10月に北アルプスの穂高岳山荘に宿泊して涸沢岳からのご来光と涸沢の紅葉を見に行ってきました。
真っ赤に彩られた紅葉、そして穂高岳の岩峰と雄大なカール!ピークには少し早かったですが、それでも錦秋風景を存分に堪能して上高地へ下山。
1日目の前穂高岳〜奥穂高岳登山と合わせて充実した秋の山登りができました。
10月2日~3日の1泊2日で登った、今年最後のアルプス縦走登山。
メインどころでもあった前穂高岳~奥穂高岳を経て穂高岳山荘に泊まったのが1日目。2日目は涸沢の紅葉を見ながら上高地まで下山する楽な行程です。
4時半ごろに起床し、朝ごはんを食べながら空模様をチェック。
雲が多くてご来光が見れるか微妙な感じでしたが、朝日を信じて涸沢岳まで登ってみます。
朝の5時30分に行動開始。
テント場を抜けて奥に見えてる涸沢岳へと向かう。
山荘からであれば片道15分程度で着く距離です。道中に危険個所もありません。
15分ほどで涸沢岳に登頂。標高3110m、この山も立派な3000m峰で、北アルプスの中では奥穂高岳、槍ヶ岳に次いで高い山です。
山頂からの北側の展望。
槍ヶ岳の角がはっきりと見えました。
空も淡い色に染まり心落ち着く風景。以前、涸沢岳に登った時にはガスって展望がなかったので、この景色が見れただけでもだいぶ満足です。
5時47分、待望のご来光!
山の上から眺める朝日は久しぶりです。空のグラデーションが最高に美しい。
ちょうど雲が途切れてくれて、雲海の果てから太陽が顔を出してくれました。
涸沢岳から眺める奥穂高岳。眼下に見えるのが宿泊していた穂高岳山荘。
東側の岩壁が真っ赤に染まっています。
今ごろ下の涸沢から見たら、立派なモルゲンロートになっているんでしょうね。
槍ヶ岳方面も真っ赤に染まる。
山の上から眺めるモルゲンロートもいいっすね。
久しぶりに山から迎える朝の風景がこの上なく綺麗でした。
涸沢岳山頂には、山荘泊まりだった他の方々も登りに来てました。
頂上はそれほど広くはなく、片側も切れ落ちているので動き回るときはお気をつけください。
朝日と反対の西側はまだ淡い空模様。
笠ヶ岳山頂にだけ朝日が届いて、そこだけが真っ赤に染まってます。
しばし山頂でご来光タイム。
こうしてまた新しい1日が始まる。
気温もそれほど低くなく、停滞していてもそれほど寒くはなかったです。
完全に明るくなったところで穂高岳山荘へ戻る。
当初の予定では涸沢岳から北穂高岳を経由して涸沢に降りようかとも話してましたが、もう最近はダメですね。楽な方を選んでしまいます。
体力もさることながら、気力が無いんだ、気力がっ!
一晩お世話になった穂高岳山荘とお別れ。
初めて泊まりましたが、充電ブースなんかもあってかなり充実した山小屋という感じでした。
紅葉シーズンだからか、日・月という日程でしたがテント場も小屋もほぼ満室。北アルプスの人気っぷりがうかがえました。
朝日が眩しい登山道を下山。これくらいの時間でようやく身も心も完全に目覚めてやる気が出てきます。
そしてここから先は、ザイテングラートと呼ばれる区間。
過去に一度往復したことはありますが、もう7年前なのでほとんど覚えてません。
こんな感じの岩場がしばらく続きます。
ザイテングラート、名前こそいっちょ前な横文字で難所のように感じますが、そこまで難しいところはないです。
途中に鎖場やハシゴもありますが、普通に通れば問題なし。
下るにつれて迫力を増すのが穂高の岩壁。
日本屈指の岩峰は伊達じゃないです。
無事に登れたはいいものの、久しぶりの3000m峰だったもんで、下山後は筋肉痛に苛まれました。
正面に見えるのは常念岳。
眼下には涸沢も見えてきました。
小一時間下ってザイテングラートを抜ければ、あとは緩やかな道です。緊張する穂高の岩場もこれでおしまい。
朝7時を過ぎると、登ってくる人とすれ違うことも増えてきました。
だいぶ下ってきた。
岩の稜線をだいぶ俯瞰できるようになりました。
そして涸沢が近づいてきたところで景色が一変。
色づいた樹々が出迎えてくれる紅葉ゾーンに突入。
辺りが一転してカラフルな情景に包まれます。
赤、オレンジ、黄色、色とりどりの華やかな紅葉風景。
紅葉と穂高岳。
涸沢に来ると、あの尖った岩峰がいつも印象に残ります。
槍ヶ岳に匹敵するとんがり具合っすね。
下るにつれて赤色が増して、本当に綺麗です。
ここら辺はピークと言っていいくらい色づいてました。
バックに岩山が来ると、紅葉も余計に映えて見えます。
あの尖った岩山がやっぱり気になる。
凄い存在感。
涸沢のテント村も見えてきました。
月曜日でありながらも、なかなかのテントの数。
シーズンの中でも最も混むと言われているのが、この紅葉時期。やっぱり秋の涸沢は大人気ですね。
紅葉と奥穂高岳。
朝の8時、涸沢小屋に到着。
テント場のある涸沢ヒュッテのすぐ近くにある山小屋。
テラスからは御覧の通り、雄大な涸沢カールを一望できます。
涸沢のテント村に到着。
紅葉に負けないくらいこちらもカラフルです。
涸沢ヒュッテに到着。
涸沢の紅葉と言えば、やはりここからのアングル。
ピークには少し早かったものの、見頃を迎えていた涸沢の紅葉。
例年であれば9月下旬頃には真っ赤に色づくのですが、今年はだいぶ色づきが遅れていたようで10月に入ってもまだピーク手前という感じでした。
夏の高山植物もそうですが、紅葉もタイミングを合わせるのが難しいです。
奥に見えているのが先ほどいた涸沢小屋。
宿泊する際は涸沢小屋と涸沢ヒュッテを間違えないように。テント場があるのは涸沢ヒュッテになります。
よく比較される両者ですが、どちらも山小屋としては設備が充実していて見た目も綺麗です。
紅葉と対比して一層白い輝きを放つ穂高岳の岩峰。
天気も予想よりだいぶ良く、青空も広がってきてくれました。
涸沢パノラマ売店。よくビールとおでんの写真が撮られるのがここ。
休憩ついでに朝食にカレーでも食べようかと思いましたが、残念ながらご飯の営業はまだしていませんでした。
外のテラスでしばし紅葉を堪能。
これでも十分綺麗ですが、やはりピークを一度見てしまっているがゆえに、ちょっと物足りない気もする。
2015/9/29-30 涸沢の紅葉と奥穂高岳 テント泊登山
色づきがピークを迎えるとこれくらい華やかな景色が広がります。
日本国内でも有数の紅葉スポット。ぜひ一度は見てほしい景色です。
涸沢の紅葉も無事に見納めして下山。
上高地までの長い道を下っていきます。
ここから先は危険個所も一切なし。急登と呼べる箇所もなく道も緩やかです。
ただ長いだけ。
黙々と下っていく。
さすが紅葉ハイシーズンの北アルプス。本当に平日か!ってくらい人がいます。
涸沢から2時間ほどで横尾に到着。
槍ヶ岳方面と涸沢・穂高岳方面との分岐点。登りで利用する場合だと、これから始まる3000m級登山の重要な拠点になります。
下りだとここから先はひたすら平坦な道。
上高地まで距離にして約10km。個人的には森の雰囲気が結構好きなので、片道であればそれほど苦にはなりません。
が、とにかく長い……。
横尾から1時間ほどで徳沢に到着。
ここで涸沢で食べ損ねたカレーを食す。
ビーフカレー、うまし!
具もたくさん入っていて、山の中で食べるカレーとしてはクオリティーかなり高め。
軽く2杯はいけたな。
徳沢からもまだまだ先は長い。
ここのテント場は芝生が敷かれて寝心地も最高なので、ぜひまた泊りに来たいところです。
さらに1時間ほど歩いて明神に到着。
ここまで来ると雰囲気もだいぶ観光地と化して、ジャージ姿の学生さんもいました。遠足なのかな?
都内の学校だったもんで、山の遠足が高尾山だった身としては、上高地だなんてなんとも贅沢で羨ましいです。
明神まで来ればゴールまでもう間もなく。
梓川の沢の音を聞きながら上高地へと赴く。ここら辺は水が本当に綺麗です。
普段着姿の観光客とすれ違うことも増えてきました。
上高地の名所・かっぱ橋に到着。
1日目、この橋を渡って重太郎新道から前穂高岳へと登ったわけですが、中身の濃い2日間だったのでだいぶ時間が経過しているように感じました。
こうして上高地バスターミナルまで歩いて1泊2日の登山が終了。(横尾からの平坦な道、やっぱり長かった……)
危険もあった岩山登山でしたが、無事に終われて良かったです。
下山後の温泉は、沢渡からおそらく一番近いと思われる梓湖畔の湯へ。
露天風呂あり。風呂場はそこまで広くはないですが、昼過ぎの平日というのもあって空いていて快適に入れました。
松本と言えば山賊焼き。「ものぐさ太郎」というそば屋が行きつけになりつつあります。
山賊焼きと十割そばを堪能できるので、登山後にガッツリ食べたいならお勧めです。
こうして秋の北アルプス縦走登山が終了。
1日目の前穂高岳~奥穂高岳登山と合わせて、楽しい2日間でした。涸沢の紅葉はもちろん、涸沢岳から見たご来光が特に目に焼き付いた景色でした。
最近は山に登っても日帰りが多かったので、なんだか久しぶりに山からの朝日を見た気がします。
やっぱり年に数回は泊りの登山がしたいですね。
2022年、最後のアルプス登山でした。
読んでくださりありがとうございました!
【日程】
2022年10月2日~3日
【コースタイム】
・2日目
5:30 穂高岳山荘
5:45 涸沢岳
6:20 穂高岳山荘
8:00 涸沢ヒュッテ
10:30 横尾
11:30 徳沢
12:20 明神
13:15 上高地バスターミナル
コメント
おお、私も9月の29日~10月1日で奥穂へ行ってきました。上高地~徳澤一泊~穂高岳山荘一泊~上高地です。ニアミスでしたね。なんと徳澤園には信州割でほぼ半額で泊まれました。
昨年は夏も秋も天候不順でストレス溜まってましたが、この9月下旬~10月上旬はほぼ1週間晴天が続いたんですよね。下山は土曜日、ビビるくらい人が上がってきました。すれ違いに時間がかかり最終のバスに間に合わないかと焦ったほどです。紅葉は確かにイマイチだったけど、涸沢の本気を見ました。
エルエルさん、こんばんは。
なんと!入れ違いだったんですね。
例年であれば涸沢の紅葉最盛期だったんですけどね。昨年は結構色づきが遅かったみたいで少し見劣りはしましたが、それでもやっぱり穂高連峰と合わせて素晴らしい眺めでした。
ここ最近は泊まりで山に行く機会も減ってしまったので、山の上からご来光を見れただけでも嬉しかったです。
こういう天候に恵まれた登山を今年もしていきたいです。エルエルさんも、どうか素敵な山ライフを!