雲竜渓谷(日光) ―― 圧巻の氷瀑・氷柱の世界 ――

雲竜渓谷(日光) ―― 圧巻の氷瀑・氷柱の世界 ――

今週末は山登りを一休みして、日光の雲竜渓谷へ。

ここは2011年の「山と渓谷」という山雑誌の表紙で紹介されたこともあって、近年訪れる人が増えている人気スポットのようです。氷瀑(凍った滝)がウリなので、真冬限定の観光地になります。

知り合いの方に誘われて事前リサーチもあまりしないまま行ってみたわけですが、、、ただただ素晴らしかった!!「氷の世界」と呼ぶにふさわしい、圧巻の景色が目の前に広がってました。

※後述するのですが、雪山装備が求められるのでご注意を!

 

壮大な氷の世界、雲竜渓谷―――

 


【日程】

2013年1月26日 曇り時々晴れ

【コースタイム】

瀧尾神社駐車場(9:10)→ゲート(9:45)→洞門岩(11:30)→雲竜瀑(12:40)→→お昼休憩(~13:10)→→洞門岩(13:40)→ゲート(15:00)→瀧尾神社駐車場(15:30)

 

 

富士山御前山谷川岳雲取山大菩薩峠、、、1月に入って割と登ったなぁ~と思いつつも、心の片隅で感じていたのが「どこも一度登ったことがある山だったな……」。もちろん、季節を変えて登るのとまた違った感動・景色に出会えるので、同じ山に登るのも好きなのですが、せっかくなら一度くらい新規の山を攻めてみたいなぁ~と。。。

そんな感じで、今週は八ヶ岳近くの飯盛山あたりにソロで繰り出そうかなんて考えていたのですが、お知り合いの方からお誘いが!どこに行こうか相談していたところ、そういえば、先週雲竜渓谷に行っていた方がいたなぁ~~、、、

ということで、1月下旬の大寒波が押し寄せるさなか、寒くて熱いスポット「雲竜渓谷」へ。

 

栃木在住の山友さんと合流するため、始発の電車に乗ってJR宇都宮駅へ。全て山関連ですが、意外とこの駅に降り立つことが多い。

ちなみにこの日は今年一番の寒波到来で、街中でもかなり気温が低かった。。山に登ってたら、どうなっていたことやら・・

 

宇都宮から日光へ。日光方面は雲に覆われてましたが、今日は氷瀑を見に行くってことで、天気はあまり気にしない。

 

午前9時、瀧尾神社駐車場に到着。ここから雲竜渓谷へアタックします。

なお、行こうと思えばもっと奥まで車で行けるのですが、道が凍結している上に奥の駐車場が小さいので満車の可能性あり。ということで、かなり手前のこの神社に停めました。ちなみに、タクシーもここから奥の道は嫌がるらしく、話によると1社しか送迎を受け付けていないそうなので、タクシー利用の場合も要注意。

 

9時過ぎに雲竜渓谷向けてスタート。まずはツルッツルに凍結した道路を歩いて行くのですが、週末ともなればこんな感じで路肩駐車が目立ちます。みんな奥の駐車場に停められなかったんだろうね。道幅も狭いので、タクシーが嫌がるのもよくわかる。他の人の記録も見てみましたが、とにかく凍結が激しくてスタットレスでもゲートまで行くのは厳しいみたいです。

 

手前に停めればそれだけ歩かなきゃいけないですが、こんな感じでシカに出会えたりと悪いことばかりじゃないw

実際、ゲートまで歩いて30分くらいしかかからないので、瀧尾神社に停めてしまうのが確実かと思います。

 

ゲート到着。10台くらいしか停められない駐車場はやはり満杯でした。

ちなみにここの分岐!左へ行くか右へ行くかで、その後の道が大きく変わります。先行している方がみんな右(車が停まっている方)へ行っていたので、自分たちも特に考えずに右へ行ったのですが、正規ルートは左です。結果的には右へ行っても洞門岩で合流できるし、沢沿いも歩けて面白かったのですが、最後の登り坂がどう考えても正規ルートじゃなかった…。

帰りは左から帰ってくるのですが、左へ行くと洞門岩までひたすら林道です。

 

そんなことは露知らず、ゲートを越えて先へ。まだこの段階では雪も少ないのでアイゼンは必要なかったです。

 

少し行くと防堰堤が見えるので、その上を渡って反対側へ。すでに帰ってくる人もチラホラいました。

 

防堰堤からの眺め。雲の境界線がはっきりしていて、見事なまでに晴れと曇りの世界。宇都宮方面は晴れているようで、その奥に見える山は・・・筑波山??

 

その後、しばらく林道歩きが続きます。この時はトレースがはっきりしていたので、まだ安心してました。そうして見えてくるのが・・・

 

でかいダム!大きい建造物ってのは男心をくすぐるね!カッコ良かった。

このダムの脇を乗り越えていくと、また景色が一変しまして・・

 

だだっ広い河原。先行者がチラホラいるのですが、どこを歩いたのかよくわからず、適当に前へ進んでいきます。この時、川を3回ほど渡ったのですが、完全防水の靴じゃないと悲惨なことになるので、絶対に冬山用の靴で来ること!(もしくはゲートの分岐を左へ行って林道へ行くこと)

 

しばらく歩くと、早くも大きな氷柱がお目見え!!もう、これだけでもテンション上がったけど、こんなのまだ序の口。

これを見ていて1つ疑問だったのが、氷柱が綺麗なエメラルドブルーだったんだけど、、何でなんだろ??

 

幸先よく氷柱を見れたのはいいのですが、そこから先の道がわからず、トレースも消えてました。先行者はいったいどこへ!?

仕方ないので、強引に谷底から這い上がって、良くわからない小屋に到着。

 

ここでようやくアイゼン装着。トレースもこんな感じで復活してました。

 

さらにしばらく歩くとまた小屋発見!標札を見たら道場って書いてありました。

この道場の先も軽く道に迷って、、、トレースはあるのですがその足跡の主たちも道に迷ったっぽくて、いろいろ大変でしたよ・・

 

道場へ着いたらまた谷底へ降りるのが正解。再び沢沿いを歩いて行きます。ここからいよいよ渓谷っぽくなってきた!

 

絶壁に氷柱。雪もちらついてきて、まさに氷の世界~!

 

・・・がまたしても先へ進めず。。。氷の壁で沢登りしないと先へ行けなかったので、ここもわずかなトレース見つけて谷底から這い上がる。。

 

ここは本当に急坂で、アイゼンの前づめ引っかけて登るくらいだったので、、、たぶんこっちは正規ルートじゃないんだろうね。こっちはこっちで面白かったので個人的にはおススメしたいコースですが、、、心配なら最初のゲートの分岐は左へ行った方が無難です。

 

半ば強引に登りきったら、なんと駐車場に出てきました。ここが「洞門岩」でうまい具合に正規ルートと合流できました。

そういえば写真に写ってる団体さん、よく見たら外人さんグループだったんだけど、雲竜渓谷はツアーとかもやってるのかな??

 

で、ここにも分岐点。これはどちらも正規ルートです。自分たちは左へ行ったのですが、今回唯一の失敗点がこの分岐だったかな。右が沢沿いを歩くルートで、左よりも短時間で雲竜渓谷へ着きます。左の林道はただただ退屈なだけで、やたら登る羽目になります。ここは行きも帰りも右の沢ルートをお勧めします。

 

左側は単調な林道。。。下山者が皆こちらから戻ってくるので、こちらの道を選択してしまったのですが、緩やかな登りが続いて面倒だった・・。

途中、ヒップソリを使って下りている人がいて、、、「あぁ、ここはまさにヒップソリの出番だ、、、」なんて思ったり。やっぱり雪山にヒップソリは必須だよなぁーw 次回は持ってくることにします!

そうそう、ここを登っている最中、ベテランハイカーの方から正しいルートを教えてもらいました。やはり、こちらの道ではなく沢沿いの方が面白いし時間も短縮できるよ、とのこと。なるほど、帰りは沢沿いで帰ります。

 

林道をひたすら歩いて少し開けた場所に到着。先ほど右の沢沿いルートへ進むとここで合流できます。

 

ここに来てようやく雲竜渓谷の看板。前置きが長くなりましたが、お待たせしました!ここからいよいよ本日のメインエリアに入っていきます。

 

まず、急坂と化した階段を降りて(ここ要注意!)、沢沿いへ。

 

何度目かの沢渡り。雪山登山靴で来てよかったぜ。

 

どんどん規模が大きくなっていく氷柱を横目に進んでいきます。こりゃ~すげぇ!!

 

たまにつららが上から落ちてくることがあります。こんなのが上から落ちてきたら、、、怖っ。。より安全に歩くならヘルメットも着用した方が良いです。

 

上ばかりに注意してもいられず、足元も崩れる恐れあり。一番怖かったのがこのスノーブリッジかな。

この日は人も多くてトレースがはっきりしていましたが、うっかり踏み外すと床が抜けて川に転落しかねない!渓谷歩きとはいえ、ここも雪山。危険な面もあります。

 

駐車場をスタートして3時間。。ようやく最深部付近に到着。ここからが雲竜渓谷のメインエリア!!

 

圧倒的な大きさの氷柱。先ほどまで見たものが小さく見えるくらい巨大だった・・・。見る者を圧倒させる、まさに氷の世界!!ぜひその場に立って体感してほしいです。

 

ちょうどアイスクライミングを始めたのでしばらく見学。天然のアイスキャンディー!これだけ太ければ、崩れる心配もなさそうだね。

 

小さい鋭利な氷柱。この写真、決して手ブレが起きているわけじゃないよw

 

氷柱からツララw 他にも赤いツララ(土の色によって変色したっぽい)などなど、いろいろな氷柱がありました。つらら劇場~

 

そして、ついに見えた雲竜瀑。右側の大きな滝です。ここから見るとそれほどの大きさに見えないけど、これがとにかくでかいのさ~

 

ちなみにこの日、日光市が主催する山岳救助訓練が開かれていて、報道陣もチラホラいました。翌日、ニュースにもなってて、毎年氷瀑がピークの時に開かれるそうです。

 

雲竜瀑へ行くには特別なクライミング装備がなくてもいけます。ただ、急坂なので前づめがあるアイゼンを装備した方が良いです。自分は12本アイゼン持って行きましたが、12本あれば特に問題なく登れます。

 

ピッケルもあれば安心というレベル。僕はこの前の週に登っていた知り合いの方から「ピッケルを持って行った方がいい」と言われたので、一応持って行きました。最後のここら辺で役に立ちました(アダさん、ありがとうございました!)。雪がフカフカな状況であればストックでも問題はなさそうですが、少なくともピッケルかストック、どちらかは持って行くべし!!

 

急坂降りたらそこが滝つぼ。

で、目の前に広がるのが・・・

 

ドン!!こちらが雲竜瀑!どれだけデカいかわかりやすいように、自分を並べてみると、、、

 

こんな感じ!でかいやろ~w

実際、この写真を見て、改めて自分もその大きさを認識したのですが、真下から見るともはや氷瀑ってよりは雪壁です。凄まじく巨大な氷瀑、これはすごすぎる・・!!

 

横からはこんな感じ。よくここまで凍るもんだね。スケールデカすぎ!!

 

結局、駐車場からここまで3時間かかっちゃいました。なかなか歩き応えあったな。

時間も少し遅く、雲竜瀑には自分たち以外にアイスクライミングをしている1グループしかいなかったので、雲竜瀑見ながらお昼休憩~。何度眺めてデカいww

 

先ほどクライミングをしていた氷柱。上から見ると氷のカーテンみたいだった。

あれも相当大きいはずなのに、この雲竜瀑がとにかく巨大だったので、ちっこく見えた。。。雲竜瀑、その大きさと言ったら半端ないね。

 

お昼ご飯を食べ終えてきた道を戻る。天気もいい感じで晴れて来てくれました。

ちなみに、雲竜瀑へは写真右のジグザグについている足跡のところを登って行きます。そこそこ急なので、ピッケルかストックは絶対に持って行った方がいいです。アイゼンはもちろん必須。

 

太陽の光があたると、より一層青白く輝く氷柱。きれいや~~

 

帰りがけ、隣の氷柱でもアイスクライミングが始まってました。怖そうだけど見てたらやりたくなってきた。実際にこの方たちに話しかけてみましたが、「クライミング技術は普通の登山でも必要になるから、やっておいた方がいいよ」とのこと。なるほど!まずはずっとサボってるボルダリングから再開だなw

 

素晴らしき氷の世界を堪能して大満足でした!ここなら毎年来たいね。

 

テントが張ってあった場所まで戻ってきました。ここからは行きで教えてもらったとおり、沢沿いルートで帰ります。緑色のテントの脇あたりにトレースがあったのでそちらへ。

 

なるほど、こっちの道の方が面白いし、距離も短い。次は林道はやめてこちらの沢沿いで来よう。

 

洞門岩を過ぎたら、帰りは正規ルートで林道へ。この林道、地味に長ったらしいかったぜ・・・。

 

途中にあった地図w

字が薄っすらとしか読めなかったですが、上の沢沿いルートは雲竜渓谷まで行けないよ、って書いてありました。これを知らずに、自分たちは沢沿いを歩いていたのですが、多少強引に登り返せば洞門岩で合流できるので、沢沿いルートを歩いてみるのもありかも。その方が、この林道よりも全然楽しいしね!

 

ただただ長い林道を歩いて、ゲートに到着。行きは間違えて、ワゴンが停まっている左奥へ進んでしまったわけです。何度も言うけど、道の面白さで言ったらそっちの方が楽しいよ。

 

こうして往復6時間半ほどのトレッキングを終えて15時半に駐車場に到着。道に迷ったりもして、何だかんだ軽登山と同じくらいの行動時間となりました。

 

帰りは日光温泉へ。ここは400円と安かったのですが、狭いので大人数向きではないです。地元の人たちが入る銭湯みたいな感じでした。

 

宇都宮に戻ったら、同行者の方にぎょうざ屋さんへ連れて行ってもらいました。宇都宮と言えば餃子だよね。旨かったぜ!

 

 

こうして今週の旅もおしまい。寒さにやられたのか、自宅に帰ってから一気に体調が悪くなり、速攻で寝ました。気づけば15時間睡眠してたんだから、身体相当疲れてたのかもしれん。。氷の世界、寒すぎた・・!

ちょっぴり代償もありましたが、、、雲竜渓谷、そのスケールの大きさは半端なかった!最初にこの場所を見つけた人は、本当に感動ものだったんだろうね。今でこそ人気も出て観光地化されてますが、まさに秘境とも言える場所でした。

道に迷ったりもして、結果的に行き帰りで全く別のルートを歩いたのですが、おススメのコースとしては沢沿いをできる限り歩き続けるルートかな。(分岐では常に右を選択するイメージ)。林道はひたすら長く単調なので、帰りに利用するのが良いかと思います。

あと注意点としては、渓谷歩きとはいえしっかりとした冬山装備で臨むってこと!!雪山用登山靴はもちろん、アイゼンは10本以上が理想。ピッケルかストックも必須です(あと、余裕があればヒップソリ~♪)。誰でも手軽に行ける場所ではないので、くれぐれも油断しないように。

 

どうでしたかね、氷の世界は??渓谷と言えば、昨年の黒部峡谷を思い出さずにはいられなかったのですが、この雲竜渓谷も素晴らしい感動を味わえました。雪山に登っている人であれば、余裕で行ける場所なので、氷の世界を味わいたい方はぜひ行ってみてください!見ごろは2月上旬くらいまでだそうなので、お早めに!

 

 

The 氷 ワールド!!

 

 

以上、一味違った山旅でした。

 

 

 

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