尾瀬の至仏山へ電車・バスを使って日帰り登山に行ってきました。
開山直後の7月初旬ということで、山の上は満開の高山植物!ハクサンイチゲやチングルマのお花畑に加えて、湿原にはホワホワのワタスゲも咲いていました。
豊かな緑と水をたたえる夏の尾瀬ハイキング、楽しかったです。
更新が遅れに遅れて夏山の記録がガッツリ残っている当ブログ。
2023年も残すところあとわずかというタイミングで、空気読まずにつらつらと上げていきます。
まずは7月頭に登った尾瀬を代表する名峰・至仏山(しぶつさん)。
10年以上前に一度だけ登りに行ったことがありますが、ガスってしまって雄大な展望を見ることは叶わず……。
開山ニュースを聞いたその翌日、人生二度目の登頂目指して行ってきました。
2023年7月2日【尾瀬】鳩待峠~至仏山 日帰り登山
至仏山は環境保護の観点から、毎年GW以降6月末までが入山禁止となっています。
登れるようになるのが7月1日から。つまりその翌日、開山ホヤホヤというタイミングです。
都内から尾瀬へ公共交通で行く場合は夜行バスがありますが、突発的に思いついたので予約なんか到底できず……。
それでも電車、バスを利用して日帰りで登りに行くことは可能です。
登山口へ向かうバスが出ているのは沼田駅。大清水行きの始発便に乗車しました。(晴れた週末でも車内ガラガラでした)
尾瀬戸倉でマイクロバスに乗り換えて、朝の9時30分に鳩待峠に到着。
ここが至仏山の最寄り登山口になります。
朝発の電車・バスで来るならこの到着時間が最速ですが、至仏山だけを登るのであれば、まぁ行けなくはない時間。泊りでゆっくり回るのもいいかもしれません。
この尾瀬の看板も久しぶり。
遥かな尾瀬に来たんだなぁ~と噛みしめ、身支度整えて入山します。
まずは木道を伝って山ノ鼻、至仏山荘方面へ。瑞々しい新緑が綺麗です。
至仏山は一部区間が一方通行規制なので、周回する場合は今回のように山ノ鼻~至仏山~小至仏山というルート取り一択になります。
お気を付けください。
40分ほど平坦な道を歩いて山ノ鼻に到着。山小屋やキャンプ場、ビジターセンターがある尾瀬の登山拠点の1つです。
時刻は10時過ぎ。みんな出払って山小屋では一番ゆったりとした雰囲気が流れているこの時間帯、とても好きです。
ここから至仏山へ。目の前に見えている山がそれです。
近そうに見える山頂。実際に距離は短いのですが、ストレートにただひたすら登りが続くので、登り切るまでに3時間くらいかかります。
最初は樹林帯で、途中から狭い階段が続く道。
ここが登り専用の一方通行区間で、下りで利用することはできません。道は狭いですが、すれ違うことはないので安心。
階段は小川のように水浸しになっている箇所が多いので、足元注意です。
目線の高さにたくさん咲いていたウラジロヨウラク。
40分くらい登ると視界が開けてきました。
まだ半分も登ってないですが、展望が開けるだけで一つの達成感。
ここから、道も一段と急になってきます。
途中には鎖場もあったり。
ここが登り専用の一方通行になっているのも、登山道保護というより事故防止の意味合いが強いんでしょうか。
足場がしっかりしているので、登る分には何てことない道ですが……
気をつけなきゃいけないのがこの黒光りした蛇紋岩。
誰かがやすりで磨いたんじゃないかってくらいツルッツルで滑りやすいです。
こういうトラップが隠れているので下り禁止というのも納得。自分みたいな岩場苦手のポンコツに配慮した規制なんですね。
ある程度登って後ろを振り返ると、素晴らしい景色!
眼下に見える広大な湿原が尾瀬ヶ原。正面奥に見える三角形の山は、至仏山と並ぶ尾瀬の名峰・燧ヶ岳です。
中盤を過ぎると再び木道の階段へ。
梅雨の合間の貴重な晴天ということで多くの人が登ってました。抜きつ抜かれつ、前行く人が途切れることはなかったです。
花の百名山にも数えられる至仏山。
高山植物最盛期の時期とあって、登山道脇にはたくさんの花が咲いています。ユキワリソウとかヨツバシオガマとか、紫系の花がここら辺は多かった。
見上げるほどの急斜面。
天まで続いているんじゃないかって言うくらい長い階段が続きますが、ゴツゴツした巨岩が見えてくれば終わりも近いです。
ここら辺は息も絶え絶えに登っていく。
ウスユキソウもたくさん咲いてました。
疲れたら後ろを振り返って小休止。尾瀬ヶ原がだいぶ下に見えました。
スタートが遅い部類だと思ってましたが、自分と同時刻に登り始めた人も多くて、下の方まで列が見えました。
流石、人気の尾瀬ですね。
ところで、先ほどから写真の四隅が暗くね?って思った方、正解です。良くわからないですが、カメラの設定が変わっていたのか、帰って見てみたら全部こんな感じになってました。(カメラに詳しい方、教えてください)
山頂直下の休憩ゾーン。
目の前に見える丘が山頂……、ではないのですがここら辺から一面のお花畑が広がる区間になります。
夏の花の代表格の1つ、チングルマ。
毎年この花を見ると、夏山に登ってるなぁ~という感じになります。
競い合うように咲いているのがハクサンイチゲ。
6月頃にピークを迎える花ですが、7月でもまだまだ見頃。綺麗に咲いていました。
偽ピークに騙されながらも登り続け、12時20分に至仏山に無事登頂。11年振りです。
ちょうどお昼時ということでたくさんの人が休憩していました。
山頂からは360度の展望が望めます。
北側には平ヶ岳とか越後駒ヶ岳とか、新潟の名峰たちを一望。
反対の南側には小至仏山へと続く稜線。奥に見えているのは上州武尊山。
これから歩く至福の稜線区間が最高に気持ちよさそう。
登っている途中に何度も振り返った燧ヶ岳と尾瀬ヶ原。
この先見えなくなってしまうので、山頂で見納めしておきます。
混雑している至仏山でささっとお昼休憩を済ませて、いよいよ至福の稜線ハイクへ。
登ってきた道は下山禁止の一方通行なので、帰りはみんながこのルートを行くことになります。
ずっと直登が続いた道だったので、非常に快適に感じる稜線。
展望も良く、足元には花もたくさん咲いています。
ここら辺は特にタカネシオガマがたくさん咲いてました。
振り返って見る至仏山。
尾瀬の名峰、至仏山と燧ヶ岳。何となくイメージですが、鋭角な燧ヶ岳は男性的、穏やかな至仏山は女性的、という感じがします。
稜線途中の小至仏山に到着。
岩場の山頂で、それほど広くはないです。
小至仏山を通過して、引き続き稜線の道を行く。
風も穏やかでとても気持ちの良い山歩きができております。
階段が出てくると、ここら辺から再びお花畑ゾーンになります。
特に傍らにはチングルマが多かった印象。
さらに高度を下げていくと木道敷かれた湿原に出ます。
ミニ尾瀬という感じの小さい湿原ですが、ここも山の上のオアシス。
ホワホワしたワタスゲが咲いていました。
2023年はシロヤシオが大当たりの年だったけど、ワタスゲはどうだったんだろうか。
このホワホワも初夏の季節に一度は見たくなる花です。
こちらの道は緩やかに高度を下げていくので、急登と呼べる箇所がほとんどなくて歩きやすいです。
道も整備されていて、樹林帯も最後に少しある程度。
14時15分頃にスタート地点の鳩待峠に戻って下山完了。
至仏山の周回コース、短時間ながらも登り応えあって楽しかったです。
下山してきた時は少し物々しい雰囲気で、警察車両や救急隊が何やら準備中でした。
帰りのマイクロバスの運転手の話では、脱水症状か何かで動けなくなった人がいたとか。
水が豊かなイメージの尾瀬ですが、山小屋以外では水場がなくて補給が利かないので、特に夏場は十分に持って登った方がいいですね。
開山したて夏の尾瀬・至仏山の登山記録でした。
電車、バスでも行けるので、良ければどうぞ。日帰りも可能ですが、ゆっくり山小屋泊で行くのも良いかと思います。
無数の高山植物と至福の稜線歩きが待っておりますぜ。
【日程】
2023年7月2日
【コースタイム】
9:30 鳩待峠
10:20 山ノ鼻・至仏山荘
12:20 至仏山
13:00 小至仏山
14:15 鳩待峠
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