豊山のほうが全然疲れた。

 

2日目以降の雲ノ平に入ってからの名山巡りが充実しすぎてて、序盤の烏帽子岳、野口五郎岳が遠い昔のように感じるけど、この2つの山もなかなかの名山でしたよ。烏帽子岳は見てカッコいい、野口五郎岳は見て美しい山でした。裏銀座も半分歩けたので、後は西鎌尾根を歩いて表と裏を繋げたいです。

 

夏山の締めとして歩いた今回のガッツリ3泊4日の北アルプス縦走登山。夏が終わって秋の景色だったけど、今度は初夏の時期にまた来ようと思います。その時は黒部五郎岳と薬師岳は外せないかな。

 

色々書きたいことはあるけど、今回はこの辺で終わり。時間があれば番外編でもう1個この旅のことを書いてみるかも……

 

だいぶ長くなってしまいましたが、いつもながら読んでくれた方、ありがとうございましたm(_ _ )m

 

3泊4日、雲ノ平と北アルプスの名峰を巡る旅(完)

 

 

おしまい

 

 

【日程】

2014年9月13~14日

【コースタイム】

・3日目

三俣キャンプ場(4:30) — 三俣蓮華岳(5:40) — 黒部五郎小舎(7:00) — 黒部五郎岳(9:10) — 北ノ股岳(12:15) — 太郎平小屋(13:30) — 薬師峠キャンプ場(13:50)

・4日目

薬師峠キャンプ場(4:00) — 薬師岳山荘(5:10) — 薬師岳(5:50) — 薬師峠キャンプ場(7:40~9:00) — 太郎平小屋(9:30) — 折立登山口(12:15)

 

 

 

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