これまで敢行してきた日帰り登山の中で、特に辛かった思い出のある山の振り返り。
当日の体調、天候、コンディション、その時期の自身の体力などによって体感的なブレはありますが、しんどかった山というのはよく覚えているもんで、そんな登山記録を載せておきます。
どれも地図にちゃんと載っている一般ルート。なのにキツかった……
休みが1日しかない、とか
天気がその日しか持たない、とか
俺、鍛えてっから、とか
かくかくしかじかの理由で、通常なら1泊以上の行程で歩くルートを半ば強行の日帰りで歩いたという人、少なからずいるはず。
自分も過去に日帰りで登りに行って、ずいぶんしんどい思いをしたという山がいくつかあるので、そのあたりを紹介しておきます。
どれもちゃんと地図に書かれている一般ルートです。コースタイムの目安としては、だいたい標準で15~18時間くらい。
あぁ、あの頃の体力が欲しい……
【上信越】中ノ岳~丹後山
まず最初に上げるのがこちら。越後駒ヶ岳、八海山と並んで越後三山と言われる中ノ岳の日帰り登山。
十字峡登山口から中ノ岳~丹後山を周回登山してきたのですが、これはもうかなりキツかった……
標準タイムで18時間超えなので、まぁ良く日帰りで歩いたもんだなと今ながら思います。ルート上に避難小屋が2つもあるので、泊りで行っても良かったかもしれません。
中ノ岳は日本二百名山ですが、丹後山の方が上信越らしい雄大な稜線風景広がっていたので、丹後山おすすめです。
【中央アルプス】空木岳
中ノ岳と並んで辛かった思い出として記憶に残っているのが中央アルプスの空木岳。
行程としては中ノ岳の周回よりも短いですが、この時は体調があまり優れなかったのか、中盤あたりから足が重くて山頂がとにかく遠く感じた山でした。
そして、山頂に立ってみて気づいた。この山は縦走する山だなと。森林限界を超えてからの景色には感動しましたが、なにぶん日帰りなもんで中央アルプスの稜線をほとんど堪能することなく下山するという、少しもったいないことをしたなという登山でした。雪が積もる中でのやり切ったという達成感はありましたけど。
次に登るときはぜひとも中央アルプス縦走で訪れたいと思います。
ちなみにこの直前に「日本百名山の中での日帰り難関」と言われる平ヶ岳に登ったのですが、こちらは体調が良かったのかあまり辛さを感じずに終われました。だからこそ空木岳も余裕だろうなと思っていたんだろうけど……。
平ヶ岳と空木岳、どちらも行程としてはそこまで大差ないのに、体調の良し悪しによってずいぶんと変わるもんだなと思い知らされた登山でもありました。
【北信五岳】戸隠山~高妻山
2016年10月16日【北信五岳】戸隠山~高妻山 日帰り紅葉登山
北信の名峰、戸隠山と高妻山。この両者は隣にあるということで、秋の紅葉時期に日帰りで2つ合わせて登ってきたわけですが、これも今考えればなかなかハードな縦走でした。
体力面ではそこまで追い詰められたという記憶はないですが、高妻山に関してはこれ以前に一度登っていたので、途中の登り返しとか山頂直下の急登とかを知っていたわけですね。
なので戸隠山を終えてからの「あぁ、これからまだ高妻山があるのか……」という精神的なダメージの方があった気がします。
あと、そもそも岩場苦手、高いところ苦手なもんで、戸隠山の蟻の戸渡りがめちゃくちゃ怖かったです。人間怖い思いをすると体力的な辛さは感じなくなるんですかね?
メンタル面で大変でしたが、序盤の鏡池含めて紅葉が素晴らしく綺麗な縦走路でした。
【谷川主脈】谷川岳~仙ノ倉山~平標山
谷川岳~仙ノ倉山~平標山を縦走する谷川主脈も体力的にはかなりキツかった登山です。午前4時前、まだ真っ暗な中をスタートし、日本三大急登の1つと言われる西黒尾根を黙々と登り、最初のピークとなる谷川岳に到着したのが朝の7時半ごろ。
この時は全然余裕だと思っていたのですが、そこからメインの主脈稜線に入ってからが辛かった。
オジカ沢ノ頭とか、小障子ノ頭とか、大障子ノ頭とか……
「〇〇の頭」とやらがいくつも出てきてその都度アップダウンを余儀なくされて、みるみる体力を削られました。
なるほど、これが噂の谷川主脈縦走なのかと、その厳しさを大いに味わった登山でしたとさ。
谷川馬蹄形は、、、いつの日かチャンスがあれば。
【北アルプス】針ノ木岳~蓮華岳
2016年7月10日【北アルプス】針ノ木岳~蓮華岳 日帰り登山
北アルプスに関しては基本的に泊りが多いので、日帰りで登った中でそこまでつらい経験をしたものはないですが、1つ挙げるとしたらこれ。
体力面ではなく、とある事情から死ぬ思いをした苦い経験のある山行です。
こちらの記事で詳細は語っているので、ここでは省略。
本当に雪渓にはお気をつけください……。
【南アルプス】塩見岳
南アルプスで言うと、有名どころでは塩見岳の日帰り登山がなかなかの長丁場ルートだったと思います。
ただ、これも序盤の林道が厄介なだけで、登山道に入ってからは割と順調に歩けていたと思います。そこまでしんどいという記憶もなかったし、体調が良かったのかもしれません。
ただ我々が歩いた最短の鳥倉ルートでも標準タイムで14時間を超えるので、早出は必須です。山頂直下に山小屋もあるので、1泊2日で歩くのが普通かもしれません。
塩見岳に関しては次は縦走で訪れたいと思っているのですが、この山を絡めた縦走となると、どうしても3泊以上費やす感じになってしまうのが悩ましいところです。
【南アルプス】笊ヶ岳
南アルプスは塩見岳よりもこちらの方が日帰りとしてはきつかったと思います。
日本二百名山の笊ヶ岳。
この山は途中に避難小屋の類もないので、登るのであれば日帰りしか選択肢がないですが、スタートの標高が低いので山頂までの道のりがかなり長いです。
高低差もさることながら、登山道の展望の無さよ。南アルプスということで森林限界も高いわけですが、この笊ヶ岳に関しては標高2629mなので、山頂で森林限界ギリギリ。
本当に上の方まで行かないと展望が開けないわけです。
自分が登った日は幸い快晴だったので、稜線に出てからは聖岳など南アルプス南部の名峰群を望めたわけですが、これでガスっていたらもう地獄です。
こういった半ば強行の日帰り登山の場合は、いつも以上に天気って大事ですね。
無事に快晴の中で登れたので、笊ヶ岳に関してはもしかしたら今後もう登ることがないかもしれません。
とりあえず、パッと思いつくところではこんな感じ。
どれも4年以上前なので、懐かしいものばかりです。よくこんなルート歩いたなぁ~と我ながら記事を書いていて思ったりもしました。
最近は日帰りで長いルートを歩くことはほとんどしてないですが、機会があればこういうロングルートも無理のない範囲で楽しめたらいいなと思ってます。
おしまい。
コメント
どれも 凄いコースだなあ。私はこれらの山、全て一泊でした。笊だけは、日帰り強行ツアーに参加したので、やむを得ずの日帰りでした。2001年9月11日 帰宅したら、貿易センタービルに航空機が飛び込んだ映像がテレビに出たのでよく覚えています。椹島ロッジ発 朝 3時のツアーでした。
日帰りではないけど、中ノ岳は水 7リッター担いだのが重かった。山頂に水場がないのでね。
テラさん、こんばんは。
笊ヶ岳はやはり日帰りで登るしかない山ですよね。2度登るほどのモチベーションはなかったので、1回目で晴れてくれて本当に良かった山の1つです。(2001年とは私が登山を始めるはるか前なので大先輩ですね)
中ノ岳、言われて思い出しましたが、確かに水場がなかったのもきつかったです。ロケーション抜群のところに避難小屋があるので、あれで水場があれば最高なんですけどね。次に訪れるのであれば、荒沢岳、越後駒ヶ岳と合わせた縦走してみたいです。
と 言う事は、上記の山行は 全て 今世紀の記録なんですね。それまた、凄いペースですね。
現代の山歩きが楽勝だなんて、言うつもりはありませんが、前世紀の登山は大変でしたよ。通気性のあるカッパは無い。ペットボトルも無い。携帯電話は無い。GPSも無い。ヘッドランプは電池式豆電球で重い。山靴も重い。ザックも重い。チタンコッフェルも無い。地図はダウンロードではなく、いちいち2万五千図買ったりしてました。平均すると近代装備は2割ほど楽に感じます。もっと大きな違いは山の悪天候が、かなりの確度で、事前に読める事ですかねえ。
それは本当に感じますね。年々、装備品が軽量化されてテント泊でもずいぶん重量が軽くなりました。一昔前の人たちはどれだけの重さ背負って登っていたんだろうと、つくづく思います。
天気予報の精度も納得です。私の場合、特に最近はよほど天気が良くないと動かなくなってしまったので、レインコートなんてここしばらく使っていません。快晴を狙う分、登山に行く回数が減ってしまったのはありますが……
体力的な問題もそうですが、トイレも心配です…。
平が岳、携帯トイレとか持っていくのが安心かな?
ツイッターも見てますよ!
Kindergartさん、こんばんは。
Twitterも見てくださりありがとうございます!
確かに携帯トイレはあったほうが安心ですね。いつもザックに忍ばせているだけでお守りと化していますが、やはり安心感があります。
平ヶ岳の紅葉は素晴らしいものがあったので、ぜひ機会があれば登ってみてください。
相変わらずの(笑)みやっちさんらしい記事ですね。
この間、池山尾根を歩いたばかり。あそこを日帰り往復って信じられません。お連れさんもやりますね!
コースタイムの比較だと平ヶ岳とほぼ同じかもしれませんが、平ヶ岳のCTはかなり緩めでは? また標高差も池山尾根に比べれば……
私も空木岳、大好きです。駒石あたりの穏やかな雰囲気、西側の荒々しい感じ、そして静かで美しい山頂。
ぜひ、南駒ヶ岳や越百山にも! みやっちさんお好みのコースが待っています(^^)
池山尾根は本当にしんどかった思い出があります。
まだこれからという中盤で辛くなったので、おそらく体調面でしょうね。登頂できたことで満足してしまいましたが、次はもう少しスマートに登りたいところです。。
中央アルプスの縦走はタイミングさえあればいつでも決行したいくらいです。南駒ヶ岳や越百山、いつの日か登ってこのブログに書き留めたいと思います!
こういった日帰りって車ですかね?
最近関東&丹沢山地(&東北)だけ荒れてたりガスっぽかったりが多いんで、そこを抜け出した日帰りをしたいんですが公共交通機関だといかんせん登山に使えるのが4~5時間しかなくて…。ピストンあまり好きじゃない上、たった4時間ちょいせわしなく登って帰るために金と時間投げ出すのもなぁって感じでいまいち気が進まないんです。何かいいところありませんかね?
雨乞岳とかあのあたりぐらいかなぁ…。
谷川主脈と針ノ木岳~蓮華岳は前夜発ですが公共交通機関で行きました。
電車・バスで行きやすいところだと北関東の日光・谷川エリアですかね。夜行バスを使えば北アルプス辺りも登れる山が増えますが、最近はどうにも夜発が苦手なので始発で行ける所ばかり行ってます。(丹沢、大月周辺あたり)
今の時期だと、去年登った谷川岳~茂倉岳は縦走もできてなかなか面白かったです。
https://bluesky.rash.jp/blog/hiking/tanigawadake8.html
迅速なお返事ありがとうございます!
早くに到着できればそこも1日で縦走できるんですね。今度行ってみたいです。
日光・谷川あたりもいいですよね。横浜からだとどうしても新幹線or前泊or小屋泊になってしまうのが悩みどころです。あと西と北ってどうしても雲が同時にかかってたりして口惜しい気になるんですよね…。
やっぱり丹沢大月あたりが晴れてると即興で行けるからありがたいですよねえ。
いえいえ、よければ縦走してみてください!
なるほど、横浜からだと静岡方面は行きやすそうですね。春先の伊豆の山は大好きで、沼津アルプスや伊豆稜線歩道なんかはまた行きたいと思ってます。
遠出する場合は天気を外したくないので、好条件が揃わないと足が重くなってしまうのは私も同じです。特にこれからの時期は雨も多くなってくるので、余計に悩ましいですね……