高妻山 日帰り登山  ―― 戸隠連峰最高峰で紅葉ハイキング ――

高妻山 日帰り登山  ―― 戸隠連峰最高峰で紅葉ハイキング ――

10月、各地で本格的な紅葉が始まる中、山友さんの急なお誘いで高妻山へ行ってきました。最初に聞いたとき「どこだっけ??」ってなったけど、調べてみたら戸隠連峰の最高峰で何気に日本百名山でした。

長野県と新潟県にまたがる標高2353mの高妻山。アルプスや尾瀬に比べると”渋い”山域で、少なくとも自分の知り合いでこの山に登ったことがあるって人は聞いたことがないです。だから自分も誘われるまでほとんど知らない山でした。

あまり事前知識がないまま行ってみたけど、、、思っていた以上に紅葉が綺麗で、何というか、控えめながらも風情ある山という感じでした。派手さはないけど、こういう山も好きです。この山がきっかけで、猛烈に登りたくなった山が1つ増えました。それが一番の収穫かな(笑)

 

伝説多き戸隠連峰最高峰、紅葉の高妻山へ―――



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10月5日(土)の昼過ぎ、突然一通のメールが――

ねら君「今晩から明日にかけて暇??高妻山登りに行くよてー」

 

↑脱衣系岳人ねら君 (2013/2/23 赤城山

あらま、これまた久しぶりの方から(笑)。最後に会ったのが2月の赤城山だから、半年以上振りか、、

まず、高妻山がどこかわからなかったので地図で探してみたら、妙高・火打エリアの地図に載ってた。あまり行かない山域だし、久しぶりに静かな山もいいかな、ってことで急いで野暮用済ませて山準備。メールをもらって4時間後くらいに家を出たっけか。

 

都内では雨が降る中、さらにのぶさん(前週の燧ヶ岳で遭遇した彼ね)も合流して3人で出発。

 

高速を3時間ほど走らせて、22時過ぎに高妻山にほど近い民宿へ。ねらさんが手配してくれた民宿、3人では十分すぎるくらいの広さ。泊まったのも自分たちだけでした。

この日はぐっすり寝て、翌日の登山に備える。

 

翌朝4時半に起床して、5時半には出発。民宿から登山口の戸隠牧場までは車で10分ほどでした。

あまり人気のない山かと思ったけど、駐車場にはそこそこ車が停まってて、家族連れや若いハイカーなんかもチラホラ。

 

牧場からスタート。まずは牧場脇に併設されたキャンプ場を通って行くのですが、これがある意味、運命の出会いだったのか、、、!

 

目の前にそびえる戸隠山のモルゲンロート。赤く染まってカッコいい!!いきなり迫力ある光景、ごちそうさまです。

ちなみにピークが二つあるように見えるのは左が戸隠山、右が九頭龍山。この界隈の山はとにかく山の名前がカッコ良すぎ!(九頭龍山、、、るろうに剣心を思い出さずにはいられないな)

背後には黒姫山なんて山もあったりと、地図を見ているだけでテンション上がります(笑)

一目見て、登ってみたいと思えた山。修行の山と聞いて、十分納得のいくイカツイ岩肌でしたよ。

 

戸隠牧場からご来光~!草原が黄色に染まって綺麗でした。朝日を浴びると、やっぱり身体も目が覚めてくれる。

 

朝日を浴びて登山口へ。今回登るのは戸隠連峰最高峰の高妻山だけど、知名度で言ったら戸隠山の方が高いかもね。ここら一帯は昔から修行の山とされていて、戸隠山もとにかく危険な山。”蟻の戸渡り”っていうナイフリッジ連続のルートがかなりヤバイらしい。。滑落ではなく墜落で何人も命を落としている場所とか。。。3人でいつか行ってみようってことで一致した。何年後かにね、、

 

牧場なだけあって、乳牛さんいらっしゃいました。なんか牛乳飲みたくなってきた。

 

牧場を通り過ぎて、登山口に到着。ここから山頂までは登り4時間半ほど。頑張るぜ!

 

ここからしばらくは沢沿いが続き、淡々と標高を上げていきます。

 

登るにつれて葉が徐々に色づいて行く。周りに他の登山客もいなくて、静かな道。

 

登山口から40分ほど歩くと見えてくるのが、滑滝。その横に1本の鎖。高妻山の登山コース上では割と有名ポイントらしい。

 

上から見るとそこそこ高度感ありますが、登りは大したことないです。雨上がりは水量が増すこともあるそうなので、それだけ注意。

 

基本的に序盤は樹林帯の中だけど、所々で展望が開けてそこまで飽きが来ない道でした。

 

帯岩。岩を横に横断。見た目危険そうだけど、足場はしっかりしてました。ここも鎖場。

 

どんどん登って次に見えるのが氷清水。今回のコース上にある唯一の水場。水量は少なかったです。

 

この岩清水より上からが、いよいよ紅葉も見ごたえ出てきた。

 

紅葉にほとんど目が行ってたけど、苔もなかなか瑞々しかった。人の少ない山の方が、周りの景色をじっくり見れる気がする。

 

登山口から1時間半ほどで一不動避難小屋に到着。ここで前半の登りが終了。

緊急時のみ利用する避難小屋。携帯トイレブースもありました。ここらで自分たちよりも若い4人組に追い抜かれたっけか。割とラフな格好してたのに早かったな、、

 

上から見下ろす戸隠牧場。

 

ここからしばらくは穏やかな尾根道。そして今回の山行では、紅葉が最も綺麗だった場所だったかな。

 

鮮やかな色。例年だとこの翌週あたりがピークみたいだけど、この日も十分見ごろを迎えてました。

 

そして、この尾根道から高妻山山頂を捉える。予想外に立派なたたずまい!別名「戸隠富士」という名も、この姿を見れば納得。いい形してます。

ただ、思った以上に先が長い。。目の前に見えてるけど、右側の尾根を迂回して登っていかないといけないので、まだ結構時間がかかります。

 

すぐ背後には大好きな白馬岳など後立山連峰。北アルプスも目と鼻の先。

 

紅葉の尾根道を進む。ここも半分くらいは樹林帯だけど、葉っぱが色づいているので気持ちよかった。たまに開ける場所からの展望がまたよかったよ。

 

尾根の東側は雲海。西側の北アルプスの眺めに比べると、別に何が見えるってわけでもないけど、何べん見ても雲海ってのはいいもんで。。これまでの経験で何となくわかったのが、山に登らない人を引きつける一番の風景って、紅葉でも稜線でも夕日でもなく雲海みたい。みんな雲海の写真見せる時が一番目を輝かせるし。

たまに「もう雲海とか見飽きたんじゃない」とか言われるけど、そんなことは全然なくて、今でも十分好きですぜ。

ちなみにこのガスは後々湧き上がってきて、僕らを包み込むのさ。。。(先に言っとく)

 

だから、晴れてくれたこの尾根道の紅葉が一番印象に残ってる。

 

 

稜線の途中にあるピーク、五地蔵山に到着。展望はそんなに開けていなかったです。

 

ひたすら紅葉ハイク。トレランの人と数名すれ違ったけど、やっぱり尋常じゃない速さだった。この紅葉の中を疾走するのも気持ちよさそうね。

 

六弥勤と呼ばれる場所に到着。自分の地図には載ってなかったんだけど、高妻山には弥勒尾根新道という割と最近開拓されたコースがあって、その合流地点がここ。弥勒尾根は最短で登れるらしい。下りで利用しました。

 

ここからようやく尾根伝いに高妻山山頂が見えます。最後の登りがかなり急登そう…。そこに至るまでにも結構アップダウンがありました。

 

まず下る。後ろから来た女性の方に追い抜いてもらったんだけど、この写真見て思い出した!今回の高妻山、登る人が本当に健脚な方ばかりで、どんどん追い抜かれていったのよ。自分たちも別に遅く歩いてたわけじゃないんだけど、やっぱりこういうマイナーな山は玄人が多いのかね。すごい軽快な方ばかりでした。

 

途中の七薬師。小さい祠ありました。

 

振り返ってみるとこれまた風情ある眺め。ガスってきちゃったのが残念だったけど、晴れていればたぶんここが一番紅葉綺麗だったと思う。

まぁ、これでも十分綺麗か。

 

登ったり、、

 

下ったりで、、

 

八観音。

気づいた人もいるかもしれないけど、この高妻山、コース上の各名所に通し番号の漢数字が入っています。「一」が避難小屋のあった一不動。「五」が五地蔵山。六がさっきの分岐の六弥勤。そして七薬師に八観音。飛ばしたけど、二釈迦、三文殊、四普賢もあります。いちいち名前がカッコいい。

 

一つ一つの地名からも何となく修行の山ってのがわかる。そもそも不動から番号が付けられているのは、十三仏にちなんだものだったらしい。

十三仏―――、冥界には閻魔王を含めて、審判を下す仏様が13人いるんだって。不動明王、釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩、、、この仏様のお名前が順番につけられてたわけ。こういう小ネタも知っておくと面白い。

 

で、今いるのが九勢至。仏の名は勢至菩薩(せいしぼさつ) 。干支の午(ウマ)の守護仏でもあらせられるそうな。

ちなみに僕はうし年。丑の守護仏は虚空蔵菩薩。13の仏の中ではラストの13番目。 宇宙のような無限の智恵と慈悲をもった菩薩だってよ!

覚えておこう虚空菩薩。

 

せっかくだから、少し話それるけど、、、

十三仏の名前を見て思い出すのが鳳凰三山。薬師、観音、地蔵、この3つも十三仏に入ってます。で、実はこの3つの中にあの有名な閻魔大王様にあたる菩薩がいるんだけど、どれだかわかりますかね??

よければ調べてみてくだされ。

 

話を高妻山へ戻して、ラストの登りへ。この尾根道も見る分には結構好きだったな。

山頂は登りきった裏側にあるので、ここからだと見えません。

 

この最後の登りが結構急でした。場所によっては両手フリーにしないと登れない岩場もあったので注意。登りよりも下りの方が神経使った部分でした。

 

坂を登りきればほぼゴール。そういえば、ここで一人の女性とすれ違い、、、どこかで見たなぁ~と思ったら向こうも自分を見たことがあると、、、。その瞬間思い出した。6月末に登った越後駒ヶ岳で自分たちを悠々と追い抜いて行った女性だ!(笑) やっぱり登るの早かった。。越後駒ヶ岳に続き、高妻山と、割と渋めの山での再会。次会うとしたら平ヶ岳あたりかな?

 

山頂手前に十阿弥陀。阿弥陀と言えば八ヶ岳の阿弥陀岳だな。もう一度登りたい八ヶ岳の1つ。

 

山頂は残念ながら薄いガスに包まれてしまって展望なし。まぁ、紅葉見れただけでも満足かね。

 

10時半、高妻山山頂に到着。団体さんもいて、思ってた以上に混んでました。

 

そして、なぜかその団体さんの方からお弁当を頂く(笑)。量が多くて全然食べきれないってことだったんだけど、確かにおにぎりが大きかった。

このもらった弁当だけでお腹いっぱい。ご馳走様でした、武井旅館!

 

しばらく休憩したけど、ガスは取れそうになかったので11時過ぎに下山。ここから見れたであろう展望は、いつの日か隣の戸隠山で見ることにするさ。

ちなみにこの山頂よりさらに奥に、十一あしゅく、十二大日、十三虚空蔵と続くけど、ルート上は破線になっているので少々危険なのか、歩きづらいのか。。。時間があれば歩いてみてくだされ。

 

登っていてもずっと気になってた戸隠山、”ダイレクト尾根”だとか”無念の峰”だとか危なっかしい名前ばかり。その危険さは剱岳以上とか。。怖そうだけどやっぱり登ってみたい。

 

高妻山、マイナーな山で登山道自体はそこまで面白いわけじゃないけど、紅葉はとにかく綺麗でした。山の雰囲気としては昨年の同時期に登った庚申山~皇海山に近いものがある。

 

帰りは弥勒尾根新道を使って直接牧場へ降りることに。道は特に面白味のない坂がずっと続くだけなので、登りはやっぱり自分たちが登った沢沿いのルートがいいかと思います。

 

途中、道が狭くて団体さんの渋滞にあったけど、14時には下りて来れました。開けた戸隠牧場に出てきます。

 

絶賛、放牧中!

 

馬もいて、どうやら乗馬もできるみたい。

雲の感じと牧場ののどかな風景が、どことなく北海道を思わせる感じで好きでした。

 

ファンタで乾杯。キャンプ場がるので、自販機はそこらじゅうにあります。

飲みながらふと思ったけど、このキャンプ場、隣に牧場があって匂いは気にならないのかな??

 

下山後にお蕎麦。ここ戸隠に来る途中は本当のお蕎麦屋さんだらけでしたが、このキャンプ場内にもあります。店名「岳」!本格手打ちそばでうまかったです。

 

本当なら牛乳も飲みたかったけど、この時間になるとどこも売り切れてて飲めず。。。牛乳飲みたいなら、昼ごろには降りてこないとダメかもしれん。

ちょいと残念だったけど、とりあえず15時過ぎに駐車場に無事に到着。長野駅からバスも通ってたみたい。

 

下山後の温泉は、車で5分ほどの距離にある戸隠神告げ温泉。探した限りだと温泉はここくらいしかなかった。割と綺麗な温泉でした。

 

帰り際、野尻湖に寄ってみたけど、特に印象には残らなかった湖だったか。。

 

 

こんな感じで終わった高妻山。下調べもほとんどせずに誘われて行ったけど、紅葉が予想以上に綺麗な山でした。逆に夏場はあまり面白くはない山かもしれません。

久しぶりの古株さん達と登れて楽しかったし、ここ最近のメジャーどころの山とは一味違う雰囲気があったので、これはこれで十分楽しめた山でした。

高妻山についてはもう登ることはないかもしれないけど、戸隠山は絶対に登りたい!地図を見ててもどれだけ危険なのかその場で見てみたいし、下から見ても迫力あった岩肌。高妻山では味わえない面白さがありそうでした。…というか絶対にあるはず!

あと近くにある黒姫山も登ってみたいね。(これは単純に名前がカッコいいからっていうだけw)

 

戸隠山、挑戦するのはずいぶん先になりそうな気がするけど、この山は覚えておこうと思います。

そして今回登った高妻山、派手さはないけど静かで山の奥深い雰囲気を味わいたいならオススメです。何度も言うけど、紅葉はかなり綺麗でした。

 

紅葉の高妻山より―――

 

 

おしまい

 

 

 

【参考コースタイム】

2013年10月6日 晴れのち曇り

戸隠牧場駐車場(5:35) — 登山道入口(6:05) — 一不動避難小屋(7:25) — 五地蔵山(8:30) — 高妻山(10:30) — 昼休み — 下山開始(11:15) — 六弥勤分岐(12:40) —— 弥勒尾根新道 —— 戸隠牧場(14:00)

 

 

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